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2012年12月19日 (水)

☆『100年の時計』☆

すっかり記事のアップが遅くなってしまい、スミマセン(×_×)

ヘタすると、月内に1回更新ペースも難しいかも知れんなこの調子では・・(⌒~⌒ι)

・・

11月27日(火曜)の夜、市内の“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”にて鑑賞して来たのは、我が街=高松(←ここ数年、お世話になっとるだけやろが!)を縦横に走るローカル電鉄=ことでん(高松琴平電氣鐵道)の存在を“軸”に据えた、ロマンティックなSFラヴ・ファンタジー(?)『100年の時計(←正しい表記は『百年の時計』)』だった。

基本的に「ご当地(香川)を舞台とした作品ならば・・可能な限り観とこうではないか!」と決めてるので、迷いこそ余りなかったが、予備知識の殆どないまま劇場に向かったような感じだったので、若干の不安がないワケでもなかった(・ω・)

監督は『ばかもの(2010)』以来の劇場鑑賞となる金子修介氏。

2011年11月18日に「路線開通100周年」を迎えたことでんの記念事業の一環として制作された“オール香川県内ロケ作品”でもある。

高松市美術館(←実在)に勤務する女性学芸員=神高涼香(かみたかすずか:木南晴夏)は、地元・香川出身の世界的な前衛芸術家=安藤行人(あんどうこうじん:ミッキー・カーチス)の“四国初の大回顧展”開催にようやく漕ぎつけ、不安を覚えつつも心中では得意満面だった。

30年ぶりに高松空港に降り立った(ハズの)行人を迎えに行く美術館スタッフだが・・そこにやって来たのは、彼のマネージャーをつとめる娘=美咲(木内晶子)のみだった。

実は「1本早い便で、既に空港に到着していた」と言う行人。手分けして彼の行方を捜す事となった涼香たちは、片原町商店街でようやく扮装した姿の老芸術家を発見するに至る。

そして、この1件を皮切りに、行人は「新作を造るインスピレーションが湧かない」等とダダを捏ねては、美術館員らを呆れさせる。

無気力&人間不信に陥っているそんな行人に、涼香は「以前、先生にお会いした事があります」と告げる。

真剣な態度の涼香を前にし、ようやく彼女のハナシに耳を傾ける行人・・

そんな彼が涼香に提示した条件は「俺が芸術家を目指すきっかけとなった、この“懐中時計”の贈り主を捜して欲しい」と言うものだった。

行人が今も愛用する“懐中時計”の持ち主が見つかり、その人物に逢う事が出来たら、失われた創作意欲が復活するかも知れない・・と。

こうして、涼香とその父=邦男(井上順)、彼氏=溝渕建治・・らを巻き込んだ“100年の時計の所有者捜し”の旅が始まるのだった・・

作品ポスターのヴィジュアルイメージからして、何処となく筒井康隆、眉村卓、半村良、、と言った往年の(?)SF作家によるジュブナイル(児童文学)の文庫本表紙を思わせてもくれる本作。

総じて評するなら、結局のトコは小粒(=小品)で、製作費の潤沢な印象なんぞ微塵も感じられないのだが(おい)・・限られた資金&制作期間の中で極めて真面目に造られた“愛すべきマイナー作品”ってな表現がワタシのアタマに浮かんだ。

本来、主人公の立ち位置にあるべき(?)涼香&行人の両者(の言動)が何となく“ラディッシュ”っぽくも思われ、イマイチ物語に脚を踏み入れ辛いトコもあるにはあったワケだが・・劇中に登場する「氏部由紀乃&青年期の行人」の2人の“過去の恋愛模様”がとにかく素晴らしく、そちらの方にグイグイと引き込まれて行ったのだった(⌒~⌒ι)

由紀乃さんを演じた中村ゆり、そして若き日の行人を演じた近江陽一郎・・の2人の“悲しいドラマパート”の完成度が、ワタシのハートを完全に貫いてくれたのだった!(⌒~⌒ι) おまけに泣かされもしたり(照)

唐突に、ことでんの乗客各位が“モノローグ”を放ち始め、何だか「主人公って誰だったっけ?」的にちょいとアタマのクラクラして来る演出もあったが、そう言ったある種“ノイジー”な展開に走り始めた物語を元の軌道に戻し、再びロマンティックな幕引きへと観客をエスコートしてくれたのもまた「由紀乃&行人」なのだった。

って事で、も少し「青年期の行人」を巡るドラマをメインに据え、多少は尺が短くなろうとも、ブレない構成で突き詰めて仕上げたら、更に万人にウケる作品に仕上がったんじゃないかな~と思う。

~ こんなトコも ~

・序盤など、田園風景の映し出されるシーンにおける“緑”の色合いが印象的で素晴らしかった! 『萠の朱雀(1997)』や『リリィ・シュシュのすべて(2001)』を連想してしまったモノである(・ω・)

・セリフの中で「行人は“椅子”職人の息子」と語られてたが、正しくは「“石”職人の息子」だった・・“耳コピー”の限界やね。。

・『シグナル/月曜日のルカ』でも存在感の光ってた井上順さん。基本“スマイリー”な表情の中に、独特の哀愁の漂っているのがイイ。

・「コレが前衛芸術だ!」とか叫びながら、ミッキー・カーチスがロボットの着ぐるみ(潮風Mk2)に入って歩き回ってくれるんじゃないかと期待してしまった(=^_^=)

・神高家にあった飾り皿の文句“仲佳き事は美しき哉”はちょいと微笑ましい。

・松島町にある(設定の)古本屋=讃州堂書店に置かれてた『骨董屋往來記』を読んでみたい!

・当時19歳の行人が手がけた映画館の看板に『宇宙大戦争』『黒い画集』『電送人間』等の新作タイトルが併記されてた事から、時代設定は1960年らしい。

・現在と過去の映像を画面の左右に配するセンスは、一見ベタそうながら、なかなかイイ印象を受けた。

~ こんなセリフも ~

行人「彼らは役者・・アーティストだよ」

  「彼らにミューズの祝福を」

  「我が魔法、悉(ことごと)く破れたり」

  「やる気がなくなった」

  「気に喰わない事ばっかりだよ」

  「ペーペーな学芸員に会ってる暇はありません」

  「他の奴の意見なんてどうでもイイの

  「俺を使ってひと儲けしようってんだろ?」

  「俺も舐められたもんだ」

  「造れないんだよ・・俺はマネーゲームの

   サーキットから降りたんだ」

  「(時代の)流れについて行けなかった」

  「あれは魔法だった」

  「また違う魔法を(俺に)かけて呉れるかも知れない」

  「さぁ、過去への旅路を御一緒しましょう」

  「公共電波を使ったパブリックアートさ」

  「受け身で生きて、(人生に)何の意味がある?」

  「まるで“電車のアトリエ”だな」

  「あんたもただもんじゃないな」

  「コレ(音楽)もアートだからね」

  「そんな事は直感でイイんだよ

  「訊かれない事に答える義理はねぇよ」

  「俺が、彼女を破滅させた」

  「アートって何でしょう? 其れは単なる言葉に過ぎません」

  「実に美しいダイヤです・・余白が沢山あります」 ←場内で笑いが

  「私は此の創作に全財産を注(つ)ぎ込むつもりです」

  「諸君は、此の舞台では“鏡”となる」

  「此の旅を誰かに・・君に観て欲しい」

  「男やもめって、娘と何を喋ってイイのか、分かんないんだよね」

  「総ては赦される・・さぁ、顔を上げよう」

涼香「やっと・・先生に辿り着いたよ」

  「あの日、あの場に居た人は、自分の記憶と向き合ったんです」

  「先生は未だ“終わって”いません」

  「先生には未だ“伝えたい事”があるんじゃないんですか?」

  「何も出来ないなら、最初から言わないでよ」

  「一生の宝物にします」

  「この絵の女性の顔は・・体温も匂いも持った女の顔です。

   ・・そう言うの、女には分かるんです」

  「(あの人は)先生と出逢って、やっと“女”になれたんですよ」

  「どうして孤独にしちゃうんだろ」

邦男「こんな風に(亡き妻の)切絵が飾られてるのを観ると、未だに・・」

  「感じるんですよ・・(娘は)何処かで私を拒んでる」

建治「現代アートなんて屁理屈ばっかじゃん」

  「一緒にいる人を孤独にするんだよ・・お前は」

由紀乃「あげるんじゃないわよ・・貸すの」

   「(懐中時計の)掌に時間を掴んでる感覚が好き」

   「止(や)めて! ・・もう戻れなくなるよ

   「2人とも“人の道に外れる事”をしてるのよ。

    ・・絶対に幸せになんかなれない」

   「どうしてそんな事を言うの? 私を苦しめて楽しい?

    ・・何も分かってないよ」

   「これまでとこれからの時間を捧げます」

乗客“毎朝、浅い眠りから目覚める度に思う・・未だ生きとる”

  “みんな忘れたような顔をしている”

  “随分長い間、人の涙を見て見ぬ振りして来た”

※「お嬢ちゃん、この着物はどう?」

 「お互い、歳をとったわね」

ベルイマン“表現とは、闇の中に槍を投げ、

      其れを拾いに行くような行為である”

セネカ“人間は、常に時間が足りないとこぼしながら、

    まるで時間が無限にあるかの如く振舞う”

行人「其処へ座ってくれる?」

涼香「・・光栄です」

涼香「(娘さんじゃなく)私では不満ですか?」

行人「“うるせぇ事”に限っては、どっちもどっちだよ」

行人「コレ(企画書)がなければ、俺は此処に居ないよ」

涼香「あの作品がなければ、私も此処に居ません」

建治「俺は涼香の為なら何でもやるよ」

涼香「言ったな? 責任重大だぞ!」

建治「今日、すげぇキレイだったよ」

涼香「当ったり前だ」

※「大切な事は、何も言わないのよね・・男って」

涼香「・・女もです」

※「何処へ?」

行人「これまでとこれからの時間です・・連れて行きます」

行人「魔法だ・・人生は美しい」

※「知らなかったの?」

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コメント

待ってました

投稿: | 2012年12月19日 (水) 06時46分

>待ってました

有難うございます。

現時点で、あと2本ぶんのメモが残っております。
いつアップ出来るのか見当もつきませんが(⌒〜⌒ι)
努力させて頂きます〜

投稿: TiM3(管理人) | 2012年12月23日 (日) 15時26分

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