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2011年4月27日 (水)

☆『悪魔を見た(2010)』☆

26日(火曜)の夜。
仕事も適度な早さで切り上げる事が叶ったので、久々に商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”に行き、公開中の韓流作『悪魔を見た』を観て来た。

最近まで、余り内容を知らず「タイトルからするに、オカルトもんやろか?」とすら勘違いしてたが・・そう言うのんとは一線を画してたワケで(×_×)

2月のとある雪降る夜。ソウル郊外のヨニ町に住む女性=チャン・ジュヨンは、雪道でタイヤがパンクしたため、レッカー車を呼び、その到着を待ちながら、携帯で婚約者=キム・スヒョン(イ・ビョンホン)と楽しいお喋りを続けていた。

特殊な職業柄「毎年彼女の誕生日に、そばにいてやれない事」を詫びるスヒョン。
奇しくも、その日はジュヨンのバースデーだったのだ。

自らのとある“幸せ”を婚約者にも内緒にしていた彼女。

しかし、そこに通りがかった親切そうな“塾生送迎車の中年運転手”の手により・・ジュヨンの人生も生命も肉体も、文字通り、彼女の総てが、その夜に突然引き裂かれてしまったのだった・・

国家情報院勤務と言う特殊な仕事柄、ソウルの警察組織以上に情報収集&調査の能力に長けたスヒョンは、復讐を強く誓い・・半月間の休暇を申し出るや、4人に絞られた容疑者の1人1人に対し“彼独自の鉄拳系訊問”を行ってゆく。

やがて、婚約者を殺(あや)めた男の正体が“入試専門塾”のお抱え中年運転手=チャン・ギョンチョルである事を「証拠込み」でガッチリ掴んだスヒョンは「彼女の味わった苦しみを倍にして返す」と言う自らへの誓いを果たすべく、ギョンチョルを精神的&肉体的に追い詰めてゆく。

猟奇犯を追う内、次第に自身もまた“悪魔”に魅入られて行くスヒョン。
しかし、とあるミスから、ギョンチョルに“思いがけぬ反撃の機会”を与えてしまう事となるのだった・・

“2010年最大の、アンチ・デートムーヴィー誕生!”
“本作に、レディース・デーは似合わない!”
“韓国じゃ、タクシー運転手も、命がけ!”
“韓流発の、容赦ないヴァイオレンス描写に圧倒さる!”

なんてなコピーが脳内に次々と去来した、鑑賞直後であった。何だか久しぶりに、このアッタマをクラクラさせつつ帰路を辿ったような夜である(×_×)

本作の最大のテーマは“復讐”なんだが、それを果たした先には、やっぱし“爽快さ”も“微笑み”も控えてはおらんのや、って真実(?)を、約2時間半かけ、延々と訴え続けられたような、そんなハナシ。

美女を殴打⇒殺害⇒損壊するって犯人の行動が淡々と描かれる冒頭の20数分には、とにかく「やめてくれ〜!」と心の中で叫びっぱなしだった(×_×) 登場する女優陣がいずれも美人揃いで、そのいずれもが不幸な目に遭う、って“お約束”も・・次第に犯人の行動パターンが掴めて来るにつれ「やめてくれ〜!」と言う、我が心の叫びに変わって行く。。

って言うか、世の女性の皆さん。ホンマに世間には“とんでもないヤツ”が確実に存在するので(←いちおうワタシを除く事とす)改めて「郊外の夜道の独り歩き」と言った、その危険極まりない行為を直ちに見直して頂くよう、切にお願いしたい。

そう言う意味では、、猟奇犯罪者に関し、100の事例を聞かされるより、本作1本を黙って(眼を逸らさずに)観る方がよっぽど「雄弁な説得」に思えなくもないが。。

・・

ときに、山本周五郎作の時代小説に『ひとごろし』って物騒なタイトルなのがある。
ある藩で、剣豪の討伐を命じられた(?)臆病者の若侍が、正面からぶつかっては“とても勝ち目がない”ので、剣豪の立ち寄る先々で「ひとごろし〜!」などと叫び、彼を精神的&肉体的に追い詰めて行く・・みたいな展開だったんだが、中盤まではソレと似たようなテイストを感じたりもしたかな。

相手に“とある仕掛け”を施し「何かをしようとする度、すかさず妨害する」みたいな(・ω・)

・・

後半で、ギョンチョルの「反撃」の始まる事は先に書いたが、この辺りでちょっと脚本が「スベリ始めてる」感があり残念だった。展開が駆け足気味で、何だか良く分かんなくなったりする(=説明不足)のだ。
終盤のオチは、きっと元から「脚本家の自信の仕上がり」だったろうから、も少し(全体の)編集を巧くして「流れ良く」やって貰いたかった。

ラストで、ビョンホン兄貴が「涙と笑いの入り混じった、狂気に突入したかのような演技」を見せてくれるんだが、その辺りが「ぶっ壊れた」或いは「遂に悪魔を見た」ようにも眺められ、余計に気分が重くなってしまう。

『G.i.ジョー(2009)』における(兄貴の)華やかなヒーローぶりには「カッコよろしいなァ〜」とホレボレしつつ「今後は、そっち(聖なる林のエリア)に活動の軸足を移しちゃうのかしらん?」と心配もしてしまったんだが、母国でこう言ったキャラを演じはるのに触れると、その“極端な振り幅”に戸惑ってもしまうワケで。。

〜 こんなトコも 〜

・色んな場面で「タクシー」が効果的に用いられてた。しっかしタクシー運転手って、あんなに危険業種なのね(×_×)
・4人目の容疑者は、どうやら“命拾い”したようで。
・序盤の“解体処理場”の(澱んだ)空気感が『チェンジリング(2008)』のあの農場に通じるトコもあり、ビビらされた。。
・『母なる証明(2009)』でも印象的だったが・・韓国人が「顔を手で覆って隠す」って表現には、どんな意味が含まれてるんやろ?
・ただ“ギロチン”を描く・・ってだけの理由で殺された、2人目の女性が可哀想で仕方なかった。その後の(発見されたとかの)報道も描かれないし。
・ギョンチョルが“ヤバい感じの西※徳馬さん”にも見え、余計に親近感も増して怖かったし(×_×)
・韓国ってば“ギロチン”を個人所有するのに、規制とかないんやろか?
・猟奇犯どもは、かつて共通の「思想グループ」か何かに属してたらしい。
・猟奇犯Bの住む屋敷が『シン・シティ(2005)』のケヴィン君(=食人鬼)の邸内にも似てて、怖かった(×_×)
・便器内の大量の排泄物が“何気なく”描写されるシーンがあり「やめてくれ〜!」とここでも心の叫びが!
・診療所の女の子が清純そうで良かった☆ 名札に書かれてた、あの役名は何と読むんやろ?
・韓国の道路は「右側通行」だったんや、と再認識。走る機会はきっとないと思うけど。
・詳しい描写もされなかった2人目の容疑者。どんなヒドい眼に遭ったんだか(×_×)
・色んなキャラが口にしてた「笑えるハナシだな」・・ソウルで流行りの言い回し?
・タクシーの後部座席に乗ってた先客のアイツ。一体、何の役回りだったんだか(・ω・)
・『ミラーズ(2008)』の主人公の妹さん以来の「アゴ開きの刑」を見た!
・“デキシブプロフェン”って薬が登場。もっと簡単に言うと「1番効くヤツ」で通じるらしい、、

〜 こんなセリフも 〜

ギョンチョル「パンクですか? タイヤを見ましょう」
      「肌が柔らかいから、簡単に“終わる”だろう」
      「待っても、もうバスは来ないでしょう」
      「不愉快そうな顔だな? こいつは初めて見たか?」
      「大丈夫・・すぐに終わらせるから」
      「俺がお前を好きだとダメか? 有り得るハナシだろ?」
      「お前1人か? どうやらそうらしいな」
      「やっぱりお前ら警察はこんなもんだ。それはそうと・・」
      「俺に言わせりゃ、あんたは運がない」
      「アレも知らないのか? ま、知らなくて当然だな」
      「昨日は折角の所で邪魔された。
       だから、今日は楽しくやろうぜ」
      「同じするにも、楽しさがないとな」
      「俺と勝負するってのか? してぇのか?
       どっちが“本当のクズ”か、片を付けてやるぜ」
      「生きてりゃ、面白い事もあるもんだ」
      「“俺を生かした事”を後悔しな」
      「待ってろ。“本当の苦しみ”ってヤツを教えてやる」
      「聞こえてるか? 俺から眼を離さない事だぜ」
      「なぁ、あいつを怒らせるには、どうしたらいい?」
      「妹がどうなったか? 後で確かめりゃ分かるさ」
      「(俺たちの)どっちが勝ったと?」

スヒョン“しつこく言って来るなんて、おかしいんじゃないか?”
    “これだけは誓う。君の苦しみを倍にして返してやる”
    「心配するな。問題なんて起きないさ」
    「この写真に見覚えは? 知らない? ・・そうか」
    「では、規定通り質問します」
    「待て。後でこいつに応急処置をして欲しい」
    「弱いフリをするな。これは始まりだ。
     ・・段々と残酷になるぞ」
    “俺の今の仕事が何なのか、良く知ってるだろ?”
    “この仕事には、意味がないワケじゃない”
    「確か、手、脚、頭の順番だったな?」
    「心配するな、サイコども」
    「警察に引き渡す? まだだ」
    「“心に大きな岩を抱えた感じ”だ。分かるか?」
    「俺は誓った。だからまだだ。先は長い」
    「笑えるか? おかしいか? おかしいんだな?
     なら“一生笑った顔”にしてやるよ」
    「どうやら、お前を甘く見ていたようだ。
     “それ相応のもてなし”をしてやるよ」
    「騒ぐな。これから始まるんだ。
     まだだ・・もう少し待ってろ」
    「考えてもみろ。その気なら、お前なんかとっくに殺してた」
    「1番苦しい時に、殺してやる。
     それが本当の、完全なる復讐だ」
    「お前も聞いたんだろ? “助けて欲しい”って声を。
     それを聞いて楽しんだろ?」
    「怖いか? 答えろ」
    「死んだ後も、苦しめ」

チャン班長「天が助けてくれた。
      でなければ、遺体は見つからなかったろう」

刑事ら「我々が駆け付けると、既に死にかけてました」
   「塾を見張り続けても、捕まえられるもんか」
   「逮捕状など要らん。とにかく逮捕しろ!」
   「待て。当人までが獣になってはいかん!」
   「あんなヤツらを助けなきゃならんのか・・
    つくづく人間をやめたくなるな」
   「イカれた事、しやがって!」

運転手「ここに車なんか来ませんよ。あんたは運がいい」

猟奇犯B「恐らくは、殺した女の家族だろうな。
     そいつも俺たちと同じく“狩り”を楽しんでるのさ。
     お前、まんまと捕まったようだな。怪物の登場だ・・面白い」
    「捕まえては逃がし、また捕まえては逃がし・・
     獲物の苦しむサマを楽しんでる。
     狩りをする時の“快感”を楽しんでるのさ、そいつは」
    「大人しくしろ。暴れると、もっと痛いし時間もかかる」
    「すぐ終わるから我慢しろ。一昨日のお姉さんを見たろ?」
    「お前はもっと早く、素直に謝るべきだったのさ」
    「どんなヤツなのか気になってた。怪物にゃ見えねぇな」
    「ヤツは、やられた分をやり返す男だ」

真犯人「お前はとっくに負けてる。
    俺を痛め付けたつもりだろ? だが俺は苦しみも恐怖も知らん。
    俺から得られるものなんか何もない。
    だから、お前は負けたんだ。分かるか?」
   「俺は生き抜いてやるさ。怖いものなんかねぇぞ」

追記1:こんな言葉も思い付きました。

   “病に冒されて初めて、医療者は真の病苦を理解する”
   “殺す者に、殺される者の痛みや苦しみは分からない”
   “シーザーでなくば、シーザーの悩みは理解出来ない”

追記2:本記事には、一切の「笑い顔文字」がありません、、悪しからず。

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コメント

冒頭のシーンの車の中と外のギャップが怖かったです。
まるで、野生に放たれた免疫のないウサギちゃんって感じでした^^

解体処理場の雰囲気は見事でしたよね!
韓国の美術スタッフの腕なのか照明技師の腕なのか
とにかく、あのセットだけは感心してしまいました。

ちょっと肉付きの良い看護士さんは、いい感じでしたね^^
あの展開に、生唾ゴックン状態でしたよ(笑)

こうなったら『ビー・デビル』も行っちゃいますか?(爆)

投稿: ituka | 2011年4月27日 (水) 22時39分

itukaさん、ばんはです。

西※徳馬似のあのサイコおじさんは『オールド・ボーイ』で主役を
演ってはった方らしいですね。
ちょっと(未見なので)気になってます。

>冒頭のシーンの車の中と外のギャップが怖かったです。
>まるで、野生に放たれた免疫のないウサギちゃんって感じでした^^

直後・・血まみれで横たわる、全裸に剥かれたジュヨンの、
「どうしても・・殺すんですか?」と言う弱々しい呟きが
よみがえって来ます(×_×)

>解体処理場の雰囲気は見事でしたよね!
>韓国の美術スタッフの腕なのか照明技師の腕なのか
>とにかく、あのセットだけは感心してしまいました。

『テキサス・チェーンソー』にも負けてなかったです。。

>ちょっと肉付きの良い看護士さんは、いい感じでしたね^^
>あの展開に、生唾ゴックン状態でしたよ(笑)

帰って行ったハズのおっさんが、どうしてあそこにいたのか?
シーンの切り替わりが「直後」にも見えたので「すわ、瞬間移動か?」
と思いました(×_×)

>こうなったら『ビー・デビル』も行っちゃいますか?(爆)

何かまた、異常そうな予告編ですね(x_x)

あんまりこう言うのばっかり観てると、何かきっと「良くない」
と思えたりして来ます。

自分が気弱なのか、まともなのか・・分かりませんが。。

投稿: TiM3(管理人) | 2011年4月28日 (木) 00時41分

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