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2014年9月28日 (日)

☆『グランド・ブダペスト・ホテル』☆

ハナシは先月に逆行し(⌒〜⌒ι)8月27日(水曜)の夜。

隣駅のすぐそばにある、古き佳きスタイル(?)のシアター“塚口サンサン劇場”で鑑賞したのは、一般的な公開時期(6月上旬)に観逃してしまった1作『グランド・ブダペスト・ホテル』だった。

“つかサン”こと“つかサン”で(そのままかよ!)観るのは、今回が2回目。やはり、地下駐車場に出入りする際はその通路幅に戦慄し、界隈のイタリアン食堂『アレグロ』に於ける鑑賞前の食事は、期待通りの佳きものだった。

ヨーロッパ東部に位置するズブロフカ共和国は“偉大なる文豪”の祖国でもあった。彼の静かに眠る「オールド・ルッツ墓地」では、今もその著作を敬愛するファンが墓参に訪れ、生前の文豪を象(かたど)った記念碑の前で、代表作『グランド・ブダペスト・ホテル』を紐解くのである。

『グランド・ブダペスト・ホテル』・・その作品こそ、文豪自身が若き日に訪れた“保養地=ネベルスバートを代表する、時代遅れのホテル”で出逢った、1人の老人の“驚くべき半生の物語”がベースとなっていたのだ・・

監督の名を「ウェス・アンダーソン」と聞いて「誰だったっけ? ・・ホラー畑のしと?」と思ってたら、そちらは「ウェス・クレイヴン」だったり(・ω・) ああそうだ・・『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001)』『ライフ・アクアティック(2004)』を撮った監督さんでした。

久々となる同監督作の鑑賞であり「とにかく豪華キャストの集結した、きらびやかな群像劇(いわゆる“グランド・ホテル形式”)」を期待してたら・・色んな意味で裏切られた(=^_^=) ロバート・アルトマン監督の『ゴスフォード・パーク(2001)』的な、いわば「舞台を“カントリーハウス(マナーハウス)”から“巨大なホテル”に移しましたよ」ってなノリを勝手に予想してたら、舞台はホテルから離れて行くわ、登場キャラそれぞれに関する“重要度”は激しく異なってるわ、で・・ホンマに予想外でした。。

ただ、本作の「狙った上の構成」ではあろうけど、ストーリー的な“括(くく)り”が激しく「入れ子」仕立て(構造)になり過ぎてて、観てて「次第に冷めて来る自身」がいたのも確かである。

冒頭からして「現代の墓地」⇒「文豪の書斎(1985年)」⇒「若き日の文豪の旅先(1968年)」⇒「出逢った老人の物語(1932年)」・・と目まぐるしく「時代&ロケーション」が激変するので、没入しにくかったような(・ω・) も少し、無駄な「入れ子」を外す事で“落ち着いた演出”にしても良かったような気がする。まぁ、ウェス・アンダーソンファンからすれば「10でも20でも、多層に渡るほど興奮する!」ってトコなんかも知れないけど。

物語は“伝説のコンシェルジュ”とされるムッシュ・グスタヴ・H(レイフ・ファインズ)を中心に、彼の巻き込まれる事となる“常連客の大富豪=マダムV.D.u.T(ティルダ・スウィントン)毒殺事件”の顛末をリズミカルに辿る事となる。と言っても、殺人事件そのものに対し「真犯人を推理する」なんてな楽しみが用意されてるワケではなく、どちらかと言えば「グスタヴ・Hと、その助手となる新米ロビーボーイ=ゼロ・ムスタファの交流」「2人を取り巻く、エキセントリックなキャラ群により紡がれる、エキセントリックな展開」を楽しむものなのだろう。

ワタシとしては「物語」や「展開」や「キャラ陣」はさほど好きになれなかったんだが(⌒〜⌒ι) 「映像の色調」「独特なロケーションとカメラワーク」がとにかく気に入った次第! 特に、屹立した岩山の頂に立つ「鹿の彫像」とか、ゲイブル・マイスター山頂に繋がる「ロープウェイ」とか、その殆どが(きっと)CG映像なんだろうけど、それを置いといても素晴らしい情景である!

また、色んな方面に配慮した結果なのか(?)・・誰がどう観ても「ナチスドイツ」な軍事国家の横暴が活写されるんだが、いっその事もう少し分かり易く国旗や名称をアレンジして欲しかったトコか。国旗のデザインも「ZZ」と言うより「XX」の方が、チャップリンの『独裁者(1940)』を(更に)明確に意識してる感じで潔く、見映えがした気がする。
ついでに「我がトメニアのアデノイド・ヒンケル総統閣下」とか“まんま”セリフで言っちゃっても全然オッケーだったろうに(←監督談:お前がオッケーでも、ワシには色々と事情があるんじゃい!)

〜 こんなトコも 〜

・F・マーリー・エイブラハム、ジェフ・ゴールドブラム、ハーヴェイ・カイテル、エドワード・ノートンらの“お元気な姿”を拝見する事が叶い、嬉しかった。
・ハーヴェイ・カイテルってば、近年「ああ言うキャラ(=マッチョな爺さん)」を確立してはるんやろか?
・「群像劇」でも「密室劇」でも「推理劇」でもなかった。三谷幸喜さんのコメントなんかも聞いてみたい(・ω・)
・「脱獄パート」や「スキー滑降アクション」など、観客を飽きさせない“演出の工夫”は面白い。
・「探偵モノ」として期待し過ぎると、肩すかし感を喰らう。
・私立探偵=ジョプリン(ウィレム・デフォー)のキャラは「極めて不気味」なんだが、それ以上ではなかったか。『シャドゥ・オヴ・バンパイア(2000)』の時の方が怖かった(=^_^=)
・ジョプリンの着てる革ジャケット(プラダの特注デザインらしい!)。左胸ポッケにスキットル(ウイスキーボトル)の収納出来るデザインが秀逸! ってか、酔ってバイクを乗り回してただろ!
・コヴァックス弁護士(ジェフ・ゴールドブラム)が追手をまくため飛び乗った路面電車。安堵した彼がブラインドを下げた瞬間、窓にジョプリンのバイクが映り込む! 巧過ぎる映し方!
・画面外にいったん消え、再び入って来る「人物」「車両」などの映し方も巧い!
・画面造りが「真っ正面」「真横」「真上」「左右対称」・・となってるのも印象的だった。 
・「ズブロフカ(Zubrowka)」なる国名の元ネタは「ズブロッカ(Żubrówka)」なのか?
・「常時メリケンサック装着」なジョプリン。ハードボイルド路線な探偵さんなんやね(⌒〜⌒ι)
・「地面に散らばる指4本」「カゴから引っ張り上げられる女中の生首」など、意図的にグロなシーンもあり(×_×)
・指の散らばる描写は『暴走特急(1995)』の終盤みたいだ。
・「余りヨーロッパロケしてない感」があったけど・・
・たとえシリアスな物語であろうと、カメラワークひとつでコメディぽくは仕上げられるものである。
・ローワン・アトキンソンとウィレム・デフォーに、窓辺で猫を抱かせたらアカンと思う(=^_^=)
・時代毎に「画面比率」を意図的に変えているそうだが「モノクロ」や「パートカラー」なんかも駆使して欲しかったかも。
・ホイトルの名画『少年と林檎』とすり替えられる事になる「あの絵」はエゴン・シーレ風だったか?
・本編は、パート1『ムッシュ・グスタヴ』、パート2『マダムV.D.u.T』、パート3『第19犯罪者拘置所』、パート4『鍵の秘密結社』、パート5『2通目の遺言の2通目』の5章に分けられてた。
・「V.D.u.T」が何の略なのかが、まず分かんない(=^_^=)
・“ゲシュパント(興味津々)”と言うのは、響きから察するにドイツ語かな?
・スペインワイン「ジュヴェ・カンプス」の1925年、26年ものと言えば、大層価値のあるヴィンテージ・ワインらしい。。
・ロビーボーイに求められるのは「(客の)嫌がる事を知る」「(客の)要望を先取りする」「(客の)秘密や醜聞を墓まで持って行く」「(客に)姿は見えずとも、いつもそこにいる存在となる」事だそうだ(⌒〜⌒ι)
・お金持ちに共通する要素は「不安」「虚栄心」「軽薄」「金髪」らしい。『オーシャンズ12(2004)』では「富と才能はあるが、常に退屈している」とか言われてたっけか。
・部分的に連想したのは『ビッグ・フィッシュ(2003)』『シンドラーのリスト(1993)』だったろうか。
・追いついた瞬間“退場”しちゃうセルジュ・X(マチュー・アマルリック)って・・
・結局は、袋ごと「美術館前のゴミ箱行き」となっちゃうネコ。何とまぁ・・(×_×)
・脱獄シーンでは「長過ぎるハシゴ」「長過ぎる縄梯子」に笑わされた(=^_^=)
・グランド・ブダペスト・ホテルに新しいコンシェルジュ=チャック(オーウェン・ウィルソン)のやって来た経緯が全く分からない(=^_^=)
・グスタヴ・Hが突然に「俺様を怒らせたな!」と言い放ちながら、ヅラと着け鼻を外し「決してその名を言ってはいけないあのしと」に変貌したら恐ろしかったやろな、、

~ こんなセリフも ~

文豪「作家は、良く誤解されがちだ」
  「人々は物語を作家に持ちかけて来る」
  「次の作品も、私の聞いた通りのものだ」
  「コンシェルジュと膝を突き合わせた姿勢で
   立つのが(滞在中の)クセになった」
  「その時、運命が私に味方してくれた」
  「デカダン(退廃的)過ぎる」
  「それは魅力的な“廃墟”だった。
   2度と観る事はなかったが・・」

グスタヴ「旅の前の不安は毎度の事」
    「(マダムは)“クソする犬”のように震えておられた」
    「経験ゼロ・・教育ゼロ・・家族ゼロ」
    「無礼は恐れの表れなのだ」
    「人生は、何をしても無意味なのさ」
    「“安い肉”は味わい深い」
    「観たか? まだ文明のかすかな光はある
    「人間の欲は広がる
    「おそれながら・・私が(グスタヴ)本人です」
    「絵を見せろと? ・・尤もな意見だ」
    「面倒な戦争が近い」
    「私は毒蛇の巣に堕ちたのか」
    「“喉切り”はあるか?」
    「“ストレート(真っ当)疑惑”を持たれるのは初めてだ」
    「何時でもいいさ。時間ならある」
    「誰も気にするまいが、誰も知らない
    「ズラかるぞ」
    「ル・パナシュ(香水)を忘れるとは」
    「上出来(な詩)だ。警報が鳴ったから止めるが、
     後で是非、その続きを」
    「正式にお会いする“暗殺部隊”は
     君らが初めてだ」

ドミトリー「生死を問わず、その喉をかっ切るぞ」

ゼロ「46節の詩を詠ずる間に、スープを飲み始めては?」
  「訓練が足りないぞ!
   ロビーボーイたる者、情報を漏らすな!」

老人「もし礼儀で訊いただけなら、そう言ってくれ」
  「ジャンはコンシェルジュとして1流とは言えん。
   いや、むしろ2流すら失格だろう」
  「わしの物語をありのままに聞かせよう」
  「アガサの名を避けては通れない」
  「かすかな文明の光は、まだあった」
  「ここで幸せだった・・短い間は」

コヴァックス「今、私の猫を窓から棄てた?」

ルートヴィヒ「これは“引き分け”だな」

ジャン「ムスタファ氏をご存じない?」

アガサ「絵の裏に何かが!」

司祭「これを持て。そして唄え」

ゼロ「これを隠して」
アガサ「イヤよ!」
ゼロ「でも持ってて」

グスタヴ「変装しなければ」
ゼロ「もうしてます」

グスタヴ「小心は彼のせいではない」
ゼロ「場合によります」

グスタヴ「絶景だ」
ゼロ「それは認めます」

グスタヴ「(アガサは)純粋だから魅力的なのだ」
ゼロ「でも、彼女を口説かないで

司祭「懺悔を」
グスタヴ「私は潔白だ!」
司祭「違う。懺悔室に行くのだ」

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