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2012年10月22日 (月)

☆『アウトレイジ ビヨンド』☆

遅くなって済みません〜 ようやくの記事アップとなりました(×_×)

11日(木)の夜。

高松(うどん県)の東にある某県某市(=^_^=)に出掛けてたこの日、市内唯一のシネコン“シネマサンシャイン”にて夕食のついでに観る事にしたのは『アウトレイジ ビヨンド』なる任侠バイオレンス作(?)だった。

北野武監督作品をわざわざシアターに観に行くのってば・・『座頭市(2003)』以来、実に2度目の事である。前作『アウトレイジ(2010)』も観てないし・・

ホントは“間違いなくスル~”となる類の作品のハズ(=^_^=)なんだが・・仕事関係の“とある方”が最近ご覧になった事を知り「何か今後の話題の1ツになると良いかなぁ」と考えたりもし、鑑賞に踏み切った次第。

ワタシの大嫌いな“ヤ※ザネタ”なのがどうにもベタっぽくて好かなかったが・・ある意味「この国に憂い、不満を抱え、暴力に飢えてもいる現代ニッポンの観客層」を狙い、それが見事に奏功したって感じだろうか。ネットでの評価もなかなかに好評なようで(・ω・)

前作『アウトレイジ』から5年後の関東。

2代目親分=加藤会長(三浦友和)率いる「山王会」はますます勢力を拡大し、政界にまでその影響を及ぼしていた。

元々は傘下組織「大友組」の金庫番に過ぎなかった石原(加瀬亮)は組長=大友(ビートたけし)を裏切り、今や「山王会の若頭」として“新しい時代のインテリヤくザ”の代名詞と呼ばれるまでの立場に昇り詰めていた。

そして「山王会」内部では“ハイテクな資金調達手口について行けない”古参の幹部ら=富田(中尾彬)、白山(名高達郎)、五味(光石研)が不満を募らせてもいた。

マル暴(警視庁・組織犯罪対策部捜査4課)の敏腕刑事=片岡(小日向一世)は、部下の繁田(松重豊)を従え、警察組織を逸脱した行動に出る。

それは・・富田ら古参幹部に接触を試み、不可侵の紳士協定(?)を護っていた大阪の巨大組織「関西花菱会」に引き合わせ波風を立てる事、そして獄中で刺されて“死んだ事”になっている大友を仮出所させ、彼を刺した張本人=木村(中野英雄)との間に入って「大友+木村」の“問答無用な暴力系タッグ”を再編する事だった。

繁田すらもが(そのやり方に)戸惑いを感じ始める中・・片岡の思惑通り、大友らは石原、舟木(田中哲司)、そして加藤へとその過激な暴力の鉾先を向けるだが・・

前作を観てなくても物語世界の流れは(充分に)掴めたが・・一方で「現代ハイテクヤくザの稼ぎの手口(シノギ)」をきっちり解説してくれるのかと期待してたら、その辺りは表面をなぞる説明(セリフ)だけで終わってしまった(×_×) で、そこから先は「暴力」「裏切り」「報復」「サツガイ」と言った(予定調和気味な)単語のオンパレード状態。。

意外な大物俳優が土下座状態のままあっさり射殺されたり、中心的な人物がこれまた土下座&失禁しつつもやっぱり殺されたり・・と「誰が、いつ、どう死んで行くのかが分かんない(読めない)」ってな“ホラー作品”調の楽しみ方こそは確かにあったんだが(=^_^=) それ以上の「深い演出(やテーマ)」は特に何も見当たらないのだった。。

まぁ、その辺りの「分かり易さ」こそが監督=北野の狙いだったのかも知れないが・・

本作で一応の「シリーズ完結」となるようだが、そう言う意味では前作を撮り終えた時点で既に「続編では、こいつはこうやって殺そう」みたいな構想が監督のアタマの中で出来上がっていたのかも知れず、その上できっちりと前作の俳優陣を(再度)揃えている事は「スゴいな~」と思った。

尚、劇中のヤくザさんたちのプライベートを「そこまで省きますか!」とツッコミたくなるぐらいに排してる脚色も、逆に新鮮だった。

物語の中に登場する女優さんってばたった2人だけだし、それとても「本編には殆ど絡んでない」のだった。

ラストの唐突さは「強烈!」って言うか「何だかコントみたいやな~」と感じた。

そう考えると、この物語自体が「1ツの大仕掛けなコント作品」にも思えて来たものだ(=^_^=) 江戸時代の巨大な藩とか、シェークスピア路線の英国の領などに舞台をそっくり置き換え、ストーリーを再構築したモノを観てみたくも思う(=^_^=)

前作では「スゴかった!」と言われてる(?)「殺しの手口の数々」は、期待してたほどには弾けてなかったろうか? バッティングセンターに於ける「アレ」がやっぱり一番強烈(と言うか印象的)だったが、それとても「あのロケーション」が最初に登場してからの、余りにもの“フリの長さ”についイライラしそうになってしまった(=^_^=)

あと、誰が誰を殺したのかが良く分かんない描き方もあったり。高橋克典氏も“カメオ出演”だったのか、何やら「取って付けたような」登場だったなぁ。

~ こんなトコも ~

・「策を弄し過ぎると、ヘタを打つ」ってのが、本作最大の教訓やろか?

・劇中で最も「生気のなさそうな」大友の動き(言動)を眺めるに「こう言うしとが結局、1番恐いんやろな」と痛感する。

・西野(西田敏行)の土下座(命乞い)シーンを是非拝見したかったンですけど(⌒~⌒ι)

・西野の“とぼけシーン”のイヤラシさはハンパじゃない(=^_^=)

・結局、遺体の見つからなかった人物が1人いた。それが逆に恐い~

・中田役を演じた塩見三省さんの「ゴラァ口調」が出色だった!

・光石さんの「コモノな大物ぶり」も見所である(=^_^=)

・木村が自歯で左小指を「アレ」しなかったら、あの場はどうなってたんやろ? それはそれで続きを観たかった!

・人の多いパチンコ店でも、決して油断は出来ないんやね、、

・防弾チョッキさえ着込んでたら、何とかなってたしともちらほらいたような?

・充分に恐そうなヤンキー2人も、リアルなヤくザさんを前にしては単なる「パシリ状態」なのだった。。

・「こしみず」と言う名の大臣がちょっとストーリーに絡んでたが、何処かで聞いたようなお名前・・

・「トコロ払い」「シノギに影響」「子分をはじく」「五分の手打ち」などの“業界用語”が飛び交ってた。

・中盤、片岡の絡みがちょっと弱くなってた。

・石原の「具体的なインテリぶり」は良く分からんままだった。

・「主人公不在な物語」と言えなくもなかった。松重さんが今後の展開に絡んで来る風にも思えなかったし。

・「1階に降りて来たエレベータを出て、よろよろ逃げたあのヒットマン」を放っといたあの2人は「馬鹿」だと思う。

・終盤に於ける、松重さんの「あの運の良さ」ったらないと思う!!

・「ああする」なら、敢えて1、2発目は空砲にしといて「試すべき」だったんでは?

・「あまり調子こいてると、※※するぞ、この野郎!」ってな言い回しがヤくザさんっぽいらしい。

・良く「興業」って社名は「その筋」っぽくてコワいと言うが・・本作では「有限会社※※総業」って社名が目立ってた。

・大阪の某親分(オヤビン)が「手下」を「てか」と発音してたのが印象的だった。

~ こんなセリフも ~

石原「手前ぇの心配ばかりしてんじゃねぇよ」

  「手ぇ付いて、アタマ下げるのが筋じゃねぇか?」

  「ヤくザにタカりやがって!」

  「合法的にでっかいカネを動かして行くんだよ」

  「幾ら“古参の幹部”でも、

   調子乗ってると容赦しねぇぞ、この野郎!」

  「聞いてんのか、この野郎!」

  「手前ぇらがシャンとしねぇから、

   会長の手ぇ、煩わせたじゃねぇか!」

  「ちょっと待って下さい! 色々ありまして・・」

※「こいつが公になりゃ、現内閣がぶっ飛んじまうんだぞ」

 「殺される前に殺しましょうよ」

 「調子乗ってると、お前も沈めっちまうぞ」

 「彼奴(あいつ)バカか?」

 「手前ぇ、何考えてんだ、この野郎!」

 「手前ぇ、動いたな?」

 「(飛んで来る)球を見ずに、気で感じて」

 「ヤくザ辞めてもよ、ケジメ付けなきゃな」

 「オツトメ済んだら“カタギ面”か?」

 「いちいちうるせぇ野郎だな」

 「ぶち殺せ!」

 「“利用されるなよ”って言っとけ」

 「ちゃんと聴こうじゃねぇか」

 「そんなんもこんなんもあるか、おぉ?!」

 「ハラ切るなり何なり、せんかい、こらァ!」

 「何処座ってんだよ、手前ぇ」

 「“老後の安定”を買うには、

  それなりのカネが必要なんだよ」

 「一生、ヒラでいいスよ」

木村「俺はいいスよ。大友の兄貴さえ良けりゃ」

  「大友? “大友さん”だろうが!」

加藤「偉くなっちゃうと、全然顔も見せなくなるなぁ」

  「使えるヤツはどんどん取り立てるが、

   使えんヤツはどんどん切り棄てる」

  「花菱に何か送っておけ。

   わざわざ買わなくても、何かあるだろ」

  「そんな事はすぐに分かるんだよ」

  「黙っとったら、悪いようにはしねぇ」

  「可愛がってやりゃ、調子乗りやがって、あの野郎!」

  「この俺に“弓を引く”のか? この野郎!」

富田「“幹部会”のくせにメシもねぇ」

  「ヤくザの筋が通んねぇ」

片岡「“若い”のを出して下さいよ」

  「出世しましたね・・もうボディガードじゃないんだ」

  「ホステスの部屋にバットなんかあるか!

   灰皿だろ、バカ野郎!」

  「お前ぇ、でっけぇ身体して小心者だな」

  「任せて下さい。後ろに我々が付いてますから」

  「言ってませんよそんな事。ウワサでしょ?」

  「そう言えば、刺されてましたね」

  「(塀の)外は、色々大変なんですよ」

  「まだモウロクしたワケじゃないでしょ?」

  「先輩、お楽しみでしたか?」

  「死んで行った、若いヤツらの事も

   思い出してやって下さいよ」

  「やっぱり、俺みたいなのがいないと

   駄目なんじゃないですか?」

  「そんなインネンつけるのは、止めて下さい」

  「そんな言い方はないじゃないですか」

  「まさか“もう終わった”とでも

   思ってんじゃねぇだろうな?」

  「俺のやり方を良ぉく見とけよ」

  「“警察のメンツ”ってのもあるんだから」

  「何も分かってねぇのに、

   知ったようなクチ利くんじゃねぇよ」

  「持って行きますか?」

  「・・え?」

西野「愚痴ばっかり言ぅても、始まらんやろ?」

  「ほんでどないするつもりや?」

  「まぁ任しとき。悪いようにはせぇへんから」

  「“会いたい”言ぅてすぐ会えるほど、

   ウチの会長は安ぅないで」

  「ナニ言ってんのか分かってんのか、おぉ?」

  「(お前らが)帰るか帰んねぇのかは、こっちが決めんだよ」

  「コレ聴いて貰えます?」

  「立ってねぇで座れや」

  「会長が直々に呼んでるのに

   “来られへん”ってどう言うこっちゃ?」

  「ナニ眠たい事、言うてんねん」

  「あんまり嬉しそうちゃうなぁ」

  “会長に対する不満は反目とみなし、

   会をあげて対処する所存である”

布施「誰やそれ? 使えるんか?」

  「それに、あいつはケチや」

  「ちぃと考えさしてくれ」

  「メシぐらい喰ぅて行ってもええやんけ」

  「彼奴ら、使えるな」

  「1度人を裏切ったヤツは、何回でも裏切りよる

大友「お前、俺が死んだってウワサ、流したろ?」

  「お前ら“道具”は持ってんのか?

   ・・此処で出すなよ」

  「何かっつぅと、ハラをやられるな」

  「手前ぇら、ガタガタうるせぇんだよ、この野郎!」

  「その手じゃ、呑めねぇか」

  「何でもするのか? ・・野球やろうか?」

  「彼奴には手ぇ出すなよ。俺が殺(と)ってやるから」

  「だいぶ片付いたな」

大友「(煙草は)吸わねぇよ」

片岡「まだ“長生き”したいんスか?」

大友「悪ぃけど、帰って呉れねぇか?」

女「今帰ると、会長に叱られます」

木村「謝って済む問題じゃない事は分かってますが、

   済みませんでした」

大友「あんたが謝るこっちゃないよ」

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コメント

塩見さんと浜ちゃんは流石というか、しっかりソレに見えてましたね(笑)
関西弁もこうしてみると怖いけど、やっぱり広島弁ですかね~^^;

昔みたいに悪役商会なるものがなくなった今
それらしく見えないのが逆に怖いのかもしれません。
特に前作の冒頭のシーンとか(笑)

投稿: ituka | 2012年10月22日 (月) 20時55分

こんにちは、お昼休憩時間に(こっそり)お邪魔しております。

レヴューを拝読しまして、、、「怖い映画」っていうより「痛い映画」をご覧になられたのですね~。
ところどころ、「痛ぁ~(>_<)」を身をよじってしまう表現が。
しかし北野監督ご自身が随分昔に「(事件が起きて)人が何人も死んでいるのに痛みを感じない映画なんて嘘っぱちだ」みたいなことを仰っていたのを思い出しました。ハリウッドの某大作を引き合いに出されて。
考えてみればそうなのかも。打たれれば、斬られれば、殴られれば、それは「(衝撃的に)痛い」に違いないのですね。
本作では「齧れば、」っていう箇所も加えるべきでしたか!? ここが一番痛そうでした(>_<)。

それにしても、『伊豆の踊り子』の書生さんが悪の総元締めにまでなってしまわれたのですね。

投稿: ぺろんぱ | 2012年10月23日 (火) 12時36分

itukaさん、ばんはです。

「続・筋肉野郎大同窓会」を観に行きたくも・・なかなか時間が取れません〜(×_×)

>塩見さんと浜ちゃんは流石というか、しっかりソレに見えてましたね(笑)

局長の「トボけ悪人ぶり」が冴えてました〜

そう言やこのしと『はなれ瞽女おりん』でも極悪な役柄だったのでしたネ(=^_^=)

>関西弁もこうしてみると怖いけど、やっぱり広島弁ですかね~^^;

仁義なき街ですね。。

>昔みたいに悪役商会なるものがなくなった今
>それらしく見えないのが逆に怖いのかもしれません。
>特に前作の冒頭のシーンとか(笑)

前作も気になります〜

そう言や、各地の秋祭りなんかでも
「こんなコワいしと、この町の何処に潜伏したはったんやろ?」
ってビビるほどのオッソロしい風体のしとたちが、
みこしの周囲をガッチリ固めたりしたはりますよねぇ、、

投稿: TiM3(管理人) | 2012年10月24日 (水) 01時04分

ぺろんぱさん、ばんはです。

>こんにちは、お昼休憩時間に(こっそり)お邪魔しております。

おおきにです〜(=^_^=) 上司のしとに見つかったら
テキトーに誤摩化しておいて下さいね(=^_^=)

>レヴューを拝読しまして、、、「怖い映画」っていうより
>「痛い映画」をご覧になられたのですね~。
>ところどころ、「痛ぁ~(>_<)」を身をよじってしまう表現が。

北野監督の作品は「痛み」の伝わって来る描写が
特色の1ツかな、と思ったりしてます。
メル・ギブソン監督にも通じるモノがあったりするのかも・・(=^_^=)

>打たれれば、斬られれば、殴られれば、それは
>「(衝撃的に)痛い」に違いないのですね。

『鍵メソッド』に於いては「痛み」は4番目ぐらいの位置でしたけどね・・(=^_^=)

>本作では「齧れば、」っていう箇所も加えるべきでしたか!?
>ここが一番痛そうでした(>_<)。

むむむ、、

>それにしても、『伊豆の踊り子』の書生さんが悪の総元締めに
>までなってしまわれたのですね。

作品を鑑賞した奥様(百恵夫人)には
「汝(んの)はまだ、極道になり切っておらん!」とか言われたはるのでしょうか、、ああ『潮騒』、、(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2012年10月24日 (水) 01時12分

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