既に鑑賞から半月以上が経ってしまってますが、、(×_×) 宜しければお楽しみ下さい~
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12月18日(火)の夜。
仕事で出掛けた東方面の某県内にある“シネマサンシャイン”で観たのは、密かに期待値を高めていた“御大=クリント・イーストウッド”主演の最新作『人生の特等席』だった。
“御大”と言えば・・『グラン・トリノ(2008)』に於ける「らしくない退場ぶり(或いは、最も彼らしい退場ぶり??)」には、困惑もさせられ、衝撃も与えられたワタシだったワケだが、、その後4年を経て、再びスクリーンで(お元気&頑固そうな)その姿を拝む事が出来、ホッとした気持ちは正直あった(・ω・)
『ヒア アフター(2010)』は“とある事情”から、劇場公開が早々に終了してしまったし『J・エドガー(2011)』は、都合がつかず観る事が叶わなかったため、何とも久しぶりに“御大”と触れ合えた気がする。向こうにすれば「知ったこっちゃないね」と苦みばしった表情でもって、嗄れた声で吐き棄てる程度の事だろうけど・・(=^_^=)
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アトランタ・ブレーブスに属する“伝説級”のメジャーリーグ・スカウトマン=ガス・ロベル(クリント)は、今や排尿行為にも勢いのない(おい)、頑固な老人であるが「長年培った経験&勘は、今もって錆び付いていない」と言い切る程の自尊心はまだまだ健在だった。
そんな彼に託されたのは、リトルリーグで華々しい打率を誇る高校生スラッガー=ボー・ジェントリーに関する調査だった。ドラフトで(彼に対し)1位指名を目指すチームの“分析マネージャー”フィリップ(マシュー・リラード)は「コンピュータ時代に全く対応出来ていない」古いスカウトスタイルに固執するガスを煙たがっており、3ヵ月後に迫った(ガスの)契約更新は、望みの極めて薄いものでもあった。
そんな中、ガスの所へ(ほぼ時を同じくして)やって来た人物が2人。
1人は、父親の視力低下(原因:黄斑変性か緑内障)を心配し駆け付けた、中堅弁護士となった33歳になる娘=ミッキー(エイミー・アダムス)。
もう1人は、かつてガスが見出した元リーガーで、現在はライバルチーム(レッドソックス)に属する駆け出しのスカウトマン=ジョニー・フラナガン(ジャスティン・ティンバーレイク)。
6歳で母=ジョアンナと死別後、父に見棄てられ、親戚に預けられ育ったミッキーは、久しぶりに父と再会を果すもどうにもギクシャクとしたやり取りしか出来ない。そしてそれはガスにとっても同様だった。
やがて“野球ネタ”が縁で親しくなったミッキーとジョニーだったが・・ガスがジェントリーに対して下した“結論”が、彼ら2人の運命にも波乱を引き起こす事となるのだった・・
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冒頭に表示される「ア・マルパソ・プロダクション(A Malpaso Productions)」の文字に何となく“名作保証”にも似た安心感を覚え、同時に高揚感も高まるワタシ(=^_^=) 実際には、さほど打率の高いモノじゃないのかも知れないが、今のトコ、激しく裏切られた記憶はない(・ω・)
題材が「野球」なので、何処まで劇中のネタ(セリフやウンチク)について行けるんやろ? と思ったが、それ以上に「父と娘のドラマ」ちぅ比重が高かったので、そこは心配無用だった。
観終わると「主人公は、実はミッキーだった」って事に気付かされたりもするんだが、彼女が“本格的に”物語に関わるまでは、確かにガスが画面の多くを占めていた。そう言う意味では、本作に於ける“御大”の立ち位置ってば、なかなか面白かった。
様々な男優が劇中に登場するが、いずれも「総じて言えばヘタレ」ってトコがあり、ミッキー姐さんの“鉄火肌(な言動)”を楽しんでスカッとするのが正しい見方とも言えるんかも(=^_^=)
“御大”は、物語の最後で「さて・・俺はバスで帰るとしよう」と飄々と言い放ち(画面奥へと)歩き去ってゆくんだが「まだまだ頑張って欲しいな~」と感じたのは、恐らくワタシだけではないように思う(=^_^=) 両腕で支えても良いから、マグナム銃を再びぶっ放して欲しい(=^_^=) ←どんな役柄だよ!
~ こんなトコも ~
・“灰色リス・モーテル”に於ける、某母子の“余りに長いフリ”には、すっかり翻弄されてしまった(⌒~⌒ι)
・スランプ選手を「家族に引き合わせる事」だけで打率が上がるってんなら、どんどんやったげましょうよ(=^_^=)
・向こうの医療機関では、視力検査用の台紙(?)に「C」代わりに「E、I、P、Z・・」などとアルファベットが列記されてる。
・水着も持たぬ2人が、いきなし服を脱いで泳ぎ出すシーンで、女性客はジャスティンに浮かれ、我々男性客は「一線を踏み越えない」エイミーにガッカリさせられるワケで(⌒~⌒ι)
・球団オーナー=ヴィンス役に、ロバート・パトリック。善人だか悪人だか(パッと見)分かんない“不気味さ”はこのしとならでは(=^_^=)
・『ファミリー・ツリー(2011)』に続き、マシュー“スクービィ・ドゥ”リラードに与えられた役柄は、極めて姑息な造型のキャラだった。。
・劇中で“You are my sunshine”なる曲が効果的に引用されてた。レイ・チャールズもカヴァーしたそうだ。歌そのものも良いが、それを“御大”が亡き妻の墓前で“君は俺を照らす太陽だ 曇っていても幸せにしてくれる 君は知るまいが こんなに愛している どうかこの陽差しを消さないで欲しい”と口ずさむのが素晴らしい。
・ブラックベリー(BlackBerry)携帯は、観客の予想通り、そばにあった「アレ」にポイされてしまった。
・劇中、セリフに登場するアルバート・プホルスはドミニカ出身の実在のメジャーリーガーだそうだ。
・クロッギング(clogging)と呼ばれるダンスが登場。躍動感に溢れてて楽しそうだが、実際にやってみるとすぐにバテるやろな(×_×)
・「お爺ちゃんが自動車事故を引き起こす事例」が意図的に描かれてた。対物の自損とか、相手車ありの人身とか。。
・挿入される“過去映像”中で、若き日の“御大”がパンチを放ってた! 過去主演作からの引用やろか? それとも再現CG?
・劇中での、俳優としてのアイス・キューブに対する評価がやたらと高くて笑えた。
・ボー・ジェントリー君のメジャー選手になりたい理由が「女祭りがしたいから」と言うのが、余りに性欲に溢れ過ぎてて苦笑させられた。
・「長嶋茂雄がかつて、電話越しに(素振り時のスイングの音の違いで)松井秀喜をコーチした」と言う逸話があるが、その信憑性を裏付ける脚本でもあった(?)
・ジョン・グッドマンの雰囲気がちょっと変わってて(?)、終盤まで気付かなかった。
・中継ぎ投手は「肩を壊す」までひたすらに酷使される世界でもあるらしい(×_×)
~ こんなセリフも ~
ガス「頑張れ、そうだしっかりしろ」
「ショボショボしやがって」
「笑うな、この役立たずめ」
「ウチの娘の球の方が速い」
「ヨガだと? カルトにでもハマったか?」
「お前は野球の心配だけしてろ」
「コンピュータなんぞ“野球を知らん奴”が使うもんだ」
「大事なのは“良いスカウト”さ。
コンピュータに“選手の勘”など分からん」
「リタイア後? ラクなんかしたくないね。
ギャラを上げ、すぐに再契約してみせるさ」
「誰だ? 泥棒なら何でも呉れてやるが、
TVだけは・・盗(と)ったら殺す」
「医者なんて、右と左の違いも分からん。
毎年、何件も臓器(の左右)を間違えて摘出してるだろ?」
「優れたシェフの言葉だ・・“喰い物は温かい内に喰え”」
「アイスキューブは多彩な男だ」
「腰の回転を観ろ。スムーズにバットを振れているかをな」
「行くか?(Ready?)」
「球を見て、球を打て」
「たかが28歳で、何故“生きてて良かった”なんて分かる?」
「悪酔いか?(Moonshine?)」
「ニュージャージーの州鳥だと?
引っ掛け問題だな? あの島に鳥なんかいない」
「勘定だ!(Give me a goddamn Check.)」
「奴は※※※が打てない?」
「手が泳いだ。“純粋な音”なら、聴けば分かる」
「“棄てる勇気”も必要だ」
「金属バットを使えば、女の子にだって本塁打は打てるさ」
「その眼でいつ試合を見た? 総て“パソコンを通じて”だろ?」
「こんな別れは、良くない」
「そろそろ引退の時期が来たようだ」
「こっちの方が大事だった」
「こんな事で、将来を棄てるな」
「ラクなど求めちゃいないさ」
「良く観ろ。あれが“打てない奴”だ」
「娘は、此処にいる誰よりも野球を知ってる」
「俺もこれから変われるかも知れん」
「だから“考えとく”と言ったろ?」
「さて・・俺はバスで帰るとしよう」
ジョニー「悔いは残るもんさ」
「1杯おごるから、元気出せよ」
「心に壁があるから・・君は独りなんだ」
「驚異の3割バッターも“7割は凡退”って事だ」
「踊ろう(Move on me.)」
「君はまるで隙がないんだな・・それで満足か?」
「シングルモルト(ウィスキー)をラッパ呑み?」
「考え過ぎだ(Too mach thinking.)」
「いいさ。待つよ、何時までも」
「“仕事を忘れて楽しむ”のが恐いか?」
ミッキー「アタマに来たわ(You piss me off.)」
「私と勝負する? 負けるのが好き?」
「何であなたが(私の)隣にいるワケ?」
「パパと過ごす人生は3等席(チープ・シート)なんかじゃない。
(人生の)特等席だったわ」
「話してよ(Talk to me.)」
「出来るわ、大丈夫(I can do that. It's all good.)」
「“純粋な音”を聴いたの」
ボー「メジャー(選手)になれたら、毎日が“女祭り”なのさ」
「今日はドジるなよ(Don't suck today.)」
「俺のサインはすぐネットで売らないで呉れよ」
ガス「来るなら来るで電話ぐらいしろ」
ミッキー「したら断わられるから」
ガス「・・当然だ」
ミッキー「ここ、ぶつけたの?(What happens here?)」
ガス「ガレージが縮んでな」
ガス「こんな店に来るな」
ミッキー「“もっと酷い店”を覚えてるけど?」
ガス「いざとなりゃ、死んでやるまでさ」
ミッキー「それを聞いて安心したわ」
ガス「俺は変われない・・もうこんな俺に構うな」
ミッキー「努力もしないで言わないでよ」
ミッキー「すぐに賛否(の結論)を出せる問題じゃないわ」
グレッグ「・・それが“答え”って事だな?」
ジョニー「何処へ行く?」
ミッキー「あなたとの“安全な距離”を保ってるだけよ」
ミッキー「緊張してる?」
リゴ「いえ、楽しみです」
追記:“とある音”に気付いたミッキーが、モーテルの外に出てみると・・椅子に縛り付けられた加瀬亮が、顔面で・・ って展開だったらイヤだな(⌒〜⌒ι)
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