2014年6月21日 (土)

☆『青天の霹靂(せいてんのへきれき)』☆

5月25日(日曜)の夜、ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で鑑賞したのは、劇団ひとりの同名小説を原作とする『青天の霹靂(せいてんのへきれき)』だった。

原作(小説)そのものは「2010年刊行」との事だが、劇団ひとりとし「2作目の書き下ろし作品」であると共に「前作『陰日向に咲く(2008)←原作(小説)は2006年刊行』に続く映像化」であり、今回は「“初”監督+脚本+出演」を全部やっちゃってて、そこは確かにスゴい才能であり、類稀(たぐいまれ)なる幸運やなぁ〜と感心せざるを得ない。

バラエティ番組での劇団ひとりの“スゴさ”を(未だに)良く分かってないワタシなモノで、、俳優としての彼の演技(言動)を眺めるに『嫌われ松子の一生(2006)』にせよ『ゴールデンスランバー(2010)』にせよ『8日目の蝉(2011)』にせよ『麒麟の翼(2012)』にせよ「イマイチ弾けてないなぁ」と残念に思ってもしまうワケだが、それはそれできっと「定評のある、彼ならではの“キャラ造型”なんだろうかな」と解釈する事としたい(・ω・)

でもいつか、ドタバタでメチャクチャなアクションコメディを執筆+監督+主演してみて下さい(⌒〜⌒ι)

轟(とどろき)晴夫(大泉洋)は30代後半の平凡な男。学歴も稼ぎもなく、凍える夜に肌を温め合う(?)ような恋人もいない。

かつて「一流マジシャン」を目指した彼であるも、結局は(芸歴20年の)才能が陽の眼を見るワケでなく、今は東京の片隅にあるマジックバー「のぶきち」で酔客を相手にテーブルマジックを淡々と披露している日々・・

自宅アパート「正緑荘」(?)の水漏れで、部屋が水浸しになったりもし、淡々と落ち込む中、荒川東警察署から「あなたの父親である轟正太郎さんが亡くなったので、遺骨を引取りに来て貰いたい」と電話連絡を受ける。

長年、音信不通だった父は、(鉄道の)高架下でテント暮しを続けており、先日に界隈の河川敷で脳溢血により急死してしまったのだった。

父親の“余りにあっけない死”を唐突に突き付けられ、自身の現在置かれた境遇にも情けなさを感じ、川縁で立ち尽くし落涙する晴夫。

そこにピンポイントな白昼の落雷があり、直撃を受けた彼はその場に倒れ込むのだった・・

・・

眼を覚ました晴夫は、何故か“昭和48年(1973年)10月”の同じ場所(河原)にいた。

浅草に向かった彼は、やがてそこで若き日の父母(劇団ひとり、柴咲コウ)に出逢い、自身の出生にまつわる秘密を知る事となる・・

ジャンルとして「タイムスリップもの」に分類されよう本作だが、科学的な考察なんかには(意図的に)全く触れられず「何で?」と疑問を覚える前に、ストーリーがハイペースで展開するため、何となく誤摩化されてしまったワタシである(⌒〜⌒ι) ←本作そのものが「絶妙なマジックのテイスト」を有してたり(=^_^=)

約96分と言う「しんどくなって来ない上映時間」に、ゆったりテンポなドラマを練り込んでるのだが、私的にはどうにも『地下鉄(メトロ)に乗って(2006)』『異人たちとの夏(1988)』を連想させられっぱなしだった。って言うか、本作を観た「ある程度シニアな観客層」ってば、誰もがこれらの作品を連想するんじゃなかろうか?

思いっきりのコメディを期待してたら、さほどでもなく、中でも劇団ひとり演じる轟正太郎なる人物の「劇中で一貫してのやる気のなさ、駄目っぷり」が本作の印象を“残念なもの”に変えてる気がした。いや別に「劇団ひとりがミスキャスト」と言うワケじゃないんだが、もうちょっと気合を入れて「観客を笑わせにかかる“父子共演のマジック&コント”」をたっぷり拝見したかったのである。そちらこそが優先されるワケで、大泉洋による「クライマックスのソロマジックシーン」なんぞは、もっと尺を詰めても良かったぐらいに感じた。

(折角の)過去世界の「広がり」なんかも余りなかったし、柴咲コウの魅力もさほど引き出されてはいなかった。カメオ出演陣も目立たないし、現代に戻ってからの晴夫の境遇の変化(=未来の書換え)みたいなトコも「蛇足的にシーンを追加しろ」とまでは言わないから、せめて「エンディングに於ける静止映像群」なんかでもって、ちゃんと(我々の知りたいトコ)を描いて欲しかったものだ。例えば『WOOD JOB!(ウッジョブ!)/神去なあなあ日常』のエンドロールのように。

また、劇団ひとりってば「ホームレス(の方々)に対し妙なシンパシーを感じてる」のか“彼らはね、決して侮れない方々なんですよ”とでも「伝えたがってる」風を感じた。「ホームレス」と「人情コメディ」をくっ付けるその思考は、やはりチャップリン作品に影響されたモノやろか?

キャッチコピーが『笑いと、たぶん一粒の涙の物語』である本作だが、、涙はひと粒たりとこぼれず、笑いに対しても消化不良感の残されたワタシだった。

〜 こんなトコも 〜

・晴夫の自室にあったDVD群の主演女優「麻生希」は“ガチな女優さん”だった(⌒〜⌒ι)
・オネェマジシャン=澤田(柄本佑)を、ちょっとは劇中でやっつけて欲しかったんだが、、 何だか『涙そうそう(2006)』に於ける船越英一郎のような“勝ち逃げ”っぷりだった(・ω・)
・あの少年が“のぶきち”だったって解釈で良いんだろうか?
・スーパーで「80円引きセール開始」を待ちつつ、それを隠したがる主人公。いやいや、誰しも待ってますってば(=^_^=)
・地面に落ちたホットドッグのウインナーを、公園の水道で洗う主人公。確かにそれで「食べられはする」だろうけど、折角の味付けが洗い流されちゃったネ。。
・タイムスリップ直後、3人の小僧の持ってた新聞には「昭和48年10月5日(金曜)」とあったが、当日の朝刊だったのかどうかは(良く)分からない。
・500円硬貨は「何ですか、これ?」と店員に突っ込まれ使えなかったが(←流通前のため)、10円硬貨は問題なく使えた! しかし(デザインは同じでも)表記年号は大丈夫だったんやろか? 未来のだったら(流石に)使えないよねぇ(×_×)
・「パック牛乳:30円」「焼酎ハイボール:200円」「麦酒(ビール):290円」「ジュース:100円」「たい焼き:50円」なんてな表記があった。
・雷門ホールの出演芸人の名前が面白い。「イノブタ兄弟」「ヨセミテ・アレミテ」「ピーナッツさとし」などなど・・
・“ケンカマジック”ちぅ芸風は、実際にあるんやろか?
・本作に於ける重要なキーワード「胎盤剥離」は、男性も(既婚者であれば尚更の事)知っておかねばならない病状(症状)の1つだろう。
・悦子(柴咲コウ)のアパートは「台東区浅草8丁目11」との事だが、今はなき住所なんかな?
・『輝け! スター大合戦』の最終オーディション。日時&会場は分かってたし、結果を調べてみたいものだ(・ω・)
・浅田次郎センセイの描く物語より、更にライトタッチな世界感だった。
・現代の側のドラマは薄味だった。
・劇団ひとり、柴咲コウ共に「予想してたよりも薄め」な絡み方だった。
・風間杜夫が光ってた。『インスタント沼(2009)』と共に、同氏の俳優キャリアに於いて代表作と評される事だろう(ホンマか?)
・クライマックスのソロマジックより、冒頭の「何気ないマジックの数々」の方が凄かった!
・“起こった総てが白昼夢”ちぅ解釈もあるんやろか?
・もっと大胆に過去と現在とをリンクさせて欲しかったかも。
・「遺骨は※※」「テントは親父の住まい」と言う解釈で良いんやろか?
・「舞台から忽然と演者の消える展開」は良く分からん・・
・「2度目の霹靂」が良く分からなかった。落ちたのはやはり河川敷だったのか? それとも舞台の上空?
・「きっちり(生まれる)半年前に戻った」のは、誰の、どう言う調整(?)によるモノだろう?
・「カッコつけてる大泉」「調子こいてる大泉」を眺めてて、次第に「不愉快になって来る」のはどう言うワケだろう(⌒〜⌒ι) ←エエやんか!
・主人公のカードは「スペードの2」って事だったが“エエほう”なんやろか? ←ネットで意味を調べたら「不運」「移転」「死」って解釈が載ってたりも(・ω・)

~ こんなセリフも ~

晴夫『何時からかな? 自分が“特別”だと思わなくなったのは』
  『昔は、自分が“エース”とか“キング”とか、
   そう言う存在と思ってた』
  「普通の人生を手に入れるのって、実は凄ぇ難しい」
  「お客さんは“この辺”かな?」
  「“タメ口”の方が喋り易いんで」
  「何でこんなもん、大切に持ってんだよ」
  「親父・・生きるって難しいな」
  「毎日、惨めでさ」
  「俺、何の為に生きてんだか、もうどうしたらいいか、
   良く分かんなくなって来た」
  「何で、俺なんか生きてんだよ」
  「ちょっと迷っちゃったみたいで」
  「戻る場所なんてないか・・
   いや・・むしろ、戻りたくないです」
  「ユリ・ゲラーが来て、ブームになる」
  「何かえらい浮かれちゃって・・
   やっと俺も“エース”とか“キング”とかに
   なれるのかなって」
  「帰るのもアレだしなぁ・・家って近いんですか?
   行っちゃおうかなぁ・・帰るのもなあ・・
   で、家って近いんですか?」
  「開き直ってんじゃねぇぞ!」
  「何してる? 何のつもり? 何で落とす?」
  「お前は昔から何も変わらない」
  「まるで自分が完璧みたいな言い方っすね」
  「そんなんじゃ、駄目なんだよ。
   そんなんじゃ、辻褄合わねぇんだよ!」
  「このカードは1枚しかないんだから。
   同じカードは存在しない」
  「※※さんは、子供にとって“生きる理由”です」
  「人生が“凄く愛おしいもの”に思えて・・
   だから、※※さんは“生きる理由”です」
  「そんな※さんの子供に生まれて来て良かった。
   そう思ってます」
  「ま、駄目は駄目なりにな

ペペ「ナマステ~! 今日は“印度の奇跡”見せるよ」
  「アレ、くたさい」
  「こらんくたさい」
  「今日は“印度の奇跡”お見せします」
  「もっと強く引っ張って!」

正太郎「“悦子の代わり”ってどう言う事?」
   「分かった! 分かった! 悪かったよ」  

悦子「今日も空席を除けば“超満員”ね
  「私に何か話す事ない?」
  「私の顔、見て」
  「私に隠してる事、あるでしょ?」
  「頑張って“本物の花”のフリをしている。
   でも、奇麗ですよ。
   自分なりに精一杯咲こうとしてて、
   凄く奇麗です」
  「見えますか? 私の未来」
  「触ってみます? ほら」
  「冷蔵庫のチョコレート、
   勝手に食べちゃ駄目だよ」

澤田「TVに出たらいいのにね」
  「普通だね・・マジック好きの学生?」

少年「マジシャンなの?」
  「お前・・盗むなよ

父「早くちゃんとしろ」
 「警察が騙されてちゃ、世話ねぇよな」

支配人「下手なオチだねぇ」
   「で、誰のとこでやって来た? 
   「よし。俺が面倒をみてやる」
   「此処に住み込みゃいいさ」
   「ここ浅草じゃ、手品師も玉乗りも、
    『笑い取らざる者は喰うべからず』だ」
   「名前は・・ペペで行くか」
   「だってお前、印度人ってツラしてるじゃねぇか」
   「鯨(げい)を喰って、芸を磨け!」
   「笑われるんじゃなく、笑わせるんだよ。
    お前たちのマジックで」
   「ホールから(世界に)羽ばたけ」

※「本気でやってみ、ケンカ」
※「受けるよ、これは」

後輩「なかなかッスね」
晴夫「なかなかだろ?」

支配人「で、誰の所でやって来た?」
晴夫「・・誰も」
支配人「・・帰れ!」

晴夫「・・です」
支配人「他には?」

晴夫「・・こんな感じです」
支配人「もう1回、やってみろ」

晴夫「ユリ・ゲラーって知ってる?」
少年「由利徹じゃなくて?」

正太郎「警官の1000円を、500円にして返したのさ」
晴夫「それ、立派な罪人だろ」

晴夫「そんなだから、碌(ろく)な死に方しねぇんだよ!」
正太郎「死んでねぇよ!」
晴夫「死んでんだよ!
正太郎「じゃあ、今の俺は何なんだよ!

悦子「正ちゃん、迷惑かけてませんか?」
晴夫「既にこの状態が迷惑っつぅか」

正太郎「結局、大丈夫って事?」
医師「・・そう聞こえた?

悦子「・・見えないんですか?」
晴夫「じゃあ、本当に“少しだけ”ですよ」

晴夫「もっとマシな嘘つけよ。
   馬鹿にされるぞ」
正太郎「慣れっこだよ

悦子「いっぱい叩いたね」
正太郎「これからも頼むわ

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2014年5月25日 (日)

☆『白ゆき姫殺人事件』☆

4月29日(火曜)の夜。
ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で鑑賞して来たのは、湊かなえさんの著した同名小説を原作とするミステリー作品『白ゆき姫殺人事件』だった。

かなえさん系(←って何だよ!)の映像化作品としては『告白(2010)』に続き3本目。因みに2本目の『北のカナリアたち(2012)』は未見である。

「地方で起こった、とある殺人事件」をテーマにしつつ、そこに描かれるのは「表立っての捜査」ではなく、フリーライターによる関係者への取材(インタビュー)や、彼がネット上に放つ発言(ツイート)と言う“独特の切り口”による「関係者のリアルなコメント(←必ずしも“真実”とは限らないが、間違いなく“肉声”である)」だったりする。

そして、劇中で繰り広げられ、塗り広げられるのは・・ネットや報道番組を通じ“拡散”する下世話な憶測。そしてまた、悪意にすら満ちた「無言なる者(=被害者)」や「不在なる者(=失踪した容疑者)」に対する“無神経かつ無責任”な口撃の数々である(×_×)

ある種“似たテイスト”とし『リリィ・シュシュのすべて(2001)』や『理由(2004)』を連想したワタシでもあった(・ω・)

長野県の国定公園「しぐれ谷」で殺人事件が起こる。

被害者は全身13ヶ所を滅多刺しにされ、その後に燃やされたが、その後の調べで地元企業「HINODE(日の出化粧品)」に勤める24歳の美人OL=三木典子(菜々緒)である事が判明。

間もなく、被害者に恨みを持っていた(とされる)同社の地味なOL=城野美姫(井上真央)に疑いの眼が向けられる。しかし彼女は、事件当夜に「東京方面へと向かう特急列車」に乗り込むため、最寄り駅(JR茅野駅)に急ぐ姿が目撃されたのを最後に、行方不明となっていた。

ワイドショー番組『カベミミッ!!』の制作を請け負う契約ディレクター=赤星雄治(綾野剛)は、高校時代の同級生であり、今は「HINODE」に勤務する狩野里沙子(蓮佛美沙子)から典子と美姫に関する内輪話を聞かされる。

知り得た情報を「RedStar」なるハンドルネーム(←まんまじゃん!)でツィッターに投稿し始める赤星。それに対するリツイートもまた、賑わいを見せ始める。

関係者の周辺への取材に取り組む赤星。
容疑者の同僚、上司(金子ノブアキ)、同級生(貫地谷しほり)、近隣住民・・とその範囲は広がってゆくが、それにつれ失踪中である“城野美姫の人物像”が、次第に定まらなくなってしまうのだった・・

果たして、城野美姫は本当に犯人なのだろうか? そして騒ぎの大きくなってゆく現在、彼女は何処に?

初っ端から、殺害されて間もない三木典子の横たわる姿が映し出される。刺された無数の傷口からは、生暖かそうな血液がトクトクと流れ出ており、、美人なのかどうなのかは次のハナシ(?)としてなかなかにショッキングな映像であり、幕開けである。

しかし、彼女はその後「焼死体とし発見された」との事で、我々観客としては「発見時の(更に)凄惨な(遺体)状況を見せられずに済み、まだしも救われたかも」と妙な安堵を覚えてしまう・・ それもまた「実に不謹慎」なハナシなんだけど(・ω・)

赤星の取材する中で、雪だるま的に(?)城野美姫の人物像が“極めてエキセントリック”に固められてゆくんだが・・それもまた周囲の人々が「彼女の(言動の)一部だけを眺め」勝手に“大きな尾ひれ”をつけてしまってる感があり、それこそが本作最大の“ホラー要素”とも言えよう。

実際には、終盤で明らかとなる「真犯人」こそが“まじもんのエキセントリック野郎(?)”だったワケだが・・そこに気付き、そこを語る関係者が「皆無だった」のが、これまた恐ろしい(×_×)

きっとその後の報道で、今度は「真犯人」に対する関係者コメントが加熱するんだろうけど、正直「何だかなぁ」と気が重くなってしまうワタシである。

とにかく、本作の教訓とし「誤解され得る場面で、誤解され得る笑みを顔にたたえたりするのはやめよう」と心に決めた次第である(⌒〜⌒ι)

〜 こんなトコも 〜

・被害者の名「三木典子」の語感が、どうにも「三木のり平」を連想させてしまうので困る。。
・関係者の中で最も残念だったのは、容疑者の両親(演:ダンカン&秋野暢子)だった。どんな事情や確執があったにせよ、親が実の娘を庇わずしてどうするか!
・劇中に登場する「白ゆき肌石鹸」が実際に商品化されてて驚いた!
・「白雪ふきん」と言う商品が実在するが「白ゆき肌石鹸」とは特に関係はないようだ(そらそうや!)。
・現場付近に残されたタイヤ痕を調べ、車両を特定さえすれば、その車内に「真犯人に繋がる証拠」がごろごろ見つかりそうなモノで。
・「まず動いたヤツ」「妙に饒舌なヤツ」こそが、やはり1番怪しい、とも言えそうで。
・「満島」「尾崎真知子」なんてなキャラ名を眼にすると、どうにも「安直なネーミングやな〜」と思えてしまう。
・「5000円のロゴ入りボールペン」って、、中途半端に高いグッズなのね(×_×)
・「白ゆき肌石鹸」ってば、元々は「羽衣」って商品名だったそうだ。そりゃ、売れんわな。。
・城野美姫が、自らの弁当を差し入れる際に“なでしこ食堂”なるメモを残してたが・・柴咲コウ(2008)や小林聡美(2006)を連想させる、佳きネーミングだと思う(=^_^=)
・某キャラには「足の中指と薬指の間を舐められると興奮する」ちぅ弱み(?)までもが設けられてたが、、どんだけ細かいねん、キャラ設定。。
・アン・シャーリー(『赤毛のアン』シリーズの主人公)の親友とし、ダイアナ・バリーと言うキャラが存在する事を知らなかった(×_×)
・赤星のアシスタント=長谷川役を演じた染谷将太の快進撃が止まらない! 昨年は『リアル/完全なる首長竜の日』『清須会議』『永遠の0』と続き、今年は本作と『WOOD JOB!/神去なあなあ日常』が立て続けやもんね(⌒〜⌒ι) どうやら、年末公開予定の『寄生獣』に主演するらしいし。。
・本作のタイトルは郷ひろみの曲とかでありそう・・ ってそりゃ『林檎殺人事件』だっつぅの!
・美姫の言動が(勝手に)想像で描かれるトコは『戦火の勇気(1996)』ぽくもあった。
・殺人事件として良く考えたら(?)・・残留指紋やアリバイ追及など、総じて「要素的な欠陥」が目立つ。
・「眼に見える警察の動き」が殆ど出て来ず、逆に不気味だった。
・ネットの演出も、取材風の演出も、今となっては、さほど斬新には思えなかった(・ω・)
・殺人事件に音楽グループ(トリオ)の絡んで来るトコが『砂の器(1974)』っぽくも?
・当事者らの家族のドラマ(特に被害者)には、敢えてなのか(?)殆ど踏込まれてなかった。
・長谷川の言動も、何だか怪しかった。。
・「構築された独自の世界観」をもっと見せて(魅せて)欲しかった。
・『悪人(2010)』みたいに、クルマの存在が物語に大きく関わってた。
・某キャラってば「毎晩、ひたすらに某家(の窓)に向かって蝋燭での送信」を続けてたんやろか?
・「盗っ人は殺人の始まり」とは良く言ったモノで。。
・被害者、そないに美人なのかね?
・容疑者は、周囲に恵まれなさ過ぎた(×_×)
・某クルマの「キーの事」が良く分かんなかった、、あいつってば「合鍵」を持ってたんやろか??
・「階段突き落とし行為(傷害罪)」と「チケットねこばば行為(窃盗罪)」はれっきとした犯罪であり、そこはキッチリ裁かれるべきだろう(=^_^=)
・某番組の司会者(演:生瀬勝久)が、本作に於いて最もしたたかだった!(謝罪は女性アシスタント任せだし)
・某冷蔵庫に残された、(食べ残しの)ケーキの栗には犯人の唾液がべったりと・・
・ホテルでの展開によっては「2人目の死亡事件」も十分起こり得た(×_×) TVも、時には点けとくもんやね。
・某人物を追い詰め過ぎてたら・・赤星の生命もまた、危なかったかも知んない。
・ハンドルネームがRedStarって言うのは・・ちょいと安直過ぎやすぜ、兄貴!

~ こんなセリフも ~

赤星“女の「奇麗」は当てにならんからなぁ
  「それ、想像ですよね? 途中から
  「・・殺(や)ってるね」
  「質問攻めだね」
  「・・カワセミか?」
  「うぜぇ」

典子「たまには返してよね」

美姫「胃袋を掴んでみたらどうかな? まずは3日間
  「典子さんには敵わないわ」
  「送ってくよ」
  「ボールペン、返さなくちゃと思って」
  「彼女って・・典子さんですか?
   ・・だと思いました」
  「鏡よ鏡・・白ゆき姫は、もういない」
  「結婚前に“そんな事”して良いんですか?」
  「私だけは味方だよ。私はここにいるよ」
  「私は・・私が分からない」
  「もう1度“あの夜”に戻ってやり直したい」
  「結局“あかねみたいな女”がいつも得をするのかな?」
  「いい事ある・・いい事ある」
  「どれだけ“人のもの”を奪ったら気が済むの?」
  「さようなら・・ありがとう」
  「ありますよ。きっといい事、ありますよ

夕子「今の俺の話、全部“本当”だと思うか?」
  「みんな“自分に都合の良い記憶”しか語らない
  「ここにいる・・ここにいるぞ」
  「世界中の人間が敵になっても、俺はお前の味方だ」

狩野「本当に、犯人が城野さんだったらイイのにな」
  「城野さん、その時もニヤリって」
  「私で良かったら、ぶっちゃけて下さい」

満島「何それ?」
  「(彼女が)犯人です。間違いありません」

八塚「(噂は)多分、本当の事だと思うんだけど」

篠山「撮んなよ! 撮るならすぐ帰るぞ」
  「付き合ってるワケ、ねぇだろ」
  「(商品の)名前を変えただけさ」
  「宜しく頼むよ」

父親「申し訳御座いません!」

長谷川「今の・・! いや、何でもないです」

コメンテータ「可能でしょうねぇ」

※「みんな“本当の事”言ってるんですかね?
 「そう言う事、余り言いたくないんだけど」
 「私には、それが“偶然”とは思えませんでした」
 「何、ぶっ座ってんだよ!」

典子「・・何で?」
美姫「あなたさえいなければ、幸せだった筈なのに」

典子「“犯人”が分かっちゃった」
※※「・・何の事ですか?」
典子「さぁ・・何の事でしょう?」

※※「“クビになる”と困るんで」
刑事「・・それだけか?」
※※「はい」

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2014年2月 9日 (日)

☆『ジャッジ!/審査員を審査する』☆

かなり遡って・・先月=1月18日(土曜)の夜。

ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”に向かい、レイトショーで観て来たのは“業界系ナンセンスコメディ”とも言うべき新作邦画『ジャッジ!/審査員を審査する』だった。

年始以来、仕事の立込み具合がハンパなく・・週末と言えば、まずは“寝溜め”を「最優先に考えざるを得ない」状況下にあるため、シネコンに出掛ける機会もグッと減って来つつ(=減らしつつ)あるが・・ムリのない範囲で出掛けよう、いや、出掛けたいと考えている。

つまりは、コレまで以上に「少ない(鑑賞)チャンスで、より面白い作品を引き当てる」ってな“勘”が問われてるワケである(・ω・)

大手広告代理店“現通(not電通)”に勤務する若手製作スタッフ=太田喜一郎(妻夫木聡)。彼は、1981年に“とある(海外の)靴のコマーシャル映像”を観て以来「あんなCMを造り出したい」と言う憧れを抱き続け、この業界に入った青年である。

しかしながら・・現実の彼は「現場で着ぐるみをかぶって踊る」的な“下積みの仕事”から今なお抜け出せずにいた。

そんなある日、上司である有能な(?)CMプロデューサー=大滝一郎(豊川悦司)に呼び出され「俺の代わりに(アメリカ)西海岸で開催される『サンタモニカ広告祭』で審査員を務めて来てくれ」と“唐突に”命じられる喜一郎。

それこそは、厳正な審査によって「世界最高のTVコマーシャル」が決定されると言う、輝かしい祭典である!

「会期中、現地で毎夜開かれるパーティーには、パートナーの同伴が義務づけられる」なる慣例(?)を知った喜一郎は・・「同じ“オオタ”姓」でありながら、仕事ぶりも英語力も優秀な同僚=大田ひかり(北川景子)に頼み込んで、何とか“偽装夫婦”とし参加する手筈を整える。

そしてまた、事前に大滝から「『サンタモニカ広告祭』の事なら、この人に訊け」と紹介された、鏡さん(リリー・フランキー)は・・今や「資料保管室のヌシ」とも言うべき“窓際社員”なのだった。。

彼から珍奇な(?)アドバイスの数々・・「ペン回し」「幾つかの英語のフレーズ」「蟷螂拳の構え」を得て、アニメのプリントされたTシャツなど「大量のオタクグッズ」を手渡される喜一郎。

・・

現地で喜一郎を待ち受けていたのは、ヒトクセもフタクセもある、各国からやって来た審査員らの姿だった。そしてそこには(現通の)ライバル企業である“白風堂(not博報堂)”から審査員として参加する、優秀な女性クリエイター=木沢はるか(鈴木京香)もいた。

更に、現地で初めて大滝から「新たなミッション」を告げられる喜一郎。それこそは「日本から出品している“ちくわ堂”のTVコマーシャルを入賞させろ」と言うムチャ過ぎるモノだった・・

日本国内では、それを観た老人(福本清三(=^_^=))に「つまらなくて死ぬかと思った」とまで酷評された“どうしようもなく下らないCM”を、果たしてどのように入賞に導くのか? そしてまた、木沢はるかを擁する“白風堂”との一騎討ちの結末は? 凸凹な“オオタコンビ”の前途には、大きく荒れ狂う波が待ち受けているのだった・・

「しんどい時はコメディを観よう!」と、何となくルールづけてるワタシなので、この時の精神状態では(=^_^=) 本作を選ぶ以外の選択肢は「ほぼなかった」と言える。

何だか「審査」を“軸”に描いた物語としては、あちこちに対しツッコミの連発出来る脚本(←それすら“折込み済み”だろうけど)なんだが、それを「演出」「キャラ造型」が屋台骨の部分で、何とか(=^_^=) 支えてくれていた!

総じては、予想してた以上に楽しめ、笑えた作品である!(万人におススメ出来るワケではないが、、)

主演の妻夫木君と言えば『悪人(2010)』の印象がやはり(未だ)鮮烈で「あの作品のせいで、今後“重苦しいキャラ”のオファーが殺到しなければ良いんだけど」と懸念してしまったワタシだったが・・その後も『愛と誠(2012)』『清須会議(2013)』と言った“おふざけ路線”にも果敢に(?)出演してくれてる辺り、何だかホッとさせられる。

で、本作もまた「妻夫木君でなければ、なかなか感情移入しにくい、ヘタすりゃ『観客をムカつかせるだけのダメ主人公』となってしまう」トコなのだった。

改めて、もの凄く「映画的」と言おうか「フィクション的」に感じられるのは、数々の「下らない&ベタな」言動が、後々のシーンに於いて、巧く「切替えスイッチ」として機能してたトコだろうか。いわゆる「ネタフリ」なんだが、そこがパズルのピースのようにハマって行く辺りは、妙に爽快感がある。更に良ぉく考えると「極めて強引」「ご都合主義過ぎ」なんだけど、主演が妻夫木君なので、赦せてしまうワケである(=^_^=) コレがトヨエツだったら、絶対に誰も赦さなかったトコだろう(爆笑)

助演陣の中では「凹んだ時、妙に人間味の溢れ出て来る、実はお疲れ気味だったはるかさん」「1シーンだけの“置物キャラ”ながら、作品世界全体に大きな影響を与える、いわゆる“神キャラ”である鏡さん」「あらゆる言動に説得力とシブさのにじみ出てる、ジャック・クルーガー審査委員長」らが、ワタシの中でツボにはまる“高好感度キャラ”だった。

逆に、ひかり役の北川さんは、持ち味が発揮出来てなかったのか、イマイチだったような・・

本作を観て「妻夫木君のようなキャラだったら、実社会を生きて行くのも、もっとラクなのかも知れないなぁ」・・と、制作陣の狙い通りに(爆笑) 他愛もなく「ホロリ」とさせられてしまうワタシなのだった。。

〜 こんなトコも 〜

・逆風に対して振り向いたら・・それは“後退”“逃げ”って事じゃんか??
・上の“逆風ネタ”を「戦国3傑」に置き換えてみると・・こんな感じか?
 「吹かぬなら、吹かせてみしょう、追ひ風を ・・ 秀吉」
 「吹かぬなら、吹くまで待とふ、追ひ風の ・・ 家康」
 「吹かぬなら、殺してしまへ、追ひ風を ・・ 信長」
 ・・いや、折角吹いたってのに、殺しちゃうのかよ、追ひ風。。
・「げんつう」「はくふうどう」の際どい名称が笑える! エ※スコックやト※タも実名で登場するし!
・(劇中の)トヨタのCMは、実際に2006年に賞を獲った作品らしい!
・「完璧なように見えて、実は不器用な才媛」を演じさせたらピカイチな鈴木京香さん!
・妻夫木君の「馬鹿で善人で小物なキャラ」がホンマにハマってる!
・ヒロインは魅力不足か? さっさと「玉鉄とくっ付きゃ良い」気がした。
・メインとなる「審査シーン」は「三谷幸喜作品っぽい密室劇」のようにも見受けられた。「予選1日目」とか日付が表示されるし。
・“ネタフリ”とその“帰結”が気持ち良い。
・「わらしべ長者」「正直者礼賛」「沈黙は金」などあちこちで教訓めいてたりする。
・鏡さんは、なんで今や「あそこまでの窓際ポスト」なのか?
・「隠れキャラ」過ぎな竹中直人がスゴい! 役名は「ためなが(為永?)」だってさ(=^_^=)
・妻夫木君と新井浩文君の共演は『さよなら、クロ(2003)』『ジョゼと虎と魚たち(2003)』の“同窓会”っぽくて微笑ましい。
・広告業界には青森県人が多いんやろか?
・フランス語と津軽弁は似てるのか?
・「動けば運は開かれる」・・?
・「ベガスまで飛行機で1時間」ってのは・・アメリカでは「近い」感覚なのか?
・愛人に「最低!」と吐き捨てられた言葉に対し「うん」と何気なく肯定するトヨエツの“したたかさ”にシビれる!(=^_^=)
・ちくわ堂の社長役はでんでん! 「(社員の)ボディを透明にして、魚のすり身に混ぜっちまうんだよ〜!」とか叫びそうで恐い、、
・劇中使用曲のギャップがスゴい! サカナクション『アイデンティティ』『ユリイカ』が流れるかと思えば『帰って来たヨッパライ』『荒城の月』・・“統一感のなさ”に苦笑
・冒頭が「ドコから始ってんねん?」と思ってたら・・「カルロス(演:荒川良々)のウインク攻撃」からだったんやね。
・鏡さんに対する(現通の)社員評が「うさん臭いし、ホントに何だか臭い」って感じで可哀想だった。
・『最高のご馳走にありつく英会話』って本があるなら、読んでみたいもんだ。
・メジロライアンとメジロドーベルは父子関係にあるんやね。
・喜一郎は当初、ひかりに「荷物持ちのオカマ」と紹介されてた(×_×)
・“ヘタレ男子”であろうが・・きちっとボディを鍛えてる辺り「自分に厳しい」「自分が好き(=自分を肯定している)」ってな印象があって素晴らしいと思う(=^_^=)
・「ニャーニャー」には「死ぬ程美味しい(Super delicious.)」って意味があったんやね! 現地のうどん屋で流行ってますやんか!
・「他人のサクセスを笑顔で祝福出来る主人公の姿」には泣けた!
・あの“ペン回し”は、流石に「吹替え」やろねぇ?? あんだけ回せたら、スゴ過ぎる!
・審査中、殆ど爆睡してるしともいたが・・何をしに来てるんだか(⌒〜⌒ι)
・意外と「ベタでマンネリなギャグ」が、海外でも通用する(しそうな?)事を知った(=^_^=)

~ こんなセリフも ~

太田「もぅ・・仕方ねぇなぁ」
  「こう言うCM、造りたいなぁ」
  「CMで皆を幸せにしたい」
  「妙に“生(ナマ)っぽい”留守電だな?」
  「撃たれた時に“(ポケットの)このコインが
   生命を救ってくれる”とかあるかもね」
  「僕は大滝ではありません・・
   “オタク”と呼んで下さい(Call me OTAKU.)」
  「これは“人を殺す時のポーズ”です」
  「これから大事な事を言います。
   (What I'm about to say is very important.)」
  「“あれ”出品されてるんですか?!」
  「何だよ、この審査会!」
  「“これ”も出品されてたのか」
  「変なの流行らせちゃった」
  「日本語ってイイなぁ~」
  「俺の未来は真っ暗だな・・
   ・・ってこれ“チーズ入り(ちくわ)”だった」
  「今、クビが決まった」
  「あのCM、好きじゃない」
  「青森(出身)ですか?」
  「愚痴こぼすな! 今日が駄目だったからって
   偉そうにするな!」
  「タルカロス下さい」 ←このネタはスゴい!
  「あのCM、ホントにイイんだよ」
  「何だこりゃ」
  「これが“勿体ないスピリット(精神)”です」
  「ちくわはストローにも、笛にもなります。
   それに、覗くと“未来”が見えます」
  「“ちくわスピリット”だ!」
  「“好きではないもの”を選ばないで」
  「“本当に美味しいもの”を“美味しい”と言おう。
   あなたの事を信じています。あなたは“一流”だから」
  「僕らのジャッジを世界が見ている。
   僕らは審査されてる。だから、誇りを持って選考を」

大滝「裏の裏の裏は・・裏だからね」
  「“工夫しない”と言う工夫だよ」
  「腰の振りが甘い! 腰にはこだわりたいんだよ」
  「駄目だぞお前。イイ歳して、
   着ぐるみ着て、腰振ってるようじゃ」
  「あのキツネをネコにしろ。明日迄に」
  「“無茶”と書いて“チャンス”と読め」
  「Now,Get a Chance!」
  「“監督”なんて、CMには存在しないさ」

ジャック「もう遅い(Hot time has passed.) 」
    「気にしなくていい、オタク」
    「順位なんて“造るもの”で“受け容れるもの”じゃない」
    「昔は朝まで呑めた筈だ。
     “2人の馬鹿”が朝まで熱く語ってたな」
    「そいつは、今は“金でしか動かない男”だ」
    「オタク・・“言いたい事”があるのか?」
    「何が言いたい? オタク。
     “言う事”がないなら“終わり”だぞ」
    「時間なんて構わないだろ」
    「ちくわを覗いたら・・“副社長”じゃなかったそうだ」
    「こんな言葉がある。
     “逆風は、振り返れば、追い風になる”」
    「トヨタは“ニャーニャー”だ」
    「今年1番のクリエーターは君だ。
     君は“正しい未来”を造ったじゃないか」
    「君はこんなにも世界を動かしてる。
     何より動かされたのは、この私だ。
     “自分のしたかった事”を思い出したのだから」
    「“貰うものは貰う”よ。
     私は“金でしか動かない男”なのでね」
    「(帰国したら)“メガホン”に宜しく伝えてくれ」

カルロス「僕は“色仕掛け”は赦せない!」
    「あいつ・・緊張でおかしくなったのか?」
    「いつか“現場”で会おう(See you around.)」

監督「(テイクは)どれも一緒や!
   お前も、分からんようになっとるやないか!」

鏡「話を聞いて貰うには・・振り向かせなきゃ」
 「経理の松本。ああ見えて“昔、16歳”だったんだよ」
 「よし・・じゃ、ペン回してみろ」
 「“これから大事な事を言う”
  そう言っとけば、何でも“大事”に聞こえる」 
 「“沈黙は金”何も言わない方が、勝手に想像してくれる」
 「しばらく“オタク”になれ」

はるか「ほら、馬鹿にすれば?」
   「楽しいな・・楽しいぞ、呑もう!
    おい、座れ。さぁ1杯、行こう!」
   「あのブタ野郎共・・」
   「眠(ねぷ)てぇ」
   「“人を幸せにする嘘”の何がいけないの?」
   「不正だらけのあなた達に、彼の“真意”は理解出来ないわ」
   「馬は騎手で違うわ」

ひかり「自分の顔を“審査”してから言いなさいよ」
   「“触んな”つってんだよ!
    ってか、まだいたの?」
   「あんたって“自分の意見”ってモノがないのよ」
   「このエロガッパ!」
   「“心配かけてごめんね”・・言うと思った」

麻里子「CMで皆を幸せにしてる?」

上司「もういい。“優秀な方の太田”を呼んで来い」

バーテン「あんたの世界は大変だな。
     私たちの世界は
     『美味しいか』『そうでないか』だけ」
    「お休み(Good night,Sweet dreams.)」
    「閉めるよ(Closing time.)」

CMコピー“逆風は・・
      振り返れば、追い風になる”

女性社員「馬鹿みたい」
    「プレッシャーでおかしくなったのかな」

審査員「『ニャーニャー』って何だ?」
   「『オーイ!』って何だ?」

黒幕「予選で落としておこう」
  「トヨタ(のCM)は“何か”が足りないと思う」
  「あんな“まともな奴”だったとは・・」 ←そうか?
  「ここは“遊びの場”じゃない!」

ちくわ堂社長「息子がどうやら“天才”でね」
その息子「ちゃんとやれよォ~」
社長「いやぁ、こりゃ手厳しい」

スタッフ「どうすか? 今の腰の動きは?」
大滝「観てなかった」

室長「このネコ、もっとネコらしくして。
   これじゃキツネみたい」
大滝「キツネです」
社員「宣伝室長が“ネコ”と言ったら、ネコです」

大滝「君、バスト何カップ?」
社員「Cです」
大滝「じゃ、C案で」

秘書「最っ低!」
大滝「うん。 でも“クリエイティヴ”だと
   言ってくれないかな」

合コン女子A「カラオケどうする?」
合コン女子B「有り得ないっしょ」

太田「カメラいいねぇ・・このアングル」
カラオケ店員「様子がおかしいです」
カラオケ店長「帰って貰え」

大滝「マジ“無茶過ぎ”でしょ」
社長「“無茶”と書いて“チャンス”と読め」

鏡「お前“本当の馬鹿”だな」
太田「馬鹿馬鹿言わないで下さい」

老人「CMが余りにつまんなくて死ぬかと思った」
係員「お客様、ご安心下さい。
   CMがつまらないだけでした」

カルロス「初めまして。ご無沙汰です」
太田「どっちなんだ」

ギル「ワインにワサビでも淹れようか?」
はるか「(笑いながら日本語で)2、3度死ね、このハゲ」

ひかり「あんた、ホントにおめでたい人ね」
太田「まだ誕生日じゃないけど?」

ひかり「念仏止めてよ。霊が寄って来る。
    息、しないで」
太田「死んじゃうよ」

太田「聞いてないですよ、それ!」
大滝「言ってないですよ、それ」

太田「(ちくわ)食べる?」
ひかり「それ“あんたが吹いてた奴”じゃない」

ひかり「あたしが何時、あんたを救った?」
太田「今」

ジャック「そのちくわで覗いたら、俺の未来はどう見える?」
太田「Tシャツを着て、スタジオにいます」

ひかり「あたし“すごい賭け”に出ちゃおうかな?!」
鏡「イイんじゃないの?」

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2013年10月27日 (日)

☆『謝罪の王様』☆

20日(日曜)の夕刻。

ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”に出向き、観て来たのは「ベタな印象なンだけど、とにかく“屈託なく”笑いたくてねぇ」と鑑賞を断行した(=^_^=) 新作和風コメディ『謝罪の王様』だった。あ、タイトルから「チャウ・シンチー(周星馳)監督の新作なの?」などと勘違いされる方もおられるかも知れないが・・決してそうじゃなく、フツ~に邦画です(⌒~⌒ι)

そう言えば、ようやく慣れ親しみ始めて来た感じの「ココエ(COCOE)あまがさき」がいつの間にか「あまがさきキューズ(Qs)モール」に名称変更してた。今風で軽薄でベッタベタな、あのダジャレネーミングに好感を覚えつつあっただけに、ちょっぴり残念、、

信州で老舗温泉旅館の息子として生まれ育ち、幼少期にして「謝罪」と言う行為が「衆目を集め、自分が主人公になれる瞬間」である事に早くも気付いた少年=黒島譲。

やがて上京し、様々な職業を転々とした彼は、都内の人気ラーメン店『旨い麺の言語道断』で客の1人として体験した“謝罪絡みのとある事件”をきっかけに、謝罪を生業(なりわい)とする(民間の)専門機関『東京謝罪センター』を開設、所長兼トップアポロジスト(弁明者、謝罪師)の立場に就く。

「『土下座』・・それは日本古来の謝罪法。相手に“謝意”と“全面降伏の姿勢”を示す行為である」

「『土下座』・・それは“最大級のインパクトと説得力”を持つ謝罪法である」

「『Be 土下座!』・・『土下座』でウェブ検索を!」

「詳しくは、弊社リリースの解説DVD『土下座の彼方まで』をご覧ください」

「謝る時、人は誰でも主人公」

などと耳触りの良いキーワード(=^_^=)を並べ立てつつ、次々と困難なケースの謝罪を切り抜けてゆく黒島(阿部サダヲ)。

そんな彼や、彼に救済を求める依頼者たちの人間ドラマが、6ツの「ケース」に分けて描かれる・・

これまで『トリオ阿水宮(=主演:阿部、監督:水田伸生、脚本:宮藤官九郎)』の放った2作『舞妓Haaaan!!!(2007)』『なくもんか(2009)』の(何となくの)鑑賞を経て、いよいよ本作に接したワタシだが、改めてこれら3本をざっと比較したトコでは・・この『謝罪の王様』が一番面白かったように思う(=^_^=)

と言うのも『舞妓はん』『なくもんか』のように“客寄せ的な共演俳優”がまず横並びに設定され、主人公(を演じる阿部)が終始そちらに気を遣う・・ってな必要性のなくなったって点も少なからずあるのかも知んない。

ようやくにして、本作では“謝罪界のカリスマ的人物”とし、物語の中心に1本そそり立ってた(=ひとり立ちしてた)印象が強かったもので。

また“老若男女”に取っ付き易い「バカバカしい小ネタ」を随所にちりばめつつ、法的な部分(セクハラで告訴された際の対応、反社会的勢力との接し方、水面下で進行する国交問題の実際・・など)で“やや専門的な、お勉強要素”を練り込んだりもしてくれ「面白くて、タメになる」「芸能界流の謝罪の裏側が掴める」などの利点(?)の明示されてた事に好感を覚えた(・ω・)

また、脚本的には「さっき描かれたあの場面」が「いま描かれるこの場面」にこう繋がってたのか!! と時間軸&キャラを自在に操って「真相の掴める愉しみ」「パズルのピースのハマる楽しみ」をあちこちに用意してくれてたのが最高に楽しかった。

本作の執筆を前に、クドカン(宮藤官九郎)は、きっと『バンテージ・ポイント(2008)』などを数回ほどビデオで観直したに違いない!(←いや、観直すにしてもVHSじゃないやろ!)

気になった部分としては「昭和期のドラマ&映画をネタにしてる部分があり、分かんない世代(の観客)もあるんじゃないか?」「風俗ネタが女性客に不快感を覚えさせるんじゃないか?」「エンディングの“いきなりなPVっぽい映像群”が、どうにもチャラチャラしてて違和感もあり、作品全体の雰囲気を(最後にして)損なってはいないか?」ってのが挙げられるが、そう言った部分をも含んで「さぁ、存分に物議を醸して下さいね!」とクドカンが“したり顔で呟いてる”のが見えて来る気もして・・悔しい(=^_^=)

因みに本作の章立ては「ケース」で区分されており、

ケース1 ・・ 倉持典子(井上真央)の場合

ケース2 ・・ 沼田卓也の(岡田将生)場合

ケース3 ・・ 南部哲郎(高橋克実)&壇乃はる香(松雪泰子)の場合

ケース4 ・・ 箕輪正臣(竹野内豊)の場合

ケース5 ・・ 和田耕作(荒川良々)の場合

ケース6 ・・ 黒島譲(阿部サダヲ)の場合

ケース7 ・・ ??

となっている。まぁ「ケース7」のみは物語にはなってないので、余り気にしなくても良いだろう。

~ こんなトコも ~

・暴力団体=小磯一家の幹部さん(「ケース1」)。メチャクチャ怖いしとやな~ と思いきや『アウトレイジ/ビヨンド(2012)』で木村役を演じてた中野英雄さんだった(×_×) ・・ぱしかに。。

・全く分かんなかったが、小磯一家の顧問弁護士を演じてた強面のおっちゃんを演じたのは六角精児さんだった。髪型が変わると「しとの印象」って随分と変わるんですね。。

・尾野真千子さんの起用(「ケース2」)は、なかなか光ってて良いと思う! 『萠の朱雀(1997)』からもう随分と年月が経つのですね、、

・石で思いっきり額をぶん殴られたら「冷静に謝る」なんてな行為&判断はとてもじゃないが出来ないと思う(⌒~⌒ι)

・39秒62で、見事に白砂(白の砂利敷)に着地(=土下座)!!

・「献身的なサービスを継続し、相手の優越感を持続させる」と言うのもテクニックとして「有り」だそうだ。

・時間軸&キャラを操る演出によって「2回観る楽しみ」もあったりすると思う!

・某人物のラバーマスクが大活躍(?)する辺りは『ミッション:インポッシブル(1996)』シリーズや『ドライヴ(2011)』を彷彿とさせてくれる。

・物語全体を振り返ると、最大の(国家の)危機は確かに「ケース5」なんだが、主人公が一番必死に取り組み、手こずったのは・・間違いなく「ケース1」だと思われる(=^_^=)

・例えば「ケース1」の解決料で41万2000円。まぁ、安いのかな・・(⌒~⌒ι) 先方の請求額からすれば1/10に下がったもんね。

・「確かに」と言う相槌を「ぱしかに」と言い換えても、確かに(相手には)気付かれまいが・・「パスカル」「ラスカル」は流石にやり過ぎだろう(=^_^=)

・「馬喰町駅」の周辺がロケされるが、関東圏に詳しくないので「まぐいちょう」と読んでしまってた(×_×) 岐阜県の「各務ケ原市」を長年に渡り「かくむがはらし」と読んでた以上にショックだ!(×_×)

・ヒロイン=典子役を演じてたのは栗山千明さんだと勘違いしてた。髪型が変わると「しとの印象」って随分と変わるんですね。。

・主演女優が舞台挨拶で「別にぃ」とぶっきらぼうに言い放つ作品のタイトルは『ヘルシー・スケルトン』だった! 『ヘルシー・スケーター』としても「より近かった」かも知んないネ(⌒~⌒ι) ←尤も、元ネタとなった作品は『ヘルスケ』じゃなかったそうだが・・

・ケース2の沼田は120万円近くもする高級腕時計をしてたが、、何処のメーカーやろ?

・傷害事件の場合、理想的なお辞儀は「角度:100度、時間:20秒」と決まってる(?)ようだ。

・「被害者のAさん」と言うべきを、間違っても「被害者さんのA」と言ってはならない(⌒~⌒ι)

・愛息に「英里人(えり〜と)」と名付ける親御さんのセンスってば・・どないでしょ?

・医療ドラマ『あと半年、まだ半年』、新作芝居『アポロに乗ったかぐや姫』、異国の戦乱を壮大に描いた大作『バタールの丘で(1991)』・・それぞれが気になるぅぅぅ!!(=^_^=)

・「釈明会見の謝罪会見」ともなると、実にややこしい。。

・傷害事件の釈放直後のインタビューで、着てるシャツに「Kill you next time(この次は殺す)」と書かれてるし、、

・“腋毛・・”は分かるんだが“ケツ毛・・ワシントン条約”はどっから来た?? そもそも、あの振付はどっから来た?

・てっきり「箕輪弁護士の娘があのしと」かなと、しばらく勘違いしてた(⌒~⌒ι) そう思ったしと、意外と多かったんじゃ?

・映画監督がスタッフと電話で話してた時の「誰? えぇ? オダギリぃ?」のセリフが妙に気になった。何のハナシ?

・劇中の製作会社「シネバーゲンセール」は、実在する「シネバザール」のパロディらしい。

・何気ない言い訳セリフ「ワチャワチャ」にも、経緯があった!

・マンタン王国の通訳=ワクバル(濱田岳)の話し方が、どうにもミスタァ・ベーター(Mr.BATER)に聞こえた(=^_^=)

・世界には「頭髪を変な形に剃り上げられ、手足を切り落とされ、首を捻り殺される」と言う“極めて残虐な処刑”の行われた歴史を持つ国も(そりゃ)あるんだろう。

・『ビルマの竪琴』のような感動作を「水で薄めたような亜流作」なんてものは、決して制作してはなるまい。

・日本では「トラディショナルな謝罪スタイル」とされる土下座が、“お前なんか、地を這うミミズ程の価値もない人間だ”と言う意味(=最大級の侮辱を相手に与える表現)に解釈される国も(そりゃ)あると言う事を、決して忘れてはならない。

・たまにありますねぇ。「大声で客のペースを乱す、自己満足なサービス」に固執する店って・・

・れっきとした店長職にも関わらず「店長代理(みせながしろさと)」と言う氏名のしとが出て来た・・(×_×)

・謝罪するため(だけ)に黒島の前に現れた部長の氏名は「しまこうさく」だった・・

・終盤で「謝罪しながらも、美味しい味わい」を醸し出してはったのは、首相役を力演された嶋田久作さん。最近観たドラマ『怪奇大作戦/ミステリーファイル(第2話)』でも女装姿とか披露したはるし・・どっか吹っ切れはったか??

・エンドロールのスタッフ紹介の中で「マンタン王国小道具」って表記があって面白そうだった。

・老若男女に向けた“柔らかい脚本”を意図的&事も無げに書き上げる「何か」を確実に得たようだぞ、クドカン!

・三谷幸喜さん以上に「破綻を恐れず、意図的に振り切らせてる」天衣無縫な脚本ぶりはそれはそれで痛快!

・ベテラン陣の助演もまた素晴らしい(嶋田、高橋、竹野内、尾野)

・セリフに盛り込めば、さぞラクだったであろう(=^_^=)『じぇじぇじぇ!』『倍返しだ!』などのネタに、いっさい手を着けなかった「余裕」にも好感(=^_^=)

・次第にレベルアップして行く「謝罪」シチュエーションが楽しめる。

・ドラマ『半沢直樹』でも脚光を浴びた(?)「土下座」なる概念・行為に「全く違う角度」からスポットを当ててくれた!

・シーンの強引な繋げ方(リンクぶり)が妙に心地良い。

・「所長自ら前面に出るケース」と「アドバイザーに徹し背後に控えるケース」とがあった。

・何となく、劇中で一番「無邪気に悪い」のはワクバルだったのでは?

・子供ウケを狙った感じの“腋毛ボーボー”ダンス・・『ドラゴンボール』の“ヒュージョン”のポーズをどっか思い出したり。。

・やっぱり阿部サダヲには、この手の言動を放つキャラの演技で「貫徹」して欲しい。女装とかはしなくて良い。

・「父と子のドラマ」をあちこちにちりばめてた。

・「Be」と「Do」の使い方の間違いが『キサラギ(2007)』に於ける「写真集のタイトルの間違い(誤:Show me、正:Look at me)」を何処か連想させる。

~ こんなセリフも ~

黒島「あなたが200%悪いですよ!」

  「いつ? どのタイミングで謝罪を?」

  「全然遅いっつ~の!」

  「その『何かすいません』の“何か”は絶対ダメ!」

  「言われて謝ったんじゃ遅いんです」

  「取り敢えず、僕を殴って下さい」

  「謝罪は“スピードが命”です」

  「Be 土下座!」

  『謝る時 人は誰でも 主人公』

  「家はある。教えないけど」

  「“謝らなくていい時の謝罪”ほど効果的

  「謝ってないだろ、今のは」

  「キャバ嬢と比べるのも失礼だし、

   キャバ嬢にも失礼だろ」

  「謝罪にタクシーで来るのと、全速力で

   走って来るのと、どちらに誠意を感じますか?」

  「結局、日本人は“ベタなの”が好きでしょ?」

  「神妙な顔をしてれば、

   相槌なんて何でもいいんです」

  「白々しくて全然いいの」

  「“エロい”は(相手を)ホメてないだろ」

  「120%赦して貰えないなら、

   150%の謝罪をするまでだ

  「相手の『謝って欲しい』は『赦したい』の表れ」

  「お前も(座ってないで)立てよ!」

  「浮いてますよね? じゃ、成功?」

  「“共通の知人の紹介”って、要するに“合コン”だろ?」

  「偶然の方がよっぽどタチ悪いですよ

  「相手にとって“怒り”それ自体が快感になる」

  「(お辞儀しながら数を)数えちゃ絶対ダメ」

  「“すいません”じゃねぇよ」

  「“忙しいのが美徳”とされていた時代なら、

   モテモテだろうね」

  「旨(うま)!」

  「熱(あつ)!」

  「あんたに言ってんだよ! 船木さん!」

  「向かいの喫茶店で待ってるから」

  「変だろ?! あんた、何も悪くないでしょう!

  「いやいや、そう言う事じゃねぇんだよ」

  「ただ謝って欲しいだけの人間がいる。

   裁判とか、勝った負けたとかじゃなく、

   素直に謝って欲しい。それだけで人は笑顔になる」

  「“土下座の通用しない国”があるなんてなぁ」

沼田「俺、デリ嬢を呼んで、宇野さんだったら

   キャンセルしないから」

  「これ、118万6500円もする

   スイス製(の腕時計)なんです」

箕輪「椅子にお座り下さい。

   椅子が見えませんか? 椅子がお嫌いですか?」

  「ウチは戦闘態勢です。示談交渉には応じません。

   お引き取り下さい」

  「(相手が)覚えてないから怖いんです

南部「それ、私の芝居に対する“ダメ出し”ですか?」

英里人「あんたも悔しかったら、

    子供に七光らせてみろよ!」

ワクバル「(呼び名は)ヒロシでいいよ」

    「大体、心配ない。大体、任せろ」

    「肌寒いだろ?」

    「この提灯、大体5万」

    「虎屋の羊羹、大体1万4000円」

    「あのこけし、形が良くなかったな」

    「(呼び名は)キヨシでいいよ」

    「嬉しそうに首、捻ってたもんね」

    「あのポーズが良くなかったな」

    「そう、知っててワザと黙ってたね」

國松大臣“小腹が空いてたんで、

     喫茶室でパンケーキを食べてた”

    「ガソリン満タン! コールガールを呼べ!」

総理「土下座を超える“最大級の謝罪”

   ・・あるのか? そんなものが」

少年「だからさ、この人に謝ったってしょうがねぇだろ

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2012年8月14日 (火)

☆『シグナル/月曜日のルカ』☆

10日(金曜)の夜。
ここしばらくは色々とバタバタしてて、(本ブログの)記事を更新する事すらままならなかったが・・「少しばかり」時間が取れたので、久々に仕事の帰り、商店街のミニシアター“ソレイユ”に足を運び、公開中の『シグナル/月曜日のルカ』なる恋愛モノ(?)を観て来た。

2011年8月。舞台は信越地方・深山市(架空の街)。

東京からの帰省ついでに、地元の小さな映画館『銀映館(ぎんえいかん)』の映写技師(←臨時見習い)の“バイト面接”を受ける事にした大学生=宮瀬恵介(西島隆弘)。
彼はそこで「3年もの間、館内から1歩たりと外へ出る事なく暮らしている」と言う、ミステリアスな女性映写技師長=杉本流花(ルカ)に出会う。

技師(←見習い)の面接に容易く(?)合格した恵介。
支配人(井上順)から「ルカの過去に関し、一切の質問をしない」「ルカは“月曜日はナーバスになる”ので、余計な干渉をしない」「ルカに対し、恋愛感情を抱かない」と言う“奇妙な3ツの約束”を突き付けられつつ、時給=1500円と言う破格のバイト代の“支払い契約”を交わす事となる。

無愛想で感情をオモテに出さないルカに対し、当初は戸惑う恵介。
しかし、狭い映写室の中で、長い時間を一緒に過ごす事で、次第にルカに対し恋心にも似た“不思議な感情”を抱き始める・・

働き出して“初めての月曜日”を迎えた『銀映館』・・ルカの“ナーバスさ”は恵介の想像を超えるモノだった。

一方・・『銀映館』の周辺には、ルカの潜伏(?)を探ろうとする謎の青年=ウルシダ(高良健吾)がその姿を現す。

やがて恵介が知る事となる“ルカを巡る、3年前に起こった事件”の真相とは・・?

殆ど何の予備知識も持たずにシアター内に入ったため、色んな意味で「新鮮な印象」を受けた作品だった。

シネマ好きの感覚器(?)を刺激しまくってくれる、館内の旧作ポスターやら、劇中の挿入映像なんかにはワクワクさせられた!

『悪名(1961)』『新・平家物語(1955)』『丹下左膳餘話/百萬兩の壺(1935)』『ガメラ対深海怪獣ジグラ(1971)』などの映像群がチラッと出て来るんだが・・例えば『ツイスター(1996)』の劇中でいきなり『シャイニング(1980)』の1シーンが出て来る、みたいなのと同じように、妙に「知ってる作品の、知ってるシーン」だと「おおっ!」と興奮してしまうモノだった(=^_^=)

特に『新・平家物語』のラストシーンが出て来る辺りのカッコ良さは半端なかった! 弓を“ひゃうど”放つ(市川)雷蔵さん! 眉毛がゲジっててケ※シロウ過ぎ! んでも、本編とは何の関係もないんだけど、カッコ良かったなァ〜!

ルカを巡る“物語”に関しては・・ファンタジックなのか、ノスタルジックなのか、ミステリアスなのか、、どの方向に解釈しても、どうにも中途半端な印象を受けたか。

高良君演じる“ウルシダレイジ”なるキャラに関しても、言動がイマイチ“散漫”であり、本筋への絡み方も“小出し的”“脇役的”に思えてしまった。彼ほどの存在感を放つ男優を起用するなら「もっと巧い見せ方」があったように思えてならない。

西島君については『スープ・オペラ(2010)』以来の、スクリーンでの再会(?)となったが、その時は「“ショ〜ユ顔”過ぎるがな!」と感じた程度だったが、今回は「美醜はともかく(←おい!)イイ笑顔をしてるなァ」とその点に関しては、不思議とホレボレしてしまったワタシである(⌒〜⌒ι)

ああ、そう言えば『愛のむきだし(2009)』のDVDソフト、まだパッケージも開封出来てないんだった(×_×)

のほほんとした井上順(蝶ネクタイとか似合いそう)、限定的な出演ながらも存在感を発揮してた宇津井健など・・イイ立ち位置で主人公らを見守ってくれていた。

〜 こんなトコも 〜

・加賀まりこ主演の『月曜日のユカ(1964)』とタイトルが酷似してるが、特に関係はなさそう・・?
・ルカが「右足をケガした理由」ってば、劇中で明らかにされてたっけか?
・あんだけ映写室内にフィルムが散乱しては、片付けに際し「フィルムに傷を付けない」とか何だとか、言ってる場合じゃないやろね、、(×_×)
・『悪名』と『ロッキー(1976)』の連続鑑賞は、流石にちょっと疲れるんじゃなかろうか?
・『羅生門(1950)』『炎のランナー(1981)』『ターミネーター(1984)』『裏窓(1954)』『北北西に進路を取れ(1959)』『狂った果実(1956)』『嵐を呼ぶ男(1957)』『タワーリング・インフェルノ(1974)』『ポセイドン・アドベンチャー(1972)』などが同館で次々と上映されてた。すっごい!
・「信越映画友の会」ってのは実在するんやろかな?
・壁に掲示されてた『ベスト10作品』の中には『流れる(1956)』『ひめゆりの塔(1953)』『野良犬(1949)』などがあったような・・(全10作品の分かった方、教えてくりゃれ〜!)
・フィルムに貼られた「銀紙」による“フィルムの自動切替え”を「シグナル」と言うらしい。
・「スプライシング・テープ」って言葉を初めて知った。
・“ウルシダセヴン”って、何だか何処ぞの「恒点観測員」みたいな響きやね。。
・バスケットボールは「籠球」って言うんやねぇ。
・「星空キラキラ映画会」ってネーミングの“ベタさ”ってどうよ?
・本作のロケ地は、上田市と上越市らしい。
・高良君が『アメリカン・ビューティー(1999)』の頃のウェス・ベントレー君に見えたり(⌒〜⌒ι)
・「狭くて暗い世界」に佇む、ルカの寡黙な横顔こそが良かったんだが・・真っ正面からマトモにご尊顔を拝見するに・・ちと微妙な印象ですた(⌒〜⌒ι)

〜 こんなセリフもありました 〜

恵介「イイじゃないですか、笑ったって」
  “毎日、彼女の笑顔を見たいと思った”
  “僕には、彼女の涙を見ても何1ツかける言葉がなかった”
  「子供には“君は大丈夫だよ”って言ってくれる
   オトナが必要なんです。“そんなオトナ”になりたくて」
  「あの頃の俺たちは、ここで観る映画に救われたんです」
  「ずっと“赦せない人間”なんですけど、
   今は“赦そうかどうか”迷っちゃうんです」
  「“受継ぐ人”がいる限り、それはなくなりません」
  「何か・・“都市伝説”みたいなハナシですね」
  「他人の優しさを利用して、自分勝手な振る舞いを
   繰り返すのは最低だよ」
  「もう※※※※の優しさにつけ込むのだけは
   止めてくれないかな?」
  「俺は、技師長の言った事しか信じませんから
  「大丈夫です。俺が必ず護りますから、此処にいて下さい」
  「※※※※※※が大事にしていたこの場所を
   “自分を罰する場所”にしちゃいけない・・もう十分です」
  「何か嬉しそうですね」

ルカ「ごめんなさい・・何だか身体が動かなくて」
  「ピントを“人物の眼の光”に合わせて」
  「こっちはイイから、早く謝りに行って!」
  「笑い飛ばすしかないでしょ? あんな大失敗」
  「その隣には・・きっとあたしもいたよ」
  「もう、映写技師なんて必要ないんだよ・・
   総てがデジタルになって・・」
  「“優しい”って、イイ事ばかりじゃないよね
  「愛してたんじゃない! あたしが弱かっただけ!」

支配人「君を採用するかどうかは、技師長が決める」
   「その“どうでしょう?”ってのはどうでしょう?」
   「君、誘導尋問が巧いね・・油断ならないな」
   「謝るのは後! 技師長に電話!」
   「ウチは“常連さん”が多いから、何とか事なきを得たよ」
   「君に“外の世界から吹き込む風”になって欲しくてね」
   「(君が)すごく頼もしく見えるよ」

ZERO“俺の事を傷付けるなら、お前も傷付かないといけない”
    「何これ? 俺が嫉妬するの見て、嬉しいか?」
    「人を傷付けておいて、それはないでしょう?」
    「俺はウソをつかれて、傷付いたんだぞ」
    「ウソをついた“自覚”もないんだろ?」
    「俺は死ぬ程、傷付いたよ」
    「お前を後悔させてやるさ・・この先ずっと」
    「やっぱり来てくれたね」
    「お前がいないと、生きて行けない」
    「やっぱり此処にいたんだ」
    「お前はウソつきだからな・・信用ならないよ」

祖父「気になる事があったら、出掛けておいで」

支配人「君は映画が好きなの?」
恵介「まぁ、フツーに好きです」

ルカ「・・今夜は有難う」
恵介「それ、先に言われちゃったよ」

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2012年4月12日 (木)

☆『しあわせのパン(2011)』☆

9日(月曜)の夜。

仕事帰り、久々に「時間」「体力」の少し残されてる気がしたので「それっ!」と向かったのが“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”である。ここで「3月31日〜4月13日の2週間限定」で公開されてる『しあわせのパン』を観て来た次第。しかもレイトショー。

ホンマに最近は、劇場に立ち寄る時間が全然取れず、それに加え、大した作品も(高松に)上陸してくれなかったりするので・・嬉しいやら、悲しいやらである(⌒〜⌒ι)

フトコロ的に「特に苦しい」ってワケでもない分、余計に辛かったりするんだが・・

そんな中、近畿圏で本作を観た方から「良かった!」と聞いたモノで、期待値を高めて鑑賞に臨んだ次第。

北海道が舞台で、大泉洋がメインを張るとなると・・コレはもう“探偵モノ”しか思い浮かばなかったりもしたンだけど(=^_^=)

北海道・洞爺湖畔に近い“月浦(つきうら)”・・ここに「(焼きたての)パン工房+(季節野菜の)レストラン+簡易ホテル=『カフェ・マーニ』」を開業して1年。

水縞尚(みずしまなお:大泉)&りえ(原田知世)の夫婦は、夏はトマト、秋は栗・・と「旬の食材」を利用したパンを共同作業でせっせとこしらえる日々。

そんな『マーニ』に「夏の客(香織さん&時生くん)」「秋の客(未久ちゃん&そのパパ)」・・そして「冬の客(阪本夫妻)」が訪れ、心と体を温めた後、やがて去って行く。

“束の間のお客”である彼らに静かに寄り添い、彼らに起こる小さな『変化』を目の当たりにしてゆく水縞夫妻にも、やがて大きな『変化』がやって来る事となり・・

いやいや、かなり最近は心身共に疲れを自覚するシーンが多いので、ややもすれば“説明不足”“キャラ造型不足”“ベタ路線”なワケではあるも、、意外に(スンナリと)ホッコリと癒されてしまう自身に気付かされもするのだった(⌒〜⌒ι)

作品の骨格として、何となく『食堂かたつむり(2010)』に似てた気がしないでもなかったか。
そこに『東京オアシス(2011)』におけるキャラ造型と殆ど同じような(=^_^=)原田さんが絡み「ホンマのあんたはそんな言動じゃねぇだろ?!」とついツッコミたくなってしまう大泉“ねずみ男”洋が生真面目&したたかに(=^_^=) 物語世界を牽引してゆく感じで。

3ツの季節に、それぞれやって来るお客たちに対し「夏・・若者ら」「秋・・父子」「冬・・老夫婦」と明確にそのカラー&ストーリーを区別してる辺り、人生における「昼⇒夕方(黄昏)⇒夜」を見せつけられるようでもあり、何となくツラいトコもあった。

一方で「いつもの客」として画面を賑やかにしてくれる面々が、あがた森魚(阿部さん役)、余貴美子(“地獄耳”の陽子さん役)・・と存在感を存分に発揮してくれててスゴい!

余さんに至っては、初登場シーンで(吹き)ガラス工房の職人みたいな演技をしてるのが妙にハマってて、コワいぐらいだった(⌒〜⌒ι)

水縞夫妻に、妙な“よそよそしさ”が漂ってるとか、如何にも“セク〜スレス”らしそうとか、余りに「儲け度外視」でお人好し過ぎる経営してねぇか? とか、我に返りつつ眺めたら「違和感」を覚える点も少なくはないんだけど、それはそれとして「“失ってしまう運命”は結局、変えられない」「壊れた関係は所詮、元に戻らない」みたいな“リアルな要素”に対しても“眼を背ける事なく、ちゃんと真っ正面から描いてくれてる”点には感心もさせられた。

「香織&時生 ⇒ 水縞夫妻 ⇒ 阪本夫妻」と3ツに時間軸を分けての“男女の(出逢い〜別離に至る)カタチ”を眺めるも良し、ナレーションの声(大橋のぞみ!)の正体が「一体、誰なのか」を推理するのも面白いと思う(←ワタシはてっきり、山羊の“ゾーヴァ”かと思ってた)。

〜 こんなトコも 〜

・東京ってば「沢山の“大変”の溜まる街」「皆が気を張り詰めてる街」「皆がムリして笑ってる街」だそうで(×_×)
・陽子さんの工房の壁(黒板?)に『スキナトキニ、スキナコトヲ』を書いてあったのが印象的だった。
・「何かイイ事がある度に、小銭を1枚、何となく瓶に溜めたりする」と・・良いのかも知んない(・ω・)
・トーヤ村は「洞爺村」の事なんだろう。
・『沖縄恋旅』ってガイド本があるなら『月浦恋旅』ってのがあっても、良いかも知んないネ。
・“ムーンビーチ”もまた『月浦』とも訳せそうな(・ω・)
・『月浦』って銘柄のワインに興味津々。ホントに飲める(←買える)んやね!
・時生くんはバイクで片道3時間もかけ、わざわざ『マーニ』にやって来てるらしい!
・「クグロフパン」のケーキ型(アルミ製)ってば、なかなかにオブジェっぽくて面白い!
・「命拾い」したかと思えば・・結局はやはり“絞められ”ちゃってた広川さんちの元気なニワトリちゃん(×_×)
・阿部さんのトランクの中身は・・?? てっきり「銃器の類」かと思ってた(=^_^=)
・「し」「あ」「わ」「せ」「の」「パ」「ン」といちいち7文字に分かれてるスタンプをちまちま(1文字ずつ)カードに押してはるりえさん。「でこぼこに文字を配した」スタンプを1ヶこしらえときゃ「ひと押し」で完成すんのに・・(⌒〜⌒ι)
・室蘭本線・有珠(うす)駅は、今や「完全無人駅」となってるらしい。
・『日乃出湯』は神戸にあるって設定だったんやろか?
・原田知世は、異常にミトン(手袋の1種)の似合うしとだと思った!
・ラストの2人のやり取りを「“来年のお客さん”の予約だぁ? そりゃまた随分と早いねぇ・・で、何処から来るんだいっ?」「そりゃあ、ここに決まってらぁね!」みたいな言い回しに変えると、何とも“落語調”になって面白いかも(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

りえ“初恋の相手はマーニだった”
  “私はずっと、マーニを捜していた”
  “だけどどんどん、周りには
   『好きじゃないもの』が増えて行った”
  “「マーニはもういないのだ」と心に決めた”
  「トマトのパンです。ワインに合うと思いますよ」
  「私もね“ムリして笑う事”あるんです」
  「“素朴なパン”もイイですよ」
  「“もっとイイ誕生日”が来ますよ」
  「お2人で、どうぞ」
  「地震ももう・・随分経ちましたね」
  「明日もまた、パン、食べて下さい」
  「ずうっと見てて、私の事。
   水縞くんの事も、見てるから」
  「有難う。私のためにここに来てくれて
  「見つけたよ・・私のマーニ」

尚「“カンパーニュ”が焼けました」
 「イイねぇ・・良くここまで育ちましたねぇ」
 「これは“食べ過ぎ”です」
 「また来て下さい。いつでもウチはここにありますから」
 「やっぱ“ひまわり”が効いたんだなぁ」
 「ここでムリして笑う事ないよ
 「ホットミルクを作っとくよ」
 「またいつでも、来て下さい」
 「焼きたてですよ」
 「月なら、この窓から良ぉく見えますから!」
 「しばらく、ウチで過ごしませんか?」

時生「やっぱ美味いっスね、ここのパン」
  「ここにだって、色々ありますよ」
  「それを“恵まれてる”って言うんじゃないですか
  「一生懸命“幸せになろう”ともがいた事のある
   人間じゃないと、幸せは来ないと思うんです
  「“俺の人生は、簡単に切り替わんないんだな”って」
  「線路はずっと続いてるけど、俺はここから出られない」
  「でも俺、今日は月が奇麗に見える」
  「※※まで送ります!」

マーニ『大切なのは“君が照らされていて、
    君が照らしている”と言う事なんだ
   『あたたかいばんごはん、つくってます。
    おなかがすいたら、きてください』

広川「他人じゃどうにも出来ない事もあるから」
  「“元気な味”だよ!」

陽子「ちょっとあんたたち! 沖縄土産、探してんの?」

香織「今までで、1番イイ誕生日になりました」
  「悔しいけど、奇麗だなぁ」

未久「ママの作った“カボチャのポタージュ”が食べたい」
  「美味しいね・・でもママとスープとは違うね」
  「ママはもう、戻らないんだよね」

阿部「私は“辛党”なんですよ」
  「今夜は、ワインも頂いてイイかな?」

阪本「何や、喋り過ぎましたかな」
  「そろそろ、月を観に行こか。有月(ゆづき)も待っとるわ」
  「“2人っきり”になってしまいました」
  “死のうと考えたのは、私の傲慢でした
  “人間は、最後の最後まで『変化』し続けるのだと、
   初めて気付いたのです”
  “自分たちの信じる事を、心を込めてやってゆく暮らし。
   地に足の着いた暮らし。それにこそ
   『幸せ』のあるような気がします”

ナレーション“誰にでも、1人から2人になる瞬間があります
      “秋は、色んなものが実る季節です”
      “りえさんは、訳もなく悲しくなる事があります。
       そんな時、水縞くんも私も悲しくなります”
      “1人じゃなく2人だと、ふと気付く瞬間があります
      “この日、水縞くんの欲しかったたった1ツのものが
       手に入ったようです”

※「“誰かと一緒なら出来る事”ってあるんです
 「大地から、郵便です」
 「人は“乾杯”の数だけ幸せになれる。
  何かイイ事があったら“乾杯”・・
  1日の終わりを、誰かと“乾杯”して締めくくれたら

香織「“大きな幸せ”が欲しいもん」
時生「欲張りっスねぇ」

香織「“カッコ悪い奴”って思ったでしょ?」
時生「“カッコ悪い自分”を知ってる人が、
   大人だと思います

時生「もがけないんです、俺」
香織「それって、もがいてんじゃん」

りえ「※※まで、運転出来るかなぁ?」
尚「大丈夫だよ。僕だって出来たんだから」
りえ「確かに・・遠かったよね」

尚「僕の欲しいものは“1ツだけ”ですから」
りえ「・・何、ですか?」
尚「・・内緒です」

りえ「これで1ツ、栗のパンをお願いします」
尚「畏まりました」

未久の父「こんな美味しいコーヒーが
     毎日飲めるなんて、イイですね」
尚「はい、イイです」

阪本「パンもエエですなぁ」
尚「はい、イイです」

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2011年11月 9日 (水)

☆『ステキな金縛り/Once In A Blue Moon』☆

7日(月曜)の夜。

毎週月曜には、恒例の“イングリッシュディスカッション”ってヤツが、市内某バーで行われとるワケだが、前回が余りにショボくて「タイム&マニーをドブポイしちゃった感」が強かったので、敢えて今回は「パス壱!」とし、自身の時間を楽しむ事とした。

先日観に行ったばかりだったが、やっぱり“もう1度、ちゃんとした座席で、ちゃんと観直したい”と考えてた『ステキな金縛り/Once In A Blue Moon』の再鑑賞である☆ “ワーナー・マイカル・シネマズ高松”にて。

今回は2回目なので「驚かされる」って点ではさほど盛上がらなかったが、とにかく「泣きポイント」で、又もやきっちり&しっかり泣かされてしまった。

六兵衛(西田敏行)が会う、矢部(KAN)、木戸(浅野忠信)・・。そしてやはり、ラヴちゃんを巡るあのレストランのシーン。

分かってても泣かされる(⌒〜⌒ι) 六兵衛を演じる西田さんの、あの何とも言えないクニュっとした、人懐ッこい笑顔が、コレまたエエんだわ!

ここまで表情豊かで、魅力に溢れた西田さんは、ここしばらく拝見してなかった気がする。札幌で撲殺されとる場合じゃありませんゾ!!(←それは別作品だってば!)

彼をキャスティングした三谷幸喜監督に、そしてその期待に応え切った西田さんの頑張りに、素直に拍手を送りたい。

〜 こんなトコも 〜

・冒頭の“事件”シーン。「揉み合ってどちらかが転落した」ってトコで描写を“寸止め”しといても良かった気「も」する。
・エミ(深津絵里)の住んでたマンションの名は『カーサ・デ・ジェリコ(Casa De Jericho)』だった。
・「静ノ滝」行きのバスが止まった停留所は「古戦場下」である。
・「しかばね荘」入口、ガラスドアの鹿のマーク(逆向き)は「奈※交通のバス車体のアレ」に酷似(=^_^=)
・ポスターの貼られてた“落ち武者祭り”に興味津々(=^_^=)
・エミの「あと1ツだけ」「こんな手を使って、済みませんでした」は、まさに小池朝雄(=刑コロ)口調である(=^_^=)
・六兵衛がファミレス『マジック・キッチン(Magic Kitchen)』で注文したのは「四川風麻婆定食」「とろけるチーズ入りハンバーグ(デミグラスソース仕立て)」「和風カルボナーラ・パスタ」「海老のクリーム・パスタ」だった。
・食べ切れずに余る料理があるなら、占部(生瀬勝久)にあげたら良かったのに?
・「幽霊がエレベータに乗って移動する」って演出が、どうにも引っ掛かる・・科学的に(⌒〜⌒ι)
・アイツ、至近距離の煙草の煙にもむせてたっけ。。
・六兵衛は、享禄3年(1530)卯月(4月)3日生まれ。481歳と言ってたので、本作の時代設定は2011年である。
・六兵衛の没年は天正18年(1590)。
・段田(小日向文世)の不気味さから連想したのは・・やはりケヴィン・スペイシーで「も」ある(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

エミ「死んだらどうすんのよ!」
  「では、これが何に見えますか? 貴方にはバナナに見える!
   これが? なるほど・・以上です!」
  「同じウソをつくなら、もっとマシなウソをつくでしょう?」
  「・・最悪だ」
  「まだあんな事言ってる。“見えてる”くせに」
  「帰ろ。落ち込んでる暇なんかないわ」
  「今に見てなさいバーナード! あたし負けないから!」
  「下手に嫌がると、逆に疑われますよ?」
  「総ては! 総ては!! 総ては!!!」
  「座って!」

六兵衛「触るな、女!」
   「今、何と申された?
    “罪なくして裁かるる”と申されたか?」
   「此の怨み、晴らさでおくべきや!」
   「何言ってんのあんた・・無理っスよ。
    (瞬間移動なんか)出来る訳ないじゃん」
   「どうか! 何卒! 御頼み申す!」
   「“願いの儀”が御座る」
   「“武士は相身互い”・・ギブ&テイクで御座ろう?」
   「食べるのは、生きる為」
   「“あやかしの身”となっては、
    眼で(料理を)楽しみ、匂いを嗅いで楽しむのみ」
   「美味いんだ・・美味いんだ・・あ、2ヶ喰った」
   「心霊写真? ま、大体は“本物”であるな」
   「血が騒ぐのだ!」
   「強(し)いて申さば、斬られた者が、余りに早ぅ死に過ぎる。
    刀で斬られた人間は、半日は生きておるものだ」
   「武士の子たる者、人の前で涙を見せる
    ものではないわ!」
   「“穴空(あ)き座布団”? 痔ですか、お宅は?」
   「儂(わし)に任せておけ。案ずるな」
   「聞いて驚くな」
   「試してみるか?」
   「“ハチ公”と並んでおり申した」
   「御慈悲を御願いしたいんですけどぉ」
   「帰んのか? つくつく、帰んのか?」
   「何故って云(い)われても困っちゃう」
   「俺、悔しいです。本当に悔しいです」
   「あれ(=明智光秀)と一緒にすな!」
   「此の陣羽織を“証拠物件”として提出致す!」
   「戦(いくさ)の勝ち負けは、最期迄分からぬもの」
   「未だ負けた訳ではない」
   「儂らに出来る事なぞ何もない。
    儂らは“屁”の様なものじゃ」
   「自分を信ぜずして、誰(たれ)が信じるか」
   「何故、其れに早ぅ気付かなんだ!」
   「あいや分かった!」
   「ちゃんと行って来ましたよ。
    ・・“刻(とき)の過ぎ方”が違うんですよ」
   「おお。飛んどる、飛んどる」
   「勝負は是(これ)からぞ。御武運を御祈り申す」
   「何を小洒落て出て来ておるのだ・・来い!」

小佐野「存在が科学で証明出来ない場合、
    それは“存在していない”のと同じ事」
   「どんな奇跡にも、必ずトリックがある」
   「何かのトリックに決まってる」
   「裁判に“超常現象”の入る余地などない!」
   「裁判に“面白さ”を求めるべきではない」
   「卑怯者!」
   「たとえ幽霊であろうと、証人である以上、
    当然“反対尋問”はやらせて貰う」
   「これは“こちらの世界の裁判”だ」
   「我々の“本当の敵”は“真実を隠そうとする者達”です」
   「幽霊だって人間だ!」
   「(証人が)生きていようが死んでいようが、
    そんな事はどうだっていい!」
   「その証言に“信憑性”があるか否か?
    そしてこのケースにおいて・・答えは“否”だ!」
   「そろそろ“立証趣旨”を明確にして貰えませんか?」
   「異議なし!」

速水「“期待を裏切る名人”だな」
  「(弁護士に)向いてない? “それ以前の問題”だな」
  「お前、おかしいだろ! 絶対」
  「お前、マジでちょっと休め」
  「これ、どっちが正しいんだ?
   “見える”のと“見えない”のと」
  「こりゃ“前代未聞”の裁判になるぞ」
  「これ以上、引き延ばす事は不可能だ」
  「・・覚えられない」

矢部「なかなか死ねるもんじゃないですね、人間って」
  「これって、僕の裁判ですよね?」

主人「夜は熊が出るから」

女将「・・言わなかったっけ?」
  「ここは“落ち武者の里”ですからね。
   “そう言うの”がウリなんですよ」
  「だけど、本当に出たらマズいっしょ?」
  「何すか?」

占部「“落ち武者”じゃありませんから」
  「これでも毎朝、セットに1時間かけてるんです」

村田「何故じゃあ〜!?」

木戸「私は“これほど迄に悲しげな貌(かお)の武士”を
   他に見た事がありません」
  「歴史は変わるんだ!」

裁判長「どぉゆぅ事かな?」
   「えぇっ! そうなの?!」
   「誰か、意味分かる人?」
   「何の話をしてるのかね?」
   「今のはどぉゆぅ事?」
   「もう少し、聞いてみましょう」
   「だから何が言いたいの?」
   「もう少し、弁護人の話を聞いてみようじゃないか」

画家「少なくとも、外見に何1ツ共通点を見いだす事は出来ないね」
  「しかし世の中“仕事が巧く行ってる人間”の方が
   少ないんじゃないかね?」
  「“似顔絵”じゃないんでね」

段田「“上”はお怒りだ」
  「いいでしょう。お手並み拝見といきましょうか」
  「こう言うのが1番ハラ立つんだよ」
  「なかなかやるじゃないか」
  「なかなか“面(つら)の皮の厚い”お嬢さんだ」
  「なかなか良い所をついて来るね」

万亀夫「これ以上一緒におると、君の事が嫌いになりそうや」
   「もっと早く“その言葉”聞きたかった」

※「バナナをバナナと言って、何が悪い!」
 「こんなにあっけないとは思わなかったなぁ」
 「“天一の拉麺”喰いたかったな」
 「これ以上の証言はありません」
 「さぁ、逢って頂きましょう!」
 「どうするんですか?!」

エミ「待って! 話を聴くから!」
六兵衛「・・正座!」

六兵衛「高名な方なのか?」
エミ「知らない。ネットに出てた」
六兵衛「ネット?」
エミ「そ、ネット」

小佐野「こんなものはトリックだ!」
エミ「分っかんない人だなァ!」

エミ「素直に認めちゃえば良いのに」
小佐野「意味が分からない」

小佐野「そこまで言うからには“裏”は取ってるんだろうね?」
エミ「“裏”は今から取ります」

エミ「その頭は?」
六兵衛「一寸(ちょっと)“今風”にしてみたんですけどぉ」

六兵衛「エミ殿。今より“姫”と御呼びして宜しぅ御座るか?」
エミ「・・ダメ!」
六兵衛「え? 何で?」
エミ「姫じゃないもん!」

エミ「お元気で」
六兵衛「儂はもう既に死んでおるわ」

裁判長「検察官、ご意見は?」
小佐野「・・然るべく」

※「私は何をしているのでしょう?」
六兵衛「刀を持たされてるの」

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2011年11月 5日 (土)

☆『ステキな金縛り/Once In A Blue Moon』☆

3日(木曜)の夜。
昨夜は“比較的”短時間ながら、集中して呑んでしまい・・22時頃の帰宅直後からの記憶がストンと抜け落ちてしまった(×_×)

「んん・・?」と眼を開けば、早朝の5時過ぎだった。自室の天井灯は点けっ放しだし、何故だか窓は全開。

おまけに扇風機が回っていた(⌒〜⌒ι) ←暑かったんやろね、、近年とみにデブってるし。ぶぅ。。

・・

「折角の『文化の日』だし、何か文化的な事でもしよう!」と思い付き、遠距離ドライヴがてら、某県某市のシアターに行って鑑賞して来たのは、脚本と監督:三谷幸喜による新作コメディ『ステキな金縛り/Once In A Blue Moon』だった!

しかし本作・・ホンマに“ハンパなく人気がある”ようで、当初狙ってたシアターでは「次の回:満席」「その次の回:残席わずか」ってな表示が、わざわざチケット売場のトコに、デカデカとした紙でもって掲示されてた。

その場で、近くの別劇場に問い合わせたトコロ「約3時間後の次の回の残席が、まだ200〜300ほどある。でも今の回の上映が始まったから、それも埋まって行くでしょう」みたいな返事を得たため、そちらに決めた。

今日は、久々の“メモなし鑑賞”となったため、細かいセリフなどが、随分と短期記憶力の衰えによりポロポロこぼれ落ちてしまったが、、作品の出来としては予想以上に良く「時間が赦せば、もう1回、より完璧に観ときたいな!」とまで思ってしまったワタシ。

何と言うか・・作品自体は良かったんだけど「場内がやたらと暑い」「シートがイマイチでお尻が痛い(割れそう)」の2点のせいで、妙に疲れてしまったのだった(×_×)

そう言う意味でも、ちゃんとした(?)完成度の(イマドキのシネコン仕様の)シートに身を委ね、快適な空調の中、ゆったりと楽しみたいワケである(・ω・)

(東京)都内のマンション敷地内で、美術商の女性(竹内結子)の墜死体が発見さる。

彼女の殺害容疑で逮捕されたのは、気弱な夫=矢部(KAN)だった。だが、事件当夜(=2月24日)は奥多摩山中の某旅館にいた、とアリバイを主張する矢部。

それも「動きたくても動けなかったんです。就寝中に金縛りにあい、1晩じゅう“落ち武者の幽霊”に馬乗りになられてたんですから」と、にわかには信じ難い状況を大真面目に申述する始末。

“優秀な弁護士だった亡き父(草薙剛)に憧れつつ”も、担当した事件で“敗訴”を続ける3流弁護士=宝生エミ(深津絵里)は、所属する事務所のボス=速水(阿部寛)に「これがラストチャンスだぞ。しかし・・難しい案件だがな」言われた本件を担当、矢部の無実を証明するための行動を開始する。

彼が泊まったと言う“落ち武者の里(小多摩古戦場址)=鬼切村”にある「しかばね(鹿跳)荘」に向かったエミは、とある事情から1泊を余儀なくされ、空かずの(?)部屋「耳鳴の間」にて“落ち武者の幽霊”に遭遇する。全身を襲う金縛りと共に。

“切羽詰まった精神状態”によって難なく恐怖心を克服した(=^_^=)エミは“落ち武者の幽霊”こと更科(さらしな)六兵衛(西田敏行)に「事件当夜の矢部のアリバイを証明する、証人になって下さい!」と依頼するのだった。

自身「“裏切り者”の汚名を着せられ、最期は斬首された」と言う六兵衛は「無実の者が裁かれると云う事であらば、黙って見過ごす事は出来ん!」と妙な正義感(=^_^=)から、彼女の頼みを快諾する。

かくて“前代未聞”の「幽霊裁判」が開始されたのであるが・・

三谷作品ならではの“持ち味”とも言うべき「妙に細かい雑学ネタ」「独特な死生観」「大真面目な(であるべき)舞台に、極めて不真面目な設定を持ち込むしたたかさ(=^_^=)」などがある意味“爆発”してて凄まじかった!

これまで「監督は向いてないよ」とか「群像劇はあんたにゃ描けないよ」とか厳しい事を(“にわか”とは言えファンであるが故に)思ったり、言ったりして来たワタシなんだが・・今回はホンマに「ノリにノッテる」印象だ。

監督としての手腕も飛躍的に(?)向上してて、まるで『ザ・タウン(2010)』で見事に開眼(?)した、ベン・アフレック監督の力量を連想させられたり。

ただ“殺人事件”を巡る物語でありながら、その事件自体が(結果的に)妙に“お粗末な捜査”でもって“お粗末に処理”されてしまってたのが「総ての要因」と思うに、その辺りのチープさは少々残念な気はした。(“発生現場”が違うのは、観客にもすぐ分かるとは言え、更に重要な“※※※”が違ってたってのもあったし)

また“言動&置き方に力のこもってるキャラ”のいる一方“扱いのぞんざいなキャラ”もいて、その差が「ハッキリ」してたのも少々残念に映った。

全編に渡り「プックク・・」と笑わされるのは当然として、とあるワンちゃんが登場して来たシーンで、自分でも驚くぐらいにボロボロと泣かされてしまった。

これぞ、武田鉄矢曰くの「子供と動物には叶わないなァ」ってトコであろうか(×_×)

上映時間が142分って事で、もう少し削るトコは削っても良かったのかも知れない。
「登場キャラ」「編集」を極めたら・・監督:三谷幸喜は“更なる高みに到達⇒君臨”する事も出来得ると感じた。

〜 こんなトコも 〜

・「“被告人の不在”を証明するため、まず“証人の存在”を証明させなきゃならん」ってな物語の置き方がスゴ過ぎる! どうやったらこんな斬新&インパクトのあるネタを思い付けるんやろ! それも超多忙なハズなのに!
・竹内結子さんの“メイク顔”はどうにも好かない。
・「しかばね荘」のダジャレ(?)が巧いだけに、部屋の名前でも“巧妙にダジャレって”欲しかった。
・「父親がどんだけスゴい弁護士だったのか」って描き方が、ちょっと弱かったように。
・ポイントポイントで“物語にアクセントをつけてくれた”のは、常に中井貴一(検事・小佐野役)だった。流石は「大坂國大統領」や(=^_^=)
・ないがしろにされてるハズ(?)のタクシー運転手=占部(生瀬勝久)が、しつこく物語に絡んで来るのは笑えた。
・タクシー内のシーンは「乗客=2名ヴァージョン」でのセリフのやり取りを是非聞いてみたい(=^_^=)
・明るさいっぱいの深津絵里(弁護士・宝生エミ役)はやっぱりイイ! 後半で「知恵」「勇気」に加え「自信」を身に着け、立派に成長してく姿も良かった! 『悪人(2010)』での彼女が悲しかっただけに、本作での深っちゃんが愛おしくて仕方ない(照)
・阿部寛(弁護士・速水役)の迎える唐突な“アレ”には、後ろの座席の女性から「うそ!うそ!」みたいな半悲鳴が上がってた(⌒〜⌒ι)
・阿部寛のタップダンス、中井貴一のマジックなど「こだわりの小ネタ」が楽しい! 特に中井さんの方は結構(描写が)しつこくて(=^_^=)『ミッション:インポッシブル(1996)』に於いて“MOディスク隠し”の手品を披露するトム・クルーズをすら圧倒してたかも知んない(=^_^=)
・“裁判員裁判”関係の設定や、描き込みをバッサリ省いた事で「群像劇」としての面白さはかなり棄てられてしまったが、監督本来の“得意とするパターン”に物語を持ち込めてた気がする。
・KAN(被告人・矢部役)に対し「観客が思い始めてた事」を、KAN本人に言わせるのが良かった。
・市村正親(陰陽師・阿倍つくつく役)は、月に向かって吹っ飛ばされ、何処へ消えたんやろか?
・小日向文世(公安局員・段田役)の“ハナにつく感じ”が『コンスタンティン(2005)』における、ピーター・ストーメアを想起させてくれた。
・浅野和之(旅館の主人役)の「高速移動ぶり」ってば、常人を超えてると思う(×_×)
・六兵衛「たち」の姿が見える“裁判員”はいたんやろか?
・エンディングを(苦笑しつつ)眺めながら「結局“成仏する”ってなんやねん」と呟くように突っ込むワタシがいた(=^_^=)
・ってか、昼間にも化けて出てますやんか!(=^_^=)
・リアル殺人現場である「あの屋敷」ってば、何処にあったんやろ? 少なくとも(東京)都内ではないと思うんだけど・・
・そして少なくとも「本編」には大泉洋は出てなかったように思う(・ω・)
・オープニング。カラフル&チープなパーツの寄せ集めが・・タイトル文字になる演出はセンスが良い!
・あの小指テク(?)で、リモコンぐらい何とでも動かせましょうに(=^_^=)
・男女間のドラマの描き方は比較的チープだった。
・『スミス都に行く(1939)』の作品時間が2時間9分である事をしっかり覚えられる(=^_^=)
・“あちら側”では、ネアンデルタールがわさわさ歩いてるそうだ。
・幽霊は「瞬間移動」なんか出来ないそうだ(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

エミ「名を名乗れ!」
  「大丈夫☆」
  「シナモンはお好き?」

速水「それは、とても俺の口からは言えないな」

小佐野「一体これは何なんですか?!
    ・・誰なんですか?!」
   「うるさい! 私が今、喋ってるんだ!」
   「・・集団催眠?」
   「でも言っておくが、
    裁判は“勝ち負け”じゃないからね」

木戸「武士じゃないもん!」

エミ「こっち来るな!」
六兵衛「行かねぇよ!」

主人「イイ色の服、来てるね。何処で買ったの?!」
エミ「・・伊勢丹です」
主人「は?!」

女将「チャレンジャーだねぇ」
主人「エンジョイ!」

エミ「ホントに死んでるの?」
六兵衛「脈を診てみるか?
    トクトク云(ゆ)ぅとるか? トクトク云ぅとるか?」

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2011年6月19日 (日)

☆『さや侍』☆

18日(土曜)。
帰阪の折、某市の“ワーナー・マイカル・シネマズ”に立ち寄る形で、ある程度ながら期待値を高めてた(のか?)新作『さや侍』を観て来た。

反響が少なかった(人気がなかった)のかは、良く分かんないが・・中規模のシアターに追いやられながら(?)も、そこそこに混雑しとる場内だった。

松本人志の監督&脚本による第3弾! いよいよ、松ちゃんに“監督失格”の鉄槌が下されるのか・・?!(⌒〜⌒ι)

伊香(いか)藩に属する下級(?)武士=野見勘十郎は、とある不幸な出来事をきっかけに刀(真剣)を棄て、脱藩を決行する。

“賞金首”に成り下がりつつ、娘=たえを連れ、諸国を逃げ回る勘十郎が腰に帯びるのは・・今や鞘(さや)のみであった。

彼の生命(懸賞金)をつけ狙う、3人の凄腕(?)の殺し屋(=三味線のお竜、2丁短銃のパキュン、骨殺師のゴリゴリ)の追求を辛うじてかわし、尚も逃げ続ける彼だったが・・ある夜、ついに多幸(たこ)藩の放った追っ手に捕われてしまう。

それは・・実に脱藩から2年3ヵ月を過ぎての事だった。

多幸藩主(國村隼)の御前、お白砂に引き出された野見父娘。
藩主は、勘十郎に対し「30日の業(ぎょう)」なる、珍妙な試練を課す。

それは・・『明日より30日の間に“流行病(はやりやまい)による母君の死をきっかけに、一切の感情を封じ込めてしまった”幼き若君を「1日1藝(げい)」の制限でもって披露し、笑わせる事が出来れば、その場で無罪放免に。
しかし、それが出来なければ、30日ののちに切腹を命じられる』と言うもの。

勘十郎は、自身の牢番である倉之介(板尾創路)と平吉(柄本時生)に妙案を借りつつ「業」に挑むが・・その一方で、次第に、たえとの間に生じた「溝」は静かに広がってゆくのであった・・

う〜ん。これまでの(監督)2作品については、今から振り返るに(・ω・)

『大日本人(2007)』・・“初監督作”とし、野心的かつ頑張ってはいたが、終盤のいわゆる「エネルギー切れ」が余りに無責任であり、それ故に中途半端にも。
『しんぼる(2009)』・・シチュエーションコントの拡大版、みたいな。“1ツの大ネタ”として楽しむにはやや苦しく、また「小難しいトコ」に逃げてた印象もあり、1作目に比べると“グレードダウン”が否めない。

って感想を(改めて)持ってるワタシだが、それらと対比すると「まともな作品」としての完成度(体裁?)こそは、ちゃんと整ってたように思う。

特に、時代劇としての「時代考証」「カメラワーク」そして、何処となく“クロサワのモノクロ時代の作品”を思わせる「味わい深いスコア(楽曲群)」がなかなか良かった!

その一方で「國村さん&板尾さんの助演」がもし実現してなければ・・「我慢出来ぬほどのつまらなさ」に仕上がってたな・・って危機感があった。

正直、ワタシの中では野見父娘を演じた2人の演技やら、そっち方面の事は「どうでも良かった」とさえ思えたワケで。

また、序盤における「お竜(りょう)、パキュン(ローリー:Rolly)、ゴリゴリ」の登場シーンが「当惑させられてしまう程」にサムくて「こりゃ、、マズいぞ、、」と妙な違和感がワタシの脳内を走ったのも、正直なトコである(⌒〜⌒ι) ←その“荒唐無稽さ”こそは、ちと『ピストルオペラ(2001)』っぽかったが。。

ラストも、何処となく「ワタシの予想してた展開」とは、違う意味で「演出が粗く」・・『HERO(2002)』や『ジャック・サマースビー(1993)』を観終わった時のような・・それでいて、もっともっと心に響かない(=^_^=)ような、そんな妙な気持ちとなったのだった。。

〜 こんなトコも 〜

・勘十郎の人相書の描かれた高札によれば、物語の時代設定は「辰年の7年29日」以降の事らしい。
・舞台となる多幸藩は「富士山の見える、浜辺を擁する地」にあり、静岡県内かその周辺と推測される。
・勘十郎は「30日の業」に挑んだ、11人目ぐらいの罪人らしい。
・ベタなトコだろうけど、ベラベラ喋ってる平吉を「うるさいぞ!」と叱り付けた後、(お喋りに変えて)鼻歌を歌い続ける彼を「全く咎めない」倉之介がとても良かった(=^_^=)
・多幸藩の「蛸の御紋」はなかなかイケてる意匠だった! グッズ類ってあるんかな(=^_^=)
・状況&結果の説明を(主人公の周辺に、でなく)町民や、本筋に無関係な人々にさせる辺りは演出として良い。
・大きな道具(カラクリ)の製作を次々と(連夜に渡り)命じられた、多幸藩のお抱え職人ら(?)の頑張りには、流石に頭が下がる(=^_^=) ←翌日までに仕上げられないと、それはそれで切腹とか??
・「眼の表情」と「(小道具の)金平糖」だけで、雄弁に心情を語ってみせた國村さんは、やっぱりスゴい!
・「7日草(なのかそう)」の効き目は抜群だった!
・立てられた襖(8枚ほど?)を連続で突き破る「業」の時、リアルに右手指(?)をケガしてるように見えた勘十郎役のしと(×_×)
・終盤の4日ほどは「業」を披露するシーンも、バッサリ割愛されてた(⌒〜⌒ι) それはそれで残念。。
・“若様は、赤い※※が好き”って情報は、もっと早く入手出来なかったモノなのか。。
・「許官」「萬小道具」「日向焼」「和漢書物」と言った表記が町内に見受けられた。
・北野武が『座頭市(2003)』で放った“町民タップダンス”に対抗したか(?) 川辺での“アカペラ披露”はちょいとした話題になりそう(なるの?)
・「首が〜!」芸には、どうにも“ジャミラ”ってなウ※トラ怪獣を連想させられた(⌒〜⌒ι)
・脚本には監督自身を含め、6人もが関わってた! 板尾さんもその内の1人!
・エンドクレジットの「うどんすすり指導:ほっしゃん。」には、やはり場内から失笑が漏れた(=^_^=)
・「人間大筒美術」ってなスタッフもおられた。
・最後・・「鞘」にアレがぴったり収まらなかったら・・さぞ辛かったろうな(⌒〜⌒ι)
・勘十郎の「過去=物語以前」に関し、もう少しなりと「情報」「材料」「演出」と言ったモノが欲しかった。

〜 こんなセリフも 〜

勘十郎「一寸(ちょっと)、頼みがあるのですが」
   「腹に絵を描いてみては、如何(どう)でしょうか?」
   「お願いします。其処(そこ)を何とか」
   「何か、済(す)いません」
   「首が〜! ・・戻った」
   “巡り、巡り、巡り、巡って、
    其(そ)れだけですが、其れが総てです”

たえ「父上! 何時(いつ)迄逃げるお積もりですか?
   其れでもお侍ですか? お侍ならお侍らしく、
   戦って下さい!」
  「自害せず、其れでも本当のお侍ですか?
   明日から、どうなさるのですか?」
  「何なのですか、それ。一体、何をしたかったのですか?」
  「どうするお積もりですか?」
  「あれは一体、何と言う藝なのですか?
   あれが出来た処で、一体どうだと言うのですか?」
  「私のせいじゃないですよね?」
  “今度は何ですか?”
  “こんな事をする位なら、
   今、此処(ここ)で御自害なさっては如何ですか?”
  「・・自害しましょう!」
  「父を、鞘だけでは終わらせません!
  「此の男、大筒に入り、天高く飛んで見せまする!」
  「ひぃ! ふぅ! みぃ! いざ!」
  「此の男、どんな荒馬をも乗りこなして見せまする!」
  「此の男、人間花火で、見事に弾けて見せまする!」
  「刀など無くとも、人は立派に戦えるのです
  「此の男、どんな苦難をも突き破り、見事若君に
   “カスティラ”を届けて見せまする!」
  「此の男、息を吹きかけ、※※を回して見せまする!」

倉之介「一寸やってみろ」
   「まぁ、一寸待て。之(これ)を鼻に刺してみてはどうだ」
   「何だ? わしのせいだと言うのか?」
   「一寸“派手さ”に欠けるな」
   「あんたも、こんなんじゃ
    死んでも死に切れんだろう」
   「俺の考えたのは・・之だ!」
   「独り相撲。“天涯孤独の業”だ」
   「張り倒せ! 張り倒されるな!」
   「赤と黒・・2匹の金魚を飲み込み、
    意のままに取り出して見せる。
    “天衣無縫の業”だ」
   「鼻で笛を吹く。“奇想天外の業”だ」
   「箱から飛び出す。“抱腹絶倒の業”だ」
   「無理に行くな・・行くか? 行くか?
   「じわっとだぞ。じわっとな
   「目隠しでもって竹刀を受け止める。
    “暗中模索の業”だ」
   「間抜け! 薄のろ! 能無し! この鞘侍!」
   「“父を途中で見棄てた娘”が、今更何を言いやがる
   「父を“鞘侍”のまま終わらせる気か?」
   「城の外か? 何分、前例がないからな」
   「泣いても笑っても、明日で終わりか」
   「何を暗くなってるのだ。
    まだ終わった訳ではないだろう
   「良いんだよ。別に“字足らず”でも何でも」
   「この際、面白けりゃどっちだって良いんだよ」

平吉「もう、(期日の)半分が過ぎたぜ。
   まぁ、最後迄やり切ってくれりゃ、
   こっちはどうだって良いんだけどな」

お竜「30日もの生き恥・・それは侍にとって、
   1番辛い事だろうよ」
  「あんた、たまには良い事を言うねぇ」
  「あたしは気に入ったけどね。
   “スカッとして、馬鹿馬鹿しい”あんな笑いが」

パキュン「コレか? コレか? 撃つぞ!」

ゴリゴリ「どう言う事だよ?!」
    「俺はだんまりを決め、並んどきゃ良いんだな?
     ・・ってどう言う事だよ?!」

家老「切腹を、申し付ける!」
  「之より・・30日、最後の「業」に入る!」
  「明朝、辰之刻、切腹を執り行うもの也!」

団子屋「本日、之にて売切れ!」

倉之介「しかし・・雨が降るとはなぁ」
平吉「え? 俺のせい?」

平吉「之、どう言う状況なんスか?」
倉之介「今はな・・押してるんだ

倉之介「2匹の蛇を“蛇(じゃ)結び”にする。
    “奇怪至極の業”だ」
平吉「之、毒とか持ってないんスか?」
倉之介「さぁ、どうかな?

平吉「何なんスか?」
倉之介「お前は寝てろ」

平吉「あの大筒に火を点けちまった事で、
   俺の心にも、火を点けちまったみたいですね」
倉之介「面白い事、言うなぁ」
平吉「面白いスか?」

辞世の句“切腹を しなけりゃ殿様 御立腹”
    “腹を斬る 赤子は臍(へそ)の 緒を斬る”
    “切腹は 嫌だお腹が 痛いから”
    “切腹と 接吻は似て非なる もの也”

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2011年5月11日 (水)

☆『新・平家物語/デジタル・リマスター版(1955)』☆

3日(火曜)の夜。

帰阪の折、GW渋滞にモロにぶつかりまくってしまい「睡魔&ガス欠&膀胱炎(=尿意)」なる3点セットに苦しみつつ(⌒〜⌒ι) 全行程の6割がたをひたすら下道で走って戻った。

そんな訳で、早い場合だと2時間半ちょいで戻れる片道に・・約6時間もかかってしまった(×_×)

遅い夕食を摂りつつ、BSPで放送されてた『新・平家物語/デジタル・リマスター版』を、約1時間遅れで観始めた。

「主演(=平清盛)のこのしと、誰だっけ? 誰だっけぇぇ?」と思い出せずにいたら・・そこへやって来た家人が、そこは流石に「お、(市川)雷蔵やんか」とピタリと。
ま、ワタシが満足に観て覚えのある“雷蔵主演作”って言えば・・『炎上(1958)』ぐらいしかないので・・(⌒〜⌒ι)

・・

何だかでも、青年期の平清盛ってば「荒々しい甲冑の武者姿」なもんで・・どうにもワタシの習って来た、教科書の挿絵ヴァージョン(?)の“出家後の清盛像”とイメージが繋がらず、戸惑ってもしまう。

コレって、エルヴィス・プレスリーや石原裕次郎のように「前期/後期のヴィジュアル・イメージ」をセットにして覚えておくべきなのかも知んない。
って、実際に写真や映像が残ってる訳でもないンだけど。。

ラストでは、以前にも観た覚えのある「清盛、矢をばつがひて、2たび、ひゃうど放つ」的な名シーンがあり、シビレてしまった。
2本の矢を見事“アレ”に命中させた事で、うじゃうじゃいた烏合の衆(僧兵ら)が蜘蛛の子を散らすかのように逃げて行くんだから、コレは痛快である!

しかし、当時にこだわっての「忠実なる再現」だったのかは分かんないが・・清盛の眉毛(の造型)が“ケ※シロウ気味”な感じで、どうにも「やり過ぎ」っぽくも感じた。コメディすれすれな気もしたゾ(⌒〜⌒ι)

まぁでも、映像をリマスタリング(作業)で徹底的にブラッシュアップしてるトコからも、衣装や大&小道具に対する再現性も含め「コレってもはや“映像遺産”と言えそやな!」と興奮してしまった。

あと、延暦寺(の僧兵ら)と言えば・・織田信長との確執なんかが記憶に新しいが(←なの?)・・清盛の時代から、既にごしゃごしゃやっとんたんやな〜と「日本史のおさらい」にもなった。今更ながら。。

〜 こんなセリフも 〜

清盛「私は、天地の間に生を受けた“1個の生命”です。
   頼むのは、この清盛ただ1人です」
  「貴様の賭けが当たるか外れるか、とくと観るが良い」
  「生命を断つか断たぬか、その眼で良く観ろ!」
  「私には、もっと大きな動乱の来るのが見えています。
   しかし、私の心は微動だにしません」
  「公家共め。踊りたいだけ踊っているが良い。
   お前たちには明日はないのだ」

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