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2011年3月 4日 (金)

☆『英国王のスピーチ』☆

2日(水曜)の夜。

第83回アカデミー賞も、私的には何ら盛り上がらぬままに(=^_^=)幕となったんだが・・その中で“最多ノミネート:12部門”⇒“最多受賞:4部門”の快挙を成し遂げた『英国王のスピーチ』の存在が気になって仕方なかったため、早速、お疲れ気味の身体にムチ打って、仕事帰りに“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと観に行ったのだった。

監督のトム・フーパーを、当初トビー・フーパーと勘違い(=^_^=)してしまい「むむっ!『スペース・ヴァンパイア(1985)』『悪魔のいけにえ(1974)』なんかで知られる“ホラー/スプラッター畑のおっつぁん”が、良くぞこんな真っ当な(?)“ロイヤル系”を手がけられたもんや!!」と感心してしまったんだが・・みっごと別人でしたわいな(⌒〜⌒ι)

トム・フーパー監督は、まだ長編ではさほど有名な作品を放ってるワケでもないようで・・ちょっと「次作」の気になるしととなった次第(・ω・)

4〜5歳の頃から“吃音症”に悩まされ続けて来た、ヨーク侯爵公ことアルバート・フレデリック・アーサー・ジョージ(コリン・ファース)は、父王ジョージ5世(マイケル・ガンボン)の代理とし「大英帝国博覧会・閉会式(1925年)」のスピーチに臨むも・・残念な結果に終わってしまう。

妻であるエリザベス妃(ヘレナ・ボナム・カーター)は、嫌がる夫を連れ、あちこちの「専門家」を行脚する・・中には「ビー玉7ヶを頬張らせたまま、音読させる」ような“珍療法”を王子に勧める「専門家」がいたりもした・・

王子もこれには、流石に「呑み込みかけたではないか!!」と癇癪を起こしてしまうのだった(⌒〜⌒ι)

1934年。
夫妻は下町=ハーレー街で開業しているオーストラリア人の「言語聴覚士」=ライオネル・ローグ(ジェフリー・ラッシュ)を訪ねる。
「如何なる患者とも、対等に接する」事を身上とする彼は、王子の反感を買いながらも、次第に彼の「胸中の想い」を引き出し、吃音克服のための道筋を指し示すのだった。

1936年。
父王=ジョージ5世が崩御し、その長男であり、アルバートの兄でもあるディヴィッド王子(ガイ・ピアース)が新王=エドワード8世とし即位するも・・彼は「自身の価値観=恋に生きる事」を優先し、わずか1年足らずで退位してしまう。

急きょジョージ6世を名乗り、即位する事となったアルバート王子だが、継承評議会での宣誓は・・やはり残念な結果となってしまった。

ローグと袂を分かっては、また指導を仰ぎに赴く・・と言った繰り返しを経て、遂に彼に全幅の信頼を寄せるようになったジョージ6世だが・・折しも、ポーランドから撤退しないドイツに対し“最後通告”を行った事で、英国vsドイツの開戦を迎えてしまう。

1939年9月3日。
英国王=ジョージ6世は、大英帝国全土、そして全世界に向け“国民を鼓舞するためのラジオによる生放送演説”を行う必要に迫られるのだが・・

まさに「予定調和」って感じで“ベタ”かつ“どストレート(直球)”な物語の展開する本作。
シ※マ坊主(松っちゃん)なら、差詰め「ポスター見たら、それだけで済むハナシやがな!」的なツッコミをしそうなトコは『リトル・ダンサー(2000)』や『恋におちたシェイクスピア(1998)』を連想させる。

その粗筋が、誰かに語り易いって点では『チョコレート(2001)』を思い出したし「ロイヤルの内幕が覗ける」ってな“下世話な好奇心を満たしてくれる”辺りは『クイーン(2006)』に共通するトコがあった気もする。

“吃音症の克服”って言う、ある種「ネガティヴ」っぽい部分が軸になってるトコに関し、万人には勧めにくいようにも感じるワタシだが・・それ故に観客の共感を得たり、琴線を揺さぶったり、ある種の緊迫感を(シーンによって)与えてくれてたようだ。

その点から評すれば「真面目に制作されつつ、実は結構“したたかな作品”ですやんか」的な印象を感じ取ってしまったワタシ(=^_^=) 結局のトコ「このインパクトに勝るだけの作品が、(今回の)アカデミーのノミネート作品群に見当たらなかっただけ」なンかも知んない。

キャスト陣が「素直に」結構良く、どちらかと言えば“ケレンミ溢れる役柄”ってな印象の強いジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーターが「ちゃんとフツーに」演技してくれてたのが、却って新鮮で良かった☆

ガイ・ピアースも、すっかり“あの頃(1997)の狡猾さ”こそ影を潜めてたが、印象に残る感じ。
そこに『ライムライト(1952)』でかの喜劇王=チャップリンと共演を果たした(!)あのクレア・ブルームさんが御年80にして、出演しておられスゴかった!

私的には「コミカルなトレーニングシーン」をもっともっと観てみたかったんだが・・物語の性質上、総じて余りコメディタッチには力が入れられてなかったようにも感じた。

尚、ワタシ自身はラスト以上に、前半の“録音機を用いたシーン”がとても良く・・「何だか理由は分かんないが」ポロッと行きそうになってしまった。
きっとラストに繋がる“光明”がボンヤリと見えたからなんだ、と思う。

振り返れば「何てコトない作品」なんだけど・・やっぱり「観とくべきやし、観られて良かったな」と素直に感じた佳作である。

〜 こんなトコも 〜

・夫婦だけで「平民街」にノコノコやって来る演出には驚愕! 暗殺とか誘拐とか、そう言うのの想定されない(のどかな)時代やったんか?
・チャーチルが終盤にジョージ6世に“とある告白”をするが・・あのタイミング、あの内容が・・如何に英国王を安堵させた事だろう?
・字幕担当は・・やっぱし松浦美奈さん!
・1930年代にして「レコード盤に録音出来る装置」があったとは!!(←シルヴァートン録音機)
・バーティ(=ジョージ6世の愛称)とローグの“友情”については、もっと具体的に、前面に持って来ても良かったかも。「黙って相手を見つめる」って描写だけだと・・2人とも何だか“悪人”に見えたりするのだ(⌒〜⌒ι)
・「身廊(しんろう)」って言葉を知った。日常生活で使う事は、ほぼ皆無と言えようが。。
・ローグに関し“とある事”が後に発覚するが・・大したトラブルには拡大しなかった。もう少し(スリルさを)盛り上げることも出来た?
・吃音のしとがいきなり“美味しい場面を持ってく”って脚色に限っては『恋におちた〜』の方が1枚上手だった気がする(=^_^=)
・“People”の前に“a”を付け“a people”とスピーチしても、特におかしくはないそうだ(?)

〜 こんなセリフも 〜

ジョージ「最初は“殿下”と。慣れて来たら“サー”と呼んで構わぬ」
    「最悪だ!(Helpless!)」
    「兄上、今の“醜態”は?」
    「毎日1時間は練習を(して来た)」
    「私のいない所で、父上は
     “バーティは、兄弟の中で一番、根性がある”と
     言っておられたそうだが・・
     私には(面と向かって)そう言わなかった」
    「兄の紹介で、召使いのポーレットに“手ほどき”を・・
     無論“同時に”ではないぞ」 ←すごい告白やん!
    「君は、私が初めて話す平民だ」
    「“人前で決して見せてはならん有り様”になっている」
    「僕は王なんかじゃない。海軍士官でしかない」
    「王の謝罪を待つ者は・・長く待たされる事になる
    「何を言ってるのかは分からないが、演説は巧いな」 ←ヒトラーに対し

ローグ「受付係はなし。物事は単純に」
   「“貧しくとも、満足なら豊か”・・シェークスピアです」
   「私が治します・・本人がその気ならば」
   「“信頼”と“対等な足場”が必要です。例外なしに」
   「いい子だ・・あの子は最初、何も喋れなかった」
   「生まれ付き吃音の子はいません」
   「考える時は吃音? では、独り言は?」
   「1シリング賭けましょう。私が勝ったら、あなたにもっと質問する。
    私が負けたら・・何も喋らなくていい」
   「“敵前逃亡”は、負けですぞ」
   「まだ終わりじゃない」
   「さ、コレを。金を賭けた“真剣勝負”ですぞ」
   「録音は無料・・記念にどうぞ」
   「表面的なやり方では、意味がないのです」
   「アゴをほぐし、舌と横隔膜を鍛えるのです」
   「次は来週? 毎日やらねば」
   「演説には“熱意”が必要」
   「“開いた窓から叫べる”なら、スピーチも出来ましょう」
   「私は“ゲイシャ”ではない」
   「罵倒する言葉は吃りませんな」
   「彼は“自らの影”に怯えている・・“偉大な王”となれる男なのに」
   「イヤな思い出はポケットから出すんだ。持ち歩くな
   「心の治療こそ大切だ」
   「わずか4回、質問に答えるだけ。簡単ですぞ」
   「間が長くてもよろしい。“厳粛さ”が出ます」
   「頭をカラに。私だけに向かって言うのです

エリザベス「シンプソン夫人には“特殊な技”があるとか。
      何でも・・“上海のとある館”で身に付けたものだそうよ」
     「何故あなたのプロポーズを3度目で受けたと?
      “素敵な吃音だわ・・幸せになれそう”って思ったからよ」
     「あなたはもう“自分の道”を歩いておいでです」

父王「コツを知れば、スピーチなど簡単だ」
  「臆さず、堂々とマイクに向かえ」
  「恐れに負けてはいかん。誰を恐れる?」
  「話さねば“国民との絆”が途切れてしまうぞ」
  「お前がヒトラーやスターリンに立ち向かうんだろ?
   この先、演説の機会は増えるぞ」

兄王「父上が時計を30分、進めてるんだ」
  「父上のような“善き王”を目指します」
  「哀れなウォリス・・一緒に暮らせない」
  「言うじゃないかバーティ。憲法を学んだか?」

大主教「(平民が寺院の)チョーサー、ヘンデル、ディケンズ
    の上を歩くとは・・」

側近「殿下、どうぞマイクにお任せを」
  「巧くいきますよ。焦らずお話し下さい」
  「王は落ち着かれております(Majesty's quiet now.)」
  「言葉も御座居ません(I'm speechless.)」

専門家「煙草は神経を鎮め、自信を与えてくれますぞ」

審査員「『リチャード3世』が、オーストラリア訛りとは」
   「この舞台には・・“もっと若く、王に見える者”が求められてます」

専門家「これはデモステネスを治した方法です」
エリザベス「“古代ギリシア”とは、古過ぎませんこと?」

マートル「誰が来るの? 秘密なら、何故話したの?」
ローグ「言わば“アマチュアだが、一流の連中”だよ」

ローグ「王族と話す時は、相手が話すまで待つべきかと」
ジョージ「だとすれば・・長く待たされる事になるぞ」

ローグ「ジョークはお好きで?」
ジョージ「どうにも“間の取り方”が下手でね」

ローグ「煙草の煙は、やがて生命を奪いますぞ」
ジョージ「医師が“神経を鎮める”と。爵位を持つ医師がな」
ローグ「そやつは“爵位級のバカ”です」

ローグ「この前、お貸しした1シリングは?」
ジョージ「持ってない」
ローグ「・・やっぱり」

ジョージ「何ともおかしな人だ」
ローグ「それは“褒め言葉”と受け取りましょう」

ローグ「今は、吃ってませんでしたな?」
ジョージ「当然だ。“歌った”んだから」

ローグ「生まれつき右利き?」
ジョージ「いや、右利きに矯正されたのだ」
ローグ「やはり」
ジョージ「他に“X脚”の矯正も」

ローグ「“友人の意義”とは?」
ジョージ「・・分からない」

ジョージ「君には、心から感謝している」
ローグ「では、私をナイト爵に?」 ←ちゃっかり、、

側近「空襲警報に(生放送演説を)邪魔されぬ事をお祈りします、陛下」
ジョージ「或いは、そこの犬にな

チャーチル「私も、実はマイクが怖いのです
ジョージ「それは“初耳”だ」
チャーチル「幼い頃、舌癒着症でして」

エリザベス「夫の名が“ヨーク公”なら?」
ローグ「確か・・お名前は“ジョンソン”と」
エリザベス「海軍で“敵を欺くため”に使った名です」
ローグ「では、この私のことも“敵”と?」
エリザベス「恐らく・・診療を拒めばね

ローグ「始めますか?(now?)」
審査員「どうぞ!(now!)」

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コメント

鑑賞お疲れさまです。

今年のアカデミー賞は、大した盛り上がりもなかったようですね。
淡々と進んでいったようで、やっぱりヒュー・ジャックマンのようなサービス精神をもったひとが前面に出ないとね~^^

あのビー玉って、使い回しなんですよね。
いくら消毒したからって、口に入れるものはワタシは無理だな~^^;

録音機のシーンはよかったですよね。
ヘレナの驚く顔にウルウルきそうでした。
こういう普通の役も出来るんですね。デカヘッドやら変わったキャラが多いので
普通なのになぜか新鮮に見えました(笑)

投稿: ituka | 2011年3月 5日 (土) 01時01分

itukaさん、お早うございます。

高松でも『ツーリスト』の上映が始まりましたが、
直感的に「ラジー寄り」なテイストを感じたりしてます(=^_^=)
この土日で「お試し」されるご予定でしょうか?

>淡々と進んでいったようで、やっぱりヒュー・ジャックマンの
>ようなサービス精神をもったひとが前面に出ないとね~^^

私的には『インセプション』『ソーシャル・ネットワーク』が好みじゃないので、
ああ言う形に終わってくれてホッとしました(=^_^=)

今は『ブラック・スワン』に期待値を高めてます。

>あのビー玉って、使い回しなんですよね。
>いくら消毒したからって、口に入れるものはワタシは無理だな~^^;

若くて美人な看護師のおねーちゃんが
「陛下の為に、温めておきました♥」とか言って、
口中から1ヶずつ取り出す(或いは口移しする)方が、
商売としては巧いですのにね。
(何のハナシをしてやがる!)

>録音機のシーンはよかったですよね。

どうせなら、いつも聴覚を遮断するようにして、
「ヘッドホン王」なる異名を、生涯欲しいままにしても
良かったかも、ですね(=^_^=)

>こういう普通の役も出来るんですね。デカヘッドやら
>変わったキャラが多いので
>普通なのになぜか新鮮に見えました(笑)

『十二夜(1996)』が再度観てみたい気がします。

ティムバーの影響で、イロモノ女優っぽくもなってはって、
ちょっと残念ですよねぇ。。

投稿: TiM3(管理人) | 2011年3月 5日 (土) 11時27分

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