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2013年10月27日 (日)

☆『謝罪の王様』☆

20日(日曜)の夕刻。

ご近所のシネコン“MOViXあまがさき”に出向き、観て来たのは「ベタな印象なンだけど、とにかく“屈託なく”笑いたくてねぇ」と鑑賞を断行した(=^_^=) 新作和風コメディ『謝罪の王様』だった。あ、タイトルから「チャウ・シンチー(周星馳)監督の新作なの?」などと勘違いされる方もおられるかも知れないが・・決してそうじゃなく、フツ~に邦画です(⌒~⌒ι)

そう言えば、ようやく慣れ親しみ始めて来た感じの「ココエ(COCOE)あまがさき」がいつの間にか「あまがさきキューズ(Qs)モール」に名称変更してた。今風で軽薄でベッタベタな、あのダジャレネーミングに好感を覚えつつあっただけに、ちょっぴり残念、、

信州で老舗温泉旅館の息子として生まれ育ち、幼少期にして「謝罪」と言う行為が「衆目を集め、自分が主人公になれる瞬間」である事に早くも気付いた少年=黒島譲。

やがて上京し、様々な職業を転々とした彼は、都内の人気ラーメン店『旨い麺の言語道断』で客の1人として体験した“謝罪絡みのとある事件”をきっかけに、謝罪を生業(なりわい)とする(民間の)専門機関『東京謝罪センター』を開設、所長兼トップアポロジスト(弁明者、謝罪師)の立場に就く。

「『土下座』・・それは日本古来の謝罪法。相手に“謝意”と“全面降伏の姿勢”を示す行為である」

「『土下座』・・それは“最大級のインパクトと説得力”を持つ謝罪法である」

「『Be 土下座!』・・『土下座』でウェブ検索を!」

「詳しくは、弊社リリースの解説DVD『土下座の彼方まで』をご覧ください」

「謝る時、人は誰でも主人公」

などと耳触りの良いキーワード(=^_^=)を並べ立てつつ、次々と困難なケースの謝罪を切り抜けてゆく黒島(阿部サダヲ)。

そんな彼や、彼に救済を求める依頼者たちの人間ドラマが、6ツの「ケース」に分けて描かれる・・

これまで『トリオ阿水宮(=主演:阿部、監督:水田伸生、脚本:宮藤官九郎)』の放った2作『舞妓Haaaan!!!(2007)』『なくもんか(2009)』の(何となくの)鑑賞を経て、いよいよ本作に接したワタシだが、改めてこれら3本をざっと比較したトコでは・・この『謝罪の王様』が一番面白かったように思う(=^_^=)

と言うのも『舞妓はん』『なくもんか』のように“客寄せ的な共演俳優”がまず横並びに設定され、主人公(を演じる阿部)が終始そちらに気を遣う・・ってな必要性のなくなったって点も少なからずあるのかも知んない。

ようやくにして、本作では“謝罪界のカリスマ的人物”とし、物語の中心に1本そそり立ってた(=ひとり立ちしてた)印象が強かったもので。

また“老若男女”に取っ付き易い「バカバカしい小ネタ」を随所にちりばめつつ、法的な部分(セクハラで告訴された際の対応、反社会的勢力との接し方、水面下で進行する国交問題の実際・・など)で“やや専門的な、お勉強要素”を練り込んだりもしてくれ「面白くて、タメになる」「芸能界流の謝罪の裏側が掴める」などの利点(?)の明示されてた事に好感を覚えた(・ω・)

また、脚本的には「さっき描かれたあの場面」が「いま描かれるこの場面」にこう繋がってたのか!! と時間軸&キャラを自在に操って「真相の掴める愉しみ」「パズルのピースのハマる楽しみ」をあちこちに用意してくれてたのが最高に楽しかった。

本作の執筆を前に、クドカン(宮藤官九郎)は、きっと『バンテージ・ポイント(2008)』などを数回ほどビデオで観直したに違いない!(←いや、観直すにしてもVHSじゃないやろ!)

気になった部分としては「昭和期のドラマ&映画をネタにしてる部分があり、分かんない世代(の観客)もあるんじゃないか?」「風俗ネタが女性客に不快感を覚えさせるんじゃないか?」「エンディングの“いきなりなPVっぽい映像群”が、どうにもチャラチャラしてて違和感もあり、作品全体の雰囲気を(最後にして)損なってはいないか?」ってのが挙げられるが、そう言った部分をも含んで「さぁ、存分に物議を醸して下さいね!」とクドカンが“したり顔で呟いてる”のが見えて来る気もして・・悔しい(=^_^=)

因みに本作の章立ては「ケース」で区分されており、

ケース1 ・・ 倉持典子(井上真央)の場合

ケース2 ・・ 沼田卓也の(岡田将生)場合

ケース3 ・・ 南部哲郎(高橋克実)&壇乃はる香(松雪泰子)の場合

ケース4 ・・ 箕輪正臣(竹野内豊)の場合

ケース5 ・・ 和田耕作(荒川良々)の場合

ケース6 ・・ 黒島譲(阿部サダヲ)の場合

ケース7 ・・ ??

となっている。まぁ「ケース7」のみは物語にはなってないので、余り気にしなくても良いだろう。

~ こんなトコも ~

・暴力団体=小磯一家の幹部さん(「ケース1」)。メチャクチャ怖いしとやな~ と思いきや『アウトレイジ/ビヨンド(2012)』で木村役を演じてた中野英雄さんだった(×_×) ・・ぱしかに。。

・全く分かんなかったが、小磯一家の顧問弁護士を演じてた強面のおっちゃんを演じたのは六角精児さんだった。髪型が変わると「しとの印象」って随分と変わるんですね。。

・尾野真千子さんの起用(「ケース2」)は、なかなか光ってて良いと思う! 『萠の朱雀(1997)』からもう随分と年月が経つのですね、、

・石で思いっきり額をぶん殴られたら「冷静に謝る」なんてな行為&判断はとてもじゃないが出来ないと思う(⌒~⌒ι)

・39秒62で、見事に白砂(白の砂利敷)に着地(=土下座)!!

・「献身的なサービスを継続し、相手の優越感を持続させる」と言うのもテクニックとして「有り」だそうだ。

・時間軸&キャラを操る演出によって「2回観る楽しみ」もあったりすると思う!

・某人物のラバーマスクが大活躍(?)する辺りは『ミッション:インポッシブル(1996)』シリーズや『ドライヴ(2011)』を彷彿とさせてくれる。

・物語全体を振り返ると、最大の(国家の)危機は確かに「ケース5」なんだが、主人公が一番必死に取り組み、手こずったのは・・間違いなく「ケース1」だと思われる(=^_^=)

・例えば「ケース1」の解決料で41万2000円。まぁ、安いのかな・・(⌒~⌒ι) 先方の請求額からすれば1/10に下がったもんね。

・「確かに」と言う相槌を「ぱしかに」と言い換えても、確かに(相手には)気付かれまいが・・「パスカル」「ラスカル」は流石にやり過ぎだろう(=^_^=)

・「馬喰町駅」の周辺がロケされるが、関東圏に詳しくないので「まぐいちょう」と読んでしまってた(×_×) 岐阜県の「各務ケ原市」を長年に渡り「かくむがはらし」と読んでた以上にショックだ!(×_×)

・ヒロイン=典子役を演じてたのは栗山千明さんだと勘違いしてた。髪型が変わると「しとの印象」って随分と変わるんですね。。

・主演女優が舞台挨拶で「別にぃ」とぶっきらぼうに言い放つ作品のタイトルは『ヘルシー・スケルトン』だった! 『ヘルシー・スケーター』としても「より近かった」かも知んないネ(⌒~⌒ι) ←尤も、元ネタとなった作品は『ヘルスケ』じゃなかったそうだが・・

・ケース2の沼田は120万円近くもする高級腕時計をしてたが、、何処のメーカーやろ?

・傷害事件の場合、理想的なお辞儀は「角度:100度、時間:20秒」と決まってる(?)ようだ。

・「被害者のAさん」と言うべきを、間違っても「被害者さんのA」と言ってはならない(⌒~⌒ι)

・愛息に「英里人(えり〜と)」と名付ける親御さんのセンスってば・・どないでしょ?

・医療ドラマ『あと半年、まだ半年』、新作芝居『アポロに乗ったかぐや姫』、異国の戦乱を壮大に描いた大作『バタールの丘で(1991)』・・それぞれが気になるぅぅぅ!!(=^_^=)

・「釈明会見の謝罪会見」ともなると、実にややこしい。。

・傷害事件の釈放直後のインタビューで、着てるシャツに「Kill you next time(この次は殺す)」と書かれてるし、、

・“腋毛・・”は分かるんだが“ケツ毛・・ワシントン条約”はどっから来た?? そもそも、あの振付はどっから来た?

・てっきり「箕輪弁護士の娘があのしと」かなと、しばらく勘違いしてた(⌒~⌒ι) そう思ったしと、意外と多かったんじゃ?

・映画監督がスタッフと電話で話してた時の「誰? えぇ? オダギリぃ?」のセリフが妙に気になった。何のハナシ?

・劇中の製作会社「シネバーゲンセール」は、実在する「シネバザール」のパロディらしい。

・何気ない言い訳セリフ「ワチャワチャ」にも、経緯があった!

・マンタン王国の通訳=ワクバル(濱田岳)の話し方が、どうにもミスタァ・ベーター(Mr.BATER)に聞こえた(=^_^=)

・世界には「頭髪を変な形に剃り上げられ、手足を切り落とされ、首を捻り殺される」と言う“極めて残虐な処刑”の行われた歴史を持つ国も(そりゃ)あるんだろう。

・『ビルマの竪琴』のような感動作を「水で薄めたような亜流作」なんてものは、決して制作してはなるまい。

・日本では「トラディショナルな謝罪スタイル」とされる土下座が、“お前なんか、地を這うミミズ程の価値もない人間だ”と言う意味(=最大級の侮辱を相手に与える表現)に解釈される国も(そりゃ)あると言う事を、決して忘れてはならない。

・たまにありますねぇ。「大声で客のペースを乱す、自己満足なサービス」に固執する店って・・

・れっきとした店長職にも関わらず「店長代理(みせながしろさと)」と言う氏名のしとが出て来た・・(×_×)

・謝罪するため(だけ)に黒島の前に現れた部長の氏名は「しまこうさく」だった・・

・終盤で「謝罪しながらも、美味しい味わい」を醸し出してはったのは、首相役を力演された嶋田久作さん。最近観たドラマ『怪奇大作戦/ミステリーファイル(第2話)』でも女装姿とか披露したはるし・・どっか吹っ切れはったか??

・エンドロールのスタッフ紹介の中で「マンタン王国小道具」って表記があって面白そうだった。

・老若男女に向けた“柔らかい脚本”を意図的&事も無げに書き上げる「何か」を確実に得たようだぞ、クドカン!

・三谷幸喜さん以上に「破綻を恐れず、意図的に振り切らせてる」天衣無縫な脚本ぶりはそれはそれで痛快!

・ベテラン陣の助演もまた素晴らしい(嶋田、高橋、竹野内、尾野)

・セリフに盛り込めば、さぞラクだったであろう(=^_^=)『じぇじぇじぇ!』『倍返しだ!』などのネタに、いっさい手を着けなかった「余裕」にも好感(=^_^=)

・次第にレベルアップして行く「謝罪」シチュエーションが楽しめる。

・ドラマ『半沢直樹』でも脚光を浴びた(?)「土下座」なる概念・行為に「全く違う角度」からスポットを当ててくれた!

・シーンの強引な繋げ方(リンクぶり)が妙に心地良い。

・「所長自ら前面に出るケース」と「アドバイザーに徹し背後に控えるケース」とがあった。

・何となく、劇中で一番「無邪気に悪い」のはワクバルだったのでは?

・子供ウケを狙った感じの“腋毛ボーボー”ダンス・・『ドラゴンボール』の“ヒュージョン”のポーズをどっか思い出したり。。

・やっぱり阿部サダヲには、この手の言動を放つキャラの演技で「貫徹」して欲しい。女装とかはしなくて良い。

・「父と子のドラマ」をあちこちにちりばめてた。

・「Be」と「Do」の使い方の間違いが『キサラギ(2007)』に於ける「写真集のタイトルの間違い(誤:Show me、正:Look at me)」を何処か連想させる。

~ こんなセリフも ~

黒島「あなたが200%悪いですよ!」

  「いつ? どのタイミングで謝罪を?」

  「全然遅いっつ~の!」

  「その『何かすいません』の“何か”は絶対ダメ!」

  「言われて謝ったんじゃ遅いんです」

  「取り敢えず、僕を殴って下さい」

  「謝罪は“スピードが命”です」

  「Be 土下座!」

  『謝る時 人は誰でも 主人公』

  「家はある。教えないけど」

  「“謝らなくていい時の謝罪”ほど効果的

  「謝ってないだろ、今のは」

  「キャバ嬢と比べるのも失礼だし、

   キャバ嬢にも失礼だろ」

  「謝罪にタクシーで来るのと、全速力で

   走って来るのと、どちらに誠意を感じますか?」

  「結局、日本人は“ベタなの”が好きでしょ?」

  「神妙な顔をしてれば、

   相槌なんて何でもいいんです」

  「白々しくて全然いいの」

  「“エロい”は(相手を)ホメてないだろ」

  「120%赦して貰えないなら、

   150%の謝罪をするまでだ

  「相手の『謝って欲しい』は『赦したい』の表れ」

  「お前も(座ってないで)立てよ!」

  「浮いてますよね? じゃ、成功?」

  「“共通の知人の紹介”って、要するに“合コン”だろ?」

  「偶然の方がよっぽどタチ悪いですよ

  「相手にとって“怒り”それ自体が快感になる」

  「(お辞儀しながら数を)数えちゃ絶対ダメ」

  「“すいません”じゃねぇよ」

  「“忙しいのが美徳”とされていた時代なら、

   モテモテだろうね」

  「旨(うま)!」

  「熱(あつ)!」

  「あんたに言ってんだよ! 船木さん!」

  「向かいの喫茶店で待ってるから」

  「変だろ?! あんた、何も悪くないでしょう!

  「いやいや、そう言う事じゃねぇんだよ」

  「ただ謝って欲しいだけの人間がいる。

   裁判とか、勝った負けたとかじゃなく、

   素直に謝って欲しい。それだけで人は笑顔になる」

  「“土下座の通用しない国”があるなんてなぁ」

沼田「俺、デリ嬢を呼んで、宇野さんだったら

   キャンセルしないから」

  「これ、118万6500円もする

   スイス製(の腕時計)なんです」

箕輪「椅子にお座り下さい。

   椅子が見えませんか? 椅子がお嫌いですか?」

  「ウチは戦闘態勢です。示談交渉には応じません。

   お引き取り下さい」

  「(相手が)覚えてないから怖いんです

南部「それ、私の芝居に対する“ダメ出し”ですか?」

英里人「あんたも悔しかったら、

    子供に七光らせてみろよ!」

ワクバル「(呼び名は)ヒロシでいいよ」

    「大体、心配ない。大体、任せろ」

    「肌寒いだろ?」

    「この提灯、大体5万」

    「虎屋の羊羹、大体1万4000円」

    「あのこけし、形が良くなかったな」

    「(呼び名は)キヨシでいいよ」

    「嬉しそうに首、捻ってたもんね」

    「あのポーズが良くなかったな」

    「そう、知っててワザと黙ってたね」

國松大臣“小腹が空いてたんで、

     喫茶室でパンケーキを食べてた”

    「ガソリン満タン! コールガールを呼べ!」

総理「土下座を超える“最大級の謝罪”

   ・・あるのか? そんなものが」

少年「だからさ、この人に謝ったってしょうがねぇだろ

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コメント

こんばんは。
楽しく拝読いたしました。

~ こんなトコも ~ があまりに盛り沢山で面白いので、いつか本作を(DVDででも)鑑賞する際のガイドとしてプリントアウトしました~。(^^)

阿部サダヲさん、いつかがらりと変わった役柄も演じて頂きたいとも思っています。

投稿: ぺろんぱ | 2013年10月29日 (火) 20時58分

ぺろんぱさん、ばんはです。

むっくり起き出し、ちょこっとコメントしてます。

>楽しく拝読いたしました。

ありがとうございます。ク※カンの回し者じゃありませんよ〜(=^_^=)

>~ こんなトコも ~ があまりに盛り沢山で
>面白いので、いつか本作を(DVDででも)
>鑑賞する際のガイドとしてプリントアウト
>しました~。(^^)

じぇじぇじぇ!?
そうと知ってましたら、もっと丁寧に書いて、まとめましたのに・・(⌒〜⌒ι)

>阿部サダヲさん、いつかがらりと変わった役柄
>も演じて頂きたいとも思っています。

『ぼくとママの黄色い自転車(2009)』や『夢売るふたり(2012)』なんかは、フツ〜っぽい演技だったので、私的にはイマイチだったですねぇ。

ジム・キ※リーにもですけど「もっとムチャクチャにおやんなさい」と声を大にして訴えたいトコです。

「お行儀良くまとまってんじゃないわよ!」 ←も、もしや愛之助?!(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3 | 2013年10月30日 (水) 01時57分

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