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2012年2月 2日 (木)

☆『恋の罪/Guilty of Romance(2011)』☆

31日(火曜)の夜。
残業っぽくなってしまい・・職場を後にしたのは、20時を少し回った頃だったろうか。

空腹だったし「さっさと帰宅する案」もあったんだが・・
ちょいと気になる作品が公開中だったもんで“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと向かい、その1作を観て来た。

前作『冷たい熱帯魚(2010)』鑑賞以来、何となくトリコになりつつある(=^_^=) 脚本と監督=園子温(そのしおん)による新作『恋の罪/Guilty of Romance』である。

以前「浜村淳さんがお礼を言ったはるようなタイトル」の某ラジオ番組(=^_^=)内で本作が取り上げられ、やはりワタシの心と股間の(おい!)アンテナに“変化”をもたらしそうになったのは・・「水野美紀さんがオールヌードに!!」って点であった。

いや、、本作の刮目すべきポイントは、決してそこ(だけ)じゃないんですけどねぇ(・ω・)

東京都渋谷区円山町・・“立ちんぼ”と呼ばれる街娼(娼婦)が、行きずりの“性”を営み日銭を稼ぐラヴホテル街。
そんな街の片隅で、21世紀の直前に起きたとある猟奇殺人事件・・

・・

【1】

温和な夫と好奇心旺盛な小学校の娘に囲まれながらも、とある不倫関係から抜け出せないでいる渋谷西署(殺人課?)勤務の女性刑事=吉田和子(水野)。
ホテルのシャワー室で、パートナーとの“濃厚な性愛”に耽る彼女を呼び出したのは、署からの「とある事件」の知らせだった。

雨の降る、夜の渋谷区円山町。
その一角(35番地)にある廃アパート「スメラギ荘」の一室(101号室)で見つかったのは、2体のマネキン人形にそれぞれ上半身と下半身を繋ぎ合わされ(巧妙に)飾り付けられた、死後約10日の女性の切断遺体だった。

そして、現場の壁には、大きく「城」と言う文字が赤色で殴り書きされてもおり・・

頭部及び両腕、両膝下が見つからない事から、被害者の身元が容易に特定出来ず、捜査は間もなく行き詰まってしまう。

「10日以内の行方不明(届出)者」をピックアップし、現場周辺の“紹介所”を写真を手に聞き込み開始する吉田と部下=木村刑事だったが・・

【2】

夫が高名な官能小説家=菊池由紀夫(津田寛治)である専業主婦=いずみ(神楽坂恵)は「午前7時に自宅を出て“戸外で執筆活動に励み”午後9時きっかりに帰宅する」決まり切った夫との生活に、次第に息苦しさを覚え始めていた。

そんなある日、彼女はパート勤務を始めたばかりのスーパーのウインナー売場で、土居エリと名乗る「映像スタジオ『EVE』」のスカウト女性に「モデルにならないか?」と誘いを受ける。

【3】

東都大学・日本文学部の助教授=小沢美津子(冨樫真)は、高名な画家を父に持つ才媛だった。
「とある経緯」を経て、いずみと対面する事になる美津子だが、そんな彼女には“ある倒錯(屈折)した秘密”があるのだった・・

冒頭から「A Sono Sion's Film」とドカンと表示されるオープニング。

「ラヴホテルとは、、」「ラヴホテル街とは、、」なんてな「んな事、分かってますけどォ・・」な解説が字幕でせり上がって来たりもし、ややテンポのもたつきを覚えたりもしたが(⌒〜⌒ι) 猟奇事件の始まる(発見される)トコから物語が始まる“導入部のインパクト”はなかなかだった!

物語自体は大きく「5ツのチャプター」に分かれており(その辺りは『呪怨(2003)』を想起させられた(⌒〜⌒ι))
それぞれに「菊池いずみ」「城」「小沢美津子」「魔女っ子クラブ」「おしまい」の各タイトルが冠されている。

主人公(ヒロイン)が2人存在する物語・・とも解釈出来る本作だが、その2人の繋がりがさほど巧妙でなく「いずみ篇」の丁寧さに比べ「和子篇」の仕上がりがどうにも雑に見受けられた。

物語の“軸”部分に「文学(詩)」「家族」「生(性)」ってテーマが流れてるんだが・・もっと静かに&丁寧に綴っても良かったトコを、全編に渡って「グロテスクな性描写」が覆い隠してしまっており、その点で「一過性な作品」っぽい出来に傾いてしまってるのが残念ではある(・ω・)

「フツーの人間」がとある「悪」に出逢い、交わる事で・・どんどん「朱に染まり、イキイキと輝き始める」って展開は『冷たい熱帯魚』に酷似したテイストがあったが、より表面的な描き方に分かり易く終始してる感じだったか?

でも、久々に津田寛治さんの「水を得た魚」のような言動が拝めた事は嬉しかったな(=^_^=)

決して万人には勧められないが・・「退屈さを感じている専業主婦の方」の感想なんぞを、是非きいてみたい作品ではある。

〜 こんなトコも 〜

・猟奇的でインパクトあり過ぎな殺人事件が起こるが・・その「真相」はハッキリと描かれぬままだった(・ω・)
・“刃物を隠し持った人物”を(あの場で)放置しとく警察ってあるんやろか?
・男性キャラ陣の、総じての「影の薄さ」って何やろ?
・美津子&いずみの「ベンチでの語らい」や、美津子&その母の「食卓のシーン」は、本作最大の見所と言える!
・激しいセク〜スシーンがエスカレートして行く展開だが、私的には「鏡の前で全裸になり発声練習(?)してるいずみさん」辺りの(映像)演出が、最も(フツーに)興奮出来た気がする(=^_^=)
・『ピアニスト(2001)』以来、久々に「女性の野外放尿シーン」を拝見した!(観てて嬉しくなるワケでもないが、、)
・突き抜けた“下劣な悪(←“悪”と断言して良いのか分かんないけど)”が登場するんだが・・更にそれを圧倒する勢いの“悪”が現れ、その両者がぶつかるが故、互いが“相殺”されちゃってた気もして惜しかった。
・和子自身を巡る「物語」のまとめ方は・・やはり何と言うか「薄い」。
・絨毯に蛍光色(ピンク)の残ってた「とあるしと」に関し、それ以上の“追求”はなされなかったんやろか?
・園監督による最新作『ヒミズ』にも、俄然興味がわいて来た! 本作の興行成績次第で、高松上陸も(充分)有り得るとみた!
・終盤の“ご対面”は余りに出来過ぎな気もした。
・菊池由紀夫の小説の1ツが『夜の動物園』と言う作品名だが・・高松に実在する「とある店」を思い出し、苦笑させられた。他に『男と女の形而上学』って作品もあったりするようで。
・美津子さんのセリフ「お前はきちっと堕ちて来い!」は、有名な「その火を飛び越して来い!」に負けぬインパクトがある(=^_^=)
・冒頭の事件現場の雰囲気が『セヴン(1995)』ぽくも『イノセンス(2004)』ぽくも見えた。
・いずみの(日記を通じての)「独白」ぽいトコは・・何となく江戸川乱歩の『人間椅子』と言った作品世界を想起させる。
・大久保たちの“逃げ足の速さ”は凄まじい!
・水野さんのヌードも、冨樫さんのヌードも・・ちょいとバストが(ワタシの期待に反し)残念な感じだった(×_×)

〜 こんなセリフも 〜

美津子「“城”に辿り着こうと、人はグルグルと彷徨ってるのさ」
   「まだ“城”の入口を見た者はいない」
   「闇は、影より濃いから」
   「本当の“城”の入口は別にあるの」
   「5000円でイイから、あたしとしない?」
   「仕事の後は、こうやってカーペットを丸めるの」
   「セックスに、乾杯!」
   「愛がなければ、カネをとらなきゃダメじゃない!」
   「今はまだ、何も言わなくてイイわ」
   「あなたは、あなたの事をもっと良く知らないと。
    “大変な所”に行っちゃうから」
   「大学の授業なんて、カラダに入って行かないから」
   「“本物の言葉”は1ツ1ツ、カラダを持っている。
    言葉はみな、肉体を持っている。
    総ての単語は、意味を持っている」
   「“涙”と言う言葉の意味を知らなければ、
    これは只の“眼から流れる水”に過ぎないの」
   「愛と言う言葉が、罪と言う言葉が、
    カラダを持ってるの」
   「秘密を持っている人は、他の人の持つ秘密も
    慎重に扱ってくれるの
   「“何故?”と訊きたくて、ウズウズしてる顔ね?
    理由なんてない。“城”よ・・“城”なのよ」
   「言葉がカラダを持たないの。まだ言葉にカラダが
    ついて来てないの・・だから戸惑うの。
    今は、待ってなさい」
   「今日は・・“あたしの夜”を見ててね」
   「“客”は、すぐにつかまるから」
   「受け止めるのよ!」
   「拾いなさい! 早く!」
   「今こそ“言葉が意味を持つ”瞬間なの」
   「お前はきちっと堕ちて来い!
    あたしのとこまで堕ちて来い!」
   「夜はまだまだ長いのよ」
   「この5000円は、大事にしな」
   「罪だと思ってるだろ?」
   「愛する人とのセックス以外は、
    カネを介在させなきゃダメよ」
   「くそババア・・早く死ねよ・・!」
   「ガタガタぬかす位なら、最初から焼くな!」
   「こいつはコレが好きなのさ」
   「このボケ〜!」
   「私は“城”に辿り着きたい。けど辿り着けない。
    永遠に無視する事も出来ない。
    入口を探して、一生彷徨うの、
    誰かが・・私を※してくれる迄」

和子「そのまさかが、まさかなのよ・・女は」
  「・・分からん」

由紀夫「うん、イイ位置だ。どんどん上達してるね」
   「じゃあ、行ってきます」
   「うちはイプセンの『人形の家』じゃないんだから」
   「言い訳はいいよ」
   「最高の石鹸は? フランスの
    『サボン・ド・マルセイユ』だと言ってるだろ?」
   「そこに立って、僕の肉体を見て行きなさい」
   「とても柔らかいね・・顔が」

いずみ“無性に何かがしたい。そればかりを考えている。
    このどうしようもない気持ちを、
    何とか鎮めたい”
   “ぐっすり眠れる時が来たら、この日記は終わる。
    早くこの日記をやめたい”
   「いらっしゃいませ! 如何ですか?
    美味しいですよ! 試食してみませんか? どうです?」
   “言葉は・・無効
   “カネを介在させると、セックスの立ち位置が明確になる”
   “日記は今日で終了・・私は解放された”

伊丹店長「今日は、声が張ってるね」

エリ「女性の美しさを撮りたいの。
   あなたには“美の素質”があるわ」
  「迷ってると、時間はあなたを追い抜くわよ
  「はい、5万円。スーパーの10倍よ」

真木「何か“演技”だとクスぶっちゃって」
  「今日はガンガン行っちゃうよ?!」

カオル「僕と、どっか行きません?」
   「ごめん・・ホテルで乾かそう」

※※「このビッチ・・ヒイヒイ言ってたくせに」
  「したいか? 今すぐしたいか?」
  「良く出来たな・・それでこそ“俺の女”だ」
  「ガタガタぬかすなよ。
   こんな事で、家庭を危険にしたくねぇだろ?」
  「いつだって、俺が欲しいんだろ?」
  「“下品な部分”を切り取って、
   閉じ込めてあげたんですよ」
  「お前にとって、今は私が“城”なんだ」
  「惨めじゃねぇよ!」
  「ラクになりてぇんだろ?
   ラクにしてやろうか?」
  「大いに手伝って頂いたお陰でね」
  「私の出番だね」
  「早くしろって言ってんだよ、坊主!」
  「首絞めろって言ってんだよ!」
  「何やそれ・・けったいな女や」

港区の女「あたし、女になれるかな?」
    「ちゃんと見てて」

母「※※の方は巧く行ってるの?」
 「まだ上品さが残ってますもんね。
  これからどんどん下品になって行くのですね」
 「間違いありません」
 「ほら、全部ここに揃ってますよ」
 「何て汚らわしい事でしょう」

由紀夫「どうだ? 僕のカラダは
    前よりちょっと、だらしなくなってるか?」
いずみ「どんなカラダになっても・・好きです」
由紀夫「久しぶりに、僕のおち※ち※を触ってみるかい?」

美津子「こいつから、カネとる?」
ようこ「とります!」

田村隆一『帰途』より
   “言葉なんか、覚えるんじゃなかった。

    日本語と、ほんのすこしの外国語を覚えたおかげで、

    僕はあなたの涙の中に立ち止まる”

追記:水野美紀のヌード「のみ」が気になる貴兄は・・冒頭だけは観逃してはなりませぬぞ!(=^_^=)

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コメント

こんにちは。
園子温監督の映画って、鑑賞にある種の覚悟を要する気がします。
観ていないので知ったかぶりはできませんが、何となくその放たれているオーラから察して、です。本作も別作品の予告編で観て、畏怖の念を抱いてしまった次第です。
水野美紀さんは好きな女優さんなのですけれど。

『ヒミズ』は震災への想いや主演のお二人の受賞で話題にもなったしきっと「上陸あり」と思いますよ。
またレヴューを楽しみにしています。

投稿: ぺろんぱ | 2012年2月 4日 (土) 11時03分

ぺろんぱさん、お早うございます。

10時間ちかくも眠ってしまいました(×_×)
長距離移動やら何やらで疲れてたみたい(⌒〜⌒ι)

>園子温監督の映画って、鑑賞にある種の覚悟を要する気がします。
>観ていないので知ったかぶりはできませんが、何となくその
>放たれているオーラから察して、です。本作も別作品の予告編
>で観て、畏怖の念を抱いてしまった次第です。

そうですね。暴力&性描写にはこだわりもあり「徹底」してる印象が
ありますね。奥さんにムチャクチャな怪演(?)を
容赦なく指導するとこなんか、
どんな私生活をしてはるんやろ? と興味津々です(・ω・)

でも、巧い加減でオーバーに演出してくれるので、凄惨なんだけど
ちょっと愉快になって来るような・・そんな『ブレインデッド』を
観た時のような感触が味わえます(⌒〜⌒ι)

>水野美紀さんは好きな女優さんなのですけれど。

ワタシも、某格闘ゲームにおける、某キャラを演じてはった頃から、
何となく好きでした(照) 何処か憂いや気だるさをたたえた表情が印象的です。

>『ヒミズ』は震災への想いや主演のお二人の受賞で話題にも
>なったしきっと「上陸あり」と思いますよ。
>またレヴューを楽しみにしています。

そうですね!
しかし、ムチャクチャ「早撮り」やなぁ・・

投稿: TiM3(管理人) | 2012年2月 4日 (土) 11時43分

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