☆『神様のカルテ2』☆
先月、3月30日(日曜)のハナシ。
改めて、拙ブログの崩壊ぶりをしみじみ感じるなぁ・・(涙)
ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で鑑賞して来たのは・・“地域医療ドラマ”の続編となる『神様のカルテ2』だった。
前作では、とにかく物語そのものより「主人公の髪型(=おばはんパーマ)」にばかり世評が集中したようだが(なの?)、今回はその手の「“見た眼”系ツッコミポイント」が余り配されておらず、より生真面目な(ある意味退屈な?)ドラマに仕上がってたようにも感じた。ま、決してそれが悪いワケではないンだけど・・(⌒~⌒ι)
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長野県松本市にある本庄病院。ここは、その屋上に設置された巨大看板に『24時間365日』なる文句も踊る、信州エリアの医療の一翼を担う“不夜城”とも言うべき地方医療機関である。
そこに勤務する栗原一止(いちと:櫻井翔)は、少なくない当直も含む激務を淡々とこなしつつ、家庭では妻=榛名(はるな:宮崎あおい)と静かに仲睦まじく暮らす青年内科医。
そんなある日、東京から新しい常勤医師の赴任が知らされる。
やって来た青年医師の姿を見たイチ(=一止)は驚きを隠せなかった。
と言うのも、彼=進藤辰也(藤原竜也)は、イチにとって“医学部の同期生”でもあったからだ。
かつては“医学部の良心”とも言われたタツ(辰也)だが・・本庄病院で彼の見せる“仕事に対する、割切った姿勢”は、看護師ら医療スタッフや、イチ自身が(彼に)寄せる期待を大きく損なうモノだった・・
唯一、そんなタツに対し“理解めいた態度”を示すのが、イチの先輩医師でもある“大狸先生”こと貫田誠太郎(柄本明)。
やがて、夫婦同士の交流の始まった栗原夫妻(イチ&ハル(=榛名))と貫田夫妻(誠太郎&千代(市毛良枝))だが・・そんな「穏やかな日々」も永くは続かなかった。
貫田夫妻を襲う突然の悲報。
そして、タツの“知られざる私生活”には、イチもかつて(=医学生時代の彼女)を知る、東京に暮らすタツの妻=千夏(吹石一恵)を巡る“とある理由”が深く関わっていたのだ・・
※
意外にも「医療系の邦画にはハズレがない!」と、これまでの鑑賞経験から実感しとるワタシ。まぁ「日常的に“生と死”の描かれる、ドラマティックな舞台設定」となれば、医療機関以外にはなかなか有り得ないワケで・・必然、ハナシ自体も「エエもんが造り易い」って事は自明なんだけど(=^_^=)
前作のキャラ設定が、巧い具合にワタシの記憶(おもひで)からぽろぽろと抜け落ちてて(泣)、登場人物によっては「踏み込みが甘い(=立ち位置が悪く、主要人物&イベントへの絡みが浅い)」「ってか、出演する意味自体あったの?」と感じるトコも少なからず。
また「(一見)主要人物を思わせるけど、実際には大した印象も言動も残せてない」キャラもいたりした。今回(2作目)では、その存在だけを(まず)チラつかせ、次作(3作目)で大きく(物語の本軸に)絡ませるつもりやろか?
今後「ぽっかりと空いてしまった“(主要キャラの)穴”をどう埋めるのか?」「本庄病院の経営はどんな方向に進み、主人公らは(それに対し)どんな姿勢を示すのか」と言った“気になる点”は出て来たんだけど、その辺りをきちんと描いてくれるとすれば、次作にも大いに期待したいトコである(=^_^=)
〜 こんなトコも 〜
・冒頭、5分間もの“仮眠”を経て、再び現場(診療)に向かう主人公。「いったん出て行くも、眼鏡を取りに戻って来る」と言う長回し演出が印象的。
・セリフ内で語られる「ラクテック」は「点滴液」の1ツなんやね。
・主人公の平均的な診療時間「患者1人につき平均11分半」が「長い」と事務長に突っ込まれてた(・ω・)
・栗原夫妻の住む「御嶽(おんたけ)旅館」の固定電話の壁面に「長電話しないで下さい」の貼り紙が。最近余り眼にしない注意書きやね。
・医大生時代、将棋部に所属してたタツとイチ。戦績は「520戦519敗」でタツの圧勝だったそうだが・・その(イチの)1勝こそが気になる(=^_^=) その回だけ「将棋崩し」だったんか?
・今作では夏目漱石でなく、芥川龍之介『河童』や志賀直哉『和解』を院内で読んでた主人公。
・主人公の休みは「年に3日」とセリフで語られてた(×_×) 学会に出掛ける時間もないじゃん。。
・某夫婦の過去に大きく関わる「常念(じょうねん)岳」は、日本100名山の1ツに数えられる長野県の山(標高2857m)。
・不意にコーヒーを頭からかけられる某人物。『プロジェクトA(1983)』の劇中、酒場で挑発されるジャッキーを思い出した(=^_^=)
・劇中に登場する「開運堂」の和菓子に興味津々。「おやき」と言うのも詳しくないので、いつか食べてみたい。
・某糖尿病患者が「1~5階の階段往復を日に5回、飲み物は水とお茶だけで」と指導されてた(×_×)
・「連ねたダルマ」がお炊き上げされてるシーンがあったが、アレって「善光寺の祭事」やろか?
・サラ・ブライトマンが、書下ろし主題曲を歌っとるが・・何とも「タイアップ臭」が強過ぎて好かなかった(⌒〜⌒ι)
・原田泰造、濱田岳は、余りに「尻切れ」なキャラ、、
・大狸先生の“こっそり車椅子移動ネタ”は『ニューイヤーズ・イヴ(2011)』に於けるデ・ニ〜ロ様を巡るシーンと異常に似てた。。
・藤原竜也&吹石一恵の共演は、三谷幸喜作・演出の舞台『ろくでなし啄木(2011)』での組合せ(カップル)と一緒で、そちらばかり思い出してしまった(=^_^=) ついでに、医学部時代の同級生役とし、中村勘太郎さんにもカメオ出演しといて欲しかったり。
・主任看護師=東西直美役を演じる“ち〜ちゃん(池脇千鶴)“は、もう一歩ほど物語に絡んで欲しかったトコか?
・ますます渋い西岡徳馬さん。北野武監督作品に出演されても“貫禄充分”だと思う。
・看護師長役の吉瀬美智子さん、先輩医師役の要潤さんは“(1作目からの)続投”だそうだが・・前作の印象がすっかり(ワタシの中で)欠け落ちてた(⌒〜⌒ι)
・「一般の患者に向き合う」と言う視点で描かれた物語ではなかった。まぁ「いざ自身が病魔と戦う」となれば、医師である以前に(誰もが)“ひとりの人間であり、患者”となってしまうワケなんだけど。
・タツは“(3作目への)続投”がほぼ決定か? これでキャスティングが変わったら、本シリーズも「揺らぐ」やろね。。
・終盤で、唐突に「前面に」飛び出して来る本庄病院の院長先生。かなり「美味しい」なぁ〜(=^_^=)
・ラストで、主人公に“吉報”のもたらされるノリは、まるで『釣りバカ日誌(1988)』を観てるようだった(=^_^=)
・「同業者のお忍び入院ネタ」はクスッと笑えた。あら・・良く観たら『大洗にも星はふるなり(2009)』のチョイ悪マスター(佐藤二朗)じゃないっスか(爆笑)
・「主人公の髪型変更」こそ、やはり本作最大のニュースかも知んない(なの?)
・信州の祭事など、ロケ撮影を発揮した映像もそこそこに堪能できた。河瀬直美監督辺りの影響もあるんかな?
・反対に「東京を映した映像」は殆ど盛込まれてなかった気がする?
・ハルには「屋久島撮影旅行」の経験があるんやろか?
~ こんなセリフも ~
イチ「有難い事に、5分も寝てしまいました」
「何の根拠もないが、統計的には“私の当直の夜”に
救急搬送が多い」
「(遅れたのは)当直明けで、朝に急患が入ったからです」
「ようこそ。医療の底辺へ」
「顔が酷いのではない。疲れが酷いのだ」
「医師である前に人間です」
「1局、やらないか?」
「お前が落ち込む事ではない」
「医師としての英智を繋いでいく」
「治らない患者は見棄てろと?」
「医師の話ではない。人間の話をしている」
「算盤(そろばん)も肩書も投げ棄て、
その身1ツで言葉を発するべきです」
「・・14:20・・御臨終です」
「先生の志と希望は、僕らが受け継いでゆきます」
「これは、1人の人間がくれた“神様のカルテ”です」
「では、失礼して」
タツ「主治医の役割は充分に果したつもりです」
「ここは随分、看護師が元気な病院だな」
「主治医って何だ?」
「ただ医者ってだけで、食事も睡眠も保証されない」
「お前の家族は(それで)納得してるのか?」
「悪いが、君とは優先順位が違う」
「医者の個人的な事情を
気にしてくれる患者がいるか?」
「狂ってると思わないか? 立派な医者って何だ?
夫婦って何なんだ?」
「強力な化学療法をもってしても・・」
「強力な化学療法は、何かを奪う事にもなります」
「疲れた時は、僕らスタッフが全力で支えます」
「羨ましいな・・こんな風に支えてくれる
人が傍にいて」
「君を一番追い詰めていたのは、
僕だったのかも知れない」
「これからは、2人じゃなく、
3人で歩いて行くんだな」
「ここを選んで正解だった」
ハル「これからは“屋久杉さん”と呼べなくなるんですね」
「何か“大変な事”が起きているんですね」
『苦しい時に限って、私のいる事を忘れてしまう。
イチさんの“悪い癖”です』
「私も支えて貰ってますから」
「他の灯りで隠れていただけで、
ちゃんと光り続けていたんですね」
貫田「そんなに簡単に、夢だの希望だのが
ころころ転がってて堪るかよ」
「医者が頭で考えるのは、一番駄目なんだよ。
医者は頭で考えちゃ駄目」
「どの世界にも“憎まれ役”は必要です」
「こう言う悲しい事は、もう「なし」にしてぇよなぁ」
「もうOKだ。
抗がん剤でも、ステロイドでも始めてくれ」
「“医療に捧げて来た時間”に後悔はないよ」
「いざ(妻と)顔を突き合わせる時が“看病”とはね」
「さぁ・・どうだかねぇ」
「仕事を取るか、家族を取るか・・
それはいつも“最大の難問”だ」
「“人間らしい生活”なんて、
なかなか手に入らない」
「おやき、要らない」
『星なんて、どうでもいいんです。
大事なのは、あなたなんです』
「青臭くていいんだ」
「希望ならあるよ。ここがそれだ」
「希望は・・君たちだ。後は頼んだよ」
「長い間、有難う」
「あいつら、何処に行ったんですかね。
さっきまで、その辺にいたんですが。
山小屋に戻ったかな?
良かったら、座りませんか?」
「夏の常念岳が一番好きです」
「星なんか、どうでもいいんです。
大事なのは、あなたなんです」
千代「医者なんてね、病院に呼ばれた途端に、
他の事を忘れちゃうんだから」
「傍(そば)に居なくても、気持ちは寄り添える」
「皮肉なものね。やっと手にした時間が、
やっぱり“病院の中”だなんてね」
「何にもしてないのに、どうして
“病院にいるだけで疲れる”んでしょうね」
「有難う・・覚悟が出来たわ」
「この町でも、星をあんなに見れるのね」
東西「青い・・青いわぁ」
「昨夜、そんなアクシデントはありませんでした」
屋久杉「成る程・・コレは“有り”っスね」
男爵「“やりたい道を進む”と言うのは、
大事な事なんだ」
高山「今日は“医者の顔”をして、来てしまいました」
金山「医療はボランティアではありません。ビジネスなのです」
患者「食べました。すんません」
「強制退院、ですかね」
「実は“同業”なんです」
「でも、そんな“損した医者”でいて下さい」
院長「常識を突き崩して、理想にばかり走ろうとする
青臭い若者が、私は嫌いだ。
だが、その理想すら持たない若者はもっと嫌いだ」
スタッフ“10分後に救急車、入ります”
なつな「うん、パパ。栗原よりカッコいい!」
※「この町の最期の灯を消してはいけません」
「医者は“医者としての理屈”で動くしかない」
「相変わらず“不器用な男”だな」
イチ「何を祈ったのだ?」
ハル「色々です」
イチ「“一緒にいる”だろう?」
ハル「いいえ。私はいつも“置いてきぼり”です。
イチさんの“悪い癖”です」
タツ「久しぶりだな」
イチ「何故・・お前が」
イチ「何故、こんな所にお前が?」
タツ「まぁ、色々・・」
外村「進藤先生・・“落ちてた”わよ」
イチ「願ったりです」
千代「あの人に、言うんですか?」
タツ「もう、ご存じだと思います」
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