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2011年8月 7日 (日)

☆『コクリコ坂から』☆

4日(木曜)の夜。
1泊出張の折、その市内にある“TOHOシネマズ”で鑑賞して来た2本目(←レイトショー)は、スタジオジブリ制作の最新アニメーション作『コクリコ坂から』だった。

ジブリ作品と言えば・・前作『借りぐらしのアリエッティ(2010)』以来の劇場鑑賞となったワケだが・・正直、近年のラインナップの中では『千と千尋の神隠し(2001)』が“映像演出面では”素晴らしかった程度で・・ワタシの中では「残念な作品」がここ20年(!)近くも続いてたりする。

「“映像技術面(=表現力)の進化”ってば著しいハズなのに?」とは“シロウトなりに”思うンだが・・それこそ宮さん(宮崎駿:本作では企画&脚本を担当)の「老いに伴う神通力の低下」って事なんやろか?(・ω・) 何とか盛り返さないと、ぼつぼつヤバい気がするケド。。

1963年5月。
翌年に「東京オリムピック」開催を控え、ますます高度成長を遂げようとするニッポン。
神奈川県横浜市の、海に面した高台に建つ木造洋館“コクリコ荘”では、毎朝の決まった時間に“2枚の信号旗(U旗&W旗)”を掲揚する少女の姿が見られた。

その少女=松崎海(うみ)(声:長澤まさみ)は男女共学校である「港南学園高校」に通っている。

ある日、男子生徒を中心に編集&刊行される学生新聞「週刊カルチェラタン(Quartier Latin:ラテン街区、の意)」に掲載された“毎朝、旗を掲揚する少女/少女よ、君は旗を揚げる/何故?”なる詩により、海は一躍“男子学生のアイドル的な存在”となってしまい戸惑う。

そんな中“とある騒動(イベント?)”をきっかけに、海はイケメン編集長=風間俊(声:岡田准一)と急接近する事に。

風間や、生徒会長=水沼(眼鏡ルックの涼しげな秀才)の手伝いをするカタチで、次第に「週刊カルチェラタン」発刊に関わってゆく海。

一方、3階に編集部を擁するクラブハウス(←木造洋館)“清涼荘”はその老朽化が著しいため・・学生らの抵抗も空しく“解体”が遂に学園側により取り決められてしまう・・

学生代表とし、学園を運営する「徳丸財団」の理事長(声:香川照之)に直談判すべく、風間&海を伴って東京へ向かう水沼。

果たしてクラブハウス存続は実現するのか?

そしてまた、距離を縮めていた風間と海の間には“とある因縁”が隠されてもおり・・

“御曹司”宮崎吾朗の監督作第2弾って事で、前作『ゲド戦記(2006)』には激しく失望させられてしまったワタシだったが・・まぁ「監督としては正常進化。しかしジブリ作品としては残念」ってな、ほぼ予想通りの評となった(ワタシの中で)。

「朝鮮戦争に翻弄される、親友同士(とその家族)のドラマ」だの「クラブハウスの取壊しに反対する、学生らの団結と抗議と青春のドラマ」みたいな要素を“軸”に持って来とるワケだが・・それが時代錯誤と言おうか、ノスタルジィ(懐古)に過ぎると言おうか・・ちょっと自身の中で「違和感・不協和音」が終始してたように。

(宮崎)監督がそれを体験してるワケでもないので「“監督自らの意見&価値観”が作品の何処にも漂っておらず、説得力(=パンチ)に欠ける」ようにも思え「こんな作品なら、敢えてジブリで制作せずとも、よそ(のスタジオ)に委託すりゃイイじゃん!」とまで思ってしまった(・ω・)

ワタシだけなのかも知れないが・・どうにも、近年のジブリ作品が「敢えてファンタジー色を薄めようと苦心している」みたいにも感じられ、それに対しては「これまでみたく、どんどんファンタジーやったらよろしいですやん!」とアドバイスしたげたく思うのだ(ナニをエラそうに!)。

近代劇(現代劇)を絡め“オズオズと進行する弱ファンタジー”を観せられるぐらいなら、まだしも“ある意味、弾け切ってる”『猫の恩返し(2002)』なんかを観てる方が楽しいし、屈託もない(あ、アレも現代劇でしたか)。

誰に、何処に、何故、どのように配慮してるのかは知らないが「やっぱり元気がないよ、スタジオジブリ」と、観終わって改めて痛感してしまった次第である。

〜 こんなトコも 〜

・オープニング。白い文字で表記された『コクリコ坂から』のタイトルの中で「リ」のみが赤い文字だった。そのアクセントに『悪人(2010)』の「あのオープニング」を連想してしまった(・ω・)
・“コクリコ荘”の下宿人たちのキャラ造型が中途半端で、アクセントに欠けていた。いっそ数を減らしても良かったか?
・キャラが泣く際の“落涙の描写”がどうにも好きになれなかった。もっと自然で違和感のない表現があったと思う。
・「実写でも映像可能じゃん!」と思う半面、あの“清涼荘”の内部描写だけは、流石に難しかったかも知んない(CGなら出来るか)。
・大昔のジブリアニメを連想させる「群衆系(=肩を組んでワイワイ言っとる系)」の描写・演出があり、そこは割と楽しめた。
・登場人物がいきなり討論を始めたり、歌い始めたりする演出は、私的には「何だかサムくて」苦手である(×_×)
・ちょっと“ゼニガタ警部”入っとる「老け顔&意外に純情系キャラ」がいた。彼なら「カリオストロ城の地下」とかでも立派に暮らしてけそう(=^_^=)
・海は劇中で「メル」と呼ばれてたが、その由来が良く分かんなかった(・ω・) ←フランス語の「海(LA MER)」から来てるらしい。。
・当時から、舟木一夫さんは現役歌手だったのね!(当時19歳!)
・劇中で、ごくごく自然に口にされてる“LST”なる言葉は「戦車揚陸艦」の事らしい。
・「我思故我在」とか「美善眞(←恐らく右から読む)」とか「志、雲より高く」なんてな印象的な“壁語録”があった。
・「樽に住んだ哲人」ディオゲネスのハナシが出て来た。ウィキで彼の「逸話」に眼を走らせると、なかなかに面白い!
・「梶野丸」「三鷹丸」「氷川丸」「航洋丸」などの船舶が登場。
・ラストで「この物語は全てフィクションです。」と表示されるが・・地名なんかはちゃんと実在するワケだし、も少し暖かい表現にしといて欲しかったなァ(・ω・)
・「ライスカレー 30円」ってな表記が食堂に。
・「パンの田村屋」って実在したっけ?
・徳丸財団の理事長室(?)から出て来るおっちゃん連中が「食べ物のハナシ」しかしてなくて笑えた。

〜 こんなセリフも 〜

海「嫌いになったんなら、ハッキリそう言って」

風間「本当に、ここを大切にしてるんだね」
  「俺達は・・※※って事だ」
  「今まで通り・・“只の友達”さ」

水沼「時間だ。行き給え」
  「君らは、保守党の親父連中の様だ!」
  “残すか棄てるか悩む時は・・燃やせ!”
  「ボランティーアの皆さん!」
  「しっかりやろうぜ」
  「閣下!」

学友「良いのよ。好きなんだから
  「“素敵な魔窟”だわ」

幸子「駄目だ・・夜、描いたから・・色、出てない」

学生「戦術には、知恵が要る」

徳丸「潔くて、良いな」
  「エスケイプか・・青春だなぁ」

水沼「“良い大人”っているんだな」
風間「まだ、分からないさ」

追記:“コクリコ(Coquelicot)”とは、フランス語で「虞美人草」の事らしい。ついでに、杏(あんず)の事を“アプリコ”って言っちゃアカンのかな?

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コメント

こんばんは。

偉大なる?父親と比されるのはどうしても御曹司の宿命なのかもしれませんが、それにしてもシビアな評価が目につきますね、本作。
けれど、「監督としては正常進化」との御評価にはTiM3さんの公正な(決して世間に惑わされない)視点を感じました。

>『千と千尋の神隠し(2001)』

そうですね。でも私は『もののけ姫』も結構好きなのですが。

投稿: ぺろんぱ | 2011年8月 8日 (月) 22時25分

ジブリ作品、言われるように『千と千尋の神隠し』以降、どうもパッとせず食指が湧きません。
CGアニメ全盛期のなかでは貴重な存在なんでしょうけど
内容次第ではこのまま続けて行けるのか心配になってしまいます(こらこら)

あ!ぺろんぱさんと同じく『もののけ姫』も良かったです^^

投稿: ituka | 2011年8月 9日 (火) 00時22分

ぺろんぱさん、お早うございます。

昨夜は久々に「テキーラ」呑んだりもして、
やっぱり帰宅したら・・25時を過ぎてました(×_×)

「カパッと飲み干す」のが流儀らしいですが・・ワタシにはまだムリでした(x_x)

>偉大なる?父親と比されるのはどうしても御曹司の宿命なのかも
>しれませんが、それにしてもシビアな評価が目につきますね、本作。

みんなジブリには(まだ)期待してますからね。

>公正な(決して世間に惑わされない)視点を感じました。

観てしまった時点で・・既に世間に惑わされてました(⌒〜⌒ι)

>でも私は『もののけ姫』も結構好きなのですが。

意図的な残虐描写、ナ※シカを焼き直しただけのような物語、
とやっぱりワタシの中では「イマイチ」って結論でしょうか。。

本編そのものより、
メイキングドキュメンタリー『「もののけ姫」はこうして生まれた。』の方が素晴らしい! って評価もあるそうですね(・ω・)

投稿: TiM3(管理人) | 2011年8月 9日 (火) 07時40分

itukaさん、お早うございます。

何か、もっとワクワクさせてくれる新作はないのか! (=^_^=)

>ジブリ作品、言われるように『千と千尋の神隠し』以降、
>どうもパッとせず食指が湧きません。

何だかねぇ・・

>CGアニメ全盛期のなかでは貴重な存在なんでしょうけど
>内容次第ではこのまま続けて行けるのか心配になってしまいます(こらこら)

巧く「世代交代」して行かないと、実にマズいですよね。。

>あ!ぺろんぱさんと同じく『もののけ姫』も良かったです^^

美輪&米良のインパクトが強過ぎて、いつまでもワタシの心のどっかで
「キワモノ感」が払拭出来ません ←ファンの方、すんません!

投稿: TiM3(管理人) | 2011年8月 9日 (火) 07時46分

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