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2014年7月22日 (火)

☆『オール・ユー・ニード・イズ・キル』☆

刻(とき)は遡り・・6月29日(日)の午後。
ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で観て来たのは、トム・クルーズ主演最新作でもあるアクションSF大作(?)『オール・ユー・ニード・イズ・キル』だった。

あ・・折角「先行上映日」に間に合う形で観に行ったってのに・・記事のアップがこんなに遅くなっちゃったい、、(×_×)

近未来の物語。

5年前の“ハンブルグ(ドイツ)陥落”を皮切りに、地球は“ギタイ”と称される侵略有機体(?)により、人類滅亡の危機に瀕していた。
飛来した隕石群の中から現れた“ギタイ”の集団は、凄まじき勢いでドイツからフランスへと向かいパリを席巻。
彼らの次なる標的は、海を越えたイギリスの地だった。

70ヵ国が参加する統合連合軍(UDF)は“ギタイ”と互角に戦うために“機動スーツ”を開発するも、それでも尚、戦いは苦しい展開を見せていた。

広告代理店出身の情報将校(米国メディア担当)=ウィリアム・ケイジ少佐(トム・クルーズ)は、フランス沿岸部を舞台にした“殲滅大作戦”を最前線で撮影するよう、ロンドンの作戦本部でブリガム将軍に命ぜられる。

実戦経験の全くないケイジは「自身が“予備役将校”である事」や「将軍の直属の部下ではない事」を訴え、作戦参加を固辞するも・・それが将軍の怒りを買う形となってしまい、強制的に“初年兵訓練基地”であるヒースロー基地送りとなってしまう。

「2等兵」に降格され、ファレウ曹長(ビル・パクストン)率いるJ分隊に配属されるケイジ。

翌朝の激戦では、何の戦果を挙げる事もなく戦死してしまうが・・“とある出来事”のせいで「戦死する前日の朝」に強制的に何度も引き戻されてしまう事態に。

自身が「繰り返される時間の渦中に放り込まれている」と言う事実を知ったケイジは、そこから抜け出す方法を知ると思しき「ヴェルダン(=初勝利の戦地であるフランス北東部の都市)の女神」と呼ばれ、全軍の「希望の象徴」となっている女性兵士=リタ・ヴラタスキ軍曹(エミリー・ブラント)に接触を試みるが・・

「何処かで聞いたような物語やなぁ」と感じながらも・・それなりに期待値を高めつつ、鑑賞に臨んだワタシ。しかし、思った以上に「小品」な印象が拭えなかった。

本作を観た誰しもが想起するのは、やはり『スターシップ・トゥルーパーズ(1997)』『恋はデジャ・ヴ(1993)』『ミッション:8ミニッツ(2011)』『プライベート・ライアン(1998)』の4本だろう。
で、これら4作品を「知る前」であれば、そりゃもうモノ凄い衝撃が全身を走った事だろうけど・・ 今更“その手の亜流”を得意満面(?)で見せつけられてもねぇ・・と感じてしまうワタシ。

そこに重ねて「あのトム・クルーズが“極めて民間人寄りで非力なキャラ”を演じてる」ってのが、何とも違和感アリアリだった。
この辺りは『宇宙戦争(2005)』を初めて劇場で観て「ただの逃げ惑う民間人(港湾作業員)=レイ・フェリアー役」を演じたトムクルを眺め続け、違和感の拭えないままだったあの頃を思い出す(⌒〜⌒ι)

ハリウッドの制作陣が、本作のどこに魅力を感じたのかが、今なおピンと来ないのであるが・・ アニメ調な“機動スーツ”を装着し『マトリックス:リローデッド(2003)』で見かけた事のあるようなデザインの“ギタイ”をバッタバッタとやっつける主役コンビ=肉食系女性兵(リタ)+草食系主人公(ケイジ)と言う「図式」は、何となく「全世界の“オタク層”に喜んで迎え入れられそうな予感」を漂わせてる。そう言う意味では「ハズれる要素を何ら持たぬ、確信犯的なSF佳作」とは評せようか。

私的には、本来「可愛い!」と感じ取らなければならないリタ役のエミリー・ブラントが「オネェキャラを演じてるキリアン・マーフィー」に見えて仕方がなく、この点に関しても、どうにも愛着が感じられないのだった(×_×)

〜 こんなトコも 〜

・字幕担当は戸田奈津子さん。パッと思いついたトコで『弾丸出世』なる“独自センス”溢れるニホンゴを放ってくれてた。
・劇中に登場の「ヴェルダンの戦い」の元ネタ(?)は、第1次大戦中の1916年、フランス−ドイツ間で繰り広げられた激戦だろうか。
・原作(桜坂洋氏による小説)の主人公(日本人の設定)も「ケイジ」と言う名だそうだ。
・でっかい「斧」やら「剣」やらを振り回してたが・・実戦でどこまで「飛び道具」に代わる(=使える)ものなんやろ?
・「ニューク弾」を沢山こしらえた方が、あんなヘボスーツより、よほど戦力になると思うんだが(・ω・)
・ケイジはニュージャージー州(=クランベリーの産地)の出身、ファレウ曹長はケンタッキーのサイレンスヒル出身との事だった。
・「バッテリーを外されると、全く動けなくなる」ちぅ仕様のスーツは、流石に問題アリかなと。
・「横方向に転がり逃げた直後、トラックに轢かれ即死する」と言うのは“トムクルの死に方”とし、本来あってはならないモノだと思う。。
・「上空から墜落して来た軍用機の下敷きになり即死する」と言うのも・・良くない。
・“ギタイ”の総数は「618万匹」との事である。
・リタが放置車両を盗むシーンでは、車のカギはやはりバイザー(の裏側)に隠されてた(=^_^=)
・農家に於いて、斧で戦う(?)トムクルの演出は『宇宙戦争』のセルフパロディが入っとるんやろか?
・ロンドンの作戦本部に向かうケイジ&リタ。建物から出て来る「黄色い腕章の男」をやり過ごす際の“予知っぷり”は『マイノリティ・リポート(2002)』のプリコグを思わせてくれる。
・散らばった「手榴弾のピン5ツ」を見せる事で「彼が何をしたのか」を観客に理解させる演出は『宇宙戦争』的だったり『レオン(1994)』的だったり。
・ファレウ曹長を演じてたのがビル“過激先生”パクストンだと気付かなかった(×_×) 『トレスパス(1992)』の頃なんかは、ホンマにハンサムでクリーンなナイスガイ(?)だったのに。。『ヴァーティカル・リミット(2000)』辺りから、歪んだ感じ(?)の“脱・優男”な配役が増えて来たんかな?
・ブリガム将軍役のブレンダン・グリーソン。何処かで観たなぁ・・と思ったら『M:i-2(2000)』でバイオサイト製薬の社長を演(や)ってはったしとやね。
・“機動スーツ”のヘルメットは、殆ど意味なかった感じ。
・「ラヴ・ロマンス」の要素には、著しく欠けてたと感じた。
・何故に、敵の本拠地が「あそこの地下」だったんやろ?
・セリフを聞いてると、どうやら「ブリガム将軍を射殺したケース」も少なからずあったようだ(⌒〜⌒ι)
・あの農家には、やっぱりティム・ロビンス(ハーラン・オグルビー役)に隠れといて欲しかった(=^_^=)
・本作のタイトル、アタマに『007』とくっ付けると、響きが更に良くなる気がする(=^_^=)
・主人公を演じたのがガイ・ピアースだったら、全身に「やらなきゃならない事」をタトゥーにして刻んだ事だろう。
・主人公を演じたのがビル・マーレィだったら、リタを口説く為に、ピアノを習得した事だろう(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

ケイジ「犠牲が出ても、回顧録が書けますよ」
   「私は適任ではありません。
    指を切っただけで失神するぐらいです」
   「電話は嘘だな?」
   「何故、敵が待ち伏せを?」
   「俺のバッテリーを盗ったのか?!」
   「後ろだ!」
   「俺たちは明日、全滅する」
   「この機は爆発する!」
   「来い! 爆発するぞ!」
   「変わったカフスだろ?」
   「次は訓練か?」
   「明日ビーチで出逢う事になる君が
    “目覚めたら探せ”と」
   「いいプレゼンが出来そうだ」
   「俺もループしてるんだ」
   「待て! ケガしてない!」
   「後ろの指は2本だ」
   「俺は眼を閉じてる。殴ってみろ」
   「どちらにせよ、勝ってるのはヤツらだ」
   「戦ってるさ、誰よりも多く」
   「ビーチに釘付け状態だ」
   「(動くか)試してない車もある」
   「300回も死ぬ夢を見て、頭に焼き付いてる」
   「スーツも爆薬もない」
   「(砂糖は)3ツ入れるんだろ?」
   「試していない筋書きは・・」
   「ヘルメットなど要らん、邪魔だ」
   「5.56ミリ弾倉3ツと手榴弾8ツをくれ」
   「死人が着てるからさ」
   「そこでターン、そのまま真っ直ぐ」
   「今日は将軍を撃つな
   「輸血? 何て事だ!」
   「止せ! パワーを失った!
    もうループ出来ない!」
   「良く聞けば、必ず納得する」
   「俺じゃない。彼女について行くんだ」
   「血路を造れ!(Clear a path!)」
   「棄て身で行け!」
   「大丈夫だ(I can do this.)」
   「有難う、ここまで来れた」

リタ「目覚めたら、私を探して」
  「まずは明日の戦いに勝たなければ」
  「ルールは、負傷したら死ぬ事」
  「リセットする」
  「考えないで記憶して!」
  「運転するにはトレーラーが邪魔」
  「話すの嫌いだから」
  「質問を避けるための作り話よ」
  「コーヒー(タイム)なんて奇跡ね」
  「この場面は何回目なの?」
  「私は兵士よ!」
  「リセットだわ」
  「あなたの事、もっと知りたかった」
  「何なの? 何か用?」

カーター「“この会話は初めて”って事だな」

将軍「最前線で戦えば、孫に自慢出来るぞ」
  「逮捕しろ」

ファレウ「ブーツを口にネジ込むぞ」
    「今日が貴様にとって“審判の日”だ」
    「アメリカ人? いえ、自分は“ケンタッキー人”です」
    「戦いは償いとなる」
    「地獄の戦場が真の英雄を生み出す」
    「人の噂は恐いぞ
    「ギャンブルは“運を人に委ねる行為”だ」
    「兵士たる者、運命は自らが支配せよ」
    「“運命の声”に応え、勝利せよ。
     ・・それが貴様達の任務だ」
    「ケイジの面倒を見ろ。あいつは1日と保(も)たん」
    「ビビっても構わん。勇気と恐怖は“表裏一体”なのだ」
    「・・何と言うアホだ」

ナンス「その服はマズい。直ぐ着替えな」

グリフ「“3P”は未体験だが・・
    『やれ』って命令されりゃ、俺はやるぜ」

兵士「変わったカフスだな」
  「お前のスーツ、変だぜ? そうか、死人が着てるのか」
  「やった! 着地したぞ!」
  「酷い・・話が違う」
  「あの新入り、ホントに初めて?」
  「来世で逢おうぜ(See you next life.)」

キャスター「今、地震が」
     「今、連続爆発が」

日本語「補給は15分後に完了します」

リタ「あんた、高所恐怖症?」
ケイジ「いや、墜落恐怖症」

リタ「リセットしましょう」
ケイジ「リセットするなよ」

リタ「何をジロジロ観てるの?」
ケイジ「失礼しました」

将軍「驚いたな」
ケイジ「驚きの連続です」

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2014年7月13日 (日)

☆『300/帝國の進撃【2D字幕版】』☆

これまた、古い記事となり誠に恐縮であります(×_×)

6月22日(日)の夕刻。
ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で観て来たのは、前作に於ける衝撃的な(でも誰もが“観る前”から分かってる)エンディング以降の展開が(うっすらとながら)気になってた『300(2007)』の続編『300/帝國の進撃』である。

ヴィジュアル面での“凄まじさ”って部分に限っては、前作で既に「完成の域」に達してたように感じたんだが、前作が(良くも悪くも)“断片的な描かれ方をしてた”ため(鑑賞当時は気にならなかったが、良く考えたらそうだった)、その辺りを「補完」する意味では、続編製作の意義はあったように思う。

半世紀にも及ぶ、アケメネス朝ペルシアによるギリシア遠征「ペルシア戦争(紀元前499〜449年)」に材を取り、描いたシリーズの第2弾。

・・

紀元前480年8月。スパルタ王レオニダス(ジェラルド・バトラー)率いる300人の親衛隊が、山岳と荒海に挟まれた街道「灼熱の門(Hot Gate)」でクセルクセス王(ロドリゴ・サントロ)率いるペルシア帝国の100万の「不死の部隊」を迎え撃ち、両軍は激突する。

わずか300人ながらも奮戦し、クセルクセス王を驚愕させるスパルタ軍の精鋭ら。しかし遂にレオニダスは倒れ、スパルタ軍もまた玉砕してしまう・・ 「テルモピュライの戦い」

・・

ほぼ同じ頃、エウボイア北岸(ギリシア東部)を舞台に、テミストクレス将軍(サリヴァン・ステイプルトン)の統率するアテナイ海軍(300隻)と、アルテミシア(エヴァ・グリーン)が海軍司令を務めるペルシア艦隊(数千隻)がエーゲ海で激突する・・ 「アルテミシオンの海戦」

アルテミシアはギリシア人の血を引く孤児だったが、武勲によりダレイオス王に“養女”として迎え入れられる。彼女は、父たる王の死に際し、悲観に暮れる義兄・クセルクセスに“復讐”の感情を植え付け、彼が「神王」とし生まれ変わる(?)きっかけを造った人物でもあった。

艦隊の規模では圧倒的に不利なアテナイ海軍。スパルタ王妃・ゴルゴ(レナ・ヘディ)を筆頭に、近隣諸国に対し援軍を要請するアテナイだが、なかなか“ギリシア連合軍”としてのまとまった兵力に欠いていた。

そんな中、テミストクレスは知略を尽くした戦術で、ペルシア艦隊に立ち向かわざるを得なくなる。

歴史的背景が、前作以上に複雑な印象なので(⌒〜⌒ι) ウ※キペディアで(慎重に)確認しつつの記事作成。。にしても「アルテミシオンの海戦」で調べたトコロ、ペルシア艦隊の指揮官とし名の挙げられていたのは「アリアビグネス」「プレクサスペス」「メガバゾス」「アカイメネス」なる4人だったが・・お前ら、誰1人、本作で登場してねぇじゃん! みたいな(・ω・)

因みに、本作ではアルテミシアが総司令として君臨し、その下に「バンダリ将軍」「カシャニ将軍」と言った“悲しい末路の透けて見える”指揮官が「線香花火」の如く、短い生命を散らして行くのだった(×_×)

元々の出来事が古過ぎる故(?)、色々と“演出のやりよう”もあったんだろうけど、実際には「ダレイオス王の戦死(テミストクレスの矢)」「アルテミシアの半生」「神格化を遂げるクセルクセス」とか、、結構ハデ&やりたい放題に演出しちゃってた感がアリアリ。
それを持ってしても、前作の放った「強烈なインパクト」には遠く及ばなかったんだけど、、

私的には「前作と同時進行の物語」だった点に対しては素直に高評価を与えたいトコなんだが、一方で「『0(無)から1』の世界観(テイスト)を造り上げた前作のインパクトに比べ、総てが“大人しくて想定内”であり、総じてもの足りなかった」「主人公の率いる軍勢が“理知的”であり“狂ってなかった”点で面白味に欠けてた」「それ故、主人公らに“悲壮さ”“鮮烈さ”が殆ど漂ってなかった」と感じてしまった次第。

その辺りも考慮した結果、ザック・スナイダー(前作の監督)自身は「メガホンを執らぬ決意」を下したんやろか?(今回は脚本・製作のみで、ノーム・ムーロと言うしとが監督)・・とまで邪推してしまいそうになるワタシ。

サントロ様の存在感もすっかり後退しちゃってたし、何とも「残念」な仕上りでございました。

〜 こんなトコも 〜

・ちゃんとジェラルド・バトラーが登場してくれ、嬉しかった。まぁでも、映像群は「前作からの流用」やろかね。
・調子づいて(?)、このままの勢いで3作目も製作されそな気がするが・・観に行くかどうかは微妙やねぇ。
・クセルクセス王の「変貌」に至る経緯が描かれてて、良かった。決して最初から“あんな容姿”じゃなかったんやね。。 にしても、いきなり身長が伸びたもんですなぁ。
・本作の定義では「神となる=全身の体毛が1本も無くなる」って事らしい(×_×) ・・困った(いや、お前が困らんでも)
・密かに期待してた“奇抜な巨大動物(ゾウ、サイ)”や“珍奇な兵士(例:両腕が刃物になってるデブ男)”なんかは出て来なかった。
・海中に“奇妙な肉食魚”がいっぱい泳いでたが、アレは“夢の中のクリーチャー”だったんやろかね。「実在する生き物」を思い浮かべたのかどうか、が良く分からん(・ω・)
・エヴァ様のおっぱいが拝めるんだけど、あまし興奮しなかった(×_×)
・中盤に於ける、某船室での「荒々しいセク〜スシーン」は「本作の品質をただただ下げている」だけにしか思えなかった。
・ゴルゴ王妃が、やたらと果敢かつ強かった! そないに先陣切らんでも、、
・「せむし野郎(トラキスのエフィアルテス)」と「息子戦士」のその後が気になる。
・賢いし、度胸もあるし、強かったけど・・アクのなかった主人公。
・エヴァ・グリーン+ジョシュ・ブローリンの共演で『未来惑星ザルドス(1974)』のリメイクを製作してくれたら観てみたいかも!
・「キムメリオスの布」ってどんな布なんだいっ?
・(洞窟から戻った時)側近が総て殺され、いなくなってた事を、クセルクセスはどう解釈したんやろ?
・性行為を「怒りと汗ばむ肉体の悦楽」と言い換えると、確かに“何となく文学的な響き”が・・(⌒〜⌒ι)
・「2刀流」で戦ってたアルテミシア。剣技としては圧倒的に有利だと思われるが・・
・「アルテミシアvsゴルゴ王妃」ちぅ一騎討ちも観てみたかった。
・船上から騎馬状態で飛び出す・・と言う作戦は確かに意表をついてて素晴らしい!(直前まで、船倉で興奮しとったんやろかね)
・本作で最高に素晴らしかった映像はエンディング! エンドロールの背景で、幾つかのハイライトシーンが「影絵調で再現」されるんだが、これらが素晴らしかった!

〜 こんなセリフも 〜

テミストクレス「暴君との話合い等、成功するものか」
       「農兵には良く喰わせてやれ。だが酒は止せ。
        そして剣の訓練を」
       「心を強く持て。魂の声を聞け。
        今こそ我等の勇気が試される」
       「もし戦いの中で、迷いや諦めの気持ちが生じたら、
        隣で戦う仲間を観ろ。其れが戦う理由だ」
       「全力で、仲間の為に、家族の為に、
        そして祖国ギリシアの為に戦え!」
       「是だけは忘れるな。初陣(ういじん)で死ぬなよ」
       「舳先は強いが、横っ腹は弱いぞ」
       「攻撃!(Attack!)」
       「スパルタ軍が加わる迄は持たせなければ」
       「かかれ!(Now!)」
       「息子を叱るな」
       「其の怒りは敵に取っておけ」
       「初めからそう言え」
       「家族を持つ暇など無かった」
       「我が情熱は“お前に勝つ事”に注いで来た」
       「次は全力で襲って来るぞ」
       「船を棄てろ! 海に飛び込め!」
       「明日は倍の力で戦え」
       「父の魂が付いているぞ」
       「“喜んで友の死を受け容れている”とでも?」
       「アテナイの力を知らしめよ」
       「彼らの死が皆を1ツにする」
       「アテナイは屈せず!」
       「服従より自由の為の死を!」
       「お前の父は“立派な戦士になった”と」
       「もはやどんな作戦も奇策も無い」
       「是でようやく剣を置ける
       「退路の無い事は分かっている」
       「全力で戦え! 栄光を掴め!」
       「今こそ、いざ地獄へ!」

アテナイ人「我等は農民の集まりだ」

スパルタ人「我等は余所者を嫌う」
     「敬愛される為に偉業を成せ」
     「戦場で死ぬのは祖国の為」

ゴルゴ「此処は最強戦士の生まれる地」

アルテミシア「静かに!(Silence!)」
      「生れはギリシアだが、心はペルシア人」
      「是が“ギリシア名物”の荒天か」
      「訊こうではないか(Tell me.)」
      「黙れ!(Enough!)」
      「敗北はうんざり」
      「“私の視線を逸らさぬ者”は好かぬ」
      「敗戦にではなく、お前達に失望した」
      「何故、勝てぬ?」
      「今夜は殺さぬ」
      「セ※クスより上手ね」

ダレイオス「卑しいギリシア人等放っておけ」

副官「戦え、我が息子よ(Fight on,Boy.)」

アルテミシア「其方は“最強の戦士”とか」
戦士「そう言う貴女は“東海の売女”とか」

アルテミシア「直ぐに片付く保証は?」
バンダリ「此の生命にかけて」 ←言っちゃったね、、

バンダリ「我々の負けです」
アルテミシア「負けたのはお前さ」

若者「擦り傷です」
テミストクレス「よし、信じよう」

アルテミシア「船にも、貴殿にも感服した」
テミストクレス「そちらこそ、お優しい」

アルテミシア「10年前の戦いでは、
       多くの奇跡を起こしたと聞いている」
テミストクレス「しかし、噂とは大袈裟に伝わるもの

アルテミシア「仲間にならぬか(Join me.)」
テミストクレス「断わる(No.)」

アルテミシア「“無条件の自由”を与えよう」
テミストクレス「断わる」

クセルクセス「神王(God King)である此の私に指図を?」
アルテミシア「“安全な玉座”から黙って見物してるがいいわ」

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☆『超高速! 参勤交代』☆

今を去る事、数週間・・(⌒~⌒ι)

6月21日(土曜)の夜。ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”で観て来たのは、(他作の上映前に)繰り返し「予告篇」を見せられた事で、必定、期待値をも上げざるを得なくなった時代劇『超高速! 参勤交代』である。

特に気に入ったのが『・・御機嫌麗しぅ・・』『・・“山彦ノ術”・・』なるやり取り。この応酬だけで、すっかり打ちのめされてしまった(=^_^=) やっぱり、予告篇映像って大事なんですネ(=^_^=)

8代将軍・徳川吉宗の時代。
諸国の大名にとって、1年おきの江戸への出仕(=参勤交代)は苦行以外の何物でも無かった。

江戸に構えられた武家屋敷には、藩主の妻子や家族が“人質”とし住まわされ、これにより、諸藩は反乱を抑制し、御上(=徳川幕府)に対する忠誠を誓わざるを得なかった。

1735年(享保20年)。
磐城國(現在のいわき市)に居城を据える「湯長谷(ゆながや)藩」は15000石の小藩。

永らくの出仕を終え、10日をかけ江戸から戻ったばかりの藩主=内藤政醇(まさあつ:佐々木蔵之介)は、程なく同藩江戸家老・瀬川の訪問を受ける。
瀬川の携えて来たは、幕府老中・松平信祝(のぶとき:陣内孝則)のしたためた命令書。そこには「5日の内に再び江戸に参勤交代せよ」なる“無体な命”が書かれていた。

信祝は、(湯長谷藩の)領内(白水村)に「金山が発見された」なる情報を掴み、それを手中に収めるべく同藩を追い込み、取り潰そうと画策したのだ。

4年前の大飢饉以来、蓄えも尽き、参勤にかかる費用にも事欠く藩の財政。
幕府に対し憤りを露にする家臣もいたが、政醇は「藩と民を護る事」を優先し“同藩随一の智慧者”である筆頭家老・相馬兼嗣(西村雅彦)を交え、具体的な策を練る。

・・

相馬の出した案は「少人数で山中(間道、獣道)を走破、移動時間を短縮する」「荷物は最小限に止め、腰の刀すらも竹光に置替え軽量化する」「幕府の監視がある2ヶの宿場町(関所:高萩宿、取手宿)のみ、中間(ちゅうげん)を雇い、大名行列をでっち上げる」と言うものだった。

そこに現れたのは、かつて“東国随一の忍”と呼ばれた戸隠流の抜忍・雲隠段藏(伊原剛志)。「道中の山々を熟知している」と自負する段藏は、自らを“道案内(あない)人”として雇えと売り込み、政醇はこれを快諾する。

かくして、藩主+家老+藩士(重臣)5人(荒木・秋山・鈴木・増田・今村)に段藏を加えた、総勢8人の漢(をとこ)衆は、智慧と勇気だけを武器に、この「綱渡りの様な企て」を実行に移すのだった!

一方、政醇らが江戸に向け発った事を掴んだ信祝は、一行を亡き者にすべく、配下の(公儀)隠密(服部衆)を刺客とし差し向ける・・

良くも悪くも「タイトルにインパクト有り過ぎ(←製作側の狙い通り)」な本作(=^_^=) (それを)耳にした者の記憶の表層にザックリ突き刺さって来る完成度ながら、一方で、作品から受ける印象をかなり「軽薄な作品」「“使い棄て”っぽい作品」に変貌させてしまってもいる。

しかしながら、観てみると・・面白かった!
以前に観た『WOOD JOB(ウッジョブ)!/神去なぁなぁ日常』が、ややもすれば敷居の高い(?)「お勉強的なエンターテインメント作」だったのに比べても、身構えず鑑賞に取り組める感が(より)強く出てて良い!

単純にサクサク進む物語かなと思いきや、出逢いや別離があったり、アクションシーン(立ち回り)が存分に盛り込まれてたり。
ラストでは「巨悪をギャフンと言わせる」的な(半沢的?)演出もあって、カタルシス(スッキリ感)もなかなかだった!

佐々木亀之介・・もとい。佐々木蔵之介と言えば、これまで観て来た中でも『間宮兄弟(2006)』『アフタースクール(2008)』『岳/ガク(2011)』ぐらいしか「そう言や、出てはったね!」ってな記憶がないんだが・・ 本作は久々に「このしとでなきゃ!」と思わせる“カッコ良いけどカッコ悪い”絶妙な主人公のキャラ造型をしっかり確立してはったように感じた。

斬合いのシーンで、ちょっと“描写のムゴいトコ”もあるんだけど、自身の中では『WOOD JOB!』と共に、今年上半期に限っては「5指が入る」・・もとい(←どこにだよ!)。「5指に入る」良作ではないかいな! と評したいワタシである。

〜 こんなトコも 〜

・佐々木蔵之介の“腹話術”は「ガチな特技」なんやろか?!
・お咲(深キョン:深田恭子)の、終盤に於ける“側室っぷり”は「らしくない」感が強い(⌒〜⌒ι) それまでさんざ“姐御口調”だったのにネ。
・完全に討死してたハズの藩士・秋山(上地雄輔)は、何と・・生きてた! 『ラストサムライ(2003)』の真田広之みたいな“アンブレイカブルぶり”だ!
・天守(閣)のない湯長谷城。撮影に用いられたのは、何と「篠山城(兵庫県)」だそうだ!
・修行(稽古)シーンで、太刀傷が藩士・荒木(寺脇康文)の腕や今村(六角精児)の頬に刻まれてるのがリアルでスゴい!
・段藏役を『椿三十郎(1962)』に於ける三船敏郎のイメージに、主人公・政醇を同作での加山雄三のイメージに置き換え、黒澤明に監督して貰っても通用する“高いレベルのエンターテインメント作”だと思う。
・ドラマ『相棒』シリーズの亀山刑事&鑑識・米沢のコンビが共演してる。
・剽軽な藩主&個性的な重臣のイメージは『のぼうの城(2012)』に、悪役の造型&宿場町での激闘は『13人の刺客(2010)』に、全体の組立は小説『走れメロス』に、それぞれ似たものを感じさせる。
・ナレーターの「アホ声」は何だったんやろ(・ω・)
・「米を送ったお陰」って言う“回想シーン”には、ボロボロ泣かされた・・ こう言うのに弱いねん(×_×)
・主人公の「居合いの達人ぶり」「乗馬ぶり」がスゴい!
・中盤、某井戸に転落⇒脱出してからの相馬の“ご乱心ぶり”がスゴい!
・イマドキ風なエンディング曲に(だけ)は違和感・・(×_×)
・瀬川は老中・信祝に何を喰わされたんやろ?(鳥のエサらしいが、、)
・藩主の住む屋敷ともなれば、庭内にも天井裏にも(日常的に)曲者(くせもの)がウヨウヨ潜んでるものなのね(⌒〜⌒ι)
・劇中でロケ地になってる“かずら橋”は、徳島県内のそれではなく、福井県池田町内に架けられてるものだそうだ。
・“首コロ”など「凄惨を極める描写・演出」こそは、意図的に廃されてた。
・「忍者」「飛脚」「遊女(飯炊き女)」「町人」なども、絶妙に活写されてた。
・「お咲の妹」を巡る展開はどうなったんやろ?
・ここで唐突に一句・・ “弐人なら 暗き狭きも 恐れまじ”
・物語が終わり、国許(湯長谷)に戻るや否や・・すかさず「再度の参勤交代」を命じられたら恐いトコやね(×_×)
・「甘さ=弱さ」が土壇場で「強み」に変わってくるトコは、ホンマに励まされるなぁ〜
・矢じりで釣鐘って鳴らせるもんなんやろか?(小坊主さんが可愛い)
・意外と、江戸期の街道では、大名行列に出逢うもんなんやね。。
・「産婆」のみならず「飛脚」もまた“大名行列を横切る”事が出来る(らしい)事を初めて知る(・ω・)
・「手裏剣」や「爆薬」は出て来るも・・「種子島(火縄銃)」は一切出て来なかった(⌒〜⌒ι)
・「真剣白刃取りをするお猿」ってのは、確かにスゴい!
・「修行を嫌がる」ような素振りを見せつつ・・ムチャクチャ剣術の達者な藩主様!
・しかし「民のため」を連発しながらも・・とある場面で「遊女の生命を優先」してた藩主様でもあった・・(⌒〜⌒ι)
・本作のタイトルにヒントを得て『超高速! 心筋梗塞』ってな作品はどやろ(おい!)
・「湯長谷から江戸へは60里の距離で、通常8日はかかる」「1日に10里以上の移動はムリ」とセリフで語られてた。
・当初、片道だけで「382両はかかる」と試算されてたが「路銀140両+段藏雇い料10両」に抑える事に成功!(で、帰路は?)
・「徳川家康の伊賀越え(1582)」もまた、本作の“元ネタ”になってるんやろか?
・「10両の総てが泥にまみれた小銭」と言うのも(確かに)泣かせる。わざと汚してた?(おい!)
・相馬が「竹光じゃなきゃ“あの場面”で確実に死んでた」ってのも「運命」と言おうか面白い!
・「重臣が隠密衆と向かい合う展開」が2度描かれるが、1度目がドジ過ぎる故、2度目がやたらとカッコ良く映る! 何だか、啖呵を斬る『サボテン・ブラザーズ(1986)』の面々みたいだ(=^_^=)
・鉄(くろがね)は「慌て者の金」とも言われるそうで。
・『WOOD JOB!』同様「“褌姿の殿方”好きな女子」も満足されるんじゃないやろか(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

政醇「今年も、美味い漬物を喰わせて呉れ」
  「国許(くにもと)が壱番じゃのう」
  「江戸はもう沢山じゃ」
  「息をするだけで和むのぅ」
  「狭いなぁ・・」
  「・・“武士の恥”じゃ」
  「鯛は“裏返して食べる2日目”が美味いのぅ」
  「先ずは“近くに居る者が助ければ佳い”のじゃ」
  「直ぐに支度せよ」
  「銭(かね)が無くとも、御主には智慧が有ろう」
  「妻子を路頭に迷わせたいか」
  「此度の参勤は過酷なものと為ろう」
  「精一杯、走るぞ!」
  「何とかせよ」
  「(御主の様に)冷静な者も必要じゃ
  「こんなもの(家宝の刀)より民の事じゃ」
  「威勢が良いな」
  「まぁ“弾み”じゃ」
  「あ、其(そ)りか。今日はいい」
  「二言は無い」
  「是には色々と子細が有ってな」
  「其の所為(せい)で狭い処が苦手でな。
   御陰で駕篭にも乗れぬ」
  「晴れれば、其れは佳い日。
   “小さな事の積み重ね”じゃ」
  「血ぃ出てっぞ。痛くねぇか?」
  「動くで無い。そっちも出せ」
  「身分等、下らぬ。
   儂は、そちの事を好いて居る」
  「御主こそ、眞の漢(をとこ)よ」
  「民が苦しみます故」
  「移り行く世を、愉しく生きるのみじゃ」
  「御主となら平気じゃ」
  「貧乏は誠に辛いなぁ」
  「我が藩は貧乏でな」

信祝「仕置きが壱番じゃ」
  「本当に喰いよったわ」
  「良ぅ喰うた! 下がれ!」
  「褒美を取らせる」
  「鯛は美味い処が少ないのぅ」
  「田舎侍には、骨となって貰おうぞ」
  「参勤するだと? 必ず停めよ!」
  「此の田舎侍めが!」
  「鯔(とど)の詰まりは、生まれが総てよ」

相馬「大丈夫だ。観て居(お)れ
  「呉々(くれぐれ)も此の酒、呑むで無ぇぞ」
  「此の相馬の眼は誤摩化せませぬぞ」
  「めんこいのぅ。(御前から)毛皮を取れば
   500文には為るかのぅ」 ←狼、、
  「神隠しか?」
  「終わりだ・・最早、是迄」
  「・・切腹すら出来ぬとは」
  「最早、此の上は“皺腹斬って詫びる”しか
   御座居ませぬ」

段藏「あちらが“曲者”で御座る」
  「・・山彦ノ術」
  「こっちで御座る。
   間違えた、こっちで御座る」
  「儂らの狙うものは同じじゃ」
  「奴等の“甘さ”には反吐が出る」
  「・・馬鹿な奴!
  「殿、刻(とき)が有りませぬぞ」
  「儂に毒は効かぬ。
   効くのは酒だけよ」
  「拙者が血路を拓き申す!」

重臣「御前ぇ、寝てんじゃねぇ!」
  「如何(どう)だ。是なら大行列に見えるべ」
  「“呑むな”と言われて呑む酒程
   美味ぇもんは御座居ませんな
  「自惚れも其処迄行くと御見事です」
  「神隠しか?」
  「尊い犠牲だな」
  「拙者とて“湯長谷の侍”だ」
  「気合が有れば大丈夫だ」
  「迷ぅて出られたか!」
  「生き返ったぞ!」
  「血ぃが出てっぞ」
  「中間(ちゅうげん)が何か、
   ごねて居る様ですが」
  「御主は其れでも武士か?」
  「江戸で待つのみ」
  「我等が智慧では休むに似たり」
  「我等は気が荒い」
  「御上の上に胡坐をかき、
   舐め切っていた諸藩の力、篤(とく)と見よ!」
  「隠れても無駄です」
  「拙者に構わず、先に行って呉んちぇ!」
  「佳い音色です」

内藤「行列なら“眼の前に有る”では無いか」
  「此の行列は好きに使え」
  「“磐城の気骨”を見せて遣れ」
  「御主等は、臭ぇ」
  「武士は“相身互い”じゃ」

老中「其れは済まなかったな」
  「(道中)襲われたで有ろう?」
  「(献上された)大根の漬物は
   “良く耕された土の味”がした。
   彼の様な大根を持って来る者に
   悪い奴は居(お)らぬ
  「政(まつりごと)を疎かにして、
   磐城の土を殺すな。
   此の先、永(とこし)えにな」
  「一同、此度は大儀で有った」

お咲「知ったこっちゃ無いさ。決めるのは客だよ」
  「決まってんだろ。格好つけんな」
  「あたしはもうとっくに死んでるのさ」

琴姫「又、江戸に来られたか」

宿場役人「百人は居ますな」

小太郎「直ぐに死にます故、知る必要は有りません」

店主「大分、御呑みに為りました。
   此処で壱度、御代の方を」

※「些(いささ)か骨が折れましたが」
 「立ちませぃ!」
 「間引かれ無(ね)ぇで良かったな」
 「其れは其方(そちら)の都合で有ろう」

夜叉丸「佳い覚悟じゃ」
   「戦いに卑怯も汚いも無いわ。
    我等忍は勝つのが総て」

政醇「苦労したのじゃな」
お咲「あんた、狭いの恐かったんじゃ無いのかい?」
政醇「あ!」

お咲「誰なの、此の人?」
政醇「馬鹿者!」

重臣A「巧く行ったな」
重臣B「可也危なかったな

琴姫「相馬、智慧を出せ!」
相馬「・・又ですか」
琴姫「智慧が出ぬなら、俸禄を下げる」

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