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2010年12月28日 (火)

☆『小さな村の小さなダンサー(2009)』☆

27日(月曜)の夜。
恐らく、今年最後の(そこでの)鑑賞となることだろうが・・商店街の中に位置するミニシアター“ソレイユ”で、上映中のドラマ作『小さな村の小さなダンサー』を観て来た。

毛沢東主導による“文化大革命”時代(1966-78)、山東省のとある寒村で生まれ育った少年=リー・ツンシンが、アメリカを代表するバレエダンサー(←ヒューストン・バレエ団の“プリンシパル(最高位)”)となってゆく輝かしき道のりを歩みつつ・・その一方で祖国に翻弄される半生を描いた自伝的作品。

ポスターの“絵ヅラ”から(どうにも)連想したのは・・『リトル・ダンサー(2000)』の“中華版”的な作品やろか? ってコトだったが・・本作ってばバランス的には少年期が比較的あっさり描かれ、青年期となってからのドラマに、その重きが置かれてた。

ってことで、私的にはもっとツンシン君の少年時代の物語を観たかったモノだった・・何だか、あっという間にトシとっちゃうんだもんなぁ(・ω・)

改めて「幼少期から共産主義思想でアタマを固められちゃうと、資本主義社会ではマトモに生きて行かれへんかもな〜」と怖くも感じた。
北京から来たお役人さんが「我々の生活水準は、世界最高レベルなのだ!」みたいなことを学童らに言い聞かせるんだが・・「その論の何処に説得力があるんだよ!」とツッコミたくもなる。

きっと、徹底した言論統制により“良く考えたら分かる筈のことでさえ、良く考えるだけの時間も空間も与えられて来なかった”ってことだろうなぁ・・(×_×)

一方で、ツンシン青年を巡る女性関係が、余りハッピーにも見えず、彼を軸にした「3人の女」のキャラ造型がハッキリ言うと“雑”に感じた。
本作のテーマの1ツが「愛」だと言うなら・・もっとしっかり「女性たちとの愛(と性?)」も描写して欲しかったなァ。

にしても、ツンシン青年がソロダンスを披露してくれるシーンの“跳躍力”“回転速度”には流石に圧倒された!
ワタシの好む表現(?)を使わせて頂ければ、まさに「周囲の空間を刈り込むような」シャープ&高速な回転なのだ! 例えば、あの回転テクニックに「蹴り」アクションを加えたら・・もはや“ちょいとした截拳道(ジークンドー)だね、こりゃ”って風でもある(・ω・)

かつて、作家の竹内義和氏が「バレエダンサーがマジギレして戦うと、強い」的な“決め打ち発言”(?)をしておられたことがあったが・・これこそは“そう言うこと”なのだろう(←って、どう言うこと?)

総じては・・「描く/描かない」のバランスこそイマイチに思えたが、まぁそれなりに期待を大きく外れるコトもなかった1作だったろうか。

〜 こんなトコも 〜

・字幕担当は松浦美奈さん。英語の日本語訳のみならず、中国語の日本語訳までこなしておられた! スゴいしとや!
・久々に拝見出来た感のあるカイル・マクラクラン氏(弁護士=チャールズ・フォスター役)。『ヒドゥン(1987)』の時は「抱かれてもエエ!」とまで思った(←ホンマかよ)ハンサムさんだったが・・流石にダンディなおじさんと化して来たはりました。でも、カッコいい。
・後半、ツンシン青年が※※と遂に再会を果たすシーン。折角の感動的なステージなのに・・何であんな“半裸スタイルの創作舞踊”なんだろ? 『リトル・ダンサー』もそうだったけど、あの手の“キワモノ系ダンス”はちょっと、観客を戸惑わせるだけな気がする。。(パンイチな)股間もクッキリ&モッコリしてるし(←まぁ、それはエエけど)
・「北京舞踊学院」で知り合った、バレリーナさんとの関係もエエ感じやったのに。あの娘、急に退場しちゃいまして(×_×)
・ブルース・グリーンウッドが、バレエ・カンパニーの指導者=ベン・スティーヴンソン役を演(や)ってはったが、それなりに雰囲気が出てた。バレエの経験者なんやろか?
・レーガン政権時代(1981-89)、ジョージ・ブッシュ副大統領(当時)の妻=バーバラ夫人は、ヒューストン・バレエ団の理事を務めたはった。
・「ファンタスティック(素敵だ! の意)」なる表現は「ワンダフル」「ベリー・グッド」「グレイト」と置き換えても良い(・ω・)
・毛首席を称える『東方紅(とうほうこう)』なる歌があるそう。
・当時の中国では「金持ち=階級の敵」と決めつけてた。
・ベンに衣類をプレゼントされたツンシン青年が「僕の父の稼ぎは1年で50ドルなのに、あなたはわずか1日で500ドルを浪費している」と批判するセリフも印象的だった。
・故郷から送り出す際、おかんたちがツンシン少年に持たせたのは「布団」「餃子」「万年筆」だった。
・「ワガノワ・メソッド」なる指導法があるとか。
・バリシニコフはバレエ・ダンサーで、カラシニコフは自動小銃です(⌒〜⌒ι)
・「マーロン・ブランドだって、日本人の農夫を演じたろ?」なるセリフがあったが『8月15夜の茶屋(1956)』のことやろか? ←未見。。
・男性の踊り手を“ダンスール・ノーブル”とか“ビッグ・バレリーノ”と言う。
・山東省の学校のオモテ(門の辺り)には「面向未来」と書かれてた。

〜 こんなセリフも 〜

ツンシン「大統領が嫌いだって? 大きな声でそんなこと言って、怖くないのか?」
    「僕にはバレエが分からない。・・何故、選ばれたのかも」
    「英語は動詞が変化し過ぎる」
    「・・僕には出来る」
    「セックス? 1、2、3、、のシックス(6)のこと?」
    「中国は“簡単な国”じゃない
    「この国の方が良く踊れる・・“自由の国”だから」
    「舞台では、家族のために踊ります」

ベン「動きを真似してみて(Copy them.)」
  「彼らは無感情だ。笑わない・・ダンサーと言うより、アスリートだ」
  「踊ってくれ(Come on..)」
  「(1人だけ)目立とうとするな」

リズ「チャンスを逃さないで」
  「結婚したのは、私への愛? それともアメリカに残るため?」

フォスター「結婚生活のトラブルは、移民問題よりよほど深刻だ」
     「大統領にだって、(オモテの)記者たちを立ち去らせることは出来んさ」

総領事「アメリカ人からの贈り物は、決して受け取るな」
   「アメリカでは、誰も信じるな。特に“女は堕落への道”だ。
    迷った時こそ、共産主義の原則を思い出すのだ」
   「資本主義の誘惑に勝つ、強さと勇気がお前にはあるか?」
   「今も、共産主義の大義に忠実か?」
   「実力行使に出ますよ?」
   「中国は(お前と言う)息子を1人失った。
    2度と戻ることは許されぬだろう」

教師「クラシック・バレエは“世界で最も美しい芸術”の1ツだ」
  「泣くな。泣くのは弱さの徴(しるし)だぞ」
  「お前は力がないな」
  「共産主義の最終段階では、強欲も飢えもなくなるのだ」
  「形式に当てはめるのは、バレエではない」
  「鍛えれば・・身体は軽くなり、飛べるようになる
  「ツンシンは、政治意識が未熟だ」

学友「鼻の大きな外人の顔は、みな同じに見えるぜ」

ツンシン「楽しい夜を(Nice night.)」
ベン「それを言うなら“お休み(Good night.)”だ」

※※「何故、服を着ないで踊るのだ?」
ツンシン「そう言う演出なんだよ」

追記1:たまたま(=^_^=)“シネマ・サービス・ディ”だったモノで、お安い入場料での鑑賞こそ叶ったが・・ロビーで販売されてた『RED Line』のリミックス・アルバム(価格2000円。1000枚限定プレスCDらしい!)を購入してしまったので、意外とおサイフにズンと響いた感じ(・ω・)>
追記2:この“ソレイユ”では、来年早々にジャン・ピエール・ジュネ監督の『ミックマック(2009)』の上映が控えてもおるようで、ちょっと今から期待値を高めている(=^_^=)

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