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2013年6月23日 (日)

☆『リアル/完全なる首長竜の日』☆

16日(日曜)の夜。

久しぶりに市内のシネコン“MOViXココエあまがさき”へとドライヴがてら繰り出し、レイトショー鑑賞したのは・・「世界のクロサワ」こと(?)黒沢清を監督に迎え、佐藤健+綾瀬はるかのW主演で描かれた恋愛SFミステリー(?)『リアル/完全なる首長竜の日』だった。

さて・・

今春から兵庫県民となり、意外とご近所にシアター数の多くなったのは嬉しい限りだが・・色々とプライベートが忙しく、なかなか足を運べないのが悲しいトコだ。コレが昨年の今頃だったら“最優先事項”としてシネコンにもっとガンガン突進してたハズだったろうが・・

“売れっ子ホラー漫画家”である愛妻=和敦美(かず・あつみ:綾瀬はるか)が、湾岸の堤防から謎の入水自殺未遂を起こし、意識を失って1年。藤田浩市(佐藤健)は首都圏にある先端医療センターを訪れる。

担当の精神科医=相原(中谷美紀)の提案で、昏睡状態が続く敦美の“意識”に入り込み、直接的な対話を行えると言う、最先端脳神経外科医療術(?)『センシング』の被験者となった浩市。

敦美の意識の中では・・彼女は高層ビル群を遠くに望むマンション自室で、締切に追われながら漫画を描き続けるのだった。

自室に閉じこもったまま、戸外(=現実世界)へ出る(=戻る)事を頑(かたくな)に拒む敦美。

連れ出そうとする浩市に対し、彼女は「小学校の頃、私が首長竜の絵を描いた事、覚えてる? あれが今、何処にあるのか捜して、此処へ持って来て欲しい。“完璧だったあの絵”をもう1度眺める事が出来たら・・漫画家としての自信を取り戻せそうな気がする・・」と要求する。

首長竜の絵とは? そしてそれは何処に? 浩市は『センシング』の回数を重ねつつ、更なる敦美への“対話”を試みる。

その結果、問題となる絵が、どうやら2人の故郷である“飛古根島(ひこねじま)”に隠されている事を掴んだ夫は、妻を現実の世界に連れ戻す(=寝覚めさせる)ため、15年ぶりに島に帰る事を決意するが・・

高松勤務の頃、確か浜※淳さんの朝の某ラヂヲ番組内だったかと思うんだが・・本作に関する事前情報を仰ってたのを耳にした事があり「面白そう~!」と直感した覚えのある作品である。

関西に戻り「お、まだ観れるんや!」と都合をつけたワケだが・・(結果的に)何となく微妙な完成度だったのは否めない。

冒頭からは『インセプション(2010)』『マトリックス(1999)』『ザ・セル(2000)』『パプリカ(←映像化作品(2006)は未見。原作小説版)』辺りの世界観を連想させられたが、次第にホラー&スプラッターのテイストが強まってゆき『呪怨(2003)』やデヴィッド・クローネンバーグ的な“ワケわからん世界”が繰り広げられた。中盤から後半にかけては『サイレン/FORBIDDEN SIREN(2006)』そして『ジュラシック・パーク(1993)』の印象がかなり強い感じだったろうか。

ラストは『トータル・リコール(1990)』『オープン・ユア・アイズ(1997)』を彷彿とさせるテイストで幕。

少なくとも本作(映像作品とし)が『インセプション』より前に世に出てたら「おお、エエ感じやね!」と健闘を称えたい気持ちにもなったろうが、残念ながらそうではなかったため「二番煎じ」「迷走気味な実験映像を延々見せつけられたなァ」ってな想いが募った。

ジャンルも良く分かんない感じで、怖がらせたかったのか、夫婦間の絆&愛を描きたかったのか、恐竜系CGの出来を誇りたかったのか、過去のリゾート開発ブームを批判したかったのか、どれに絞ったにせよ「イマイチ」だった。

『トウキョウソナタ(2008)』ではその手腕に唸らされた黒沢監督だが、こと「SF絡みの恋愛モノ」については、全然“本来のパワー”を出し切れてない気がしたなぁ。このしとは、もうちょっと「より現実的で、描きたい事を絞った」作品を撮るのが向いてるように思う。

~ こんなトコも ~

・中盤辺りから「またコレかい!」と突っ込める「手垢が着き過ぎ、驚きの全くない展開」に突入した。

・「スカッと騙される心地良さ」でなく「これまでさんざ見せつけられて来た映像・演出を根底からひっくり返された腹立たしさ」のみが残った(⌒~⌒ι)

・主人公の入れ替わる「2部構成の要素」は面白いかな。もう少し“同じシーン”をカメラワークを変えたりして映し出して欲しかったトコだ。

・初期の(主人公2人の)服装によるイメージづけは「夫:白」「妻:黒」だったが。。

・本作の設定がいつか実現したら・・「他者の意識下への“強引な潜入”に対する法的整備」が行われたりするのかも知んない。。

・先端医療センターの外観や詳細な設定、インターフェイスの構造などが詳細に描かれなかった。コレじゃ説得力にも欠けるワケだ。

・「1年前までスポーツジムでバイトしてた」ってな、浩市にまつわる具体的な職業設定は、どっから造られたんやろ?

・あちこちに転がる御遺体描写は、、リアルでグロテスクで・・ぶっちゃけ「無意味」だった(×_×)

・てっきり“トシオ君”かなと思ってたら、本作では“モリオ君”だった(=^_^=)

・“モリオ君”の「モリ」は、ラテン語“memento mori”から来とるんやろか?

・シーンにより『ミスト(2007)』『ミッション:8ミニッツ(2011)』なども連想した。

・本作で知った“フィロソフィカル・ゾンビ”なる用語は、勝手な造語でもなさそうだ。

・首長竜=ネッシーかなと思ったが「生息地が異なるだけ」と理解しとけばよろしいんでしょうか?

・そこそこの売れっ子漫画家ともなると、休載中にアシスタントが代わりに描いて発表する、ぐらいの芸当は容易く出来るらしい。

・コルト・ガバメント(拳銃)の装弾数=7発って事で(・ω・)

・宙に浮かぶペンの仕掛けは「単なるCG」らしい(×_×)

・街の風景が上空に向かって(絵の具のように)溶け出す・・って描写があったが「・・う~ん」って感じだった。

・浩市がいきなり首長竜を描き始めるんだが、これがムチャクチャに巧かった(=^_^=) 誰もが「なら、お前が描けよ!」と突っ込む、本作屈指の名シーンだと思う。

・和敦美の初期読み切り短編作品『もげもげ島』に興味津々。

・コミックブレイン編集部は東京・水道橋に存在する設定らしい。

・劇中で「7月31日(火)」のカレンダーがあった。2012年の物語って事やろか?

・エンディング曲の「REM」は、ミスチルっぽい歌い方やな~と思ってたらその通りだった。最近はこんな曲風なんか。

・八丈島や牧之原市(静岡県)がロケ地となってた。

・中谷美紀の「思わせ振りな言動」は何だったんた?

・浩市の母(演:小泉今日子)の現亭主と、浩市の亡き父親の「不在感」には、妙に心をザワザワさせられた。

・佐藤健って「6~7部丈ズボン」が似合い過ぎる!!

・“シトロエンC3(フロントガラスのデザインがカッコいい!)”に乗る浩市と高木(演:染谷将太)のシーンの合成は「酷過ぎ」なレベル!(意図的なんやろけど?)

・オダギリジョー(沢野役)、中谷美紀の“立ち位置の後退ぶり”に何だかしみじみ(×_×)

・大河主演をこなしつつの綾瀬さんの頑張りは凄い!! 流石はホ※プロ!

・全く本筋や主人公らに関係ないゾンビキャラが多かった。

・終始不機嫌だった松重豊さん(某父親役)・・綾瀬さんとの「リアル会話シーン」の皆無だったのがちょっと笑える。スケジュールが合わんかったんか?

・「現実世界に虚像の紛れ込み出す展開」は「どちらが、どこからが現実か?」って部分で、正直観てて疲れる(=^_^=)

・生活感のない医療スタッフの面々こそが“フィロソフィカル・ゾンビ”に思えて来たり。

・将来、夫婦ってものはこんな風に「まだら認知症・記憶の捏造&ご都合修正」を積み重ねて老けて行くんやろか?

・「昏睡状態でも存在感ある綾瀬さん」「其所までのレベルには至ってない佐藤くん」の差が見受けられた。

・こんな綾瀬さんだったら『トーク・トゥー・ハー(2002)』の看護士みたいな役回りで、色々とお世話したげたいトコだ(こらッ!)

・リゾート開発は「15年前」との事だから、1998年前後の設定なんやろか? ワタシの中では、記憶的に新し過ぎて、全然昔話じゃないんですけどぉ・・

・『センシング』直後の「運転行為」はちょっと危ない、、

・エッチは当然として、キスらしいキスもハッキリ描かれなかったような、、それで恋愛モノですか(・ω・)

・本作が「八丈島観光」に繋がれば良いんだけど。

~ こんなセリフもありました ~

浩市「消えない・・どうして?」

  「外に出て、行けるとこまで行ってみよう」

  「多分、此処が(意識の)限界だ」

  「“それ”に近付いちゃダメだ!」

  「悪いけど、俺は戻る」

  「ウソだろ・・」

  「やっぱり俺は“赦されない”みたいだ」

敦美「悪いけど、今、あんまり相手出来ないんだ」

  「“首長竜の絵”って、覚えてる?

   ・・完璧だった絵・・まだどっかに仕舞ってある?

   捜して来て呉れないかな?」

  「いったんペンが止まると、心がふわふわして来る」

  「漫画は私の人生」

  「怖いけど・・此処から出たい」

  「此処は私の意識の中だもの。

   だから・・どうにでもなるんだ」

  「私から漫画を取り上げないで」

  「あなた達に私の漫画が分かるわけない」

  「これが私・・眼が醒めても忘れないで」

  「ずっと待ってた・・外に出たい」

  「漫画を描いてない自分の事を思い出せない」

  「やっと逢えたね」

相原「最初は誰でも不安になるものです」

  「ちょっと“夢をみる”感覚です」

  「是非探してみて下さい、その絵」

  「今は医療を信じて下さい」

  「まだ“その船”に乗っちゃダメよ!

   すぐに降りなさい!」

  「・・やり遂げたんだ」

父「どうなってると思ってたんだ?

  “夢のような未来の風景”が広がってるとでも思ってたのか?」

 「悪いのは誰だ? 誰がこの責任をとるつもりだ?」

妻「どうしてかな?

  生まれてからずっと、こうして一緒に暮らしてる気がする」

夫「これからだって、そうだよ」

夫「生まれてからずっと、ずっとこうやって

  俺の意識の中にお前がいたような気がして」

妻「これからだって、ずっとそうだよ」

浩市「どうしたらいいでしょう?」

相原「どうしたいですか?」

追記:間違っても「アラブ首長国連邦」を「くびながこくれんぽう」と読んではならない(=^_^=)

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コメント

今晩は。
久々の御更新、何よりです。(かく言う私もつい先日に久々の更新をしたところなのですが…^_^;)
楽しく拝読。
何が一番ビックリしたと言って、私はタイトルと主演のお二人だけの情報しか知らず、本作はてっきり「どこぞの秘境で幻の首長竜とやらに遭遇した彼らがその伝説の生き物を人間たちから守りやがては元いた世界に返してやる、、、その過程で彼らは失くしていた自分らしさを取り戻して行く、、、」的なほのぼの系ファンタジー作品と勝手に思い込んでいたので、あまりの作品世界の違いに驚いております。ゾンビまで登場とは、、、って言うか、何という超勝手で超陳腐な私の思い込み!^_^; 主演のお二人、ごめんなさい。

どうぞご自身のペースで、ゆっくりとご更新なさってくださいね。


投稿: ぺろんぱ | 2013年6月24日 (月) 20時04分

ぺろんぱさん、ばんはです。

現在、3本ほどのレビューが溜まってますが、なかなかにまとまった記載時間がとれず、悩むトコです。
と言うか、早く帰宅出来る時があっても、座った姿勢で数時間ほど仮眠してしまってたりします(⌒〜⌒ι)
慢性的に疲れてるんやろねぇ・・

>久々の御更新、何よりです。
>(かく言う私もつい先日に久々の更新をしたところなのですが…^_^;)
>楽しく拝読。

またお邪魔させて頂きますね〜

>本作はてっきり「どこぞの秘境で幻の首長竜とやらに遭遇した彼らが
>その伝説の生き物を人間たちから守りやがては元いた世界に
>返してやる、、、その過程で彼らは失くしていた自分らしさを
>取り戻して行く、、、」的なほのぼの系ファンタジー作品と勝手に
>思い込んでいたので、あまりの作品世界の違いに驚いております。

それだと『REX』『北京原人』『のび太の恐竜』辺りの焼き直しでは・・(⌒〜⌒ι)

>ゾンビまで登場とは、、、って言うか、何という超勝手で超陳腐な
>私の思い込み!^_^; 主演のお二人、ごめんなさい。

何と言いますか・・色々と欲張って、どっちつかずな出来上がりとなってました。トムクル主演の『オブリビオン』もその点に関しては、良く似たテイストでしたね。

>どうぞご自身のペースで、ゆっくりとご更新なさってくださいね。

有難うございます。記憶力の減退が激しい今日この頃ですが、、マイペースでこつこつやってみますね。

投稿: TiM3(管理人) | 2013年6月27日 (木) 00時01分

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