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2013年3月10日 (日)

☆『アイアン・スカイ(2012)』☆

ハナシを遡ること、約1ヵ月・・(⌒~⌒ι)

2月13日(水曜)。

平成22年(2010)2月19日から“休館状態”の続いていた、商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”の上層階シアターが、1月26日(土曜)に“再オープン”を遂げたワケである!

これにより“ソレイユ”は地下階の「ソレイユ2」(=従来の劇場)と、地上4階にある「ホール・ソレイユ」の2館体制での上映が3年ぶりに叶う事となった! 因みにワタシは「雰囲気面ではソレ2」が好きなんだが、携帯の電波が入らない点から、やはり「ホルソレ」の方が、どちらかと言えば嬉しい気がするのである。

“再オープン”を果した「ホール・ソレイユ」で観たのは、(当地で)公開が始ったばかりの『アイアン・スカイ』である!

しかし、、作品そのものにはかなり期待値を高めてたものの、肝心の集客面では(正直)余りシアター内が賑わっておらず残念だった(×_×)

2018年、月面。

再選を目指す合衆国初の女性大統領は、キャンペーンの一環とし、2名の宇宙飛行士を「リバティ号」に乗せ、月面に送り込んだ。

同僚サンダースと共に「月の夜側」に降り立ったファッションモデル=ジェームズ・ワシントン(←50年ぶりの黒人飛行士)は、巨大なクレーターの中に“あるハズのない建造物”を発見する。

それこそは、ドイツ(=第3帝国)崩壊時(1945)に地球を脱出した残党らによる“ナチス第4帝国”の造り上げた「月面基地」だった!

サンダースは射殺され、捕虜となったワシントンは「初めて眼にする黒人」とし、ナチス高官らに非常な驚きを与える事に。

ナチスは帝国総統=ウォルフガング・コーツフライシュ(ウド・キア)の指令のもと、親衛隊准将=クラウス・アドラーを地球に送り込む。

クラウスの狙いは、月面ナチスの誇る“人類史上最大の兵器=神々の黄昏(GotterDammerung:ゲッターデンメルング)号”の動力源となるスマートフォン(のバッテリー)の大量調達だった。

クラウスのガイド役とし連れて来られたのは“帝国随一の狂気の科学者”リヒター博士により「白人化術」を施されてしまったワシントン。

そして、彼らの乗るUFO型の宇宙船には、クラウスの婚約者である女性教育士官=レナーテ(ユリア・ディーツェ)が密かに潜り込んでいたのだ。

ニューヨークに降り立った彼らは、それぞれの眼にする「現実」に戸惑いを覚える。

一方で、コーツフライシュ総統は、クラウスの帰還を待つ事なく、独自に「地球侵略計画」を開始するのだった・・

上映時間=わずか94分って事で「どのようにハナシを展開させ、まとめる気なんやろ?」とそこが最も気になってたワタシだが、良くも悪くも「断片的」に描かれた世界であり、人間ドラマでもあった。

「地球侵略」と言うよか、単にニューヨーク(中心部)のみが集中的に(?)攻撃を受けてた気もしたが、他の国ではどう言う状況だったんやろ?

徹底的に「主観カメラワーク中心」「全篇ディザスター映像」で固めて来るかな、とも思ってたが(上映時間も短いし)・・意外にも群像劇テイストの客観的な描写や、テンポの悪いダラダラしたシーンなんかも少なくなかった。

魅力的なキャラが(総じて)余りおらず、観てるウチに「地球がどうなろうと、こんな世界なら別にイイや」とまで思えて来たワタシだったが(おい!)やっぱり特筆すべきは、ヒロイン=レナーテ・リヒター役を演じたユリアさんの魅力だったろうか!

特にこのしと、序盤のヘアスタイル&軍服と、その「男性慣れしてなさそうな言動」にキュンとさせられてしまった(=^_^=)

前半の「エアロック解除」シーンで、軍服の(半分ほど)脱げてしまう「お色気ハプニング演出」が(意図的に)盛り込まれるんだが・・私的にはもっともっと大胆にやって欲しかった!

理想としては『バーバレラ(1968)』のオープニングに於ける「ジェーン・フォンダが(無重力空間で)宇宙服を脱ぎ棄ててくシーン」みたいな・・ (尚、ワタシは往年のファミコンゲーム『メトロイド(1986)』の主人公=サムス・アランのキャラ造型は、この『バーバレラ』なくしては有り得なかった、と勝手に決め打ってたりする(=^_^=))

そんなレナーテも、中盤以降は髪型も服装も何だか「街のフツーのお姉さん」に落ち着いてしまい、折角の魅力がすっかりしぼんでしまってたのだった(×_×)

総じては「確かに頑張ってくれてるんだけど、観客の誰もがノレる作品に仕上がっているかどうか・・は微妙な感じ」ってトコやろか。もう少しスラップスティック(ドタバタ)要素を抑え、真面目に感心させてくれる物語&映像を楽しみたかったワタシである。

~ こんなトコも ~

・華やかな(?)黒人ファッションモデルから、白人ホームレスへと突き落とされるワシントンの運命もまた、数奇である(×_×)

・サラ・ペ※リンを激しく連想させる(ヴィジュアルの)女性大統領のキャッチフレーズは“YES SHE CAN”だった(=^_^=)

・リヒター博士は、どうにも「アインシュタイン系」のキャラ造型だった。

・プレゼンテーションを始めるに当たって「ノートパソコン+パワーポイント」と言うのはもはや月並み過ぎるので、本作のように「タイプライター+蓄音機」を用いると随分とインパクトが出て来るんじゃなかろうか(=^_^=)

・クラウスを演じたゲッツ・オットーは『007/トゥモロー・ネヴァー・ダイ(1997)』で敵組織のリーダー格=スタンパーを演じた男優さんだった。ちょっと伊原剛志さん入ってる気も・・

・敗戦後73年・・“第3帝国”時代を知る幹部って、果たして何人生き残ってたんやろ?

・純血委員会の承認がなければ、アーリア人同士のアレは出来ない仕組みになってる(面倒な)月面国家(⌒~⌒ι)

・アメリカは、月面に「ヘリウム3」を発見し、複数の採掘施設を建設してたようである。なら、その時にナチス基地を見つけられてたハズでは?

・物語の組立てが『H.G.ウェルズのSF月世界探検(1964)』『少年マイロの火星冒険記(2011)』に似てた気もしなくもない。

・ドタバタ群像劇(?)としてのノリは『博士の異常な愛情(1964)』『マーズ・アタック!(1996)』を彷彿とさせてくれる。

・月面を走るナチスのサイドカーが印象的だった。重力の概念はどうなっとるの?

・編集され、わずか10分ヴァージョンに短縮された『チャップリンの独裁者(1940)』が効果的に使われてた(元々の上映時間:124分)。

・ヴィヴィアンが部下に対し怒りをあらわにするシーンは、演出&カメラワークがまんま『ヒトラー/最期の12日間(2004)』だった! 「震える手で眼鏡を外し机上に置く」⇒「側近以外を部屋から追い出す」⇒「激怒する」⇒「その声が部屋の外の人々にも漏れ聞こえる」

・「レナーテがいつ宇宙船に飛び乗ったのか?」「総統がいつ地球に降下して来たのか?」は、ハッキリ描写されないままだった。

・ニューヨーク北部の郊外には、マリファナが普通に大量栽培されてるらしい(×_×)

・飛行船(ツェッペリン)型のナチ戦艦のネーミングは「ジークフリート号(旗艦)」「ハインリヒ号」「ビテロルフ号」となっており、まさに“ワーグナー系”だった。因みに、戦艦1隻には200基のUFOが搭載されてるそう。

・コーツフライシュ総統から“後継者”に託されたのは・・「1本のバトン」だった! “ゲーリング・バトン(≒元帥杖)”を思い出した(=^_^=)

・「あのUFO(兵器)は我々北※鮮のものだ」と言い張った某K国は、世界各国の笑い者になってた。

・アメリカの切り札である宇宙戦艦の名称は「USS・ジョージ・W・ブッシュ」だった。

・何処の国も、宇宙平和条約を無視しまくってた!(日本も然り!) 宇宙基地に兵器を積んでないのはフィンランドのみだった。

・ドイツ語で「くそっ!」「畜生!」は“シャイッセ!(Scheisse!)”と言うんやね。

・つい右手を挙げ、敬礼してしまうクラウス。ナチスの悲しい性(さが)やね。。

・ヒールが額に刺さっちゃったあのしと。『ルームメイト(1992)』では、ヒールが眼窩に刺さって死んじゃうしとがいたが、どちらにしても痛そう・・

・終盤の、各国首脳による乱闘シーン(スローモーション映像)には余り意味がなかった(・ω・)

・核爆発が地表(世界各地)で広がる(「ピアノの単音」と共に)映像演出は『猿の惑星:創世記(2011)』のラスト、ウィルスの広がる様に似てる。

~ こんなセリフも ~

ワシントン「ザワークラウトもフォルクスワーゲンも好きだ」

     「此処で俺を殺したら“超困った事”になるぞ」

     「それがコンピュータ? アンティークだろ?」

     「助かった・・(大音量の)国歌で耳がもげるかと」

     「結婚? それはお気の毒・・いや、おめでとう」

     「ア※プルストアに行くんじゃ?」

     「そのケツ蹴り上げて、喉まで貫通させてやろうか?」

     「お前らのせいで、俺は肌の色も、

      アイデンティティーも、職も失った」

     「あの・・俺の事、好きかなって・・好きなんだろ?」

     「人を白人にしやがって!」

レナーテ「この無気力な世界にはビタミンが必要なの」

    「本当はあんなに長い映画だったのね・・」

    「“元の自分”に戻ったのね!」

    「やるべき事が沢山あるわね」

総統「ヴァルハラ(神の国)で逢おう!」

  「地上に蔓延(はびこ)る劣等人種を一掃してくれる」

  「惑星征服の時間だ」

クラウス「君と“法的に結合”したい」

    「必ず凱旋してみせる」

    「・・刻(とき)は来た」

    「刻とは罪なもの」

    「ヴァルハラで逢おうではないか」

    「3ヵ月かかるだと? 3分でやれ!」

    「父なる国家に今こそ恩返しを!」

    「満月など過去のものだ・・地平線を書き換えてしまえ」

    「その美貌をオーディーンのテーブルに飾れ」

大統領「“1期目で戦争を始める”と必ず再選される」

   「アメリカがまともに倒したのはナチだけ」

   「じゃあ、誰の国のでもないじゃん」

   「合衆国はテロリストとは交渉しない」

   「ハイタッチ・・じゃないか」

   「勝ったのはアメリカなワケ」

ヴィヴィアン「“キャラ造り”は完璧ね」

      「意味なくデカいわね」

      「“短小コンプレックス”の裏返しね」

レナーテ「先に言っておけば良かった」

ワシントン「何をだ? “あんた真っ白よ”ってか?」

レナーテ「操縦のやり方は分かる?」

ワシントン「TVゲームと同じだろ?」

国民「地球は?」

レナーテ「此処とは違う」

国民「いつ地球へ?」

レナーテ「じきに行ける」

ヴィヴィアン「戦争を起こさないと」

クラウス「なら、力になれない事もないぞ」

大統領「で、こいつら誰?」

ヴィヴィアン「月からのナチです」

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コメント

こういうブラックユーモア満載映画は結構好きです(笑)
黒人の白人化は見てて辛かったですが、他のアメリカ大統領や秘書、多国籍軍の皮肉を利かせた笑いは
なかなかのモノと思いましたよ。
キューブリックの『博士の異常な愛情』と似てる感じがお気に入りです(笑)

投稿: ituka | 2013年3月10日 (日) 21時47分

ばんはです。

きっとitukaさんなら『エンジェル・ウォーズ』に於ける、
塹壕内シーンのドイツ兵を思い出しながら、ご覧になっておられた事やろな〜とか考えてました(=^_^=)

短い上映時間の割に、ちょっとムダっぽくて失速気味なトコもありましたが、
「天晴なおバカさ」はしっかり貫かれてましたね。

この監督の次の作品も観てみたいモノです。

投稿: TiM3(管理人) | 2013年3月10日 (日) 22時59分

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