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2014年12月 8日 (月)

☆『フライト・ゲーム』☆

ハナシは大きく遡って、9月28日(日曜)の夜。

ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”にて「レイトショースタイル」で鑑賞して来たのは、リーアム兄さん(=ニーソン)主演のサスペンスアクション『フライト・ゲーム(原題:Non-Stop)』だった。

殆ど何の予備知識もなく、ただ単に『フライト・プラン(2005)』系の「逃げ場なき、完璧なる“空飛ぶ巨大密室”に於いて、サスペンスタッチな事件が次々とミステリアスに起こるんですねぇコレが」ってな物語を期待して観に行った次第である。

ヒロインとし、ジュリアン“2代目クラリス・スターリング捜査官”ムーア姐さんが唐突に(?)登場したもんで、何ともびっくり! もちろん、姐さんは姐さんなりにバリバリあちこちの大作に出演してはる事やろうけど、ワタシとしては主演作『ブラインドネス(2008)』を劇場鑑賞して以来の「やっとかめ(=久しぶり)」な印象だったワケで。

監督は『エスター(2009)』『アンノウン(2011)』のジャウム・コレット・セラ。 って言うか、どちらも未見ですけんど(⌒〜⌒ι)

北アイルランド出身で、ニューヨーク市警(NYPD)に25年勤めた男=ビル・マークス(リーアム)は、NY発→ロンドン行のアクアランティック航空機(AQ10便)に乗り込み、6時間のフライトに臨まんとしていた。

現在、連邦航空保安官の職に就いているビルは“とある任務”を遂行すべく一般客を装い同便に搭乗したが・・任務開始直後、彼の携帯電話に「速やかに指定口座に1億5千万ドルを送金しなければ、20分毎に機内の誰かを1人ずつ殺害する」なる差出人不明のメールが送りつけられる。

当初「タチの悪いイタズラ」とし取り合わなかったビルだが、図らずも彼自身の起こしてしまった“とある事件”をもいち早く掴んだ何者かから、次々とメールが送信されて来る。

「乗客・乗務員の中に、俺の行動を逐一監視してる何者かがいる!」・・元警官としての経験から、ただならぬリアルな危険を感じたビルは、独自に機内で捜査を開始するが・・ そんな彼の行動を嘲笑するかのように、次々と機内の人物が殺害され始める・・

一方、機長を通じ「脅迫事件」の全容を掴んだTSA(運輸保安局)が調べた所、犯人が指定したのは・・他ならぬ「ビル・マークス自身の名義の口座」であった。

ネットを通じ、(世界規模で話題となり始めた)脅迫事件を知った乗客・乗務員、そして自身の所属するTSAからも「自作自演の脅迫事件(殺人事件)の犯人」と疑われてしまうビル。

周囲の総てが「信用出来ない」「味方にならない」絶体絶命の状況下、地道な捜査の末、意外な犯人がビルの前に姿を現わす・・

「1万2000m上空を高速移動する密室内で、正体不明の凶悪犯が次々と殺人を重ねる!」「容疑者は乗客・乗務員を含む約150人!」
と言う“お膳立て”の部分で、この上ない緊迫感を高めてくれる本作だが・・

主人公を演じるリーアム兄さんのダーティな言動と、序盤で起こしてしまう「予想外な事件」にこそ、驚かされた! この時点での印象は「あんたが1番凶悪やんか!」ってなひと言に尽きる(=^_^=) また、舞台が機内限定なもんで、ロケーション的に「どうしても閉鎖的でしょぼくなってしまう」のは仕方のないトコか。

もう少し『ダイ・ハード(1988)』や『エアフォース・ワン(1997)』辺りを参考にし「地上(管制塔など)でも同時に進行する、別な切り口の緊迫のドラマ演出」を楽しみたかった気がするな。

出演者の中では、前半に登場する「もう1人のエージェント(=ジャック・ハモンド)」を演じたアンソン・マウント(Anson Mount)氏の“イケメンぶり”がなかなか気に入った! その後、彼を悲劇が襲うワケなんだが・・「その早すぎる退場」が悔しくてならない(⌒〜⌒ι)

犯人の正体とし「いったん怪しんだ奴が、やっぱり怪しくて正解だった!」みたいなオチになってて、連想したのは『スクリーム(1996)』だった。犯人の中でも「連携の取り切れてない」辺りなど、そっくりな気がする(=^_^=)

ちぅ事で、後半以降を迎えるに従い「何とも言えぬシラケ感」が漂ってもしまうワケなんだが・・まぁ色々と突っ込める楽しみ(?)も準備されてるし、イケメンも拝めたので良しとしようか。 ←そないに「イケメン要素」が重要なんかい!

〜 こんなトコも 〜

・「連邦航空保安官は楽な仕事で、ファーストクラスが用意されてる」との事だが、本作ではビジネスクラスに搭乗してたビルたち。そちら方面に「配慮」しての演出だったんやろか?
・「アルコール依存症」で「愛煙家」かつ「粗暴」「嘘つき」と言う主人公像には、全く共感出来ない!
・外界(=機外の世界)の様子が良く分からず(描かれず)。内部(機内)と外部(保安局内、管制塔内など)の物語をもう少しクレバーに繋ぎ、見せて欲しかった。
・ジュリアン姐さんの「枯れっぷり」がどうにも、、
・近年のハリウッド作(?)では珍しい「喫煙描写の多さ」が目立ってた。
・機内で次々と殺人が起こるが・・「個々の殺人事件」自体は実に淡白な扱われ方をしてた。
・「第1の殺人事件」の犯人には、ホンマに驚かされる!
・序盤、主人公に絡んで来る人物らは、いずれもが「重要キャラ」だった!
・結論から言えば『フライト・プラン』の方がまだしも洗練されてた気がする(・ω・)
・「怪しい奴が、結局やっぱり怪しかった!」って辺りで、真相を知った際に「結構な疲労感」を覚える(←“爽快な騙され感”なんぞ皆無)
・怪しい奴が次々と出て来るトコは『スクリーム』っぽくもあった。
・「ガイ・ピアース系」「ジェイソン・ステイサム系」・・など、マイナー(?)ながらも、個性的だった乗客(を演じた俳優さん)たち。
・「ファーストクラスのトイレ」って、ホンマに(あないに簡単に)操縦室に(薄壁1枚で)直結してんの?
・松浦美奈さんが字幕をご担当。
・「マッチョ」「温厚」「プログラマ(=理系専門職)」・・と言う“総てを兼ね備えてる”っぽいしと(=ザック・ホワイト)が登場!
・「持ってるカバンを見るだけで、(職業が)医者だとすぐ分かる」・・事もあるらしい!
・劇中の設定では「2014年1月18日に起こった物語」であるそう。
・連邦航空保安官の権限で「機内に於ける無作為検査」が随時行えるようだ。
・TSAの上官(=マレニック)が機長らに「ビルの解任」を速やかに伝えてたら、犯人側はもっとやり易かった事やろね。
・ぼちぼち「911(同時多発テロ)」をネタに扱う娯楽作品が微増して来そうな予感。歴史が少し「乾いて来た」って事なんやろかね。
・弁護士のおじさん(=チャールズ・ウィーラー)ってば、毒は盛られるわ、ポッケに携帯は放り込まれるわ、と散々な役回りですた( ×_× )
・乗客の少年が撮影してた「緊迫した機内に於ける隠し撮り(?)映像」が事件解決の糸口に! あのシーンで「刺したんや〜!」と心の中で叫んだ観客も決して少なくなかったハズ(=^_^=) ←あ、俺だけか、、
・鼻骨をヘシ折られても、自然に「赦す気持ち」となったNYPD現職警官の兄さん(=オースティン・ライリー)。何てイイ奴なんだ!

~ こんなセリフも ~

ビル「聞こえません」
  「大丈夫・・信用してください」
  「ロンドンに3日もいられない。今すぐに帰りたい」
  「この子(=熊の縫いぐるみ)が逃げようとしてたぞ」
  「離陸が問題だ・・上空に行けば・・」
  「私の方が、今はリボンが必要でね・・情けない」
  「抵抗は止せ!」
  「(席番号)20G? 彼は違う」
  「俺を知ってるだろ? こんな事をする訳がない」
  「あんたは医者だな?」
  「あんたも警官なら分かる筈だ」
  「1年間、無料にします」
  「両手を高く挙げて・・乗務員も」
  「乗客を救いたい・・いや、救ってみせる」
  「犯人は逃げる気がなさそうだ」
  「この魔法のリボンをつけろ。
   手に巻き付けて握るんだ」
  「機内で“啓蒙パンフレット”でも配ったらどうだ?」

トム「僕はアムステルダムへ」

デヴィッド機長「乗客を不安にさせるな」
       「悪ふざけでは?」

ジェン「それ(=リボン)お守り?
    ジントニックより効きそうね」
   「何故、あなたが彼の携帯を?」
   「実は、爆弾を隠し持ってるの」
   「人はみな、いつか死ぬわ」
   「アイスランドは初めてね」

ザック「携帯のOSは、最低15ヵ国には対応しないと」
   「NYは最低だな」
   「俺があんたの邪魔してるか? またかよ」

犯人“注目して貰えたかな?”
  “アラームを20分後にセットしろ。
   20分後に機内の誰かを殺す”
  “あんたは機転が利くだろ?
   酒を飲んで、方法を考えろ”
  “やっちまったな、ビル”
  “時計をリセットしろ”
  “もっと死ぬぞ・・護るべき命がな”
  “今のは面白かったぞ。
   時間を無駄にするのが巧いな”
  「あの日、3000人が死んだ」
  「“安全”なんて言葉は“最大の嘘”だ
  「言葉じゃ世界は変わらん。血が流れないと」

マレニック“あの口座は君の名義だ”
     “無理だ・・危険な前例となる”

乗客「じゃあ“無料”って言ったのはデタラメか?」
  「俺の携帯じゃない!」
  「乗客は機体の後ろへ・・
   つまり“911”の時と同じだ」
  「誰か何か言って!」

ファヒム医師「3ツ数える」

ハモンド「(この目薬は)充血に効くよ」
ビル「俺には必要ない」

ビル“誰だ?”
犯人“乗客の1人さ”
ビル“この回線への割込みは連邦犯罪だぞ”
犯人“それを言うなら、機内の喫煙もな”

ビル「(さっきは)鼻を済まなかった」
ライリー「いいさ、どうせ不細工だ」

ジェン「私を味方にしたいの?」
ビル「そうとも」

ライリー「“空の銃”を俺に?」
ビル「(弾倉は)棚にある・・4Bだ」

カイル「君は大丈夫か?」
ナンシー「“最高の着陸”ね」

マレニック「金は返せよ」
ビル「金って?」

ライリー「次は(弾を)装填した銃を渡せ」
ビル「次は撃たれるな

ビル「それで、行き先は?」
ジェン「・・決めてないわ」

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2014年12月 7日 (日)

☆『菅原とうふ店』の親父さん、亡くなる☆

高倉健さんに続き、いぶし銀で「任侠上がり」な名優、菅原文太さんがさる11月18日に亡くなられた。
享年81。

恥ずかしながら、彼の代表的な主演作である『仁義なき戦い(1973)』シリーズや『トラック野郎(1975)』シリーズを1作も観てない(或いは幼少期に観たかも知れないが、覚えてない)ワタシからすれば、何も語る資格はないのだろうが・・

記憶に残っているのは、これまた彼の俳優人生の中盤以降の出演作品となる『太陽を盗んだ男(1979)』やら、更に後年に助演された『わたしのグランパ(2003)』『妖怪大戦争(2005)』だろうか。

『太陽を〜』では、主人公であるアンチヒーロー(なの?)教師を演じた沢田“ジュリー”研二氏の「企て」を阻止せんとする、警部役を熱く演じておられた。クライマックスでは、ビルの屋上に彼を追い詰めたトコで、揉み合ってそのまま2人とも転落しちゃうんだが・・主人公が「電線に当たって跳ね返り、命拾いする」のとは対照的に、モロに地球とキスする形で“退場”する無念さが忘れられない。。まぁ、どちらにせよ、都民はまとめて「消失」しちゃう的な展開だったんだけど。

『グランパ』は、筒井康隆氏の原作小説そのままな、渋いじい様を好演しておられた。「常に着流し姿」なこだわりの生き様がカッコ良かったなぁ・・ 本当にベストなキャスティングだった。
「極道系ジュブナイル」とし『セーラー服と機関銃(1981)』に勝るとも劣らぬ、マスターピースな1作と言えるのかも知れない!

『妖怪〜』では、名セリフ「小豆(あずき)は体(みがら)に良(え)ぇけぇ(←決して広島弁じゃなかったけど)」が印象的だったな。

また、ご本人公認だったのかは分かんないけど、コミック『頭文字(イニシャル)D』に登場する、劇中最強の“峠ドライバー”でもある、市井の豆腐屋の親父=藤原文太のモデルは、きっとこの方だったんだろうなと決め打ちたい。

“残侠”の呼び名も相応しい、ベテラン男優さんの度重なる訃報・・ 改めてご冥福をお祈りいたします。

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☆『ベスト・キッド(2010)』☆

※記事が随分と溜まっているため、かなり遡ります( ×_× )

・・

さる9月26日(金曜)の夜。残業を終え帰宅したトコロ、地上波チャンネルの“金曜ロードショー”で、ちょうど放送の始まってたのが『ベスト・キッド』だった。

面白そうだったので「約10分遅れ」ながら“追っかけ鑑賞”する事にした次第(・ω・)

・・

同タイトル『ベスト・キッド(1984)』のリメイク版である本作。オリジナル版は『ロッキー(1976)』『ヴァン・ダムinコヨーテ(1999)』などを手がけたジョン・G(ギルベール)・アヴィルドセンが監督。

今回は、製作スタッフの上位にウィル・スミス&ジェイダ・ピンケット・スミス(=ご夫婦)が名を連ね、主演はジェイデン・スミス(=ご子息)・・って事で“ファミリー・プロジェクト”」っぽくなってたりも。

母=シェリーと共にアメリカ(デトロイト)から北京へと移住して来た12歳の少年=ドレ・パーカー(ジェイデン)。ヴァイオリンを演奏するご当地の少女=メイ・リンとの間に“淡い恋心”が芽生えたりする一方、功夫(カンフー)を使うチョン率いる、地元の中国少年らの反感を買ってしまう。

ちょっかいをかけられ始めるドレ。いじめがエスカレートして行ったある日、追い詰められた彼の窮地を救ったのは・・母と共に暮らすマンションの風変わりな管理人=ハン(ジャッキー)だった。

その一件を機に“功夫の達人”であるハンに弟子入りするドレ。

やがて、敵対するチョン一味らと、とある武術大会で激突する事になるが・・

「JC(ジャッキー・チェン)+ジェイデン主演!」と配役的にはそこそこなスペックの光る本作だが・・ 総じては地味な印象だったか。これは恐らく、JC演じるハンの「一歩下がった立ち位置」「ネガディヴかつ“笑顔封印”なキャラ造形」が大きな原因だった気がしなくもない。

『ポリス・ストーリー/レジェンド(2013)』もそうだったが、やはり「笑顔の見られないJC」は観てて、正直かなりキツかった、、

ハンには“悲しい過去”が設定されてるんだが、その辺りも詳細は曖昧だった。まぁ、その点は「ふわっと」描いてくれてて構わないんだけど・・ 中盤で登場する「山の上に位置する“功夫の聖地”みたいな場所(=湖北省の「武當山」との事)」に於けるハンの「前職的な地位」が良く分かんなかった。そこでの修業歴やら、師範的な(?)かつての“立ち位置”みたいなトコを、観客にも分かるよう、ちょびっとなり示唆して欲しかったかも。

ラストの武術大会のシーンは、全体的に「格闘ゲーム」的な演出が施されてた感。薄っぺらい仕上がりなんだけど、クライマックスの「一撃」のカメラワークはカッコ良かったかな! 「( フツ〜のチビッ子にゃ)ちょっと真似出来そうにない動き」なんだけど(=^_^=)

〜 こんなトコも 〜

・これがもし「“御大(=クリント)”監督作品」だったら、もっともっと悲しい中盤以降(の展開)に仕上がった気がする。
・ジェイデン君は、幼い中にも既に親父さん(ウィル・スミス)の面影が! 後年の『アフター・アース(2013)』では、可愛らしさがすっかり欠落してしまった(?)ので、本作の年頃がある種「魅力のピーク」なのかも知んない。
・「妻子を交通事故で亡くした」と言う、ハンの過去のパートは中途半端な印象。
・「笑顔なきJC」なんて・・
・武術大会での勝利映像は、まんま格闘ゲームの感覚。
・ヒロイン、ライバルともにさほど印象に残らない感じ。
・助演キャラ陣に「もうひと工夫」欲しかったか。皆さん、とても薄いです。
・屋外ロケーションの幾つかは素晴らしいんだが、基本的に「インドア撮影(=スタジオ撮影?)」だった感じ。
・ジェイデン君の“素質の良さ”は素晴らしい!
・「ジャケットの脱ぎ着(=リメイク版)」より「クルマのワックスがけ(=オリジナル版)」の方が感動的だったか(=^_^=)
・ラスト、主人公の「回転蹴り」のダイナミックさは良かった!
・教えてない(らしき)事まで次々と体得するジェイデン君!
・武術大会に向け練習の始まった途端、ライバルとの接点(=演出面も含め)がパッタリと途絶えてしまうのはどやろ?
・ハンは“功夫の聖地”の関係者なのか? 「敷地内を自由に歩き回れるトコ」からすると師範格と思われるが・・
・ハンと敵師範との戦いは(武力を交えず、精神面のみにせよ)きっちりと描いて欲しかった。

〜 こんなセリフも 〜

ハン「過ぎたるは及ばざるが如し(物极必反:ウージービーファン)」
  「功夫は総ての動きの中にある」
  「人生のどん底から這い上がるか否かは自分次第」

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