☆『偉大なる、しゅららぼん/The Great Shu Ra Ra Boom』☆
またもや、ハナシは遡る・・ って言うか、ハナシを遡る。
9日(日曜)の夕刻、ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”にて鑑賞して来たのは、予備知識も殆どないままに突然「観よう!」と決めたファンタジー作『偉大なる、しゅららぼん』だった。
唯一、知ってたのは「万城目(まきめ)学氏の同名小説が原作」って事ぐらい。
同氏の作品を映像化したものでは、TVドラマ版の『鹿男あをによし(2008)』がとても好きだったワタシで『プリンセス トヨトミ(2011)』も悪くはなかったように記憶している。 ←ただ単に「大阪が舞台」って事で、好意的に受け止めただけかも知んないが(・ω・)
同氏の小説は読んだ事のないワタシなので、その作風に関する「万城目ワールド」って表現が(本当は)どのようなモノか、実は分かってないワケだが、、何となく「舞台が関西圏」「純和風」「伝奇的」「奇想天外」って辺りは、これまで触れて来た映像作品に相通じるトコがあるんじゃないかな、と思っている。
※
滋賀県・琵琶湖の湖東エリアに位置する城下町=石走(いわばしり)市。
此処では、1300年(?)もの永き歴史を持つ旧家「日出(ひので)家」が「湖の神から託された特殊な力」を代々伝承し、街の中心に位置する「石走城」から下界を見下ろしつつ優雅に(?)暮らしていた。
当代・日出淡九郎(佐野史郎)は“一族の掟”に従い、15歳の誕生日を迎えた分家の甥=涼介(岡田将生)を本家に招く。
城に居候しつつ、淡九郎の後継者となる事の運命づけられた長男=15歳の淡十郎(濱田岳)と共に、地元の高校「石走学園」に入学する涼介。
学業の傍ら、師匠・藤宮濤子(とうこ:貫地谷しほり)の下で“修行”に勤しむ事に。
しかし、生まれながらにして「お殿様」然とした淡十郎からはいつまでも「お供」呼ばわりされ、彼とお揃いの赤い学ラン(制服)の着用が義務づけられ、荷物持ち(≒パシリ)にされてしまう涼介。彼が「石走の地」で体験する総ては“珍奇なるもの”だった。
・・
学園では、同じクラスの秀才=棗(なつめ)広海に対し、事ある毎に「対抗心」を燃やす淡十郎。
それもその筈「湖東の日出家」と「湖西の棗家」は、琵琶湖を挟み、共に「特殊な力」を持つ「互いに相容れぬ一族」だったのだ!
そんな中、クラスメイトの物静かな女生徒・速水沙月に対し“仄かな恋心”を抱いた淡十郎が「彼女が好きなのは棗である」と言う事実を知るに及び、遂に「日出家vs棗家」の確執は決定的なものとなる。
凄絶な戦いの火蓋が切られようとするその時・・“予想もしなかった第3の勢力”の出現によって、両家は思いもよらぬ存亡の危機に立たされる事となる・・
※
「学園モノ」ベースの軽妙なファンタジー作品かな? ・・と予想して観に行ったワタシだが「壮大な設定」を(短い上映時間で)強引に練り込み過ぎた反動なのか「学園モノ」としても「恋愛モノ」としても何とも中途半端で、薄っぺらい物語に仕上がってしまってて、残念だった(×_×)
序盤から「風変わりな世界設定+キャラ群」が観客の眼の前で次々と展開されるので、観てる方は「ひたすらに戸惑ってしまう」ワケだが(⌒〜⌒ι)その勢いのまま、後半に向かって緊迫感の高まって来る“流れ”なので「も少し、休符(的な演出)なんかも入れつつ、緩急が欲しかったかなぁ」と。
そのキャラ陣に関しても「出番が少な過ぎるやんか!」と突っ込めるしとが多く、制作側の(恐らく)意図しないトコ(?)に驚かされた!
最たるは「淡九郎役の佐野史郎さん」と「棗の父親役の髙田延彦さん」 ・・あの程度の出番なら「特別出演」レベルの扱いで良かったんでは。。
“特殊な力”に関する描写は、当然ながら「CG依存」で展開されるんだが、、それらも「イマドキ、その程度(の完成度)で満足しとったらあきまへんえ?」なレベルだった。
いっそ「表現(手段)を(映像以外に)変えてみる」なんてな方向性でも持って行きようはあった気がする(・ω・)
「壮大なファンタジー」を期待して観に行くと、誰しもがその「舞台&スケールのちっこさ」にぶったまげてしまうだろうが・・ 赤い学ランで動き回る主人公の2人の姿に、何となく『実写版・ハイスク※ル!奇※組』のノリ(?)を感じたりもし、さほど気負わずに観る事が出来た・・って点だけは、評価したげて良いかな、、ってトコか。
〜 こんなトコも 〜
・劇場用作品じゃなく、いっそ「TVドラマ」として企画・制作した方が良かったんじゃないだろうか?
・“主人公らに大きく絡む”ハズのヒロイン(←“マドンナ役”と言っても良い)に魅力の乏しいトコは『鹿男〜』『プリトヨ』にも共通しとる感じ。原作(小説)からして「女性キャラの描写」に魅力を欠いとるんやろか?
・淡十郎が、どのような手段で「リーゼントの不良クラスメート」を丁髷(ちょんまげ)に仕立て、バスケのゴール(の上)に乗っけたのか、が知りたい! 誰か、教えて丁髷! (←「煙草の追加購入」で“あのしと”にお願いしたんか?)
・本作で最も笑える(唯一の?)シーンは、商店街を練り歩く日出家一行の前を「唐突に」横切った、通行人役の“あのしと”の存在だろうか! 朝の某ラヂヲ番組(←帯番組)のタイトルのように、ただ「お礼」のみを言い残し、去ってゆきましたが・・
・前半で、石走城に商談(?)に来てた渡辺哲さんは何者だった?
・教頭を始めとする“へりくだり連中”は、結局は「挨拶のみ」の出番だった!
・学園そのものに関する設定が薄過ぎ!
・だだっ広い屋敷(城)なのに、使用人の姿が全く見当たらなかった!
・後半は『十戒(1956)』の簡易版やら『インスタント沼(2009)』の簡易版やらをダラッと見せつけられた感じ。
・地元の金融機関「日出銀行」や「日出中央信用金庫」は、如何にも実在しそうな感じ。
・棗は、本拠である「湖西エリア」から、湖東エリアの石走まで“はるばる”通学してたんか?
・「黒幕の意外さ」・・は、その正体が“あのしと”だった事により、かなり「地味で枯れた印象」になってた。。
・「美術部」とか「絵画」に関する“フリ”は、特に何の意味も持たなかった(×_×)
・淡十郎には、たったの1度で良いから、劇中で「びっくりした?」と“キルオ口調”で言い放って欲しかったなァ(=^_^=)
・スタン・ハンセン(往年の人気プロレスラー)の入場テーマは「サンライズ」と言う曲だそうだ。
・「竹生島流剣術」は実在しないようだが「竹生島流棒術」は実在するらしい。
・淡十郎と涼介の誕生日は「平成10年6月21日」で、作品の舞台は「平成25年」と言う設定になるようだ。
・「しゅららぼん」と言う言葉の響き(?)から、どうにも「シュラバ★ラ★バンバ(1992)」と言う曲のタイトルを連想してもしまう(・ω・)
〜 こんなセリフも 〜
淡十郎「良かろう」
「おい、近ぅ寄れ。・・毒味をしろ」
「苦しぅない」
「喜べ。これ(制服)はオーダーメイドだ。美しいだろ?」
「よし、出陣だ」
「僕がお前を“美しく”してやろう」
「行くぞ“お供”・・お主の事だ」
「この絵は、そなたが描いたのか? 美しい」
「美しい心がなければ、あのような美しい絵は描けん」
「修業しないのは・・美しくないからだ」
「僕以外に“こんな美しい事の出来る人間”がいるとでも?」
「心の中を読まれた」
「力など、己を殺してまで護るものか?」
「力などに頼らず、自分の手で未来を切り拓く」
「良かろう・・面(おもて)を上げい」
「否、そうではない」
「見くびるな!」
「そこに何の問題が有ろうか? いや無い!」
「力など、美しさの欠片(かけら)もない」
「力に塗(まみ)れたら、僕が僕でなくなる。
世界を観る眼も変わってしまうだろう」
「・・鬼畜の所業だ」
「僕は戦う。だが力には頼らない」
「下品な話だが・・」
「龍が両家に授けたのは、
“所詮その程度の力”なのか」
「僕が“そんな美しくない事”を思いつく訳がないだろう?」
涼介「今、びっくりした」
「なに? この出だしからのアウェー感」
「“殿様”も相当大きな“器”だと思うけど」
「男の気持ちも分からないぐらい、鈍感だもんなぁ」
「この力が人々の為にあるのなら、僕も戦いたいです」
「(龍に)通じたんですか? “フルボッコ(って表現)”」
「どんだけ“ドS”なんですか」
「力、漏れてる!」
淡九郎「今年、2人目だな」
「目障りな奴め」
「奴らにも“世継ぎ”が出来たか・・生意気な」
源治郎「長女の清子様は特別な方でさぁ。誰も逆らえねぇ」
「淡十郎様も、特別でさぁ」
「つまり・・本家の皆さん、特別でさぁ」
「到着でさぁ」
「日出本家は“日本で唯一、お城に暮らす一家”でさぁ」
濤子「大丈夫、大人を信じて」
「あなたは今、やるべき事をやるの」
清子「・・関係ないし」
「あんた馬鹿ぁ?」
「あたしが“フルボッコ”にする」
「そこで待ってな。あたしの音は“くそヤバい”から」
「あたしの記憶も、
誰か消してくれたら良いんだけどね」
「では“しゅらら、ぼん”だな」
「2人の音を合わせたら、どうなる?」
「よっしゃ! ナメんなよ!」
「・・力がない・・」
棗「“こう言う時”こそ、力を使え」
「信じ難い話だが、力が存在する以上、信じるしかない」
「棗家の秘術で、総てを元に戻す」
「お前に力が与えられた事には、やはり意味がある。
俺はそう思う」
校長「あなた達の存在は、望まれていない」
「“懸命な判断”を期待してますよ」
※※「余計な事をなさるお方だ」
「60年前の記憶がよみがえって来たんでさ」
「あれは成る程・・御神水だったんですな」
「こんな危ないもの、儂で終わらせやす」
「儂と戦おうって言うんですか?」
速水「似合ってないよ。紅い制服」
涼介「・・うん、知ってる」
清子「煙草が切れた」
淡十郎「・・承知した」
淡十郎「初めに“戦う”って言ったの、僕だからな!」
清子「小さ!」
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コメント
その他、気付いた事とか・・
・いっそ、日出淡九郎役を舟木一夫さんに演じて貰い「常時、赤い制服(=赤詰め)姿」でやって欲しかった(=^_^=) 「恥ずかしがるな! 私は高校三年生から、このように1日たりと欠かさず、着用しておるわ!」とか仰ったりもして・・
・校長の正体が「実は・・!」ってトコは、何となく『寄生獣』と言うコミックに於ける、某市長のそれを連想させる。
・「お城に暮らす一家」と言えば、江※城に住んでおられる、あのロイヤルなファミリーもおられると思うンだが・・ それと、羽柴S三秀吉さんとか(⌒〜⌒ι)
投稿: TiM3(管理人) | 2014年3月30日 (日) 14時32分