☆『プリズナーズ(2013)』☆
記事のアップが遅れに遅れとります・・が、改善の兆しは“当面”見られないので、ただ気長にお待ち下さいまし・・(・ω・)
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さる5月18日(日曜)の夜。ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”内の小規模シアターにて「レイトショー鑑賞」したのは・・ 近年稀にみる(?)「暗く重いトーンの貫かれる」サスペンスドラマ『プリズナーズ』だった。
小さいシアターな上、観客数が5〜6名程度だったように思われる(⌒〜⌒ι)
も少し「入場率の上がって然るべき作品」と思うんだけどなぁ・・
※
ペンシルヴェニア州在住のケラー・ドーヴァー(ヒュー・ジャックマン)は、建築&修理業を営む家族想いの男。妻=グレイス(マリア・ベロ)、息子=ラルフ、娘=アナに囲まれ、彼は慎ましくも幸せな毎日を過ごしていた。
しかし・・感謝祭の日(11月下旬)、6歳のアナが、近所のバーチ夫婦の7歳になる息子=ジョイと一緒に外出したまま行方不明となってしまう。
失踪の直前、界隈で目撃された「キャンピングカー」を捜索する事で、車両の所有者である青年=アレックス・W・ジョーンズ(ポール・ダノ)が容疑者として程なく警察に拘束されるも・・10時間に及ぶ尋問を経ても自白に追い込む事が出来ず、また確たる物証も見つからなかったため、彼は48時間後に釈放されてしまう。
事件を担当するロキ刑事(ジェイク・ギレンホール)の捜査に、歯痒さの抑え切れぬケラーは、耳にした言動から「アレックスが犯人」と確信し、独自のやり方で彼の自白を引き出そうとするのだった・・
「失踪から1週間が経過すると、見つかる確率が半分に下がる」とされる誘拐事件。
ケラーはアナを見つけ出す事が出来るのだろうか? そして、意外な場所から姿を現した“真犯人”の正体とは・・??
※
「おちゃらけ度」で言えば“ほぼ0点”の評価しか与えようのない本作であるが(そらそや!) 被害者(家族)側に焦点を当て「“犯人に比肩する凶悪な怪物”と化して行く父親の姿」を丁寧に描いた演出&展開では、過去に例をみない気がする!
かなり昔に観た『身代金(1996)』でも、報道を巧みに利用し、犯人を逆に追い詰めて行く被害者の父親(演じたのはメル・ギブソン)の言動が鮮烈だったが、本作では父親の「動き回り方」が一層激しく、更に強烈である。
ケラーと共に「本作の主人公とも言うべき存在」のロキ刑事がどちらかと言えば冷静&慎重なタイプなので、2人の「静」と「動」な言動を比べると「どちらが警官なんだか、良く分かんなくなって来たり」もする(⌒〜⌒ι)
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私的にビンビン感じまくったのは、作品全体から感じる“韓流サスペンスにも似た重苦しいノリ”だろうか。『悪魔を見た(2010)』や『チェイサー(2008)』を想起させるような、そんな「観てて“ヒリヒリと痛みを感じるほど”のバイオレンスっぷり」が際立ってた印象。
終盤で「真犯人が誰なのか」に(やっと)気付いたワタシだが、その“絶妙なタイミング”もまた、制作側の意図した通りって感じで、少しばかり悔しくなってしまった(⌒〜⌒ι)
いつも演じてる(?)“ヒーロー然”としたキャラ造型を“封印”したかのようなヒュー・ジャックマンの演技は、終盤の“半退場状態”となる意外な(?)展開も含め「新境地と言えるかもな〜!」と感心させられた。ある意味、彼のファンは『レ・ミゼラブル(2012)』以上に観とかなければならない1作かも知れない!
って言うか・・『プリズナーズ』と言う本作のタイトルから「誘拐された我が子の居場所の手掛かりを掴むため、犯人の収監されてる刑務所にまで入ってゆく父親の奮闘」を描いた物語なのかと勘違いしてたワタシ(・ω・) もそっとセンス&インパクト溢れるタイトル(邦題)だったら(更に)良かった気もするなぁ。
〜 こんなトコも 〜
・松浦美奈さんが字幕担当。良い仕事をしたはりますね〜(=^_^=)
・ラスト30分ぐらいの「急展開」は面白く吸引力がある。
・「警察署内のドラマ」「地下室の遺体」「複数の主人公」「終盤で銃撃戦」など・・『L.A.コンフィデンシャル(1997)』を想起させる(?)ような演出群にも溢れてた。
・ラストの“描かなさ”は絶妙な感じ!
・決して「犯人を追って(銀の燭台を盗んで?)、ヒューが投獄される展開」ではなかった。
・意外にも「子供の処遇にかなり配慮」してる脚本だった。
・“現場百回”は本作に於いても通用してた。
・“やんちゃな過去”を思わせる、ロキ刑事の言動やタトゥーが印象的である。
・「刑事と父親がタッグを組む展開(=バディ系)」でもなかった(・ω・)
・「真相は案外近くに転がってる」と言うのが本作の教訓。
・これまた韓流ムーヴィーみたいな「監禁」「リンチ」シーンがあった。
・『タイタニック(1997)』『ステキな金縛り(2011)』と共に「ホイッスルの役に立つ3作品」とし後世まで語り継がれる事だろう(=^_^=)
・「疑いの生じた相手には、決して背を向けてはならない」と言うのも本作の教訓。
・今後“シニアなキャラ”が「その手の物語のアレ役」に起用されるケースも増えて来るのかも。。
・ケラーの(乗って来た)クルマは、何処に運ばれ、何処に乗り棄てられたんやろ?
・交差点で「ロキ刑事のパトカーの後ろに停車し、クラクション鳴らした」トラックは、一体何がしたかったんやろ? 追い抜くワケでもなく。
・クリント・イーストウッド監督作とは、また「ひと味違うテイスト」である。
・息子=ラルフとの父子関係は、総じては描き不足だったか。オープニングシーン(鹿狩り)では、かなり丁寧に綴られてたんだけど。
・「ミスリード演出群」はちと過剰な気がした。
・劇中に登場の替え歌「♪ジングルベル、ジングルベル、バットマンもロビンもバカ、バットモービルはパンク、ジョーカーは逃げた」ってば、ホンマに向こうの子供たちにウケとるんやろかな。
・アレックスの散歩させてた飼い犬=タッカーは、直後にクルマにはねられ亡くなってしまったそうだ(×_×)
・ケラーの父親は、ペンシルベニア州立刑務所の看守だったが、自宅で自殺してしまったそうである。その辺りの経緯(いきさつ)も、セリフだけで済ませず(ある程度は)ちゃんと描いて欲しかった。
・「ヘビの入った箱は、開けたらちゃんと閉めとけよ」と言っときたい。
・「3時間半も迷路を描き続ける」その集中力ってばスゴ過ぎる!!
・製作総指揮にマーク・ウォールバーグの名が! 何となく「ロキ刑事の過去」にまつわる部分で、マーク自身と“カブッてるトコ”も見受けられる。。
・一見“廃車”にしか見えない「庭先のトラ※ザム」が・・実は「動く場合」だってあるのさ(⌒〜⌒ι)
~ こんなセリフも ~
ケラー「お爺ちゃんの教えはこうだ。
『常に備えよ。何が起きようとも
突如として死に直面しようとも』」
「良く仕留めたな。見事だった」
「ウソ発見器にはパスを?」
「大人の勇気を持て。
妹のために強くなれ。いいな?」
「着替え、持って来たか?」
「こいつはバカのフリをする。
警察になんか頼れない」
「決断しろ。俺はもう決めた」
「こいつは魂を失った。もう人間じゃない」
「言えば止める。すぐに止める」
「こいつは知ってる」
「俺にこれを使わせる気か? それとも言うか?」
「・・ほどいたのか?」
「光は入らない。座るのがやっとの広さだ」
「他に方法があるか?」
「確かだ・・ヤツだ」
「何故、尾行する?」
「ヤツは犯人だから逃げたんだ。
つまりはあんたのミスだ」
「娘はこの俺を待ってる・・あんたじゃない」
「娘は、何故俺が見つけられないのかを
理解出来ずにいる」
「熱湯を浴びせるぞ」
「もし騒いだら熱湯だぞ」
「これは・・娘のだ」
「時間を無駄にしたな。
俺の尾行で時間を無駄にした。
(こうなったのは)あんたのせいだ」
「母さんにTVを見せるな。
新聞は棄てろ。いいな?」
「今更、俺を苦しめるな」
「何か“お前を喋らせる方法”がある筈だ」
「“迷路で迷う夢”ばかりを見る」
「“罪滅ぼし”をさせて貰えないかな?」
「壊れてるドアを直すよ。道具も持って来た」
「あんたを痛め付けたくはない」
ロキ「ボスに言って、安くさせてくれる?」
「そこにいるのは分かってる。
両手を出せ。ゆっくり両手を見せろ」
「誘拐する気だったのか? 常習か?」
「2人を縛ったのか?」
「俺は“本当の答え”が知りたい」
「“約束と違う事”をするなら、そう言って下さい」
「ご主人は何処に?」
「自らと奥さんを大事に。それがあなたにとって
今、1番大事な事です」
「案内してくれ(Give me tour.)」
「総ては“関係のある事”さ」
「この前、何故逃げた?」
「・・窓が開いていた?」
「あんたの行き先は分かってる。
勝手はさせない」
「眠るな! あと少しだ! 死ぬな!」
グレイス「もう3日も経つわ。
何故なの? 余りにも長過ぎる」
「あなたとさえいたら、安心だったのに」
「夫のした事は“娘を見つけるため”なの。
私は感謝してる。彼は善人よ」
ナンシー「ケラーに手は貸さない。
でも、黙ってやらせておくのよ」
刑事「どうぞ(Go ahead.)」
「分からない。詳しく調べるしかない」
上司「今更、遅いさ(Fukk you sorry.)」
「失敗は忘れろ」
真犯人「私を甘く見るんじゃない」
「お前を帰しはしない」
「そいつを1/3飲めば、娘に逢わせてやる」
「子供を消し去るのは“神に対する戦い”なのだ。
これまで戦い続けて来た」
「もしかしたら、お前の娘もいるかもな」
「中へ入れ(Get in.)」
「止血しろ。24時間は生きていられる」
「火葬にしてくれ。棺で埋められたくはない」
ラルフ「ここに停まってたんだ」
アナ「肩車して(Give me a ride.)」
ジョイ「おじさんも(そこに)いたよ」
アレックス「僕がいる間、泣かなかった」
「彼は来なかったんだ」
「2人は“迷路”にいるよ」
伯母「甥は所持品が少ないの」
被害者の母「今回も迷宮入りでしょうね」
イライザ「平気で(鹿を)撃てたの?」
ラルフ「平気さ。
だって平気でハンバーガー、喰えるだろ?」
ラルフ「・・あの車だ。中に人がいた」
ケラー「案内しろ」
ロキ「我々は“総て”を考慮しています」
ケラー「そうは思えない」
ロキ「“総て”考慮しています。任せて下さい」
ロキ「何故“Vモール”で買い物を?」
ボブ「それが違法かい?
“ブルックス・ブラサーズ”ではとても買えなくてね」
ケラー「ヤツは『殺した』と言ったのか?」
ロキ「(その言葉が)ウソだと良いのですが」
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コメント
常軌を逃した父と口下手刑事の対比がすばらしいです。
ハントとラウダみたいでした。
壊れたカマロ(?)ってなんであんなに不気味なんでしょう(笑)
ラストの見せない演出は本年度最高のシーンとなってます(今のところ)^^
投稿: ituka | 2014年7月17日 (木) 00時06分
itukaさん、どもです。
ぼちぼちとコメント応酬して行けたら、嬉しいです(=^_^=)
>常軌を逃した父と口下手刑事の対比がすばらしいです。
>ハントとラウダみたいでした。
本作ではどちらも、分類したら「陰気」でしたけどね。。
初登場時のタトゥーだらけ(?)なアウトローぶりにビックリしたジェイク君です(⌒〜⌒ι) どうにも『ドニー・ダーコ』『ムーンライト・マイル』辺りのキャラ印象も(未だに)強いもんですからして、、
>壊れたカマロ(?)ってなんであんなに不気味なんでしょう(笑)
タイヤの痕(前後に移動した痕跡)ぐらいなら、ジモティK察も気付きそうに思うんですが。。
>ラストの見せない演出は本年度最高のシーンとなってます(今のところ)^^
良かったですね〜 あと、刑事を「(廃屋の)隠し部屋」に案内するトコの緊張感もなかなかでした(⌒〜⌒ι)
投稿: TiM3(管理人) | 2014年7月19日 (土) 16時12分