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2011年2月 1日 (火)

☆『トイレット』☆

31日(月曜)の夜。
週末に帰阪してたのもあり、しばらく足を運べてない市内のミニシアター“ソレイユ”に立ち寄り『トイレット』と言うヘンテコ(?)なタイトルの作品を観て来た。

「荻上直子(おぎがみなおこ)監督の作品に、1ぺんは触れときたい」って気持ちもあったが・・これまで同監督による『かもめ食堂(2006)』『めがね(2007)』を全く観たことがないので「入門者として、果たしてついてけるかなァ?」と不安な気持ちの隠し切れないワタシでもあった(⌒〜⌒ι)

カナダ・トロント(明確に街の名は登場しない)。

母=コートニー夫人の死を経て、彼女の遺した屋敷に暮らす“パニック障がいにより、4年間も引きこもり続ける”長男=モーリーと“兄たちを小馬鹿にした視線で眺める”長女=リサ。

(それまでは)彼らと離れて生活してた“企業研究員で、ロボット系プラモデルオタク”な次男=レイだったが・・自身の住むアパートを火災により焼け出され、コートニー邸に転がり込まざるを得なくなる。

こうして、兄妹3人+亡き母の愛猫=センセーの共同生活が始まったが・・彼らにはもっと厄介な同居人がいた。
それこそは、母が日本から呼び寄せたと言う祖母=ばーちゃん(もたいまさこ)。

言葉も意思も通じないばーちゃんを不審がる3人だが・・次第に“心を通わせる”ことが出来るようになる。

そんな折、レイが密かに“DNA鑑定”に出していた「ばーちゃんの毛髪と、自らの毛髪を比較した」結果報告書が届くこととなり・・レイは予想だにしなかった“真相”を突き付けられることとなる・・

「海外が舞台」「セリフが全編英語」「唯一の“生粋の日本人キャラ”は一切英語を解さない(話さない)」・・ってトコ(制限性?)に面白味やスリルがあり「今夜はダラッと観とこう」と思ってたワタシは、物語の進む内に(自然と)襟を正すこととなるのだった(=^_^=)

登場人物のいずれもが、冒頭では揃って「鬱陶しくて仕方がない」のだが・・物語の進むウチに、魅力的に光を放ち始めるのが面白い!

そしてまた、兄妹3人それぞれにも「意外な一面の明らかとなる展開」が準備されてて良かった。

特にモーリーの“隠れてた才能”の爆発する瞬間には「やられたな〜」と。『トウキョウソナタ(2008)』と(ある種)似たようなカタチのサプライズ(?)なんだが・・こちらの方がよりキャラとしての“エキセントリックさ”がさんざ強調されてる分、インパクトも強かったかも、と。

ばーちゃんに関しては、、一切“無言”なキャラなンだが・・終盤でポツリと“2つの言葉によるセリフ”があり「きっと劇中の何処かで、何かを喋るんやろけど・・それを何処で聴けるんやろ? で、何て言わはるんやろ?」みたいな“妙な期待感”が自身の中で高まって来てもおり(⌒〜⌒ι)こちらも妙なスリルを感じ続けた。

そちらについては『HANA-BI(1998)』において岸本加世子さんの「ポツリと放つ、あのセリフ」を連想してもしまったが、もっと力の抜けた感じ(?)だったので、決してハナにつく風ではなかったかな、と。

兄妹それぞれが、特異な才能を秘めてそうなトコに、何故だか『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ(2001)』って作品を連想してもしまった(=^_^=) もっと(そこら辺の)演出にメリハリをつけたなら、更にインパクトの強い作品にも仕上げ得たように思う。

・・が、そんなやり方を敢えて(?)外し「小品の域にとどめた」潔さも良いかな、と感じた。
ラストも、妙なコメディタッチであっさり&バッサリ幕としてるし。

ばーちゃんを巡る“終盤の事情”を含むあらゆる(=^_^=)が、全くもって描写不足だったんだけど・・それ故に観客自身で「何やったんやろ?」的に想像の翼を広げることが出来る。

“何がどうって展開”なんぞはさほどなくも「反発し合ってた家族が、1ツ屋根の下に集まるコトで、普遍的なドラマが生まれるんやろな」「各自が何かを契機とし、自身を見つめ直せば、それはそれで“家族の再生”とも成り得るんやろな」と思ったワタシである。

〜 こんなトコも 〜

・字幕担当は、かの松浦美奈さん!
・「エアギター云々」の演出群は、ちょっと作品感を「騒がしく損ねかけてた」のかも(?)
・『スシ一番』で買って帰ったスシは・・130ドルもしてた!
・同じシャツを7枚も持ってる主人公。そんな「何気ないセリフ」をちゃんと(聞き流さず)覚えてくれてるしともいて(・ω・)
・色んなシーンで「3000ドル」って価格設定が繰り返し登場した。「DNA鑑定料」「(ヴィンテージな)ロボットプラモデルの値段」「某クルマの修理代」「TOTOの高級ウォシュレット『Neorest550』の本体価格」「レイの契約してた火災保険金」・・これら総てが、奇しくも同じ3000ドル!
・猫のセンセーには、さほどの出番はなし(・ω・)
・アグニの描いた某イラストが“完全に、全く、文句なしに”ばーちゃんに通じたようだ(=^_^=)

〜 こんなセリフも 〜

レイ“今日、ママが死んだ”
  “最期の願いに「もう1度、センセーの匂いを嗅ぎたい」と”
  “最後に「レイ、あなただけが頼りなの」とママは言った”
  “人生とは、退屈の繰り返しに耐え忍ぶことだ”
  “明日も今日とほぼ同じ。今日と昨日にも大差はない”
  「思い出は、各自の心にとどめよう」
  「イヤなのか?(You don't want to?)」
  「ばーちゃんはトイレから出ると、必ず深い溜め息を・・
   あんな人だったっけ?」
  「完全に、全く、文句なしに構わないってば」
  「彼女、ブスだぜ(She is agry.)」
  「ふざけるな!(God damn it!)」
  「タバコなんて“洗練されてない人”の吸うものだよ?」
  「すごくクールだね」
  「オタクが一番望まないことを? “同情”さ
  「これは“臨時収入”ってトコさ」
  「スゴいや!(Oh my god!)」
  「これぞ“日本の偉大なるテクノロジー”だ」

モーリー「(ばーちゃんは)当分出て来ないよ。朝は長いんだ」
    「(僕ら)アメリカ人の食べるスシは、(ホントの)スシじゃないってことかな?」
    「直せる?(Can you fix it?)」
    「もういいよ(Forget it.)」
    「お願いがあるんだ(Can I ask you something?)」
    「餃子が出来たよ(Gyoza is ready.)」
    「(それを)したいからするだけだ。
     欲求に理由を求めるなんて・・無意味なのさ
    「眼を見て、誠実に頼めば・・必ず通じるよ。心を込めるんだ」

リサ「スシを4人分、お願い。イクラも忘れずに!」
  「ウンザリだわ(forget it.)」
  「私はフェイク(見せかけ)じゃないわ」
  「彼には妹がいて、孤独に死んだりしないわ」
  「自分がフェイクじゃないって証明したいの」
  「私の“魂の叫び”を聴いて」

アグニ「(鳴ってるのは)君の電話だぜ(You have call.)」
   「君の電話だ(Phone for you.)」
   「アメリカ人はいつも“自分が世界の中心だ”と思ってるんだな」
   「トイレには、それぞれの国の文化が反映されてるんだ」
   「今や日本のトイレの大半は“西洋式”なのさ」
   「マドンナが“日本の温かい便座が懐かしいわ”って言ったそうだ」
   「ウォシュレットは“日本の偉大なるテクノロジー”だ」
   「これは情報じゃない・・知識だ
   「今まで気付かない程、※※の※※だったんだ。それで十分だろ?

レイ「君って、イイ奴なのか?」
アグニ「どうかな?」

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