« ☆『愛と誠』☆ | トップページ | ☆『幸せへのキセキ(2011)』☆ »

2012年7月 1日 (日)

☆『生きてるものはいないのか』☆

28日(木曜)の夜。
仕事帰り、商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”にて鑑賞して来たのは、密かに期待値を高め続けてた1作『生きてるものはいないのか』だった。

元々、何の予備知識も持ち合せてはなかったんだが・・リンクさせて頂いてるブログ『シネマで乾杯!』の管理者=ぺろんぱさんの記事で本作を眼にして以来「気になるよなァ」と高松上陸を待ってたような次第でして(・ω・)

2007年に上演された同名の戯曲を、『水の中の8月(1995)←この作品、好きです!』『五条霊戦記/GOJOE(2000)』の石井岳龍(がくりゅう)カントクが映像化。

敷地内に病院の併設された、東京都内某所の神西(じんせい)大学を主な舞台に、「卒論テーマに『都市伝説研究』を選択した女学生とその仲間(ナナ、カツオ、マッチ)」「友人の結婚式に向け、出し物(=踊り)の練習をする学生ら(エイコ、エナリ、アンドレ)」「婚約者と元カノの間で板挟みとなる男子学生とそれを眺める喫茶店員(カツフミ、リョウコ、カオリ、、ケイスケ)」「アイドルグループの一員でもある現役男子学生(ショージ)」「出所後、妹に会いに来る謎の男(コウイチ)」「キャンパス内で息子を捜す母親(サチエ)」「病院から抜け出して来た難病の少女(ミキ)」「電車事故を目撃して来た2人の男(サカナ、ヤマさん)」「同僚女性に想いを寄せる不器用な耳鼻科医(マキ、ナイトウ)」・・が、とあるきっかけで次々に不条理な“死”を迎え始める・・

一体、世界に何が起こったのか? そして“死”から逃れる術は?

予告編が、とにかく「アオりまくってくれてる」感じなので、期待値がバンバンに高まってしまってたが・・中盤あたりから「んん?」と言うある種の“裏切られた感”が強まって来て、それがそのまま終盤まで引っ込む事はなかった(・ω・)

「日常の風景」が突然に崩れ始める・・って演出は、スリリングでもあり、設定こそ魅力的なんだが・・もっと「神がかリ的」な登場人物の相関関係や、ネタの繋がりを期待してたので、失望も大きかったと言おうか・・

『フィッシュストーリー(2009)』のようなワクワク感を期待して鑑賞すると、ションボリさせられてしまうワケで(×_×)

総じて言えば「細部が粗く」「散漫で」「パンチ不足」だった印象。いずれもがカントクにしてみれば「意図しての事」だったのかも知れないけど(⌒〜⌒ι)

謎の原因で(その理由めいたモノは「劇中のセリフ群」で仄めかされはするんだが・・結局のトコ、不明のまま)登場人物がバタバタと“退場”して行く、それだけの展開なんだが・・その描かれ方に色んなパターンがありはするものの、正直言って後になるほど「マンネリ感」が強く、頂けなかった。

この手の作品の場合ってば、最初に(とっとと)“退場”したキャラの方が「鮮烈だし、美味しい」のは『そして誰もいなくなった』『インシテミル/7日間のデス・ゲーム(2010)』などにも通じるトコだろう(=^_^=)

連想したのは『エレファント(2003)』とか、筒井康隆による短編小説『死に方』などだった。シャマラン監督の『ハプニング(2008)』にも似てるんかな? と思いきや、大して似てもなかったようである。

ポスターで描かれたシーン(情景)が、いよいよ終盤にやって来るんだが・・ケイスケ役の染谷将太が「その先」どうなって行くのか・・色んな想像の余地が残され、その点だけは印象深かった程度である。

〜 こんなトコも 〜

・『東京公園(2011)』では「アレ」してた染谷くんが、意外にしぶとかったり。
・「生きたいものはいないのか」「まともなものはいないのか」てなタイトルの方がしっくり来たかも?
・最後まで世界を眺め続ける役割の某人物も『エレファント』的だった。
・魅力あるキャラが少なし。
・“いきなり登場し、合流する”その意味(=意図したトコ)の分かんない人もちらほら。
・「決める」べきトコでさえ、徹底的にギャグにしてて・・結局は滑ってた(×_×)
・「いつ、何処で、どのように・・そして“誰と”最期を迎えるのかは(誰にも)分からないし、選べないのかも知れない」と思った。
・状況を「防ぐ」或いは「遅らせる」ような「手立て」はなかったのか?
・(「都市伝説」や「お尻から何か」など)数々の「フリ」はまとまらぬままで良かったのか?
・お尻から出て来る何かは『ドリーム・キャッチャー(2003)』系やろか?
・意外にしぶとかったのは、あの旅客機や鳥たちだった。
・「何かの貯蓄量」が体内でピークに達すると・・突然に“死”のスイッチが入るんやろか?
・あの“悪夢のような1日”を耐え切り、翌朝を迎えたら・・或いは事態は(自然に)終息を迎えるんかも知れない。
・色んな死に方(=最期の言葉)が劇中で描かれた。ワタシも“ある程度は”決めといた方がエエんやろか?
・演出としての「音」が大事なのに、期待ほどには「迫らなかった」。
・生協で購入したからって、酢昆布が安全とは限らない(いや、それが原因じゃないってば)
・『さかなの見分け方』ってホントに刊行されてる本やろか?

〜 こんなセリフも 〜

ケイスケ「どっか行くの? 何処も同じだよ。
     みんな死んでる・・俺たちも死ぬかも知れないんだよ?」

ミキ「何かしても、何もしなくても死ぬんじゃないの?」
  「きっと“医療事故”だよ・・先生たち、適当だからさ」
  「みんな、死んじゃうのかな?」
  「私は独りがイイよ・・独りだから」
  「治らない病気で“そろそろ死にそう”って思ってたら、
   みんなが死にだした」

リョウコ「“説明”して貰えますか?」
    「死ぬワケ、ないんだよ」
    「私は“愛するこの人”の隣で死にます・・さよなら」
    「この街の人、みんな死ぬんでしょ?」
    「・・眼が見えなくなったの」

カオリ「埒が開かないから、これじゃ」
   「あたし・・産むよ」
   「もっと真剣に考えてよ」
   「どうにかして生き残る努力、しないと!」

カツフミ「“養育費を払わない”って選択肢もあるのかな?」
    「仰る通りです」

マキ「死なないように努力するしかないでしょ?」
  「だったら何で、警察とか自衛隊とか来ないの?」
  「マンツーマンで死なれるの、私、イヤだから」

ナナ「都市伝説を探って行くと、人間の色々な事が分かるの」
  「ゾンビになったんだったら、ある程度は成功じゃん“不老不死”」

サカナ「結構、死んでるらしくて」
   「深海の水・・飲む?」
   「これまでも、何人か看取って来たんですけど」
   「長過ぎて、最後まで言えなかったんですね。
    ・・もっと“簡潔”にしないと」
   「人間たちが死んだら、この地球はもっと美しい」
   「サンキュー、世界!」

ヤマさん「血がどんどん下がるなぁ」
    「スゴかったんだよ・・パニックみたいになっちゃってて」
    「そんな“取って付けたような”心配は要らないよ」
    「君に会えて良かったよ」
    「生きろ〜!」

カツオ「“2人になる”ワケにいかないだろ?!」
   「何が起こってるか、知ってます?」

エイコ「“踊りたくない時でも、踊らなきゃならない時”ってあるじゃん」
   「フレンチっぽく“アンニュイなイメージ”で」
   「写メ撮ったけど・・全然有難くない」
   「お母さん・・知らなかったんだよ、私」
   「お前・・誰だ?」

アンドレ「この手の動きだけで、随分“アンニュイ”になりますね」

ショージ「俺、君のお母さんじゃないし」
    「お尻から“何か”出て来ちゃったみたいなんですよ。
     ・・“中身”的な・・」
    「俺、そろそろ死にそうなんで」
    「何をそんなに急いでるんですか?」
    「見守って貰って、イイですよね?」
    「あ・・来てます! 来てます!」

コウイチ「俺、ちょっと“オツトメ”してて」
    「イイ事なのかも知れないけど・・何か“回復”してない?」
    「ちょっと“ワガママ”なんじゃないか?」
    「ついて来て“アレ”するか、今すぐ“アレ”するかだよ」
    「お前は、俺が護る」
    「うそ〜! アメリカもダメなの?」
    「俺は“悪い兄貴”だった」

ナイトウ「院長は不老不死の実験で“3回は生き返ってる”って噂だ」
    “マキさん、聴いて下さい”

※「一体、何から卒業するの?」

エイコ「今の、あたしのせい?」
エナリ「うん」

カオリ「こいつがいると、ハナシがややこしくなるから」
カツフミ「俺、黙ってるよ。たまに喋るけど」

ナナ「砂漠でも、雨ぐらい降るでしょ?」
マッチ「いや、降らないから砂漠なんじゃ?」

カツオ「酢昆布の粉が原因?」
マッチ「それって・・旨味成分?」

マッチ「酢昆布に毒が?」
カツオ「あれ、何処で買ったの? 生協?」

マッチ「賢いんでしょ? メガネかけてるし」
カツオ「バカ、これは遠視だってば」

マッチ「何か・・死んだみたいなんです」
カツオ「何・・これ?」

カツオ「何で逃げんだよ!」
マッチ「自分も逃げただろ?」

コウイチ「気を付けてな」
マキ「何を? 何に?」

リョウコ「死ぬまでそばにいてくれない?」
ミキ「えぇ〜? どのぐらいかかるの?」
リョウコ「分からないけど、もうすぐだから」

ケイスケ「・・殺したの?」
ミキ「見てなかったの?」
ケイスケ「・・殺したのか?」
ミキ「うん」
ケイスケ「・・何で?」
ミキ「死に始めてたし・・苦しそうだったから」

ミキ「50mより近いと“独りじゃない気”がする」
ケイスケ「そう言われると“独りじゃない気”もするけど」

ケイスケ「海・・遠いよ?」
ミキ「・・知ってる」

サカナ「僕、人と話すと、心臓がバクバクするんです」
ナイトウ「それは(病気じゃなく)性格の問題だろ」

マッチ「だってこの人、人望なさそうだし」
ヤマさん「うん・・この人はないだろうねぇ」

ケイスケ「早くこの街を出よう」
ミキ「世界中、こうなんだよ」

ショージ「有難う、世界!」
サカナ「それ、僕も言おうと思ってたのに」

ケイスケ「海って好き?」
ミキ「好きって言うほど知らないけど・・
   好きだと思う」

ケイスケ「“自分が死んだ後”に誰もいないのってイヤじゃない?」
ミキ「そんなもんかな?」

ミキ「何でついて来るの?」
ケイスケ「独りはイヤだから」

ケイスケ「・・殺したの?」
ミキ「うん」
ケイスケ「・・スゴいね」
ミキ「スゴくないよ・・良く分かんないけど」

|

« ☆『愛と誠』☆ | トップページ | ☆『幸せへのキセキ(2011)』☆ »

コメント

こんばんは。

あのラストの映像で幾つかの矛盾も吹き飛んでしまった私でしたが・・・。

>“悪夢のような1日”を耐え切り、翌朝を迎えたら・・或いは事態は(自然に)終息を迎えるんかも

そうですね。
もしかしたら、、、そこが一番残ったことかもしれません。
『ミスト』のような、最後の最後での展開も予想することは許されたわけですしねぇ。

投稿: ぺろんぱ | 2012年7月 2日 (月) 20時28分

ぺろんぱさん、お早うございます。

疲労がたまってて、ここ最近は記事を作成する時間が
睡眠時間に置き換わってます(×_×)

ホンマにしんどくなると、ハラが減ってても、
そのまま仮眠が朝まで続くものなんですね・・

>あのラストの映像で幾つかの矛盾も吹き飛んでしまった
>私でしたが・・・。

また、教えて下さい! (=^_^=)

>もしかしたら、、、そこが一番残ったことかもしれません。
>『ミスト』のような、最後の最後での展開も予想することは
>許されたわけですしねぇ。

別ヴァージョンのエンディングもあるんでしょうかねぇ。
ワタシは『ミスト』よりも『ハプニング』の方が、
本作の終盤の印象が繋がって行き易く感じてます(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2012年7月 6日 (金) 06時55分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ☆『愛と誠』☆ | トップページ | ☆『幸せへのキセキ(2011)』☆ »