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2011年7月 9日 (土)

☆『刑事コロンボ/別れのワイン(1973)』☆

5日(火曜)の夜。
“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”で『花子の日記/Hanako's diary』を鑑賞後、慌て気味(=^_^=)に帰宅し、BSP(プレミアム)で放送された『刑事コロンボ/別れのワイン』を約10分の遅れで観た。

さる6月23日に83歳で亡くなられた主演男優=ピーター・フォーク氏をしのんで、3夜連続でシリーズの再(?)放送されたウチの1エピソード。DVDは所有しており、未開封のまま(×_×) 自室の隅に転がってるんだが・・この機会に鑑賞が叶い、嬉しかった。

自身が経営し、人生と私財の総てを投げ打って愛して来たワイナリーの売却を弟=リックに言い放たれた時、兄=エイドリアン・カッシーニ(ドナルド・プレザンス)の中で、殺意が走った。

彼はニューヨークでのアリバイ(不在証明)を実現させつつ、リックを葬り去る事に成功する。

幾つかの“腑に落ちない点”に気付いた捜査主任=コロンボ警部は、関係者らへの聞込みを続ける内、エイドリアンが犯人ではないか、と言う自説を確信するに至るのだった・・

観始めた時、既に「リックの昏倒した直後」だったので、カッシーニ兄弟の間でどんなドラマが展開されたのかは分からずじまいだったが、、エイドリアンの“ワインバカ”とも言うべき性格の描かれ方が徹底してて、その点(=キャラ造型)にこそ、感心させられたワタシ。

「いつもと違う行動を取る」「事件の“腑に落ちなさ”を、妙にコロンボに解説しようとする」って辺りで、既に“ロック・オン状態”となっちゃっとるワケなんだが・・そこに加え、エイドリアンと秘書=カレンとの間で展開する「切羽詰まった、もう1つのドラマ」の描かれ方が、何とも言えず良いのである。

エイドリアンとカレンのやり取り、そしてエイドリアンとコロンボのやり取りを理解するには、観客にも「それなりの人生経験」がないと難しいんじゃないかと思う。

それ故に、本エピソードは「通(ツウ)に好まれる、代表的な作品」に輝いているのではないか、と感じた次第だ。

〜 こんなセリフも 〜

コロンボ「言いたかないが、その通りです」
    「あたしもイタリア系だ。(互いに)助けがなくっちゃねぇ」
    「イタリアの北には“ハンサムな男”が多いから」
    「節煙してるんだ。節煙・・つまり“煙を吸わん事”だよ」
    「厳しい人なんだねぇ。部下(やってるの)も大変じゃ有りません?」
    「“イタリア人で音痴”ってのは、あたしだけじゃないでしょうか」
    「失礼・・こんなに(ワインが)効いてるとは思わなかったな」
    「“この方面の教養”に疎い事が分かりましたんで」
    「我ながら“酷い字”でねぇ」
    「ワインを投資の対象にしてる人もいるんですねぇ」
    「見せて貰うだけ・・飲みやしません」
    「こいつは古いですなぁ」
    「専門家なら、注ぐ時に手は震えませんからねぇ」
    「この辺で失礼しましょう」
    「あたしは、命令通りに動くだけなんで」
    「そりゃ真っ先にお伝えしますよ。何かあればね」
    「アラン・ラッドの『用心棒シガー』・・
     ありゃいいや。あの“手首折っちゃう”ヤツねぇ」
    「お詫びがしたいんです」
    「子守りが見つかれば、かみさんも連れて行きます」
    「ごめんなさい。もう1つだけ質問があるんですがね」
    「何せ(この車は)15万キロ、走ってるからね」 ←同じく(笑)
    「“汝、車を愛せ、されば車も良く走る”ってね」
    「あたしは“メニューに値段の書いてない店”は心配でね」
    「実はせっせと“予習”をやって来たんですよ」
    「かみさんに今夜の勘定がバレたら大事(おおごと)だ」
    「ホント言うと・・上司に告げ口されたら“クビ”ですからね」
    「結構な味ですなぁ・・景気良く注いで」
    「“喰い逃げ”はあの手に限りますなぁ・・覚えとこう」
    「いずれにしろ、もうお目にかかる事もないでしょう。お元気で」
    「“ゲスの勘ぐり”ってヤツでした」
    「解決はあなたのお陰ですよ」
    「女の人はこうなると強いですなぁ
    「勝手ですが、こんなもの持って来たんです」

エイドリアン「私は電報を打つのも、受けるのも嫌いなのだ」
      「あれ(弟)は結婚するんだよ。5000ドルあれば、
       あいつももう少しはマシなスタートが切れよう」
      「分かるのも当然です。皆さんが香りに酔っておられる間、
       私はラベルを盗み読んでいたのですからな」
      「人生は短い・・悲しい迄にね
      「5000ドルのワインを欲する人間なんてこの世にいないさ。
       ただ、私は他の人にこれを渡したくない」
      「もし就職のお話であれば、人事課に行って下さい」
      「葉巻の香りはワインの味を損なうのです」
      「きっとお気に召すと思いますよ」
      「弟を失って悲しまぬ者は・・おりますまい」
      「重要なのは・・ボトルの中の澱(おり)を、
       そのままボトルの中に残す事です」
      「私の人生は“ワインあるのみ”ですからね」
      「お見事です・・驚きましたよ」
      「なかなか抜け目のない方ですね」
      「(貯蔵室は)殺風景ですかな? 私にはまさに“天国”ですが」
      「刑事さんらしく“実証主義者”ですな」
      「がっかりさせたようですな」
      「今迄が、堅苦し過ぎた
      「折角の素晴らしい味が、煙草の匂いで消えてしまうからね」
      「飲むに耐えんワインだ。
       このようなものを出すとは・・侮辱だ」
      「嘘をつく必要はなかった。
       私は“恩を売られる立場”を好まない」
      「良い銘柄が良いワインとは限りませんから」
      「残念だな・・(いっそ)“最高記録”なら良かったのに」
      「実を言うと、重荷を下ろした気持ちなんです
      「刑務所は結婚より、自由かも知れませんなぁ」

エイドリアン「あなたもイタリア系でしょう?」
コロンボ「ええ、両親共ね」

エイドリアン「これは“非公式な取調べ”ですか?」
コロンボ「いえね・・ちょっとあなたとお喋りしたいと思いまして」

コロンボ「ポォの小説にありましたなぁ・・アで始まる・・」
エイドリアン「・・『アモンティラードの樽』」

コロンボ「アレを棄てるなんて・・“死ぬ想い”だったでしょう」
エイドリアン「人には想像もつかんでしょうな」

エイドリアン「最高のデザートワイン・・それに“別れの宴”にも相応しい。
       良く勉強されましたな
コロンボ「有難う。何よりも嬉しいお褒めの言葉です

コロンボ「あんたなら(ワインについて)大抵の事は知ってるだろうね?」
※「違うね・・“総て”を知ってる」

エイドリアン「君も私を疑っているのかね?」
カレン「いいえ。でも・・先週はいつものようではありませんでしたわ」

エイドリアン「何故、嘘をついた?」
カレン「貴方のためだと思って」
エイドリアン「君迄、危険を冒す事はなかった」
カレン「・・お力になりたかったんです。貴方の事だけが心配でした」

エイドリアン「愛情は“強制”によって生まれるものじゃないよ」
カレン「でも・・愛情がなくても、結婚は出来るわ」

追記1:「リック」は「エンリコ」のニックネームらしい。
追記2:被害者を評する表現「チャキチャキのスポーツマン」ってのが、ちょっと面白い響きだった。
追記3:あのまま物語が続けば“第2の殺人”が起こってしまったンだろうか(・ω・)

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コメント

>エイドリアンとカレンのやり取り、そしてエイドリアンとコロンボのやり取りを理解するには、観客にも「それなりの人生経験」がないと難しいんじゃないかと思う。

わたしはそこら辺が足りなかったのかも!
犯人は魅力的でしたが、被害者の手首に縛られた跡が残ってるはずだとか、トリックの甘さの方が気になってしまいました。
彼らのやり取りが堪能できるくらい人生が熟成した頃に再見したいです。

投稿: 宵乃 | 2011年7月 9日 (土) 10時24分

暑中お見舞い申し上げます (^-^)

こんにちは~
TiM3 さんは、ホントにコロンボ好きですね!
どこに魅かれるんですか?
あのヨレヨレのコートですか?
ポンコツカーですか? 葉巻ですか?
「うちのかみさんがね~」のセリフでしょうか?

さて何故、アンダルシアを観に行かれないのですか?
あ、ごめんなさい、行こうと思ってるのに時間がないんですよね~(^-^)
織田裕二が劇場で待ってますよ!
あの役は、彼にしかできないです・・
全く、ホントにカッコ良かったです (^-^)
満員電車の中でも、まず見たことないです、あんな人!
風景も良かったので、是非劇場に足を運んで下さいね

    TAKE CARE OF YOURSELF BYE vivian

投稿: vivian | 2011年7月 9日 (土) 18時22分

宵乃さん、ばんはです。

ブルーレイでコロちゃんの完全版ボックス(新旧・全69作!)が
リリースされるそうで、ファンならずともどよめいている事でしょうね!

(ここから転載)

※12月2日発売
■『刑事コロンボ コンプリート ブルーレイBOX』
(GNXF-1245 税込71,400円)
Blu-rayディスク全35枚組(69話収録)
封入特典:刑事コロンボ全69話を完全解説!
「刑事コロンボ完全版ブックレット」
超豪華アウターケース仕様

(ここまで転載)

>わたしはそこら辺が足りなかったのかも!

女性から観た「エイドリアン評」「カレン評」が知りたいものです。
何だかでも、エイドリアンが徹底的に「身を引いてた」感がありましたかねぇ。

2人の間に「描き切れなかったエピソード」が存在したのかも知れませんし、その辺りを想像する楽しみは「永遠に」残されてそうですね☆

>被害者の手首に縛られた跡が残ってるはずだとか、
>トリックの甘さの方が気になってしまいました。

海水でふやけて、その辺りは問題ないでしょう(おい!)

>彼らのやり取りが堪能できるくらい人生が熟成した頃に
>再見したいです。

『刑事コロンボ/忘れられたスター』における男女のドラマも
なかなかに素晴らしいそうですよ。

投稿: TiM3(管理人) | 2011年7月10日 (日) 01時03分

vivianさん、おひさしです☆

>暑中お見舞い申し上げます (^-^)

有難うございます。
熱中症と日焼けに注意してね。

ワタシはニヤケに注意します(←出来るのかよ!)

>あのヨレヨレのコートですか?
>ポンコツカーですか? 葉巻ですか?
>「うちのかみさんがね~」のセリフでしょうか?

「憎めないしつこさ」に惹かれますねぇ。
『殺人処方箋』の頃は、なかなかイヤらしい言動もあったんだけど・・

細かい部分で性格の変わるのは(=^_^=) そりゃまぁスタッフ(脚本家)が
異なるからでしょうね。

>あの役は、彼にしかできないです・・
>全く、ホントにカッコ良かったです (^-^)

ご覧になられたんですね。
ワタシは『ホワイトアウト』と『キサラギ』でのオダユージさんが
好きでしたね〜 ←『キサラギ』には出てないってば!

>満員電車の中でも、まず見たことないです、あんな人!
>風景も良かったので、是非劇場に足を運んで下さいね

前作がめちゃくちゃだったので、ちょっとアレなんですよ・・
(アレってなんやねん!)

大晦日のTV放送を待ちますぅぅ・・(⌒〜⌒ι)

>TAKE CARE OF YOURSELF BYE vivian

Arigato!!

投稿: TiM3(管理人) | 2011年7月10日 (日) 01時12分

こんばんは。

>“ワインバカ”とも言うべき性格の描かれ方が徹底

この物語の好きなところはそこですね。
コロンボの通例として犯人が社会的・経済的地位の高い人であることに加え、本作のエイドリアンはまさにただただワインを愛する“ワイン至上”の人であったということ。

その偏愛が、カレンへの(結果的に)冷酷な態度にも繋がったのだと感じました。
カレンは「屈折」させてまでもエイドリアンへの長い慕情めいたものをぶつけずに入られなかったけれど、エイドリアンは「愛するワイン」という存在があった・・・リックの事件がなかったらもしかしたら違う二人がいたかもしれませんけれどね。

投稿: ぺろんぱ | 2011年7月10日 (日) 18時09分

ぺろんぱさん、ばんはです。

中之島界隈を歩きたくなって来ました(=^_^=)
今週末に、行きたいゾウ〜

>本作のエイドリアンはまさにただただワインを愛する
>“ワイン至上”の人であったということ。

彼にも「私は何度でもやるでしょうな」と言って欲しかった。
ラムフォード校長のように(・ω・)

>その偏愛が、カレンへの(結果的に)冷酷な態度にも繋がった
>のだと感じました。

いつかまた観直して、エイドリアンのあの冷酷な態度が
「本心だったのかどうか」を見極めてみたいと思います。

そのためには、更に人生経験を積まねば!
女性経験も! (←どさくさに紛れて、ナニ言うとんねん!)

>カレンは「屈折」させてまでもエイドリアンへの長い
>慕情めいたものをぶつけずに入られなかったけれど、
>エイドリアンは「愛するワイン」という存在があった・・・

カレンこそが、ワインを片っ端から投棄したかったのかも知れませんね。

>リックの事件がなかったらもしかしたら違う二人がいた
>かもしれませんけれどね。

観る者に『「もし」を考える余地』を与えてくれる点でも、本作は数少ない秀逸なエピソードと言えましょうな。

↑語尾がエイドリアンになっとるがな、キミ!

投稿: TiM3(管理人) | 2011年7月11日 (月) 01時12分

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