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2012年7月18日 (水)

☆『レンタネコ』☆

(観終わってからの)記事をまとめる時間がなかなか取れず・・メモを放置したままに、こんなに日時が経ってしまった(×_×)
少しばかり古〜い内容ですが、お楽しみ頂けたら幸いです。

・・

11日(水曜)の夜。
仕事帰りに「ホッとひと息」つきたくもあり・・立ち寄ったのは商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”だった。

如何にも「ミニシアター向き」な、そんな小品の印象があった本作。
だけど、それはそれで「予告篇映像」に“それなりの吸引力”を漂わせてもいた1作だった。

東京都内のどこか(練馬区か?)。

最愛の祖母を亡くして2年。
小夜子(サヨコ:市川実日子)は、祖母譲りの「何もしなくても、猫が寄って来る」と言う体質(?)のお陰で、沢山の猫に囲まれ“寂しくはない独り暮らし”を気ままに続けている。

ある時は「敏腕ネットトレーダー」・・またある時は「行列の出来る占い師」・・はたまたある時は「売れっ子TVCM作曲家」・・様々な顔(=職)を持つ彼女であるが・・昼間に一貫して続けてるのは、リヤカーに沢山の猫を積んで河川敷を練り歩き「寂しい人に猫をレンタルする」と言う“レンタネコ”経営者としての一面である。

・・

愛猫“モモコ”と死別して1年・・寂しさの埋められぬ老婦人=吉岡壽子(草村礼子)

6年も続く単身赴任の毎日に、寂しさの埋められぬ中年サラリーマン=吉田五郎(光石研)

「ジャポン・レンタカー」受付係とし、そつなく働く日々の中で、寂しさの膨らんで来た女性社員=吉川惠(山田真歩)

河川敷にて、すれ違ったリアカーの小夜子を、振り向き様「ジャミ子?」と呼び止めた男=吉澤茂(田中圭)

出会ったそんな4人の人々と、そして隣に住む怪しい主婦(小林克也)

「猫」を通じて繋がった(?)人々の「寂しさ」や「お節介」の行方が、独特なスローペースの世界の中で描かれる・・

レンタネコ経営者が色んな事情・境遇・過去を抱える人々と出会う物語を、巧妙に時間軸を入れ替えたりもしながら(?)描く作品世界は、思ったほど「悪く」なかった。

少し前に観た『東京オアシス(2011)』に、何となく“骨格”の部分が似てる気もしたが・・あちらの主人公(演:小林聡美)が「何かを確実に掴んでる(会得してる)が故、ある一線から先へはゲストキャラに決して近付いて(関わって)来なかった」のに比べ、本作のヒロインの方が、色んな部分で「無様で人間っぽい」トコもあり、そこが好感を抱かせた。

ゲストキャラが(変わる度に)次第に主人公に近付いて来る(=主人公自身の過去・現在に関わって来る)辺りの展開は、何となく『おくりびと(2008)』を連想させてもくれた。
そう言えば『レンタネコ』と『おくりびと』・・何となくタイトルのイントネーション(抑揚)も似てる気がするにゃあ(=^_^=)

ちと「深津絵里さん入ってる」感じの山田さん、ちと「向井理さん入ってる」感じの田中君とか・・“一見、イヤな感じのヤツ”に見えるんだけど、話してるウチに「もっと仲良くなりたいかも」と思わせる印象についても、役者さん自身の持つ「存在感・雰囲気」が良い意味で作品に相乗効果をもたらしてた気がした(・ω・)

「肝心な点には、結局のトコ全く触れられる事はなかった」んだけど、それはそれで赦せる、、と言うか気にならない「面白い作品」とは言えた。

〜 こんなトコも 〜

・猫も玩具も(?)「要は、どれだけ持ち主に愛されるのかが大事」ってなセリフには、何となく頷かされてしまった。
・「舞台劇」でも十分に再現(表現)出来そうだった。
・作品世界は、基本「夏」オンリーだった。
・「NYで有名なドーナツ」「(庭先)流し素麺」「瓶ビール」「ガリガリ君(棒付きアイス)」「自家製ゼリー」「麦茶」・・と、様々な飲食物の登場したのが印象的である。今も昔も、邦画にはやはり“食事シーン”が欠かせない・・のかな?
・中盤の「夢シーン」が妙にハッキリクッキリし過ぎてて、違和感ありまくりだった(=^_^=)
・猫マニアの自死を描いた『レンタン(練炭)ネコ』って作品はアリやろか?(ないない)
・劇中に登場したクルマ(日産マーチ)は「練馬ナンバー」だった。
・歌丸師匠は何故そんな名前になったのか? その由来が(かなり)気になる!
・「玄関に(いる旦那に向かって)靴下を黙って投げて寄越す」ような奥さんは欲しくない・・(×_×)
・公式サイトに入る時に流れる「♪レ〜ンタ~ネコ~ ネコネコ」は簡単に着ボイスに変更(変換)出来る(=^_^=)
・庭先での「流し素麺」は、余りに悲しいながらも、余りに美味しそうだった!
・劇中で最も心に残ったのは「残された“あのしとの息子”が、冷蔵庫のゼリーを黙って食べるシーン」だった! ああ言う「曖昧だけど鮮烈な描き方」は巧いと思う!
・“心の中の寂しい穴ぼこ”なら良いけど“ココロのスキマ”だとイヤだなぁ・・(懐)

〜 こんなセリフも 〜

小夜子「・・お前もか」
   “何故か、子供の頃から私の周りには猫が寄って来る”
   “猫に好かれる「特殊な匂い」を放ってるのか?
    気になるトコロだ”
   「また新しい猫が、庭に来たよ」
   “猫だけが寄って来る人・・人間にも寄って来て貰いたい”
   『今年こそ結婚するぞ』(習字)
   『焦りは禁物! 顔で選ぶな』(習字)
   『新婚旅行はハワイ その前に相手』(習字)
   『選択の余地はない 上下15歳まで可』(習字)
   「寂しい人に・・猫、貸します」
   「そもそも“悪い猫”なんていないんですけどね」
   「審査があります」
   「審査は“合格”です」
   「猫にとって住み易いか・・家を確認します」
   「見棄てるような事は、絶対にしません」
   「安心して、逝っちゃってください」
   「困ってるように見えますか? 全ッ然、困ってませんよ」
   「小さな頃から、株だけは得意なんです」
   「可愛がって下さい」
   「ちゃんと“心の中の寂しい穴ぼこ”埋めてくださいよ。
    この子がしっかり、埋めてくれますから」
   「レンタネコ屋です」
   「仏壇にパイナップル・・似合わないぞ。
    仏壇に猫は似合うのに」
   “猫が寄って来るのは、祖母からの遺伝だ”
   「猫好きでしょ? 好きですよね?
    寂しい時は、猫が1番です」
   「大丈夫。あなたは“悪い事をするような人”じゃない」
   「女の子には“そう言う時期”があるものです」
   「3ヵ月で、子猫は大きくなります」
   「“多摩川の母”と言われてます」
   「占いに来る人は、もっとドンヨリしてます」
   「寂しい時は、猫が1番効きますから」
   「あなたの場合、ほんのちょっと寂しいだけ」
   「この子がしっかり“心の中の寂しい穴ぼこ”を埋めてくれますから」
   「はァ・・結婚したい」
   「どうする? 君の意思を尊重するよ」
   「約束してください。どんな事があっても“この子の最期”を看取るって」
   「責任を持って、可愛がってください」
   「あの子はね、素敵なおじさんに貰われて行ったよ。
    きっと幸せだよ」
   「暑い・・人間やってんのも大変だけど、
    猫やってんのも大変だねぇ」
   「こんな暑くちゃ・・なんも出来ん」
   「何か涼しくなる方法・・ないスか?」
   「あれ? みんな何処、行っちゃったんだろ?」
   「何で、何でもかんでも“ランク付け”するんですか?」
   「あなたはナニランク? あなたから見て、私はナニランク?」
   「猫、貸しますけど?」
   「何、その食べ方・・? ・・変」
   「TVコマーシャルの作曲をしています。
    小さい頃から、音楽だけは得意なんです」
   「“ランク付け”は、もう止めましょう」
   「あなたも私も、胸はAカップで・・Cランクなんだから」
   「穴は“食べるもの”ではなくて“埋めるもの”です」
   「きっと・・誰かにとっての“大切なもの”は、
    それがどんなものでも、1番だと思う」
   「やっぱ、夏は素麺に限るね〜」
   「あァ・・結婚したい」
   「やっぱり、新婚旅行は1泊2日(が限界)・・
    ・・熱海でいっかぁ」
   「(桟の汚れを)見なかった事にするか、今すぐ掃除するか・・
    よし、見なかった事にしよう!」
   「やっぱり、暑い日は麦茶だね」
   「しがらみもないけど、友達もいなかった」
   「あんたの普通は、みんなの普通じゃないの」
   “『またね』って言っておいて、きっともう2度と
    逢わないな・・って人がいる”
   “祖母はいつでも、私の最強の味方だった”
   「猫の優しさでも埋められない“穴ぼこ”ってあるのかな?」
   “あの時のガリガリ君も、盗んだものだったんだろうか?”
   「あんたに“お前”なんて言われる筋合いはないんだよ」
   “どうしようもなく寂しい人がいる。だから、今日も猫を貸そう。
    (そんな人の)心の穴ぼこを埋めるために”

吉岡さん「猫・・貸して貰えます?」
    「独りぼっちになってしまって・・寂しくて、寂しくて」

息子「どうやって処理すんだよ・・こんなもの」

吉田「レンタネコ? 何だそりゃ?」
  「1本? それって1万円? 10万円?」

吉川「私は・・Cランクです」
  「世界から置いてけぼりを喰らってしまったような」
  「いつからか、色んなものに“ランク付け”
   して来た気がします」
  「一緒にランチして、貰えませんか?」
  「誰かと一緒に食べるなんて、久しぶり」

吉澤「寂しい時は、寂しいのにな」
  「暑い日は、ビールに決まってんの」
  「夏にビールを飲まないなんて・・そんなの
   “夏の2/3を楽しんでない”って事だよ」
  「“例えばのハナシ”だよ」
  「暑い日は・・ガリガリ君に決まってるだろ」

隣人「あんたの前世はね・・蝉なんだよ」
  「170センチ以上ある女は、男にモテないの」
  “夏の日の 独り素麺 虚しけり”
  「たまには、我慢しないで泣いていいんだ」
  「塩でもつけて、食べな」

ガキ「うわ! 猫ババァだ!」
  「また来たぜ! 猫ババァ」

吉田「そんなに寂しそうに見えました?」
小夜子「はい、とても」

吉川「左様で御座いますか」
小夜子「左様で御座います」

隣人「また男にフラれたか?」
小夜子「“また”ってどう言う意味ですか」

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コメント

こんばんは。
TiM3さんが本作をチョイスされるとは・・・ちょっと意外な感じです。

市川女優姉妹はなかなかよいですね。

悪い人が出てこない(であろうと思われる)のが安心して観られそうです。

小林克也さん、「主婦」なのですね。(*^_^*)芸域の広い御方ですね。

投稿: ぺろんぱ | 2012年7月19日 (木) 22時56分

ばんはです、ぺろんぱさん。

何だかんだとバタバタ忙しく、、1週間もご無沙汰してしまってました。
申し訳ございません(×_×)

>本作をチョイスされるとは・・・ちょっと意外な感じです。

そう言えばそうかも知れませんね(⌒〜⌒ι)
何となく「ソレイユにて予告編映像に触れた事」がワタシにとっての
またたび効果(?)となったのかも知れません。。

>市川女優姉妹はなかなかよいですね。

スールキートスって何やねん! と思ってしまいました。
フィンランド語だったんですねぇ。

>悪い人が出てこない(であろうと思われる)のが安心して
>観られそうです。

河川敷を練り歩く小夜子を「まるでそこに存在しないが如く」
スルーしてすれ違う通行人こそが、本作における「悪い人」
なのかも知れませんね(=^_^=)

>小林克也さん、「主婦」なのですね。(*^_^*)芸域の広い御方ですね。

何だかヘンな感じでした(=^_^=) でも、経歴をウィキで辿れば、
まだまだお若い印象がありますね。

投稿: TiM3(管理人) | 2012年7月26日 (木) 23時21分

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