« ☆“ドラゴン3夜”☆ | トップページ | ☆『キャタピラー』☆ »

2010年8月13日 (金)

☆『牛の鈴音(2008)』☆

12日(木曜)。
2日ほど高松を離れ、戻って来ると・・市の中心部にある公園では「第45回さぬき高松まつり」の3日間が、当夜よりまさに始まろうとしていた。
公園の外周に沿って提灯が吊り下げられ、エエ感じになっている。

仕事が終わってから、ぶらりデジカメ片手に立ち寄ってはみたモノの・・流石に会場内の年齢層が低過ぎ、ワタシなんぞは即座に「居場所がないなァ」とショボォンとなってしまった。。
コレがせめて、彼女と一緒なら・・まだしも肩身が“若干は”広くなることだろうが・・(×_×)

そんなワケで、公園をグル〜ッと一周し、そそくさとそこを後にした(=^_^=)ワタシだが「このまま帰るのも、何かヤングパワーに屈したようでイヤやなァ」と自意識過剰気味(=^_^=)に考え「そや!」と思い付き、商店街のミニシアター“ソレイユ”に行ってみることとした。

以前に予告編を(何度か)観て、気にはなってた1作『牛の鈴音』って言う韓流作を観ることに。

ココロの何処かで「のんびりと寛いだ世界」を楽しみたいモード(気分)となってたのかも知んない(・ω・)

2007年1月。韓国・清涼寺に参拝する、年老いた夫婦の姿が映される。
夫は79歳のチェ・ウォンギュン爺さん、妻は76歳のイ・サムスン婆さん。爺さんは先月亡くなった耕作牛のために手を合わせている。

「死んだ牛がそんなに恋しいのかい?」そんな、少し“毒”を含んだような妻の言葉に、
「恋しいが・・もう済んだことだ」と夫は“しばし沈黙のあと”応えるのだった。

そして夫婦の記憶の中に、30年と言う驚異的な年月を共に過ごした“あの老牛の姿”がよみがえる・・

ひと言で語るなら「ゆっくリズムなドキュメンタリー作」って感じか。とにかく牛歩(=^_^=)の如く、ノロノロと農夫の平坦な日々のドラマが綴られるので、寛いで観ていられる一方・・安心し過ぎて、ちょっとウトウトしてしまったり。

ワタシも流石に今日と言う今日は正直、疲れてたし(⌒〜⌒ι) 中盤で瞬間的に何度か寝てしまってますた。。

英題が「Old Partner」である本作。そっちの方が(情緒を欠くにせよ)作品のニュアンスは観客に伝わり易いかも知れぬ。

さほど大きな波もなく、ストーリーは淡々と進むんだが(冒頭で“牛の死”と言う結論はハッキリ(観客に)伝えられるため、その辺りの謎解きみたいなモノはない)・・見所としては「共に重ねた年月により、常識的な意思疎通の総てを超越してるような」老夫婦のやり取りを眺めるのが、結構面白かったりする(=^_^=)

婆さんがとにかく劇中の95%ぐらい(=^_^=)の割合で爺さんに「愚痴」をこぼしまくるんだが、、爺さんは「馬耳東風」ならぬ「牛耳東風」を自然体で決め込むのだ。

それに対し、婆さんも婆さんで「言い過ぎた」と反省するでもなく、言いっぱなしだったり。
「全く、やれやれだよ」「困ったもんさね」とか愚痴ロボットのように延々と愚痴っている(⌒〜⌒ι)

そして、老いた牛の「牛車」を引く足取りが、ズンズン重く(遅く)なって行くのもスゴい。

これまでに観た、印象的な“低速描写”では・・例えば『ストレイト・ストーリー(1999)』におけるトラクター爺さんの存在(時速8km)なんかもあったが、、本作の牛&チェ爺さんの歩みのノロさって言えば・・間違いなくそれを下回り“映画史上最遅級”ではありますまいか、と。

「(牛車から)降り、牛と並んで歩いた方が速いじゃんかよ!」とココロの中で突っ込んでたら・・最期はとうとう「牛車」を降り、これまたノロノロと歩き始めたチェ爺さんだった・・

にしても、
爺さん婆さんのしわしわ顔のどアップは、決して大画面(スクリーン)に映えるもんじゃないし、物語としてもさして「希望」を与えてくれる類のもんじゃなかった。

ただ、シルエット状態で映される牛&爺さんのカットなど、数シーンの映像美には「エエなぁ〜!」と唸らされた。
もっともっとああ言う「遠距離から捉えた牛&老人」の“そのままポストカードになりそな”映像群が欲しかったなァ。

〜 こんなトコも 〜

♦マッコリ酒を1本、牛に飲ませると・・死ぬらしい?
♦「タンポポが牛のクスリになる」とチェ爺さん。
♦爺さんが牛を叱る際の「しゃんとしろ! この老いぼれめ!」の言葉が、自らに言い聞かせてるようにも響いた。
♦老いた牛の面倒をひたすらに見る爺さん。婆さんに「これは、自分の背負う業(ごう)みたいなものだ」と常々言ってたらしいが・・何か爺さんにも「言えぬ過去」があったんやろか?
♦達筆な題字は、菅原文太兄ィによるものだった!

〜 こんなセリフも 〜

チェ「あと1年で死ぬって? そりゃ、困るね」
  「30年も、牛車を黙って引き続けてくれた。
   わしにとっては“人間よりも大切な存在”だ」
  「農薬を使え? とんでもない。
   牛のエサとなる草が、毒になってしまう」
  「ラクをしようと思うな」
  「作物より、牛の方が大事だ」
  「頭痛がする・・わしも長くはないな」
  「・・やっとラクになれるな」

イ「全く困った人だよ。
  “風に吹かれる木”よりも無口と来たもんだ」
 「あの牛は幸せだよ。不幸なのは、このあたしの方さ」
 「この牛にはうんざりだよ。いなくなりゃ、ラク出来るのに」
 「何の因果で・・こんな男に嫁いだんだろうね」
 「生きることはしんどいね・・悲しいよ
 「あんたが死んだらやってけない・・あたしもすぐに後を追うよ」

※「実の子より、よほど出来がイイな」
 「死に損ないの牛だろ? タダでも要らんような牛だ」
 「老いぼれだから、肉にしても固いぞ」

獣医「かなり衰弱している。
   ご主人・・心の準備をして下さい。イイですね?」

追記:劇中で「鈴音の鳴る回数」を数えたりした猛者はおったんやろか? かなり鳴ってたように思う。観終わってからも幻聴がアタマの中で響き続けてますた(⌒〜⌒ι)

|

« ☆“ドラゴン3夜”☆ | トップページ | ☆『キャタピラー』☆ »

コメント

実は、これ気になっていたんですよ。
予告編を観たときに、癒し系映画にしようと決めてました。
今思うと、この映画と『ACACIA アカシア』が微妙に被るんですけど~(って猪木は牛かよ)^^;

投稿: ituka | 2010年8月13日 (金) 20時21分

itukaさん、お早うございます。

昨夜はこちら高松で花火大会がありまして、
3脚+デジ1で1時間に140枚ぐらい撮りましたが・・

使える写真って10枚もあるやろか・・と不安に包まれてます(=^_^=)

>予告編を観たときに、癒し系映画にしようと決めてました。

癒し系なのでしょうかね・・
「死」や「喪失」を前面に持って来てる時点で、凡庸な感は否めませんが・・

まぁ老夫婦の究極の姿を眺めるには、
かなり(将来の)参考となりそうに思います(=^_^=)

>今思うと、この映画と『ACACIA アカシア』が
>微妙に被るんですけど~(って猪木は牛かよ)^^;

おお! こんな作品があったんですね。
辻仁成センセイ、狙って来てますなァ〜 って感じです。

あのしとキザだから、セリフが全編フランス語・・とかだったらどうしよう(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年8月14日 (土) 08時09分

こんばんは。

本作は。結局スルーしてしまったものの、京阪神ではロングランでした。

漠然と自身の中に描くイメージとしては中国の映画っていうイメージなのですが、韓国の映画なのですよね、これ。

>英題が「Old Partner」

なるほど。
そして同じくOld Partnerである“婆さん”、意外に多くの場面で御登場される?のですね。お爺さんと牛だけの世界をフィーチャーした作品じゃなかったんですね。
いつか観てみようと思います。

投稿: ぺろんぱ | 2010年8月15日 (日) 18時22分

ぺろんぱさん、お早うございます。

土日で高松〜大阪(枚方)間を往復しましたが、印象としては
「いっつも混んどるなぁ・・若宮〜月見山(神戸)」って感じです。

もっとみんな“クルマ離れ”してくれたら、さぞ道も空くやろに(おい)

>本作は。結局スルーしてしまったものの、
>京阪神ではロングランでした。

そうでしたか! 宣伝の勝利、でしょうかね。(勝ったんだか)

>漠然と自身の中に描くイメージとしては中国の映画っていう
>イメージなのですが、韓国の映画なのですよね、これ。

そうですね。それっぽいイメージですよね。
確か「大河」とか・・
そう言う中国っぽい風景は出て来なかったですね。

>そして同じくOld Partnerである“婆さん”、
>意外に多くの場面で御登場される?のですね。
>お爺さんと牛だけの世界をフィーチャーした作品
>じゃなかったんですね。

そうです。
爺さんが寡黙過ぎるのもあり「観客の抱えてるモヤモヤとした不満」
を代弁し続けてたのが婆さんって感じでした。
(そう言う意味では欠かさざる存在でしょう)

>いつか観てみようと思います。

某国営放送で、案外近いうちにも放送されそうな気もします。

ホンマに「小粒な佳作」って風でした(・ω・)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年8月16日 (月) 07時16分

確かにこの映画、観たいと思いながら...の作品です。
私も上のお二人と同じく、観たいなぁと思いつつ、ロングランにも関わらず....実は見逃しています。

映画の中味と同じようにゆったりした....実は眠たいようなものなのですね。無理して観にいったらしっかり寝てしまっていたかも。

婆さんの愚痴、これもネチネチしていて、実はおっしゃるようにこのお爺さんのように馬耳東風していれば...結局眠たくなるかも。

DVDを借りてPCで観るときも“映画史上最遅級”を考えて、ゆったりと時間を十分とって観たほうが良さそうですね。(映画館なら必ず眠ってしまいそう。)

投稿: west32 | 2010年8月18日 (水) 22時23分

westさん、ばんはです。
週末まで、もうひと踏ん張りですね。

>映画の中味と同じようにゆったりした....実は眠たいようなもの
>なのですね。無理して観にいったらしっかり寝てしまっていたかも。

鑑賞時の気分次第でしょうね。

「物足りん!」と言う人あらば
「ゆったりとした時間を楽しめ、最高でした!」と言う人もおりましょう。

>婆さんの愚痴、これもネチネチしていて、

まぁ、終盤では「寄り添う」ような本心も吐露されてましたよ。
ある意味、婆さまの言い分(の数々)も「至極真っ当」なので、
このしとがいないと「スパイス不足」ではあったと思われます(=^_^=)

>DVDを借りてPCで観るときも“映画史上最遅級”を考えて、
>ゆったりと時間を十分とって観たほうが良さそうですね。
>(映画館なら必ず眠ってしまいそう。)

そうそう。ゆったりと観る作品と思います。
しかし・・DVDで観ると、案外集中出来ないかも、ですね(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年8月19日 (木) 20時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« ☆“ドラゴン3夜”☆ | トップページ | ☆『キャタピラー』☆ »