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2011年10月24日 (月)

☆『一命【3D版】』☆

22日(土曜)の夜。

クルマに乗り“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと行き“ハシゴ鑑賞”を敢行した2本目は、
三池崇史監督による時代劇『一命(いちめい)』である。

時代劇初の“3D作品”って事で多少は期待してたんだけど、ホンマに「3D仕様にする意味」が全然ないと言うか・・そもそも「活劇」としてジャンル分けされるモノでもなかった気がする(×_×) 「問題作」って言う事は、確かに分かるけど。

寛永7年(1630)12月。名門・井伊家の屋敷の門を、津雲半四郎(つくもはんしろう:市川海老蔵)と名乗る浪人(元・広島藩士、福島家)が叩く。
彼は家老=斎藤勧解由(さいとうかげゆ:役所広司)に「切腹をしたいので、当家の玄関先を拝借したい」と申し出る。

斎藤はそんな津雲に対し「2ヵ月前に当家を訪れ、全く同じ申し出をした浪人=千々岩求女(ちぢいわもとめ:瑛太)がいた事」を告げると共に、彼に対し行った処分を語って聞かせる。

話を聞き終えた津雲は、平然とした様子で、斎藤や側近=田尻(竹中直人)に「最期に1ツだけ。出来ますれば・・介錯人を※※※※※殿にお願いしたい」と申し出る。

そしてその理由を語り始めるのだった・・

鑑賞後に知ったが(=^_^=) この作品もまたリメイクらしい。監督:小林正樹、主演:仲代達矢による『切腹(1962)』が元になってると。(原作:滝口康彦著『異聞浪人記(1958)』)

元の方が、三國連太郎(斎藤役)、岩下志麻(美穂役)、丹波哲郎(彦九郎役)・・と、妙に俳優陣にワクワクさせられるんだけど(⌒〜⌒ι)

本作は「サムライの面目とは何か?」を問い、武家社会・武士道精神の抱える“矛盾”をテーマに「家老と浪人(=いわば、武士階級の上層と下層)が対峙する」物語なのだが・・平成のこの時期に、この仕様で、企画・製作された事が、正直良く分からなかった。

結論なんか出ないし、観終えて心が晴れるワケでもない。
三池監督が撮るべき、三池監督でなければ撮れない作品は「本作とは全く別なトコ」にあるんじゃないやろか? と感じたのはワタシだけやろか?

津雲の回りくどい(?)行動や、総てを語り切ったとも思えない心情。
それに対する、斎藤の「徹底的に思考停止した価値観」ってのも、妙に不愉快だった。
と言うか、役所さんならではの「持ち味」が生かされてなかったんじゃないかな、とか。

前半で描写される、瑛太の「切腹シーン」が妙にキツくて、観てて貧血を起こして倒れそうになってしまった。
いや、実際には、大した描写じゃないんだが・・想像力(妄想力?)の有り過ぎるしとには、刺激が強過ぎると思う。
(ホンマにキツかったのは“決意”してからの美穂ちゃん(演:満島ひかり)だったんやろけど、、)

三池さんの中に「“時代劇と言えば、山田洋次監督”ってな図式をぶっ壊してやろう!」的な目論みがあるのかどうか、そこは良く分かんないんだけど・・「エンタテインメント」を優先するなら(「3D仕様」と言うスペックだけから判断すれば、本作は「娯楽作」を狙ってる筈なので)もう少し「観終わって、気持ちの明るくなる物語」を選び、手がけて欲しい・・と思ったのだ。

〜 こんなトコも 〜

・ナニを勘違いしたか、チケットを買い求める際「最終上映の『いちみょう』を1枚」って言ってしまった。。まず、ちゃんと読めてないじゃん!(×_×) ←タイトルは『いちめい』です、ハイ。
・京都の「南禅寺」「化野(あだしの)念仏寺」がロケ地になってた。
・時代劇=庄内映画村・・と来ればセディックインターナショナル(=経営母体)に繋がって来るんやね☆ 観光地としても賑わうだろうし、巧いやり方だなァ!
・海老ちゃんのセリフがボソボソとし過ぎ(×_×)
・殿中を歩く斎藤の動きには“とある特徴”が。アレってば、戦(いくさ)によるモノか?
・斎藤の飼っている白い猫が印象的。ペルシャ猫じゃないのね(=^_^=)
・「壊れた木魚」にちょこんとおさまってる野良猫も可愛かった。
・本作を観ると・・「栄螺(サザエ)」が喰いたくなる!
・「傘張り」「竹光(たけみつ)」などの演出は『たそがれ清兵衛(2002)』で既に観たモノなので、さほど「新鮮さ」はなかった(⌒〜⌒ι)
・津雲の剣術の強さがハンパない! 内職なんかせずとも、武芸指南役とかで(藩に)仕官する事は叶わなかったんか?
・一方で、寺子屋の経営って、あそこまで悲惨なモノだったんやろか。
・広島城の“破却沙汰”に関する史実を、物語に巧く盛り込んでると思う(元和3年(1617)〜5年(1619))。
・当時の広島藩は49万8200石。572名を抱えていたと言う。
・「世話人」と「見届け人」の役割の違いが、分かりにくかった(・ω・)
・千々岩家に伝わる宝刀は、刀工・和泉守兼定の手によるもの。
・昔の子供は「お先に頂戴します!」と礼儀正しい(=^_^=) ←今はアカンのかい!
・地面に這いつくばって、割れた卵を吸うあのしとが悲し過ぎる・・
・傘6本を50文と交換してた津雲。1両=4000文と言う当時の相場だから、薬代=3両と言えば、傘1500本ぶんぐらいに相当したのか(×_×)
・竹中直人さんの持ち味は、余り生かされてなかった(×_×)
・連想したのは、やはり『HERO/英雄(2002)』だろうか。あの作品も、後味は決して良くなかったよなぁ(×_×) あ、あと『さや侍』(=^_^=)
・“竹光侍”たった1人に、何を手こずってンだか・・猫も退屈してますにゃん。
・「求女」と言う名前に、何処となく“ナンパな響き”を感じちゃうんスけど・・

〜 こんなセリフも 〜

津雲「御願いの儀があって参った。御取次ぎ願いたい」
  「其の時の経緯(いきさつ)を承りましょう」
  「其の様な御念(ごねん)には及びませぬ」
  「“喰詰め浪人”の最期には、
   此のままが相応しいと申すもの」
  「毎日、壱ツ壱ツ丁寧に行っておれば、
   やがて上達する。心配するな」
  「“熱い内にしか喰えぬ味”かも知れぬぞ?」
  「下らん事は心配せずとも良い」
  「弐人(ふたり)で食べた方が美味い
  「も少し大きな鯛にしたかったが、申し訳ない」
  「父親に遠慮などしてはならん
  「何ぞ手立ては無いのか?!」
  「其方は“侍の子”ぞ」
  「求女は何をしておる・・」
  「待って呉れ! 合点が行かぬ」
  「武士も“血の通ぅた人間”であろう?」
  「も壱ツ“持参したもの”が御座った」
  「正(まさ)しく“首があって首がない”・・」
  「全く辻褄が合わぬ! 下らぬ! 実に下らぬ!」
  「拙者は唯生きて・・春を待っていただけだ」

求女「御願いの儀が御座って参った」
  「御猶予を!」
  「・・是にて、斬らせて頂く」
  「夫が妻や子の為に働くのは当然であろう。
   我らは割符(わりふ)の如く“弐ツで壱ツ”なのだ」

彦九郎「此の様な差料(さしりょう)で
    潔く腹を斬ろう、とはな」
   「さ、御着替え召されよ」
   「御望み通り、切腹なさるが宜しかろう」
   「猶予とは見苦しい!」
   「御最期は、自分のものが宜しかろう?
    見事な脇差を御持ちじゃ」
   「最期の願いが其れか? 情けない奴め」
   「自分でぐいと引き回すのじゃ!
    引き回せ! まだまだ!」

斎藤「誠(まこと)、奇特な志(こころざし)と承った」
  「当家で“狂言切腹”は通用せぬ」
  「少し心を落ち着けられてはどうだ?」
  「我らとて、筋を通さねばならぬ。
   武士に弐言があってはならぬ。
   自分の為された事、分かっておるな?」
  「して、其処許(そこもと)は如何(いかが)なさる?」
  「・・何しに参られた!?」
  「武士が斬ると云ったら、斬らねばならぬ」
  「我等は武士として禮(れい)を尽くした」
  「人には夫々(それぞれ)面目があろう?
   なければならぬ!」
  「斬り棄てぃ!」
  「乱心者めが!」

甚内「こんな日に寝ておっては、罰が当たる」

田尻「御指示の通り、終わりまして御座居まする」

※「御侍ってのは、色々ややこしいもので御座んすねぇ
 「おや? 御存じではないんですか?
  今、巷を騒がせてる“狂言切腹”の噂を」
 「此の参両は御家老様から。確かに御届け致した」
 「“狂言切腹”は当家では通用しない、と」

斎藤「如何かな? 今の話は?」
津雲「・・して、その先は?」

斎藤「申してみぃ」
津雲「然(さ)れば」

質屋「其の御腰のものは御売りにならないんで?」
求女「・・無礼だろう!」

津雲「此処におられる皆様は“面目の為に
   死を恐れる”事はないと?」
斎藤「如何にも!」

藩主「手入れをして呉れたのか?」
斎藤「“赤備え”は我等が“誇り”で御座居ます故」

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