☆しぶとくゲージツの晩秋(MIHO再訪)☆
7日(日曜)。
昨日に続き、風こそは肌寒いものの、天気の良い1日となった☆
昨日は、起きた時点で既に午後に突入してしまってたため、自室にこもり(久々に)溜まってる新聞切りなんぞに精を出したが・・今朝は午前中にも(一応は)スッキリと目覚めることが出来たので、
「そや、クルマに乗ろ!」と決め、再び滋賀県は信楽町内にある『MIHOミュージアム』へとドライヴがてら出かけた☆(あんたも好きねぇ〜)
実を言えば、前回は後半にやや駆け足気味だったのもあり「展示の美術品群も大事だけど、それらに添えられたコメントたちをもう1度完全に読んどきたい!」と言う気持ちが直後から高まっていたモノである。
http://tim3.cocolog-nifty.com/blog/cat30597104/index.html
※前回の訪問については、上記より「11月11日の記事」を参照下さいね。
特別展である『2008年・秋季特別展(良寛生誕250年)〜大和し美(うるは)し〜川端康成と安田靫彦(ゆきひこ)』がいよいよ来週末(14日(日曜))で終了となり、それに伴いミュージアム自体が冬期休館となるため、行くならここらが勝負やろ!(路面が凍結したら大変やし・・)ってのもあった。
今回は往復ともフルに下道で。。ワタシらしい、と言おうか(=^_^=)国道307号線をアオり、アオられつつ(=^_^=)延々と信楽まで突っ走る感じだ。
正直、心の中に「1人で来館した客には、何か“アプローチ”があるのとちゃうやろか?」的な不安もなかったと言えばウソになるんだが・・いやいや、まさに“芸教分離(←って言うの?)”って感じでホントにジェントルな施設でした。
既に秋も暮れ、境内・・じゃない、敷地内の紅葉もすっかり散ってしまってはいたが、(駐車場などで)ススキの穂がそこここで黄金色に輝き、風に揺れてるのを眼にし「これもこれで秋の風景であり、風情だわな」とささやかに心を楽しませるワタシだった。
では、今回も(=^_^=)館内でメモしまくった言葉の数々を少しばかり紹介させて頂きたい。
【川端康成】
「美術品、ことに古美術を見てをりますと、これを見ている時の自分だけが、
この世の生につながってゐるやうな思ひがいたします」
「秋の野に鈴鳴らし行く人見えず」 ←“野”“鈴”で“ノーベル”てな解釈もあるとか、、
「東山(魁夷)さんの絵は、古今のすぐれた画家の作品がさうであるやうに、
見慣れてしまうということはなく、時によつて、むしろいつも、新しい見出しを感じる」
「人間は死後の世界まで、生前の世界の人間の姿で生きていなければならないといふことは、
もつと悲しい人間の習はしと、私には思はれてなりません」 ←『叙情歌』より
「いよいよ天城峠に近づいたと思ふ頃、雨脚が杉の密林を白く染めながら、
すさまじい早さで麓から私を追つて来た」 ←『伊豆の踊子』より
「いかなる犠牲を拂(はら)ってもと存じましたが、先約のところへ行ってしまひました。
残念でなりません」 ←古美術蒐集にかける執念!
「この子犬の恰好は今初めて見る感じだが、前にそつくり同じ恰好を見たと感じた。
信吾はしばらく考えた。「そうか。宗達の絵だ。」とつぶやいた。
今見る黒い子犬の姿に品格と優美とを加へたのが、そつくりあの絵だ」 ←『山の音』より
「古い日本が私を流れて通つた。私は生きなければならないと涙が出た。
自分が死ねばほろびる美があるやうに思つた。私の生命は自分一人のものではない」 ←『天授の子』より
「美に古今なく、今日に伝はつた美を今日の美と感じて今日使ふのは
今日に生きるしるしの一つのやうに、私は思つている」
「どの角度から見ても、わざとらしさや破綻はない。みごとである」
「はじめて出合ったやうな、これまでにどこでも見たことがないと思つたやうな、
このやうな邂逅こそが、文学ではないのでせうか、また人生ではないのでせうか」
「(一茶の句の)「うつくしや」といふ、ありふれた存在の言葉に、美が発見され、創造されています」
「私は安田先生の存在を貴重とも幸福とも思つている」
【安田靫彦】
「弘(ひろ)く見、深く見ることによって、いいもののよさが本当にわかってきて、
本当のいいものの姿がはっきりしてくる。高い山を眺めるには、
麓から仰いで見たのでは美しくない。こちらの眼の位置を高く上げてくると、
高い山の本当の美しい姿が現れるようなものである」
「名作によって教へらるるところ多大です」
「古典は決して死んでいない。常にわれわれと倶(とも)に在つて、われわれに教へてくれる」
「品位は芸術の生命である」
「人は常に目に見えないものを求めて止みません。
美しいものも、今見えているものよりも、もつと深いものを求めます」
【三島由紀夫】
「(川端さんの)『美しい日本の私』の、読後心に残つて忘れられないのは、
伊勢物語の「三尺六寸の藤の花房」のことであります」
で、またもや“川端ショック”を受けたワタシは(=^_^=)、関連書籍の揃えられた販売コーナーで、3冊も文庫本を購入してしまうのだった。。
・東雅夫編『文豪怪談傑作選/川端康成集・片腕』(ちくま文庫)
・『川端康成/三島由紀夫 往復書簡』(新潮文庫)
・中条省平著『小説家になる! 芥川賞・直木賞だって狙える12講』(ちくま文庫)
※最後の1冊は家人へのプレゼント用(⌒〜⌒ι)
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