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2012年6月 1日 (金)

☆『マリリン/7日間の恋(2011)』☆

30日(水曜)の夜。
仕事を終え帰宅し、夕食後にクルマを出し“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと向かい、レイトショーで鑑賞したのは、香川県内ではこのシネコンのみにて「2週間限定(5月26日〜6月8日)」で公開中の『マリリン/7日間の恋』である。

前々から「何とか時間を捻出し、観たい!」と考えてたモノで、多少の無茶をしてでも鑑賞が叶って良かった!
シアター内こそ、ワタシを含めても男性2名+女性5名ほどのわずかな観客数しか揃わなかったが・・なァに「分かる者が観れば、それで良い」んである(・ω・)

後年、映像作家とし成功をおさめるコリン・クラークが、青年時代に体験した真実の物語。

1956年。渡英したマリリン・モンローは、名優=ローレンス・オリヴィエ(愛称:ラリー)が監督・主演する『王子と踊子』の撮影現場にヒロイン=エルシー・マリーナ役として参加する。

時をほぼ同じくして、ロンドンにある「オリヴィエ・プロダクション」に“サード(第3監督=何でも屋の雑用係)”とし採用されたばかりの当時23歳の青年=コリンは、ラリー(ケネス“ラヴレス”ブラナー)との撮影現場に馴染めず、次第にナーバスな精神状態に陥って行くマリリン(ミシェル・ウィリアムズ)に近付く機会を得るのだった・・

“比較的短め”な上映時間の中に、マリリンの人生観&私生活(の片鱗)や、女優として漂わせる“陰翳”なんかを余す事なく(?)練り込んでて、期待以上の1作に仕上がってた!

「第84回アカデミー賞」における“主演女優賞”は、誰もがご存じ(?)のように『マーガレット・サッチャー/鐵の女の泪(2011)』のメリル・ストリープが獲ったワケだが、ワタシとしては本作の方が「メイク技術(=老けメイク)に逃げてない点」「主演女優とその演技の、総じての瑞々しさ(=若々しさ)」「(老若の)ダブルキャストに逃げてない点」に於いては、ハッキリ勝ってたと思う次第で(・ω・)

どうにも、これまでの出演作(『ブロークバック・マウンテン(2005)』とか『私が2度愛したS(2008)』とか『ブルー・ヴァレンタイン(2010)』とか)で観て来たミシェルの“なんか腫れぼったい眼をしたご尊顔”がイマイチ好きになれず、彼女がどうこうって言う部分には(そもそも)何の関心もなかったんだが・・本作における彼女の存在は、妙にワタシのツボにハマった感じで良かった!

何だか、本作のインパクトがデカ過ぎ、今後の女優人生に(大きく)影響してゆくんではないか・・とまで心配になってしまう。

バックショット系ながらも「良い脱ぎっぷり」だったし「弱そうに見え、その実“したたか”なんかも?」「何だか、精神的にかなり切羽詰まってはるンかも?」って感じの“何かが演者自身の下地になければ、なかなかそこまで表現し切れないであろう(かも知れない)”演技(言動)の数々が、ホンマに突き抜けもし輝いてた。

その一方、彼女と対峙する(させられる?)事となる“史上最高の舞台俳優”オリヴィエを演じた「ユアン・マクレガーが老けたらこんな風になって行きそな(=^_^=)」ケネス氏の「マリリンに対し、苛立ちや嫉妬や敬服、その他あらゆる感情をぶつけて行く」的な言動の数々も“天才vs天才”のレベルの高さが終始漂ってて、ある種の緊迫感に満ちてた!

この辺りの“演技バトル”の高め方、盛り込み方が好きだった。

何だか『ピンポン(2002)』に於ける“天才論”をある意味、彷彿とさせてくれてワクワクしたモノだ。
他で言えば『海の上のピアニスト(1998)』や『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(1997)』にも何処か通じる“あの感じ”である。

何はともあれ・・「マリリン・モンローにさほど詳しくない」が故、ご本人のイメージと(半ば)切り離したままで鑑賞出来たのは良かった(=^_^=)

『お熱いのがお好き(1959)』と『バス停留所(1956)』ぐらいしか観てないからなァ・・せめて『イヴの総て(1950)』程度は観とかないと、マリリンを語る資格なぞ、ワタシには全くないンだろう・・(×_×)

〜 こんなトコも 〜

・当時のマリリンは30歳。ご存命なら今年で86歳。どうやらあの「菅井きん」さんと同い年らしい(⌒〜⌒ι)
・本作も字幕担当は戸田奈津子女史。和訳テクは地味だが、比較的良い仕事をしたはったと評したげたい(←ナニをエラそうに!)。
・コリンの好んだ映画人は「アルフレッド・ヒッチコック」「オーソン・ウェルズ」「ローレンス・オリヴィエ」の3人。
・セリフにのみ登場の「ノエル・カワード」はイギリスの俳優・脚本家らしい。
・「オリヴィエ・ブロの電話番」から始まったコリン。当初は“かなりの自腹”を切ってたようで、結局は“名門の御曹司”としてのパワー(資金)をガンガン使ってたようにも思える(⌒〜⌒ι)
・マリリンの3人目の旦那=アーサー・ミラーを演じてたのはダグレイ・スコット! “ショーン・アンブロウズ兄貴”じゃん!
・オリヴィエは「自身の名を冠した煙草」を吸ってた! 史上2番目の「俳優名のブランド化(銘柄)」だそうで。で、1番手は誰やろ?
・オリヴィエの妻はヴィヴィアン・リー!(当時43歳) 演じてたのはジュリア・オーモンドさんなんですね。。あの「老けぶり」がメイクだと良いんですが・・(そう信じたい)
・オリヴィエとヴィヴィアンの共演した舞台劇『眠れる王子(1953)』の映像化が『王子と踊り子(1957)』らしい。
・「赤狩り」ネタにも触れられてた。
・“メソッド演技”の第一人者=ポーラ・ストラスバーグの“枯れ具合”も、ヴィヴィアン同様に半端なかった(×_×)
・写真家=ミルトン・グリーンは、それなりにマリリンに寄り添い続けたようだ。
・“グルシェンカ”って何の作品のキャラかと思いきや『カラマゾフの兄弟』だったのね(×_×)
・ポーラの週給は2500ドル! 一方、コリンの家賃は週に3ポンド。
・爵位“デイム”を持つ老女優=シビル・ソーンダイク役にジュディ・デンチ。彼女自身もリアルに“デイム”に叙せられてはったりする。
・「モラヴィア」ってのはチェコ共和国の東部の名称らしい。因みに西部が「ボヘミア」だと。
・マリリンの記憶に残り続ける「ジョニー・ハイド」とは何者?
・劇中で歌われた“Heat Wave”は『ショウほど素敵な商売はない(1954)』で、“That Old Black Magic”は『バス停留所(1956)』で歌われていたナンバーである。

〜 こんなセリフも 〜

マリリン“寒暖計が上がってゆくのは、このあたしのせい”
    「胸元を出し過ぎ?(too much?)」
    「“こんな顔”で赦してね」
    「役を理解出来ないの・・嘘っぽいわ」
    「貴方はとても若くて・・穢(けが)れがないわ」
    「貴方はあたしをスパイしに来たの?」
    「貴方は誰の味方?
    「マリリンと呼んで」
    「あたしが恐いの?」
    「助けて欲しいの」
    「貴方は“状況の両面”を知っている
    「庭の茂みに新聞記者が隠れてるかもよ?」
    「あの撮影所には嫌な雰囲気を感じる」
    「さぁ、冒険旅行に出発よ!」
    「1週間ずっと“好きな事”だけをしたいわ」
    「あたしもホルバインの描いた絵のように、
     400年間、今のままでいたいわ」
    「娘は母に“可愛い”と褒められる事で、
     母の愛を知るのよ」
    「年下の人とのキスは初めて。
     ハリウッドはオジさんばかりよ」
    「まぁ! それが“イートン校のマナー”なの?」
    「最高のデートにするわ」
    「本当のデートは13歳が最後だった」
    「本当のパパが誰だか分からないから、
     リンカーンをパパにしたの」
    「貴方は幸せね。ご両親に愛されてる」
    「“普通の女”として愛して」
    「女神だなんて」
    「あたしが愛した男は、皆去って行くわ。
     マリリンが“幻”だと分かると、皆逃げて行くの
    「貴方は違う。“そう言う男”じゃないわ」
    「素敵・・“重ねたスプーン”みたい」
    「車みたいにすぐエンジンがかかるとでも?」
    「この仕事が終わったら、彼の良い奥さんになるわ」
    “初恋って、甘くて辛いものよ”
    「あたし、病気だったの。でも努力はしたわ。
     あたしだけを責めないで欲しい」
    “この先どうするか・・あたしは貴方に恋をする。
     忠告しておくわ。あたしはそう言う女なの”
    「発つ前にお別れを」
    「味方してくれて有難う」

ラリー「彼に給料を払ってやれ」
   「彼女に“メソッド演技”を教え込む必要はない」
   「名優の諸君、芸術作品の創造に挑もうではないか!」
   「監督が2人存在するのか? この現場には!」
   「私に“彼女を輝かせる力”があればいいが」
   「何故いつも遅刻を?! この私だって“スター”だぞ!」
   「NGから学ぶべきだ! 私の我慢が分からんのか?!」
   「君はただセクシーであればいいんだ。得意だろ?」
   「役者人生は恐怖との戦いだ。恐いのは皆、同じだ」
   「周りの連中は、すぐ彼女に薬を飲ませる」
   「こんな“軽いコメディ作品”に、昼過ぎまで役作りを?」
   「別の煙草を呉れ。“オリヴィエ”の味はヒド過ぎる」
   「覚えておけ。年をとっても、女の自尊心は傷付くのだ
   「スクリーンの私は眼が死んでいる。よみがえろうとしたが、
    彼女の輝きが映し出すのは、私の欠点だけだ」
   「忠告しよう・・彼女に助けは必要ない
   「その行いはどうあれ、彼女には敬服する」
   「“何故、彼女が此処にいないのか”それを調べて来い」
   「今日は1時間の遅刻か・・まだマシな方だな」
   「“彼女を変えよう”なんて試みた私が愚かだった」
   「だから、彼女はあんなに不幸なのだ
   「監督業はこれまでだ。次はジョン・オズボーンの
    舞台劇をやる」
   「この世界を知っただろ?」

コリン“人生で初めての仕事のハナシをしよう”
   “23歳の時、映画の仕事に関われるチャンスが到来した”
   「こう言う事もあろうかと、実は2軒を借りておきました」
   「見つかったら、逮捕されるよ」
   「明日は本当の貴女を見せて。
    ラリーを唸らせる演技を見せて」
   “僕に出来るのは、眼を閉じない事だけだった”

ヴィヴィアン「“愛してくれる人”が減って行くの。いずれは貴方も」
      「ラリーが求めるのは“真実”だけなの」
      「あんなに美しいなんて・・スクリーンが輝いてるわ」

シビル「“若さ”って良いわね」
   「カメラの前でどう演技するのか・・
    貴女はそれを知っているわ」

ミラー「私には彼女を護ってやれない・・一緒だと仕事が出来ない。
    彼女に喰い尽くされてしまう

ルーシー「“サード”は、仕事よりナンパが目的なんじゃ?」
    「信じてたのに」
    「私なんかより、もう少し上を狙ったら?」
    「頑張ってね」
    「心が傷付いた? なら良い薬だったわね」

ポーラ「役の置かれた状況を信じないと、演じられないの」

※「組合に入れる条件? 此処は“仕事がしたい”なら入れる世界さ」
 「小道具に勝手に触るな! ストを起こすぞ!」

ミルトン「彼女の部屋に10分いられりゃ、キスだって抱擁だって出来るさ」
    「大人になれ、小僧(Grow up,kid!)」
    「火傷する前に身を引け」
    「深みにハマるなよ」

ロジャー「彼女は行動が気まぐれなんだ。酒? それもある」
    「マリリンが君を呼んでる」
    「君もすっかり大人になったな」

店主「グレース・ケリーと相部屋になるが、我慢してくれ」

プロスペロー“眠りが我々の儚い人生の仕上げをする”

記者「“ベッドの中では、香水しか身に付けない”と?」
マリリン「ここはイギリスだから、ヤードレー(の香水)にするわ」

マリリン「ポーラを呼んで!」
ラリー「まただ!」

ポーラ「役に入るのに、チャップリンは8ヵ月かかるそうよ」
ラリー「この状況が8ヵ月も続けば、私は自殺する」

マリリン「勉強なさいな、学生さん。鞭打たれるわよ」
生徒「あなたの鞭なら!

コリン「マリリンを棄てては?」
マリリン「そんな事、出来ないわ」
コリン「こんな狂った世界・・」
マリリン「・・あたしも狂っていると?」
コリン「このままじゃ、幸せは掴めない」
マリリン「あたしは幸せよ」

マリリン「あたしを忘れないで」
コリン「・・忘れるなんて」
マリリン「スタッフは(あたしを)忘れたがってる」
コリン「それは“本当の貴女”を知らないから

追記1:リー・ストラスバーグ、ポーラ・ストラスバーグ、マリリン・モンローと言う“アクターズ・スタジオ”“メソッド演技”一派と“反メソッド演技”を唱えるオリヴィエとの戦いは「メソッドかどうか」を超越したトコで、女優マリリンがオリヴィエ、ヴィヴィアンを圧倒し「幕」となったようにも見受けられた。で、ホントのトコ“メソッド演技”って、現代演劇界ではどないな評価なんやろ?

追記2:あの“ハーマイオニー・グレンジャー”が、すっかり成長したんやねぇ。系統的に(若い頃の)リース・ウィザースプーンや、ジェニファー・ジェイソン・リー辺りの雰囲気を感じました(⌒〜⌒ι)

追記3:本作のジュリアに『ブラック・スワン(2010)』に於けるウィノナ・ライダーのイメージを、ミシェルに『シカゴ(2002)』に於けるレニー・ゼルウィガーのイメージを(何故だか)重ねてしまった(・ω・)

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コメント

子供の頃、大嫌いなハリウッド女優だったのに
彼女の年齢を超えた時から大ファンになってしました。
といいながらも出演映画をまともに観たのは
『百万長者と結婚する方法』と『帰らざる河』くらいです。

今回、冒頭のショーのところは鳥肌立ちました(笑)
よく似てました~^^

投稿: ituka | 2012年6月13日 (水) 22時50分

itukaさん、ばんはです。

ワタシはバスタブの中から、上目遣いに見上げる表情が
とてもキュートで気に入りました(=^_^=)
似てないトコもあったけど、良かったですね〜

>子供の頃、大嫌いなハリウッド女優だったのに
>彼女の年齢を超えた時から大ファンになってしました。

大人になった、と言うことなのだよ、それが (←ナニをエラそうに)

>といいながらも出演映画をまともに観たのは
>『百万長者と結婚する方法』と『帰らざる河』くらいです。

その2作、観てな〜い(×_×)
私的には『お熱いのがお好き』がイイですね〜

モンローが絡んでるワケじゃないんだけど、エンディングの「オチ」
のトコが最高に面白くて衝撃的でした(=^_^=)

あんなオトシ方は、なかなかありませんて。

>今回、冒頭のショーのところは鳥肌立ちました(笑)
>よく似てました~^^

どうにも『シカゴ』を思い出してしまいました(=^_^=)
ロキシー・ハートだったかな?

投稿: TiM3(管理人) | 2012年6月15日 (金) 21時08分

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