☆『デイブレイカー(2009)』☆
7日(月曜)。
久々に早朝の起床をこなし、それなりの「働きました感」を得たりもした(←おこがましい!)この日。
夕刻になれば、流石に疲れも出て来たが・・市内のミニシアター“ソレイユ”に寄り道し、公開の始まった『デイブレイカー』と言うSFアクション作を観て来た。
奇しくもこの日は「メンズデー」だったモノで、おサイフにも、ちょびっと優しくは済んだ(=^_^=)
その代わり、女性観客が全然おらず、それはそれで暑苦しかったけど(←あ、オレが1番暑苦しいのか(⌒〜⌒ι))
※
2019年4月・・近未来の地球では、ヴァンパイア(吸血鬼?)が人類の中心となり、高度で秩序ある文明社会を継承していた。
いわゆる“通常(旧来)の人間”はヴァンパイアによる「捕獲の対象」となったため・・生き残った人々は姿を消し、(都会の)地下や(人里離れた)山奥に隠れ住むことに。
大手製薬会社“ブロムリー・マークス”の主任研究員であるエドワード・ダルトン(イーサン・ホーク)は、助手のクリスと共に“代用血液”の開発に頭を悩ませていた。
わずか10年前、1羽のコウモリに端を発した“奇病”により、瞬く間に全世界へと伝播した“ヴァンパイア化”の反動で・・今や(ヴァンパイア)社会は深刻な“食糧危機=血液不足”にさらされていたのだ。
ブロムリー社長(サム・ニール)の試算によれば、旧人類の比率が5%を下回ってしまった現状では、早急な対策(=代用血液の開発⇒大量生産)を打たねば、全人類を賄うに必要な量の血液は「来月まで持たない」と言う。
血液の不足したヴァンパイアたちは“サブサイダー”と呼ばれる、血に飢えた(=^_^=)醜い化け物となり、暴徒に姿を変え市民を襲い始めるのだった(彼らには前頭葉に欠陥が見受けられ、耳が長くなり、感情を喪失する傾向が見られた)。
ある夜、帰宅途中に数少ない“生き残り”の男女(4人)と遭遇したエド(エドワード)は、自身の中に残る“人間に戻りたい”と言う想いを急速に募らせることに。
そんな彼の前に、自らを“エルヴィス”と名乗る、ライオネル・コーマック(ウィレム・デフォー)と言う男が現れる。
「かつてはヴァンパイアだったが・・“とある事故”に遭遇したことで、奇跡的に人間に戻ることが出来た」と語る“エルヴィス”の言葉に“ヴァンパイア化した人類の治療法”を探ろうとするエドであったが・・
※
「A級の域」には到達してない(←断言(だんげ)ってスンません)本作であるも、映像的な部分で「何とも言えぬ上質感」を感じ続け、好感を覚えてしまったワタシである。
“ヴァンパイアもの”をベースに“ゾンビもの”のテイストを絡め、そこにカーチェイスやガンアクションなどの“爽快な要素”を練り込んでる訳だから、面白く仕上がらないワケがない!
ある意味「行きつくトコまで行ってしまった」感のある“ゾンビもの(作品)”の閉塞感(?)に、新たな一石を投じる佳作やな! とは思う。
その一方で、必要以上に(?)“スプラッター描写”が展開されるもんで(ちょいと、意図的な、悪ふざけ的なのもあるし、、)気持ちを乱されると言おうか・・万人には勧めにくい“ゾンビファン向け作品”の域をなかなか脱せてない印象もあったように(・ω・)
も少し“静粛性を保ち、芸術性を高めつつ維持する”スタイルで全編を貫くことが出来たら・・ひょっとしたら、かの『ガタカ(1997)』を超え得る傑作になってたかも知れない! と思うと、少し残念ではある。
・・
主演のイーサン・ホークが、まずイイ! 一見、ヴァンパイアとしての生活に満足してるようでいて、それにすら退屈してるような雰囲気を漂わせてるんだが・・実弟=フランクとの会話の中で“迷い”を漏らす。
また、旧人類の女性=オードリーにも恋心を抱いたり(?)もする。
「優雅やけど、いつも悩んどる主人公像」を演じたらピカイチなのではないだろうか? タバコをくわえ、ただ佇んでるって姿が、、表情が、、いちいちサマになってンだよなぁ・・(憧)
デフォーおじさんは、久々に「主役を喰っちゃう勢い」の存在感(=^_^=)が爆発してて良かった。ライオネル・コーマック・・なる役名なんぞは、すぐに忘れっちまいそうだが・・(=^_^=) 本作における彼の存在感は『ストリート・オヴ・ファイヤー(1984)』『ルル・オン・ザ・ブリッジ(1998)』『シャドゥ・オヴ・ヴァンパイア(2000)』と並び、(彼の)助演作品群の中にあって、決して忘れ得ぬものとなって行きそうだ・・(=^_^=) ←他にも代表作があるだろ!
サム・ニールは・・予想してた程にはパワーがないと言おうか・・あんまし“悪のボス”には向いてない気もした。根本的な恐ろしさに欠けると言うか、愛娘=アリソンを巡る“一連の流れ”を通しても「悩める父親」と言うキャラ造型がイマイチ確立出来てなかったように。
これって脚本の問題やろか?
ヒロイン=オードリー役を演じたクローディア・カーヴァンさんのご尊顔には、何処となく“松雪泰子さんの雰囲気”が漂ってて、必要以上にドキドキさせられてしまった(⌒〜⌒ι) 終盤では「私も、罪を償います!」とか叫びはりそうな気もして、更にドキドキ(←だから、作品が違うだろ!)
・・
ヴァンパイアが「互いの血を吸う」「自分の血を吸う」ことで“サブサイダー”と言うゾンビ系に変貌する一方で「3度連続して※※を※※る」ことや「それによって※※※した者の※を※※する」ことで人間に戻る、と言う設定も斬新な気がした。
また、特筆すべきは中盤・・エドたちの乗るクライスラーと、装甲車数台によるカーチェイスシーンだろうか。
昼間に運転するため“UV防御モード”に切り替え、車外に備え付けたカメラ映像のみを頼りに逃げ回るしかないんだが・・カメラが被弾し、次第に視界の断たれてく状態(!!)で運転しなければならなくなる展開がスゴかった(☉д☉) ちょっとした見所ですわ!
〜 こんなトコも 〜
・“ヘマシリン”“CBC”“エピモン”なる薬剤名が登場したが、架空系なんやろか?
・「ウボァ〜!」と激しく嘔吐するのか、全身を爆発&四散させるのか、どっちかにしとくれ!(☉д☉)
・アリソンのニックネーム(?)が“アリー”なんやね。
・「新しい隠れ家に移動する」のか「古い隠れ家に残る」のか、どちらの選択が正しいのかは・・神(=脚本家)のみぞ知るってトコか。。
・南北戦争で活躍した、シャーマン将軍(北軍)の言葉が引用されてた・・「戦争など、ただ愚かなだけだ」と。
・隠れ家の車庫(?)に保管されてた“ポンティアック・ファイヤーバード(トランザム)”のボディに書かれた文句「灰から新たなる生命が・・」がカッコいい!
・サブサイダーの集団に対する“処刑シーン”は、もっと切なくも描けたと思う。『リベリオン(2002)』ほどの切なさは(微塵も)感じられなかった。
・かつて『ヒドゥン(1987)』において、異星人(アルテア星人)が“口腔を経由し、人体に乗り移る”際の描写が「善のエイリアン」と「悪のエイリアン」で全然違ってて、思わずツッコんでしまったワタシだが・・(⌒〜⌒ι)本作でも“人間に戻った2人のヴァンパイア”の迎える運命に関し、かなりの違いがあり、苦笑させられた(=^_^=)
・それにしても、ターナー上院議員って・・可哀想過ぎ(×_×)
〜 こんなセリフも 〜
エド「“10回目”の35歳の誕生日だ。もはや、意味なんてないさ」
「この世は最悪だ。死ぬことすら出来ない」
「殺しに来たのか?(Did you come to finish me off?)」
「“人間の感覚”を・・思い出せない」
「恐れないさ・・僕は“もう死んでる”から」
「“腰抜け”はどっちだ?」
ブロムリー「不死となったことで、世界が変わった」
「死に直面したことで、生命の価値を知ったのだ」
「人間に同情しているんだな? 私も同じだ。
・・だが、事態は深刻なのだ」
「高いカネを払ってでも“本物の血”を欲する者がいる・・と言う訳だ」
「我々がやらずとも・・誰かがやるのだ。政治的に考え給え」
「なぁ、エド・・(You know Ed..)」
「君の兄は“ヴァンパイアでいること”をとても嫌がっているようだが?」
「君のいぬ間に、事態は非常に悪化した」
フランク「人間でいるより楽です。俺は、兄とは違います」
「怯えて生きるのが、君の望みか?」
「君に“永遠の生命”を与えよう」
エルヴィス「樹は“地球最古の生命体”だが・・いつかは死ぬ時が来る。
お前もな・・いや、この樹より早いかも知れんぞ」
「俺の望みか? お前たちと同じ・・“未来”だ」
「昔から“車の改造”が俺の専門でな」
「世界は・・たちまち変わる」
「今や、人類は“絶滅危惧種”だ」
「太陽に晒された気分? “フライドキチン”になった感じさ。
雷が心臓をキックスタートさせたような・・
真空の部屋に突然、空気が流れ込んだような・・そんな感じだ」
「今は・・彼女を助けられん」
「俺か? 俺は“クロスボゥを持つ男”だ」
「酷く悪趣味な家だな」
「プレスリーはこう言ってるぜ。
“真実は太陽と同じ。たとえ少しの間、
遮(さえぎ)られたとしても、
決して消し去れはしない”と」
(Truth is like the sun.
You can shut it out for a time, but it ain't goin' away.)
オードリー「あなた、うわの空じゃない」
「心配をやめれば、長生き出来るわよ」
「戻って来れたわね(Welcome home.)」
アリソン「田舎は安全よ。太陽を遮るものが少ないから」
「あんたのせいよ!(You take this!)」
※「治療法などない・・あってはならないのさ」
「君は成功し損じたのだ・・何故なら、弱いからさ」
エド「ここは安全なのか?」
エルヴィス「“娼婦とゴムなしでやる”のと同じぐらい危険さ。
隠れ家と言えど、安全とは言えんな」
追記:本作の字幕担当も松浦美奈さん! ホンマにすごい仕事っぷりや!
| 固定リンク
コメント
こんばんは。
お~!ご覧になったのですね^^
>「優雅やけど、いつも悩んどる主人公像」を演じたらピカイチ
そういえば、言われるようにイーサンのこのイメージこそ
10年前のブラピの専売特許だったような気がします^^;
どこからオカしくなっていったのか分りませんが
最近はブラックコメディ系に流れて行ってるように思いますよ。
次世代の車もそろそろ本作に登場したようなオプション付けてくれないかな~(爆)
天井にカメラって、これがいちばん欲しいです^^
投稿: ituka | 2011年2月 9日 (水) 00時03分
itukaさん、お早うございます。
ご覧になられてたんでしたね(⌒〜⌒ι)
貴ブログの過去記事を辿り、ようやく気付いた次第でした。。
>言われるようにイーサンのこのイメージこそ
>10年前のブラピの専売特許だったような気がします^^;
『インタビュー・ウィズ〜』や『ジョー・ブラック〜』辺りでしょうかね。
私的には『カリフォルニア』『12モンキーズ』での“怪演”が印象深くて
「こう言う役柄にも取り組まはるんやね」と思ったモノでした。
>最近はブラックコメディ系に流れて行ってるように思いますよ。
そうですね。
でも、ノリノリで演(や)っておられそうで、それはそれで「頑張って」と応援したげたいです(=^_^=)
>次世代の車もそろそろ本作に登場したようなオプション
>付けてくれないかな~(爆)
>天井にカメラって、これがいちばん欲しいです^^
紫外線は正直、浴びない方が良いそうですしね。
スバル(富士重工業)さんの“アイサイト(eyesight)8.0”ぐらいで実現しないかなぁ・・(=^_^=)
んでも、昼間(日中)はまだ良いにせよ、夜の運転であのモードは、流石に怖過ぎましょうね(×_×)
投稿: TiM3(管理人) | 2011年2月10日 (木) 07時32分