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2012年6月28日 (木)

☆『愛と誠』☆

週始めの夜。
他県内の“某シネコン”で鑑賞したのは、三池崇史カントクによる(←このしと、最近“焼き直し(リメイク)”ばかりが目立つなァ〜)新作『愛と誠』である。

因みにもう1作、最後まで「どっちにしようか」迷ってたのは『レンタネコ(2011)』だったんだが・・本作の方が如何にも「気楽に楽しめ」「スッキリ出来そう」な気がしたもんで(=^_^=)

1972年、東京の魔窟(=^_^=)=新宿。
学生らの鬱屈したエネルギーが充満する“混沌の地下道(=『新宿の目』の前)”に、1人の型破りな男がやって来た。彼の名は太賀(たいが)誠(妻夫木聡)。

生まれ故郷=長野から上京して来た彼の目論みは「“自らの人生をメチャクチャにしたある人物”の人生」を粉砕する事だった。

そんな彼の前に立ちはだかったのは、名家・早乙女(さおとめ)財閥の令嬢=早乙女愛(武井咲(えみ))である。

誠は当初こそ覚えていなかったが、愛にとって誠は「6歳の頃、(信州の)スキー中の事故で生命を落としかけた自身を、重傷を負いながらも無傷で救った」まさに“命の恩人”なのだった。

一生かかってでも、誠に対する“償い”をしたいと考える愛は、両親の財力等(?)を用い、彼を“真人間”にせんがため、乱闘事件で少年院に収監された誠を出所させ、自らも通う名門校=青葉学園高等部(3年1組)に転入させる。

しかし、愛のそんな献身さを疎ましく感じた誠は、関東屈指の低偏差値校(=^_^=)=花園實業に勝手に転校してしまうのだった。

両親(市村正親&一青窈)が引き止めるのも聞かず、それを追って花園に転入する愛。

そんな愛に「叶わぬ想い」を抱き続ける、青葉学園の秀才メガネ=岩清水(いわしみず)弘(斎藤工)も、彼女を追って花園に転校するのだった。

凄まじい暴力の嵐が吹き荒れる花園實業。その影に君臨する“裏番長”の正体とは?
そして・・愛の想いは、岩清水の想いは、果たして届くのだろうか・・?

同名の劇画を原作とし、これまでにも幾度となく映像化されて来た本作(のよう)だが「ハチャメチャな物語世界」を意図的に、忠実に、ハチャメチャなままに、現代邦画に持ち込むと・・こないにも痛快に仕上がるんやね! とカントクの“したたかぶり”に改めて恐れ入った(=^_^=)

誠の額に余りに大きく遺された“傷痕”や、どう眺めても「17歳」にはてんで見えない(←それはそう言う「奇病」らしいが)番長=座王権太(伊原剛志)の存在感など、ホンマに勢いがありまくる!

一方で、今や(?)邦画界広しと言えど、三池カントクのみに赦された(?)“暴走の過剰さ”は、観客によっては「実に不快」と受け止められるのかも知んない(⌒〜⌒ι)

カントクの『カタクリ家の幸福(2002)』は、恥ずかしくも未見なんだが、かの作品で培われた(?)「ミュージカル演出」が更に洗練されてるのか(?) ・・物語の「ペラペラさ」を巧い具合にミュージカルパートが補ってる感じで、意外にも好感を持ったワタシ。

周星馳(チャウ・シンチー)監督の『少林足球(2001)』『功夫ハッスル(2004)』のように「途中で監督自身が“ミュージカル演出”に飽きてしまう」と言う“中途半端さ”もなく、終盤までしっかりと「手抜きせず」描き切ってくれてたのも“天晴れ”である(=^_^=)

その一方、クエンティン・タランティーノ監督作品に影響を受けまくってしまってるのか・・唐突な“アニメパート挿入”といった演出が、若干ハナについてもしまった。

序盤の『空に太陽があるかぎり/歌:岩清水』『あの素晴しい愛をもう1度/歌:愛』辺りの“サムさ”がちょっとツラくてイタくもあるんだが(総ての観客が「この先、我々は何処へ連れて行かれるんや・・?」なんてな不安感に襲われる事だろう(=^_^=))・・その辺を我慢して乗り切れば、次第に「気にならなくなる」からアラ不思議(爆笑)。

『悪人(2010)』でのブッキー(妻夫木)が余りに「悲し過ぎた」モノで、こう言う「“首尾貫徹”して弱くないブッキー」も、たまには爽快でエエんじゃないかなと思う。

〜 こんなトコも 〜

・「カドカワ、東映、テレ朝、ホリプロ」がタッグ! こりゃスゴいわ(=^_^=)
・三池カントクの『逆転裁判』にも出てた斎藤くん。『悪夢のエレベーター(2009)』以降、段々「イケメン」に見えなくなって来たンだが。。
・舞台が花園實業に移って以降、愛の両親や青葉学園関係者は完全に「フェードアウト」してしまった!! 何でや〜!
・「いきなり始まる、某キャラの“アニメ混じり”の回想」「“異常に汚れたトイレ”なるロケーション」「“場所移動しないまま”だらだら続くシーン」などは、余りにタランティーノ的ではありますまいか?
・“淫獣マフィア”“純喫茶・窓”“キャバレー・タヒチ”“スナック・お富”“雄CAN(ゆうきゃん)”“性病科”などの看板群のネーミングセンスがキラリ☆
・「学園ドラマ」としての展開を期待してたら・・青葉学園を去って以降、完全に崩壊してた(×_×)
・他にも『激しい恋/歌:誠』『夢は夜ひらく/歌:高原由紀』『酒と泪と男と女/歌:誠の母親』『オオカミ少年ケンのテーマ/歌:権太』『また逢う日まで/歌:ガム子』ってなミュージカルパートがあった!(サントラ参照)
・「喫茶店内で、ちゃっかり“盗撮”してた」誠の姿は、どうにも想像しにくい(=^_^=)
・「一列歩行」「私語厳禁」「脱脂綿流スベカラズ」「永久不減」とかの“壁面語録”も楽しい。
・ツルゲーネフの小説『初恋』のハードカバーをいつも抱えてる女の子って、かなり不気味だ(×_×) 『メン・イン・ブラック(1997)』に(イラストで)出て来た「深夜のストリートを“物理の本”を手に彷徨い歩く少女」と同じぐらいに不気味。。
・ダンスの振付担当はパパイヤ鈴木。「♪あ〜い〜」と歌いながら、鼻先を伸ばすような、あの奇妙な仕草は何なんだ〜?
・「弾けてる市村さん」もたまには良い!
・人にはそれぞれ“禁句”があるのだろう(・ω・)
・何処となく「水野美紀」っぽいご尊顔の大野いとちゃん(高原由紀役)。“幸の薄い感じ”がなかなかに良い。“ホリプロの新星”やろか?
・「むちゃくちゃブッサイクやな〜!」と呆れながら観てた安藤サクラさん(ガム子役)。ネットで「ご両親が誰なのか」を知ってぶったまげた! 更に、所属事務所のプロフィール写真・・結構可愛いじゃないっスか!
・余貴美子さん、伊原さん、市村さんら“ベテラン勢”の配置の仕方、それぞれの吸引ぶりが光ってた!
・長回し気味な「ミュージカルパート」「格闘シーン」も、ある意味、圧巻である!
・この調子で『潮騒』『野菊の墓』『青い山脈』『24の瞳』なんかの作品群も、次々に“ミュージカルリメイク”したらどやろ?
・ポスターの「左:微笑む武井」「右:不機嫌そうな妻夫木」・・のレイアウトが『ファイト・クラブ(1999)』を何故か連想させてくれる(=^_^=)
・スケ番連中に、スリッパでバシバシアタマをしばかれてた岩清水君の、今後の成績が心配になる(⌒〜⌒ι)

〜 こんなセリフも 〜

ジャワハルラル・ネール(インド初代首相、1889-1964)
 “愛は平和ではない・・愛は戦いである。武器の代わりが誠であるだけで、
  其れは地上に於ける最も激しい、厳しい、
  自らを棄ててかからなければならない戦いである”

誠「“お金持ちだから助けた”なんて思ったら・・ぶっ飛ばすぞ」
 「お前だよ・・お前だって」
 「やけに反抗的な眼、してやがんな?」
 「おいメガネ! お前だよ」
 「感動したぜ。あんたの思い切りの良さ」
 「“能書きの多い女”だな、お前」
 「裏番長だと? ・・アホかお前ら」
 「たった1人に、こんなに束になってよ」
 「お前と言う存在が、心から鬱陶しいんだよ」
 「トンでもねぇ化けもんだな・・彼奴(あいつ)ぁ」
 「あんたが“悲しい女”って気がするからさ」
 「あんた・・ホントに“悲しい女”だな」
 「つくづく“悲しい女”だな」
 「女だからって、容赦しねぇよ俺は」
 「あんたがいない方が、もう少しハナシは簡単なんだよ」
 「・・勘弁してくれよ」
 「だから“行かねぇ”って」
 「“2度と投げられねぇ手”にしてやろうか?」
 「止めねぇから騒ぐなよ」
 「付き合って、死んでやるよ」
 「“余りに寂しい人生”だったもんで、
  アタマおかしくなっちまったみてぇだ」
 「1度“死の恐怖”を味わった人間は、2度と自殺なんか
  出来ねぇらしいが・・まぁ、達者でやんな」
 「たく・・これだからお金持ちはよ」
 「それから・・“この事”は秘密だぞ」

愛「私は、負けないわ」
 「スポーツ万能。成績は・・ご免なさい。優秀です
 「イヤらしい事はイヤだわ」
 「(ラーメンに)卵は2ツ入れてみました・・贅沢かしら?」
 「何て説明的なの
 「此処“普通の喫茶店”ですよね?」
 「耐えるのよ・・私」
 「お客様のイヤらしい仕打ちに耐えていただけですわ」
 「いつの間に、こんな写真を」
 「貴男のために生きる・・それが私の“償い”なんです」
 「私1人が、こんな所で幸せに暮らしている場合じゃないわ」
 「来てくれたのね・・勘違いじゃないよね」

岩清水「・・悪魔のようなヤツだ」
   「君は君であればいい。君が君であるために、僕は生きる。
    つまり・・この岩清水弘は、君のために死ねる」
   「やる方向なんだね・・やる方向か・・」
   「愛する人が幸せになる事・・それが1番の幸せなんだ」
   「君は何故、そこまでして・・」
   「・・確かに、知り合いです」
   「メガネをバカにする奴は、メガネに泣くぞ!」
   「彼は何故、この東京へ?」
   「失敬な事を言うな!」
   「その言い草は何だ!」
   「それは愛だ・・無償の愛だ」
   「僕が死んでも・・彼女が助かるとは限らない」
   「僕の願いは、僕の幸せじゃない。
    彼女の幸せなんだ」
   「何処へ行くんだ? 君だって重傷じゃないか!」
   「来るよ・・彼はきっと来る」

由紀「分からない・・私にはそう言う事」
  「ちょっと・・したくなっちゃった。
   ついて来て・・早く」

早乙女「流石のパパも、堪忍袋の緒が切れた」

ガム子「基本、ぶっ殺してぇだけだし!」
   「全員、揃いました!」
   「いつまでもメロドラマやってんじゃねぇよ!」
   「流石は、このあたしが“一瞬でも惚れた男”だよ」
   「あたしもそろそろ“潮時”だな」

権太「何でや〜!」
  「“おっさんにしか見えへん病”・・かなり進んでるねん」
  「ところで、何しに来たん?」
  「何や、もっと面ろい奴と思ぅとったけど、つまらんのぅ」
  「猿、死んだ。これで“めでたしめでたし”や・・
   せやけど、このハナシには“ウラ”があるんや
  「こいつ・・めちゃ悪い奴(や)っちゃ」
  「アホな奴っちゃな〜」
  「何や・・“月光仮面”みたいやな」

店主「止めときな。あの女と関わり合って、イイ事なんか1ツもねぇ」

岩清水「メガネは“顔の一部”なんだぞ!」
誠「いや、意味分かんねぇし」

追記:そう言や、本作の鑑賞って・・「シアター内に1名だけ」でしたわ(⌒〜⌒ι)

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コメント

 こんにちは『愛と誠』関係のブログをネットサーフィンしている者です。
 今回の映画化は原作好きの者にとっては喜ばしいかぎりです。
 もしよろしければこちらのサイトにも一度遊びに来てください。『愛と誠』関係に関する出演者ブログやニュース、他の方の感想ブログのリンク一覧にまとめており、また『愛と誠』に関する書き込みならなんでも書き込んでください。
・ 映画『愛と誠』ネタバレ掲示板 http://aimako.bbs.fc2.com/
他にも
・ 『愛と誠』覚え書き      http://www.myagent.ne.jp/~bonkura/201X.html
・ 梶原一騎ファンサイト『一騎に読め!』 http://www.myagent.ne.jp/~bonkura/

投稿: 『愛と誠』愛好家 | 2012年6月29日 (金) 00時41分

『愛と誠』愛好家さま、初めまして。

また遊びにうかがいますね。

原作ファンにとっては、歴代のどの「誠」が人気なのでしょうね?

投稿: TiM3(管理人) | 2012年6月29日 (金) 00時47分

 ヒデキ・誠に思い出のある私にはどうにもブッキーさんの誠がしっくり来ません。どちらかと言えば外見は岩清水クンのほうが近い気がするのですが、それだと面白くないのでしょうね、きっと。
早乙女愛と太賀誠の純愛は貫かれているのでしょうか。それとも、もはやそういう作品世界ではないのでしょうか。^_^;

ところで…高原由紀の必殺技「バンドしぶき浪の花」は出てくるのでしょうか。

投稿: ぺろんぱ | 2012年6月30日 (土) 06時25分

ぺろんぱさん、にちわです。

ジメジメしますねぇ・・

>ヒデキ・誠に思い出のある私には
>どうにもブッキーさんの誠がしっくり来ません。
>どちらかと言えば外見は岩清水クンのほうが近い気がするのですが、
>それだと面白くないのでしょうね、きっと。

ヒデキ、感激!(意味不明)
劇場版では「初代」があのしとだったみたいですね。

岩清水が「裏番長」だと思ってたので、その点は肩すかしを喰らいました(←考え過ぎだっての)

>早乙女愛と太賀誠の純愛は貫かれているのでしょうか。
>それとも、もはやそういう作品世界ではないのでしょうか。^_^;

誠から愛への気持ちは、ハッキリセリフには出て来なかったような。
誠の行動を眺め、観客それぞれが想像(解釈)するしかないのでしょう。

>ところで…高原由紀の必殺技「バンドしぶき浪の花」は出てくる
>のでしょうか。

なかったような・・単なる(?)飛び道具でした(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2012年7月 1日 (日) 15時09分

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