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2013年9月29日 (日)

☆『エリジウム』☆

3連休(第2弾)のフィナーレを飾った23日(月曜)。ご近所のシネコンである“MOViXあまがさき”へと繰り出し、観て来たのは・・前作『第9地区(2009)』の鑑賞以来、その「薄汚(うすぎたな)スゴい世界観」にすっかり魅了されちゃった(=^_^=)ニール・ブロムカンプ監督の新作『エリジウム』である。

前作では、ヨハネスブルク(南アフリカ共和国)を舞台に“異星人と人類を繋ぐ役割”を担わされた(?)冴えない中年男=ヴィカス(演:シャールト・コプリー)を巡る物語が紡がれたワケだが・・今回は製作費も前作(3千万ドル)の約4倍(1億1500万ドル)に跳ね上がり「更に、やりたい事をやろうとした」制作陣の姿勢・意気込みを強く感じた。

その一方、舞台となった未来のロサンゼルスの風景は、何だか(前作の)ヨハネスブルクとさほど雰囲気が変わっておらず、それはそれで安心するやら、代わり映えのなさにガッカリするやらだった。

あそこまで世界観が似てしまうと、どうしても(その監督の)過去の作品と比べてもしまうワケで(・ω・)

21世紀。地球は人口増加と環境汚染により、その荒廃を加速させていた。ごく少数の超富裕層は地上を棄て、宇宙居住地“エリジウム”へと移住、不老不死不滅の生活をこの“理想郷”で享受していた。

半面、貧困や難病に喘ぐ多くの人々は、天空の果てに浮かぶ“エリジウム”を見上げながらも(地球の)重力を離れる事が出来ずにいた。

スラムと化した、混沌のロサンゼルス市街。

孤児である少年=マックスは聡明な少女=フレイに出会う。マックスは「将来、金持ちになって切符を手に入れ、君をあの“エリジウム”へ連れていく」とフレイに約束する。

そんなマックスに、育ての親であるシスターは「あなたは“特別な存在”・・いつか“特別な何か”を成し遂げるでしょう」と、予言めいた言葉をかけるのだった。

・・

刻(とき)は流れ、2154年。かつて自動車盗の常習犯として名を馳せたマックス・ダ・コスタ(マット・デイモン)は、3年もの収監を経て更生し(?)、現在は“アーマダイン社”のロボット工場で整備工として真面目に働いていた。

そんなある日、彼は作業炉内の事故により、致死量の照射線を全身に浴びてしまう。「余命わずか5日」と診断され、解雇されてしまったマックスは、再会したばかりのフレイ・サンティアゴとの約束を思い出し「“エリジウム”に密航し、最先端の医療用ポッドに入りさえすれば、臓器不全を完治させ、生き延びる事が出来る」と確信する。

彼は街の闇商人=スパイダーに接触を試みる。

“エリジウム”に潜入するためには、高度な「防衛システム」を突破しなければならず、マックスはスパイダーと“共闘”し、ハッキングを手助けして貰う代わりに、地上に住む“エリジウム市民”を拉致し、その脳内から情報を盗み出すと言う「大罪」を犯さなければならなくなる。

マックス達は「標的」を“アーマダイン社”のCEO=ジョン・カーライルに定める。

“エリジウム”に向かう彼のシャトルを墜落させ、カーライルの脳にケーブルをダイレクトに接続する事で、膨大な極秘情報にアクセスしようとする彼らだったが・・そこに現れたのは“エリジウム”の防衛長官=デラコート(ジョディ・フォスター)の密命を受け『“エリジウム”に関わる厄介事』の始末を一任されている組織“CCB(民間極力局)”に所属するトップ・エージェント=クルーガーとその配下の乗る攻撃ヘリ(?)だった・・

「荒廃した地上」と「理想郷である“エリジウム”」の存在を対峙させつつ描く設定こそは、正直「手垢着き過ぎでベタ過ぎる!」ワケであるが・・そこに過剰なまでの「暴力的な味付け」を施し、キッチリと“ブロムカンプ色”を滲み出させてる辺りは、ファンも納得の出来だった(=^_^=) ただし、それ故にか「主人公が地上でもがく前半~中盤」は観ててフラストレーションの溜まる一方だし「舞台が“エリジウム”に移ってからの後半~終盤」は「如何にもスタジオで無難に撮影してるな~」って感が満載で、正直、期待した程のワクワク感はなかった。

「今までに観た事のない映像群」を過剰なまでに(=^_^=)期待してただけに、その点に対する失望感も少なくなかったワタシ。

まぁ本作で評価すべきは・・

・「109分」と言う、驚くべき“尺(上映時間)”の短さ!

・『戦火の勇気(1996)』以来かも知れぬ、マット・デイモンの死にかけ&薄汚れたヴィジュアル(おい!)

・それに比肩するエージェント・クルーガーの汚さ・・って言うか、演じたのがシャールト・コプリーって事!

・クルーガー様の駆使する斬新かつ残虐な兵器(戦闘用ガジェット)の数々!

の4点だろうか。

連想したのは『銃夢/ガンム(1993)』や『天空の城ラピュタ(1986)』と言ったアニメーション系であるが、それ以上にまず浮かんだのは『未来惑星ザルドス(1974)』と『ロボコップ(1987)』だったか(=^_^=)

テンポも良かったし、観てて“虫酸(むしず)の走って来る”までの敵キャラの不愉快さは近年稀に観る(?)インパクトだったワケだが「マット・デイモンを主役に迎え、ジョディ・フォスターをその対極の位置に据える」と言う“豪華なスペック”を実現させたにしては「マット・デイモンのファンも、ジョディ・フォスターのファンも、双方がスッキリしない」脚本となっていた。この2人ってば、或いは“共演”と言えるシーンも、殆どなかったんじゃないかなと思う。

アクション面で、最も「美味しいトコ取り」をしてたのは、案外クルーガー役のコプリーだったような。1度なんか、至近距離で手榴弾が炸裂し、まさに“フェイス/オフ状態”となっちゃうんだけど、、それでも尚、本筋に絡んで来るトコ(しぶとさ)はなかなか!

マックスがどちらかと言えば「防戦一方」な言動に終始してたのに対し「破壊専門キャラ」とし、やりたい放題やっててイキイキしてたのは、誰がどう観てもクルーガーの方だった! 是非「残虐行為手当」を支給したげたいトコだ(ピットファイターかよ!)。

地上パート(?)では、妙なウェザリング(汚し加工)を施し、無骨なパーツ群で武装した「日産GT-R」が登場するが、あの下品な改造(改悪?)は『マッドマックス(1979)』の“インターセプター”や『ロボコップ』に登場する“SUX-6000”にも劣らぬ存在感を放っていた。

2大(?)ヒロインであるハズのフレイ、デラコートの両者に関しては「現在に於ける設定」のみが用意され「どのような経験を経て、今そこに居るのか?」と言う流れは殆ど描かれなかった。それにより、さほど感情移入出来なかった点も勿体なかったな。

観終わって、しぶとく残るのは・・監督の趣味とも言うべき(?)「端々に見受けられる、過剰なスプラッタ描写」程度なのかも知れないけど、、次作に向け「キッチリと期待値を高め、維持してくれる」・・そんなブロムカンプ監督の佳作と言えよう。

~ こんなトコも ~

・タイトルの『エリジウム(Elysium)』は“希少金属(レアメタル)”として知られる『イリジウム(iridium)』とは何の関係もなさそうだ(プラグかよ!)。

・主人公の幼少期から、既に“エリジウム”は上空に浮かんでた(って事で“築年数”は結構イッてるみたい)。建設に至る経緯をもっと知りたかった。

・「災難」に遭った直後から、主人公の運命が劇変する(周囲と共に、色々な面倒に巻き込まれてく)展開は、まんま『第9地区』のテイスト。

・(やはり)ジョディ・フォスターは“SF作品”と相性が良くないんやろか? 『コンタクト(1997)』の頃を思い出した。シ※ニー・ウ※ーバー女史のように「“選り好みせず”の心境」を持ち、もっと“雑食主義”で仕事に向き合わはっても良い気がする(・ω・)

・後半では、※※※※さんの唐突&呆気ない“退場っぷり”に「あ・・続篇ないんや」と気付かされ、何処かホッとさせられる(=^_^=)

・「アナログで汚い世界」と「デジタル化&ネットワーク化の極まっとる、ハイテク設定」の絶妙なハーモニーが素晴らしい!

・後で考えたら「前半の乾いた世界観」こそが“本作の見所”と言えたのかも。

・「エリジウム市民は逮捕出来ない」と言う“ルール(の設定)”をもっと駆使し「更にクレバーな脚本」を見せて欲しかった!(オムニ社員みたいに)

・「主人公が死ぬかどうか」の結果は、カーライル社長の気分1ツで決まったようなモノか?

・あないに「爆薬兵器(?)」を持ち歩く奴をこれまでに観た事がない(⌒~⌒ι) 気温による“誤爆”とかは考えないのか?

・こんなにロスらしくないロスの街並も珍しかった。

・“エリジウム”の全体的な形状を眺めてて、ふと「クリスピースナック(菓子)」が食べたくなって来た。

・将来的にも、高級ブランド「ブルガリ」は超富裕層に愛される存在であり続けてるようで。

・「ラヴ・ロマンス」や「ファンタジー」と言った要素は、意図的かつ徹底的に排除されてた(×_×)

・「服従しない者」に対するロボットの行動は“不寛容方式での対応”と解説されてた。

・労働者と経営者の“格差”は、チャップリンの『モダン・タイムス(1936)』を彷彿とさせてくれる。

・地球上から可搬式のロケット弾を発射し“エリジウム”に密航しようとする機体の撃墜を試みる・・と言う対応では、どうにも「後手過ぎる」と思うンだが。

・『フェイス/オフ(1997)』では、せいぜい「千切れた耳介」の修復(再建)を行える程度だったが、本作では「吹っ飛んだ顔面(全体)」ですら完璧に復元してた!

・(劇中で)主人公に関わった人物は、取り敢えず片っ端から「医療ポッド」に入っといた方が“照射線の影響”を考えるに・・安心出来る気がする。

・着てるシャツの上から強引に“エクソスーツ”をボルト止めで装着させる「荒っぽさ」がスゴい! その時点で「外す事」なんざ考えてないじゃん。。

・「あそこまでの最重要人物」を「あんなとこに住まわせておく」措置は“エリジウム”運営側の大きな愚挙と言えよう。

・痛み止め(?)であるカプセル剤『マイポロール』の効き目が知りたい。

・汚くて最悪な環境で、最低な施術師に自らの大手術を任せなければならない・・と言うシチュエーションは『マイノリティ・リポート(2002)』に於ける「※※移植術」に匹敵する怖さやろな。

・携帯型(?)の“バリア発生装置(電磁シールド?)”の描写が鮮烈だった! たぶん日本のロボットアニメの影響もあるんでは?

・“狂犬”には、例え「尖ったもの1ツ」として、与えてはならない。

・“エリジウム”のようなデザインの宇宙コロニーは「スタンフォード・トーラス型」に分類されるそうで。

・主人公の“脳”が物語のカギを握る辺りの設定は『JM(1995)』路線って感じか?

・デラコートの上官である“エリジウム”最高権力者=パテル総裁の人物像が殆ど掴めなかった。

・ヒロイン=フレイ役を演じたアリス・ブラガさんの魅力は余り引き出せてなかったような気がする(・ω・) 何だか『M:i-2(2000)』でヒロイン役を演じたタンディ・ニュートンを観た時のような印象だ。

・“エリジウム”内で逃走を図る時、マックスが喉に通されたチューブを引っこ抜くんだが、それが「予想を超える長さ」で、観てるだけで「オエッ」となってしまう(×_×)

・カーライル社長役を演じたウィリアム・フィクナー。本作では、良い意味で「クリストファー・ウォーケン路線」を巧く踏襲してるようにも見受けられた。これからも「ヒトクセある役柄」を演じ続けて欲しい(=^_^=)

・“エリジウム”の人口は(公式サイトによれば)8000人との事。本作終了後の「人口激増」が懸念される(⌒~⌒ι)

~ こんなセリフも ~

マックス「いつか“エリジウム”に連れて行くと誓うよ」

    「俺にカネがあるように見えるか?」

    「荷物の中身? ヘアケア用品かもな?」

    「君に逢うためなら、右腕だって折るぜ」

    「これには事情が・・説明を・・」

    「動かない!(I got jam.)」

    「“あそこ”に行きたい」

    「“上”への切符をくれ」

    「何故カバが助けたのか・・今は分かる

フリオ「1年だけ復帰しろよ」

   「不安か?(Nervous?)」

スパイダー「カネの問題じゃねぇ(This is Priceless.)」

     「“引き受けてくれる奴”を捜してた」

     「飛び回ってる奴らを振り回せ」

デラコート「これは、この“理想郷”を永く保つための行動ですわ」

     「今や“理想郷”は瀕死よ・・政治的な病巣によって」

     「レベル5以下の局員は退去せよ」

     「あなたはせいぜい資金調達パーティーでもどうぞ」

     「もういい・・無駄よ」

クルーガー「奴の頭には“天国の鍵”が」

     「俺は“子供の前での乱暴な振舞い”が嫌いでね」

     「観たか? 母親の“保護本能”だな」

     「いいか?(Look at me.)」

     「女房が欲しかったが、誘惑が多過ぎて

      今まで所帯が持てなかった。

      しかし・・あんたは俺を“その気”にさせる」

     「おっと、口数が減ったな?」

     「しっかり押さえてな」

     「抜けよ・・刺さっただけだ」

     「ビビるな。まだやれるだろ?」

部下「俺と来な(Rise and Shine.)」

工場長「此処で働けて幸運だな」

シスター「世の中には、色々と“理不尽な事”があるの。

     でも、あなたは“特別な存在”なのよ」

    「此処から観ると美しいわね。

     でも、あそこから観ると此処も美しいわ。

     “何処に生まれたのか”を忘れないでいて」

    「あなたには“特別な才能”が。それが

     “天の定め”なの。あなたは、そのために生まれた」

サンドロ「最悪の展開だ!」

マチルダ「包帯してるのね? あたしのもあげる」

サンドロ「たっぷり切るぜ!」

マックス「・・痛いのか?」

サンドロ「勿論痛いさ・・猛烈にな」

マックス「俺の身体に何をした?」

サンドロ「与えたのさ・・“道”をな

マックス「それ以上聞きたくない。どうせ“悪い結末”だろ?」

マチルダ「“ハッピーエンド”よ」

マックス「今の話で“カバの利益”は?」

マチルダ「お友達が出来たわ」

クルーガー「残りは始末しろ」

部下「嬉しいぜ、ボス」

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コメント

あそこの人口はそんなにいたんですか(笑)
世界の富裕層をみればだいたいそんなものかもしれませんね~^^;
「2012」のときもホンのひとにぎりだったような気がします。

この映画、クルーガーがやたらカッコよく描かれてましたね~(笑)

コロニーのみなさん、顔のワンポイントデザインは何かの識別だったんですかね~^^;

投稿: ituka | 2013年9月29日 (日) 22時42分

itukaさん、ばんはです。

この週末は「鑑賞せず」で暮れてしまいました、とほほ。

>あそこの人口はそんなにいたんですか(笑)

そうなんです。他国の様子も知りたかった(=^_^=)
ニッポンジンはきっと劣勢人種とか言う事で、エリジウム市民にはなれんのでしょうなぁ(⌒〜⌒ι)

>世界の富裕層をみればだいたいそんなものかもしれませんね~^^;
>「2012」のときもホンのひとにぎりだったような気がします。

中東のしとが多いような気もしないでもないですが、、

>この映画、クルーガーがやたらカッコよく描かれてましたね~(笑)

ラストは転落しつつ、四散してましたが「あの程度なら、何とでも復活出来るよなぁ」と思ってしまいました(=^_^=)

>コロニーのみなさん、顔のワンポイントデザインは何かの識別だった
>んですかね~^^;

あんまし個性がなかったですよね。
少数の支配階級のしとたちより、多くの労働階級のしとたちの方がイキイキとしてる辺り、ずっと昔に観たロボットアニメ『戦闘メカ ザブングル』の世界観を思い出しましたよ(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2013年9月30日 (月) 01時11分

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