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2014年2月23日 (日)

☆『スノーピアサー(2013)』☆

2月9日(日)の午後、ご近所の「キューズモール」内にあるシネコン“MOViXあまがさき”で観たのは「殆ど予備知識もないままに」トライしてみた『スノーピアサー』である。

バタバタ(ジタバタ?)した状態で駆け付けたものの、何とか上映開始時間の「約8分前」にロビーに辿り着く事が叶った。取り敢えずは、目出たし目出たし(・ω・)

2014年7月1日の午后6時。
7年間に及ぶ論争の末、地球温暖化問題に終止符を打つべく・・人工冷却物質「CW-7」の搭載されたロケットが79ヵ国から打ち上げられ、大気圏上から「CW-7」は地上に向け一斉散布された。

その結果・・世界中の地表は凍り付き、あらゆる生物は“氷河期の突然の到来”によって絶滅してしまう・・

・・

それから17年後・・2031年。
わずかに生き残った人々は、凍結した大陸上をひたすら高速で疾走する列車『スノーピアサー(Snowpiercer)』に暮らしていた。

「永久機関(エターナル・エンジン)」を動力源とするこの列車は“フロント・セクション”と呼ばれる、前方車両にのみ居住を赦された「上流階級」によって支配され、殆どの人々は後方車両で“奴隷のような扱い”に苦しみ喘いでいた。

最後尾車両に住む男=カーティス(クリス・エヴァンス)は、周囲から「革命のリーダー」になるよう、密かに懇願され続けていた。
しかし、これまでの反乱が悉く失敗に終わった事実を知るカーティスは「今はまだ“その時”ではない」と蜂起を拒み続ける・・

そんなある時、各セクション(車両)を隔てる強固な扉を解錠する事の出来る“セキュリティー突破のプロ”が前方の車両に生存する事実を掴んだカーティスは、いよいよ“師と仰ぐ老人”ギリアム(ジョン・ハート)や弟分であるエドガー(ジェイミー・ベル)らを率い、これまでで最大規模となる「反乱」を開始する。

先頭車両に向かったカーティスたちが眼にしたものとは・・

元々は、おフランス謹製のグラフィック・ノベル(←いわゆるアメリカン・コミック)と言う本作。そんな原作に惚れ込んだ韓国の鬼才=ポン・ジュノ(『グエムル/漢江の怪物(2006)』『母なる証明(2009)』などを手がける)が、自ら監督・脚本に取り組み完成させたSF作品。

近未来を舞台とし“疾走する列車”と言う、ある種の「閉鎖された空間」に於いて展開される「階級社会批判モノ」でもある本作。『未来惑星ザルドス(1974)』『エリジウム(2013)』『フリージャック(1992)』『リベリオン(2002)』『アップル社のTVCM(1984)』辺りを(何処か)想起させる“支配する側/される側”の図式・世界観がまず観客の前に提示されるんだが、そこから始る“革命劇”が、ジリジリ進んで行く感じで、期待した程“爽快感”がなかった。

また、敵味方に分かれ様々なキャラが配されてたにも関わらず、彼らに関し「大した造型」も広げられぬまま、次々と“退場”していく流れが実に勿体なかった、、(×_×) 最後の“黒幕登場”以降でダラダラ引き延ばす(?)ぐらいなら、もっとエドガー君辺りの“活躍ぶり”をしっかりとアピールしといて欲しかったよなぁ・・

中盤までの流れから、観客の誰もが「ウィルフォードって・・ホンマは“アレ”なんとちゃうん?」と疑い始めてもしまうワケだが(←疑いません?)・・ その辺りは、良くも悪くも裏切られてしまう、、

んでも、、まさか終盤で「ポロック画伯(2000)」「ケーニッヒ少佐(2000)」が現れるとは予想もしてませんでした(⌒〜⌒ι)

主人公を演じるクリス・エヴァンスの名を耳にして「誰だっけ?」と思ってたら・・ 『アベンジャーズ(2012)』のスティーヴ・ロジャースであり『スコット・ピルグリムvs邪悪な元カレ軍団(2010)』のルーカス・リーだった事を知って、こちらにもビックリ! ホンマに「ワイルドなキャラ」も「生真面目キャラ」も演じ分けられる“器用なしと”なんやなぁ〜! それに、ヒゲ面もサマになるトコなんかは「2代目ローガン(=ウルヴァリン)」に自薦他薦しても良い感じ(=^_^=)

中盤辺りで、敵味方(←どっちが敵で、どっちが味方なのかは良く分かんないが、、)が斧やらを手に「乱戦状態」になだれ込む展開があるんだが、そこが本作に於いて最大規模の「ダイナミックな肉弾アクションシーン」と言えようか。その他にも、細かい「格闘」や「銃撃戦」「爆発演出」なんかが点在するものの、総じては「尻窄み」な物語だった。

って言うか、そもそも「車両整備不能な列車」が「保線作業不能な線路上」をひたすら全速力で突っ走り、それが「人類の暮らす世界の総て」って設定自体に、どうにも違和感と言おうか、ムリ過ぎさ(強引過ぎさ)をふつふつと感じてしまったな(・ω・)

一方、作品を“絶妙なコモノぶり”でもって(途中までながら)牽引してくれるのが、メイソン総理を好演してくれたティルダ・スウィントン姐さんなんだが・・これまでにない「(やや誤ったベクトルでの)コメディエンヌぶり」と言おうか、珍奇&異様なキャラを造り込み過ぎてて・・コワかった(⌒〜⌒ι) 姐さんが「何を狙って本作に出演しはったのか?」そこんトコに関し、ホンマに直でインタビューを試みたいトコではある。

それと・・“キーキャラ”とし、ナムグン・ミンス(ソン・ガンホ)とその娘=ヨナの2人が登場するが、そこだけ「部分的に韓流作品」じみてしまってもおり、いっそキャスティングを白人系に絞った方が「世界観がブレなくて良かったんじゃないかな」と思ったのもある。

まぁ「細長〜い世界で繰り広げられる、細長〜い物語」をツッコミ入れつつ楽しむ・・と言うのが、この作品の正しい鑑賞スタイルなのかも知んないね(=^_^=)

〜 こんなトコも 〜

・“主人公不在”っぽくもなるラストは、何だか船戸与一のバイオレンス小説を読んでるみたいだった。『伝説なき地』辺りかな?
・キャラの“生き死に”に関する「演出」「選択」が実に雑な印象。
・終盤の“真相”に突き当たってからは「ダレた流れ」になってしまった。列車に例えると「徐行運転」ってトコか(・ω・)
・“黒幕”に遭遇してからの主人公の言動は、例えるなら「ロールプレイングゲーム(RPG)に於ける、ラスボスに出逢った途端、石化させられてしまう勇者」を観ているようだった。
・演出次第では、舞台劇に置き換える事も充分可能な気がする。
・ヴァイオリンを弾けると、将来「何かの役に立つ」かも知んない。
・黒いこんにゃくみたいなプロテイン・ブロックは意外と美味しそうに見えた。原料は“何やらとんでもないもん”らしいが。。
・配給されるプロテイン・ブロックに「赤いメモ」の収納された金属カプセルが紛れ込んでるんだが「誰が」「何の為に」と考えると「コレは何かおかしいぞ?」と思い当たりそうな気もするが・・?
・近未来にも関わらず「フツ〜の巻き尺」の登場するトコで、爆笑しそうになってしまった。
・黄色いコートの女が登場するんだが、どんな身分・肩書なのかがイマイチ分かんなかった。さほど美人でもないし、賢そうでもなかったし、、 黒幕の“肉欲処理係”なんやろか(おい!)
・「クロノール」と言う、緑色した麻薬的な結晶が“劇中の小道具”として重要な役割を果たすが・・あの「特性」から考えるに、もっとしっかり厳重に管理しとくべきだったと思う。
・靴が製造(修理)出来るぐらいなら、弾丸ぐらい簡単に製造出来るんでは? いや、出来るんだよね(=^_^=)
・「おっさんターミネーター」は一体どうやって後部車両に回り込んだんだ?
・「おっさんターミネーター」の持つ銃に限っては、弾丸が無尽蔵っぽかった?
・「おっさんターミネーター」は予備バッテリーの起動で(?)復活するが、そこからの活躍さほど冴えなかった。
・「グレィ」と言うキャラは、妙にヒーロー的な“美味しい(活躍)シーン”を与えられてた。
・覚えてるトコでは「刑務所両(←最後尾)」「プロテイン工場両(←わさわさ動く“気持ち悪いもん”が原料)」「覆面+斧軍団の待ち構える両」「給水両(←浄化とリサイクル工程)」「ガーデン両(←噴水があり、編み物おばさんもいる)」「水族館両(←水槽化した天井&壁面をエイとかが優雅に泳ぐ)」「寿司カウンター両(←板前は黒人さん)」「食肉保管・加工両(←吊るされた沢山の豚、鶏)」「教室両(←“プロパガンダ教育”を担う)」「診療所両」「仕立て屋両」「ダブルデッカー型の食堂車」「プール両」「クラブ両(←ミラーボールあり!)」「ラウンジ両」「システム両(←システムエンジニアらが黙々と働く)」「発電機両」「先頭両(←巨大なエンジンが鎮座してる)」・・などの車両が連ねられていた。
・スロー映像で展開される“斧バトル”を眺めてて『ギャング・オヴ・ニューヨーク(2002)』『カンフーハッスル(2004)』を連想した。
・「エカテリーナ橋」通過の瞬間だけは、敵も味方もなく新年を祝ってた(=^_^=) しかし、何処に架けられてる橋なのやら。
・チープな巻き尺の登場する一方で「暗視ゴーグル」が多数登場し、活用されてた(⌒〜⌒ι)
・日本人と思しき「フユ将軍」なる軍人が出て来たが・・「冬将軍」が元ネタかよ?
・「スノーピアサー号」は1年がかりで世界を一周するとの事だ(年間走行距離:43万8千キロ)
・2019年に勃発した「7人の反乱」の首謀者らは、最終的に列車を降り、極寒の平野に飛び出した(=即座に凍結)ワケだが・・何処を目指そうとしたんやろ?
・後部車両では、1両に1000人が収容されてたそうだが・・ちょっと設定にムリがないか?
・ラストで山の斜面にシロクマがいたが・・どうやって今まで生き存えてたんだ? 「冬眠スタイルで乗り切れる17年間」だったのか?
・ジョン・ハートとイアン・マッケランの「区別」がなかなかつかない(×_×)
・ソン・ガンホってば、豊浦攻補に似てると思ってたが・・新井浩文にもかなり似てますなぁ・・

〜 こんなセリフも 〜

カーティス「もうじきだ・・もうじき一変する」
     「俺は“あいつが思うような人間”じゃない」
     「俺は“リーダーの器”じゃない」
     「奴らのライフルに弾は入ってない。
      つまりは“役に立たない銃”だ」
     「弾はない! ライフルは空だ!」
     「報酬はクロノール。“樽出し”の混ぜ物なしだ。
      1枚の扉(の解錠)につき1ヶ払う」
     「伏せろ! 何かに掴まれ!」
     「降伏か死か?」
     「呼べよ。助けが来るかもな」
     「死ぬ以外、お前が何の役に立つ?」
     「お前は(鮨を喰うのは)駄目だ。
      これ(プロテイン)を喰え」
     「俺は“おぞましい人間”だ。
      人肉の味を知ってる・・赤子が“一番美味い”事も」
     「この18年間、ただウィルフォードを憎み、
      この刻を待っていた・・遂にここへ」
     「扉を開けろ(Open the gate.)」

エドカー「クロノールの吸い過ぎで
     “急ぐ”って意味を忘れたか?」

メイソン「これは靴ではありません。
     サイズ10の“混沌”そのものです」
    「秩序があるから、あなた方は
     凍死せずにいられるのです」
    「18年前の今日、凍死していた筈の“恩知らず”たちよ」
    「水は口から飲むものよ」
    「色んなものが、実は存在している」

ナムグン「こいつ(マルボロライト)の味は、
     アホには分かるまいが・・吸いたいか?」
    「“土”だ・・俺はこの上で生きてたんだ」
    「扉に取り憑かれてるな?」
    「こいつは“外界”への扉だ」
    「“凍死しない”と言ったら?
     “外で生きられる”としたら?」
    「“吸うため”だけに集めたんじゃない」
    「簡単に言えば・・こいつは“爆弾”だ」

ギリアム「まだ(車外では)総てが死んでおる」
    「“給水セクション”を支配する者が、
     (奴らとの)交渉の主導権を握る」
    「特に女を抱きしめる時は、
     両腕の方がずっといいさ」
    「そんなに空腹なら“これ”を喰え!
     だからその赤子に手を出すな!」

日本人客「何だ馬鹿野郎!
     この仏像は俺のもんだよ!」 ←日本語で

乗客「プロテインは飽きた! チキンを出せ!」
  「グレィ、行って来い!」
  「待たせて悪いが、これでも必死でね」
  「チャン! 火を持って来い!」

フユ将軍「畜生!」 ←日本語で

ウィルフォード「列車で暮らすんだ、永遠にね」

黒幕「ここが“完璧”だとでも思うのか?
   ここはうるさいし・・それに“孤独”だ」 ←女がおるやん
  「閉鎖性生態系は“バランスとの戦い”なのだ。
   “自然淘汰”など待ってられないのでね」
  「“過激な解決策”も時には必要だ・・殺し合いも。
   頃合いを見計らって“鍋の底をかき回す”ワケさ」
  「最後尾とは、常に“連携”を保ってた」
  「暴動はトンネルで終わる予定だった」
  「君のお陰で盛上がった」
  「エンジンが最近、不安定でね」
  「この列車は“少しイカれてる”ぐらいが
   楽にやって行けるのさ」
  「バランスが失われたら、造り出せばいい」
  「エンジンが眼を覚ました(She is waking up now.)」
  「ここは“安らぎ”に満ちている」
  「最後に独りになったのは?
   最後に女を抱いたのは?」
  「エンジンを可愛がり、機嫌良く歌わせてやれ」
  「この列車が“世界”であり、我々は“人類”だ」
  「人間は滑稽で、無様だ」
  「これは“決められた持ち場”なのだ」
  「素敵だね(nice.)」

カーティス「時を待て」
エドガー「それはいつだ?」
カーティス「もうすくだ」

エドガー「あれを見ても平気なのか?」
カーティス「まだだ」

エドガー「殺られるなよ」
カーティス「お互いにな」

ターニャ「いよいよやるの?」
カーティス「まだだ」

乗客「1度喰ったステーキの味が忘れられない」
カーティス「じゃ、忘れる事だな」

カーティス「ここでずっと独りきりか?」
ポール「独り占めさ、ここをね」

カーティス「まだ半分も来てない」
ギリアム「誰よりも遠くまで来たさ」

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コメント

>細長い世界観に細長いストーリー

上手いことおっしゃる(爆)

この映画の収穫はティルダ姐さんの変人キャラくらいでしょうか。
まさか口から“それ”を取り出すとは夢にも思いませんでした(笑)
これも彼女にとっては汚れ役なんでしょうかね~^^;

投稿: ituka | 2014年2月23日 (日) 18時24分

itukaさん、にちはです。

連日連夜のお仕事でグッタリです・・
『007/美しき獲物たち』のゾーリン総裁に「この私より忙しそうだね」と言って貰えそうです(=^_^=)

>上手いことおっしゃる(爆)

本作に「分厚い完成度」を期待しちゃあ、いけませんぜ、兄貴!(=^_^=)

>この映画の収穫はティルダ姐さんの変人キャラ
>くらいでしょうか。
>まさか口から“それ”を取り出すとは夢にも
>思いませんでした(笑)

アレなら、プロテインブロックも、問題なく食べられそうですよね。。

>これも彼女にとっては汚れ役なんでしょうかね~^^;

次も(このキャラを継承させ)学園ホラーモノとかで「不幸な女教諭役」とかをノリノリで好演して貰いたいトコっス!(=^_^=)

投稿: TiM3 | 2014年3月 1日 (土) 17時45分

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