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2012年7月27日 (金)

☆『臨場/劇場版』☆

またもや、鑑賞メモをとりまとめる時間が殆ど取れず、今になってようやくの記事アップとなりました(×_×)
やや古い内容となってしまってますが、よろしければお楽しみ下さい。

・・

18日(水曜)の夜。
出張で出掛けてた某県某市の郊外にある“イオン”で夕食のついでに、シネコン“TOHOシネマズ”に立ち寄ってレイトショーで観たのは『臨場/劇場版』なる刑事ドラマだった。

元々は同名の小説を原作とし、TVドラマ版も造られたようだが、そのどちらも全く知らないワタシ(×_×)
「知らぬ者の強みを見せてやれ!(←誰にだ)」を“合言葉”に、シアターに突進したのだった。

警視庁鑑識課の検死官=倉石義男(内野聖陽)は、組織に馴染まぬ“アウトローな立場”を貫く男。

彼は、恩師である横浜医大の法医学教授=安永泰三(長塚京三)の“教え”でもあった「死者の最期の声に耳を傾けろ」を心に刻み、次々に運び込まれる事故遺体や変死体の検死を今日も行っている・・

ある日。
都内某所で市民の集う白昼の広場に路線バスが突っ込み、そこから降り立った若者が、全身を鮮血に染めながら、通行人を次々と手にしたナイフで殺傷する・・と言う凶悪な事件が勃発する。

バスの車内で2名、広場で2名もの「何の罪もない男女」が刺殺され、負傷者も多数・・と言う恐ろしい結果となったこの“無差別通り魔事件”だが、弁護士=高村則夫と精神科医(鑑定医)=加古川有三(デビット伊東)のしたたかな手腕もあり、犯人の若者=波多野進 (柄本佑)は“心神喪失”が認められ無罪となってしまう。

その2年後、先の事件の弁護士=高村と精神科医=加古川が相次いで刺殺され、警視庁は“通り魔事件の被害者遺族”にその疑いの眼を向けるのだが・・

序盤(通り魔事件)のインパクトがとにかく強烈で、無抵抗な女性が立て続けに刺殺され、眼を虚ろに見開いたまま血だまりの路上に横たわる“直後の現場風景”にはクラクラ来てしまった。

「所詮はフィクションでしょ?」とか、そう言う問題じゃなく・・「もう少し控え目にしてでも、よりインパクトある『賢い撮り方』が実現出来なかったモノだろうか?」・・そんな疑問を、ちょいと持った次第だ。

前半こそ、柄本くん演ずる“狂鬼人間”の言動が突っ走ってる印象なんだが・・物語の進むウチ、何処か「演じ易く、眺め易い」彼の演技以上に、ベテラン勢である=若村麻由美、平田満、段田安則・・らの面々のナチュラル&自由自在な「感情系演技」にこそホレボレさせられ始めてしまうのだった。

倉橋率いる検死官のチームに関しては、とにかく相関関係などが説明不足極まるので、ドラマ版を知らぬ観客には不満の大きく生じるトコであろう。

また、倉橋の奥さん=雪絵(京野ことみ)もどうやら「亡くなって久しい」ようだが、過去に(倉石夫妻に)何が起こったのかは、全く本作の劇中で語られる事はなかった(×_×)

観客の導き方や、警察内部の確執なんかの描き方も(やや断片的ながらも)巧く、終盤の真犯人の言動にも特に不自然さのなかったのは流石だった!

一方、犯罪シーンに於ける血液の描写具合(?)には大いに不満が残った。

血の色合いや、噴出の仕方、流れ方など・・いちいちウソっぽく(造りモノっぽく)見えてしまったものだ。
それ故に、ちょっと「物語に対する吸引力」が途切れ途切れになってしまったような(かと言って、リアル過ぎても困るが)。

倉石と“女房的な部下キャラ”である後輩検死官=小坂(松下由樹)との関係、倉石と警視庁の捜査管理官=立原(高嶋政伸)との関係、倉石と某バーのママとの関係・・など“観客を置き去りにしたまま”突っ走り切ってた感もあるが、それが悔しくて「こうなったら、ドラマ版も全部、鑑賞フォローしたる!」と意地になってしまうまでの吸引力があるか? ・・と言えば、その辺りは微妙だった(⌒〜⌒ι)

色んな「残念さ」があちこちに見受けられた本作だが、確かに「観終わるまでは、きっちり集中させてくれた」って点については、佳作と評して良いだろう。

〜 こんなトコも 〜

・オープニングでは、内野さんの“切腹シーン”なんかが始まるんじゃないかとヒヤヒヤした(⌒〜⌒ι)
・高島(弟)が「ひょっとして、真犯人なんじゃないか?」と考え(過ぎ)てしまった(=^_^=) 例の(?)革ジャン+おかっぱカツラで「狂演ふたたび」みたいな(⌒〜⌒ι) 和製アントン・シガ〜(恐)
・被害者ってば(容赦なく)現場で“身ぐるみ剥がされちゃう”んやね(×_×) 下腹部には申し訳程度(?)に布を当てては貰えるみたいやけど・・
・上記の理由から、うら若き女性も含め、色んな俳優さんの「おっぱい」が拝見出来ますた。。
・基本的には、直腸内体温(←つまりはエイナスから検温)から死亡推定時刻が割り出されるらしい。一方、海外では肝臓内温度から割り出す手法もある、との事。
・末期ガンは左右の腰部の激痛に(その徴候が)現れるんやろか?
・「貧血」で倒れ、救急搬送されたあのしと。その場で部下たちに“事情(=病状)”は伝えられなかったんやろか? で、伝えられてたとしたら、うやむやにされてたのは我々=観客だけ?
・考えたら「同じ鎮痛剤を服用してる」「どんな病気でその鎮痛剤が必要なのかは分かっている」ってなセリフが語られただけだったワケで・・“あのしとの病名があのしとと同じ”って事は劇中では一切説明されてなかった。つまり「まだ望みはある」って事か?
・平田満さんを巡る幾つかのシーンは、もっと巧く描いて欲しかった。『催眠(1999)』とか『CURE(1997)』みたいな演出・映像で。
・あのしとの登場した時点で「んん?」と勘付いてしまった。何となくドラマ『警部補・古畑任三郎』での“おみくじ殺人事件”のエピソードを思い出したもんで。。
・劇中で最も潔かったのは、或いは平田満だったのかも知んない。流石はヤス!
・京野ことみの出演(?)を“遺影のみ”で済ませるか、如何に巧く本編に登場させるか・・が、本作の監督とキャメロン・クロゥ監督の違いであり、もっと言えば「おハリウッド謹製」と邦画の違いな気もする(・ω・)
・冒頭の事件では、駆け付けた警官の1人が“さすまた”を駆使してた!
・『EUREKA/ユリイカ(2000)』が観たくなって来た。
・法廷シーンはサクッと割愛されてたが・・それって、ちょっと、どうでしょう?(上映時間に影響するにせよ、他のシーンと調整してでも盛り込むべきトコではなかったか?)
・とある人物の指紋を(某場所から)採取するため、鑑識チームが総動員されるシーンは「警察モノ」って感じで良かった。『砂の器(1974)』で言えば、刑事が「血染めの布切れ」を線路上を這いつくばって捜すあの感じか。
・「自らは気付いても、誰かが気付くまで(誰かに気付かせるまで)動かない」的な言動の倉石にも見受けられ“主人公としての立ち位置”のブレてるっぽい感もあった(それって“神キャラ”か?)
・警視庁は英語で「MPD(Metropolitan Police Department)」と略称されるようだ。
・傷口を計測する際の「創面接着時、※※センチ」みたいな言い回しが印象的。
・「地取り関取り(じどりかんどり)」って何かと思った・・調べて納得(・ω・)
・小坂が1度だけ放つ「もう2度と言いませんから」の言葉が心に残った。
・「食物残渣」と書いて「しょくもつざんさ」と読むんだと。
・原作は『半落ち(2004)』『クライマーズ・ハイ(2008)』『出口のない海(2006)』の横山秀夫による小説。特に“何故その時、その人が、そこにいたのか(行ったのか)”ってな謎に関しては『半落ち』をかなり連想させるモノがあったように感じた(・ω・)

〜 こんなセリフも 〜

倉石「眼ぇ、逸らすな!」
  「・・始めっか」
  「まだ(検死は)終わってねぇ!」
  「母親として・・生命かけて護ったんだよな・・あんた」
  「お話しは・・ホトケ(遺体)を診た後」
  「替われ。後は俺がやる」
  「分かる? 考えろ!
  「・・謎だねぇ」
  「正確に動脈を切断・・“計算ずく”の殺人だ」
  「“見立て”の根拠は?」
  「その内、分かる」
  「ホントにぃ〜? 良く診たぁ〜?」
  「ホシ(犯人)を挙げるのに、鑑識もデカ(刑事)も関係ねぇ!」
  「屍体に細工するような人間が、
   遺族の中にいるワケねぇだろ」
  「訊く前に動くのが、お前たちの仕事だろ?
  「まだ、根こそぎ拾えてねぇ・・お前ぇも同じだろ?」
  「殺したのは※※じゃねぇ・・他にいる」
  「上から“お達し”受けてんだろ?」
  「今回の場合、アリバイに頼るワケにもいかないんでね」
  「“合同捜査”だろ?」
  「これ、ミック・ジャガーの好物・・肉じゃが」 ←ひィッ!
  「ホシはそれを知っていた」
  「※※の覚悟だけは分かった」
  「俺は精一杯生きてやる・・“お迎え”の来る、その日まで」
  「良くねぇ・・良くねぇよ」
  「最期まで※※の声、耳すまして聴いてみろよ」
  「あんた、良く我慢したな」
  「ただ・・この街のどっかに娘さんの“最期の声”が
   遺されてるのかも知れねぇなぁ」

直子「好美・・何してんのよ。こんなトコで。起きなさいよ」
  「あなた、おかしいわよ・・好美が変よ・・起きてくれないの」
  「2年経っても、まだ分からなくて・・
   何であんな眼に遭わなきゃならなかったのか・・
   何で好美じゃなきゃならなかったのか・・
   何であそこにいたのか・・理由が分からない」
  「まだ一緒にいるんですよ、私たち。
   話す事なんか、何もないのに」

安永「トイレまで追いかけて来て質問攻め・・
   3ヵ月の講義実習で君だけだったね」
  「“もの言わぬ死者の声”を聞くのが、私たちの仕事なのだ」
  「君でも“驚く事”があるとはね」
  「ある日・・天罰が下った」

小坂「体の具合、良くないんじゃありませんか?
   ムリせず、休んで下さい」
  「根こそぎ拾いたい・・だから考えるの」
  「やってみる価値はあると思います。
   捜査は行き詰まってるハズです」

永嶋「いつも“倉石さんが正しい”とは限らないじゃないですか」

仲根「組織にはそぐわない男だな」
  「なかなか面白い体験でしたよ」

五代「次はないからな」
  「やるんだったら、結果を出す事だな」

立原「拳銃用意!」

加古川「精神鑑定は“十人十色”だと思ってます

被害者の娘「ねぇ? どうしてママ、死んじゃったの?」

※※「これは、40年間“沈黙”して来た私の復讐だ」
  「私も騙されかけたよ」
  「犯した罪は償わなければならない」
  「痛いのは、生きてる証だ」
  「これからこいつには、※※のいる世界に行って貰う」
  「お前を赦せるのは、※※だけだ」
  「私は、死んで行く被害者の声を拾わずに、逃げたんだ」
  「この歳になってもまだ、生にしがみつこうとする」
  「笑ったんだよ・・この男は
  「これでいい・・お前は生きろ」

直子「好美は死んだのに、あいつは生きてるんです。
   “責任能力”って何ですか? 何であいつは、
   皆に“保護”されて生きてるんですか?」
倉石「俺の仕事は“ホトケの声を拾い尽くす事”・・それだけ」
直子「そうですよね・・結局、皆、私たちの事なんて
   分かってくれないんです」

立原「そんな言い草があるか! 貴様!」
仲根「私はあなたの部下ではない。怒鳴られる覚えもない」

仲根「お前のような男は、必ず潰される。
   それが“組織に生きる者のルール”なのだ」
倉石「だったら・・死んだ方がマシだなぁ」

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