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2010年7月10日 (土)

☆『パレード』☆

9日(金曜)の夜。
明日の午前から「ぼちぼち帰阪開始しよう」と予定してるので・・色々と帰宅してからもやるべきこと(≒実はやらんでもエエこと(=^_^=))はあったんだが・・どうにも気になって仕方なかった邦画が1本あり、それを観るため商店街の中にあるミニシアター“ソレイユ”へと(いったん帰宅後に)向かい、レイトショーで『パレード』を鑑賞して来た。

行定勳監督の号令のもと、藤原竜也・小出恵介・貫地谷しほり・香里奈、そして林遣都の5人の若手が集まり、密室劇風な、オムニバス風な展開を繰り広げるミステリー(なの?)。

東京都世田谷区。
とあるマンション6階の1室(601号)で共同生活を営む4人の男女がいた。

・面倒見の良い、健康志向のサラリーマン=伊原直輝(藤原)
・いつも不満げな自称・イラストレーター=相馬未来(香里奈)
・TVドラマの男優(丸山友彦)に想いを寄せる無職娘=大河内琴美(貫地谷)
・童貞疑惑もある大学生=杉本良介(小出)

互いが過剰に干渉し合う訳でもなく、大きなことも特に何も起こらぬまま過ぎて行く夏・・
そんなある日、彼らの周りで3ツの大きな“事件”が起こる。

・世田谷界隈で、深夜1人歩きする女性ばかりを狙った3件の連続暴行事件が発生 ⇒ その犯人とは?
・隣の602号室から、公民党所属の大物政治家=野口良夫(石橋蓮司)の出て来る姿が目撃される ⇒ 隣家の住人は何者?
・ある朝、いきなり小窪サトルと名乗る青年(林)が現れ、5人目の住人となる ⇒ 誰が彼を連れて来た?

サトルとそれぞれに向き合う4人。

次第に、4人の中に「そろそろこの部屋を抜け出さなくては」と“転機”を求める気持ちが沸き上がってゆく。

そんなとある雨の夜。ついに4件目の暴行事件が発生する・・

たまたま(?)現場に居合わせた“彼らのうちの2人”が次に取った行動とは??

そこそこに期待しつつ『きょうのできごと(2003)』のパワーアップ版みたいなもんかな? とうっすら予想してたワタシだったが、そこはある部分では当たってたが、一方で(監督が)意図的に「より地味」「よりストイック」「より内省的」に描こうとしてた印象を強く受けた。

その点で言えば「エンタテインメント作として期待すると、消化不良感が残る」作品ではなかったか、と。

行定監督と言えば、どうにも『北の零年(2004)』『世界の中心で、愛をさけぶ(2004)』辺りのメジャー作品を手がけることを、虎視眈々と狙ってるしとって風にワタシには思え(←ま、名誉なことだろうけど)・・それ故、本作もまた「豪華俳優陣を配しつつ、一方で地味で重いドラマを貫徹して描かねばならぬ」みたいな、もの凄くハードルの高い(?)脚本でもあり、かなりの“難産”だったろうなぁ、と実感した。

そのためか「主要キャラのメジャーさ」と「物語の地味さ」或いは「映像&音楽の明るさ」と「物語の暗さ」などが反発し合ってもおり、そこに何とも言えぬ違和感を感じ、集中力の削がれることが何度かあった。

ただ、ふと連想したのは「もう1段、監督としての何かを脱皮したら・・このしとは日本のガス・ヴァン・サントになれるかも知れぬ!」ってことだった。
ご本人があのしとを意識してはるのか、なりたいと願ったはるのかは知んないが「色合い・構図・演出」の各面で巧く才能が爆発すれば、更にもの凄い監督さんとなって行きそうだ!

〜 こんなトコも 〜

♦『GO(2001)』『きょうのできごと』にも感じたが、行定監督の描く「静かな夜の街」の描写が大好きなワタシである。
♦バスキア、ウォーホル、クリムト・・は系統的に同じなんやろか?
♦10月8日は「そばの日」だそうだ(・ω・)
♦6月1日が「月曜」と言う設定だったので、本作は2009年の物語と思われる。
♦「新宿三丁目駅」「浅草花やしき」「明大前駅」などがロケ地となってた。
♦ウッディ・アレンがミュンヘンに出向くこともあるらしい(・ω・) ←てっきりNYから一歩も出ないと思ってた(=^_^=)
♦『愛を読むひと』『イン・ディス・ワールド』『フォロウィング』のポスター等が登場。
♦終盤、あの部屋の空気の中に“モヤモヤ感”“不快感”を覚えるか“スッキリ感”“安らぎ”を覚えるか・・観客それぞれに受け取るモノが違うと思う(・ω・)
♦私的にはあと1歩・・俯いてた“あのしと”が顔をゆっくりと上げ「笑って欲しかった」トコだったけど(・ω・)

〜 こんなセリフも 〜

杉本「退屈してる時って、過ぎて行く時間の端っこと端っこが繋がってるような感覚にならないか?
   真実味のない状態、と言うか・・」
  「“〜みたい”って言い回しは・・照れだよ」
  「親父にこう言われた。“男親が息子にしてやれるのは、外にほっぽり出してやること位だ”と」
  「都会の人間関係は“デリケート”なんだよ」
  「・・知ってるんですよ。管理会社にバレるとマズいんじゃないですか?」
  「“真実”って言葉はキライなんだ。どうもその言葉に“真実味”を感じなくて」

琴美「だいたい何なのよ! “五色そば”の“五色”って!」
  「ここってネットで言う“チャットルーム”のようなものだから」
  「もう行くと? 誰と会うと?」 ←九州女でしたか!

サトル「でもさ、みんなで暮してるのってウザくないの?」
   「うわべだけの付き合いじゃないと、壊れちゃうもんね」
   「子供の頃の話? してもイイけど、どうせ全部“作り話”だよ」
   「もうみんな、知ってるんじゃないの?」
   「みんなって? “みんな”は“みんな”だよ」
   「みんな何も言わないから、大丈夫だよ」

未来「朝方の新鮮な空気を、自らの手で汚してると思うと・・何か快感」
  「泣き叫んでる※を観てると・・自分の中の臆病さがだんだんと麻痺して来るの」

オカマ「あんた、山村美紗の読み過ぎ!」

直輝「お前の知ってるサトルは、お前しか知らないサトルなんだよ。
   “皆が知ってる”サトルなんて、この世に存在しない」
  「“マルチバース”って知ってるか? じゃ“ユニバース”は?
   そう・・“ユニバース”は“1つの宇宙”・・“マルチバース”は“幾つもの宇宙”」
  「No.1(の映画)は・・考えるたびに違うんだけど・・」 ←さて、直輝の選んだ1作とは?!
  「エイリアンよりもっと恐ろしいモノが出て来る物語なんだぜ」
  「家出の理由? “15の冬”だったからさ」
  「何でもかんでも、俺に頼んで来るんだよ・・どいつもこいつも」

美咲「“相変わらず”は“相変わらず”よ」

追記1:松園貴和子さん役を好演してはった中村ゆりさん。なかなか可愛くて、ワタシのタイプだったりした! あんなしとがお姉さんで、同居出来たら最高やろなぁ・・
追記2:我々オトコとしちゃ・・缶ビールを勧められ「俺、クルマだから」と応えたトコ「酔いを覚ましてから帰ればイイじゃない?」といたずらっぽく眼を見つめながら言われたら・・これはもう、あきまへん!(ナニがだ!) ←でも、酔うとイマイチなんだよねぇ(だからナニがだ!)

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コメント

この作品は、予告編からチョット気になってます。
こういう密室劇風な物語は割と好きなジャンルです。

にしても邦題の『パレード』というのが何を指しているのか気になるところです^^

投稿: ituka | 2010年7月10日 (土) 20時41分

itukaさん、ばんはです。

本作って、高松以外での公開状況はどうなんでしょ?

>こういう密室劇風な物語は割と好きなジャンルです。

『キサラギ』以降、その手の物語には「光るギャグセンス」「意表をつく荒唐無稽な演出」
が欠かさざるべき要素だと思ってるんですが(=^_^=)

>にしても邦題の『パレード』というのが何を指しているのか
>気になるところです^^

原作(小説)も同名ですからね。
少なくとも、5人が(映像的に)パレートするシーンはなかったです。
(ディレクターズカット・インテグラル・アルティメットヴァージョンでは収録されてたりして)

私的には「ユニバース」「マルチバース」ってタイトルが相応しいかな、と思ったモノです。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年7月10日 (土) 22時04分

こんにちは?こんばんは?

ソレイユさん、さすがのチョイスですね。
って言いつつ私は未見ですが・・・失礼。でも原作は読みましたよ。
配役は、想像できるのは小出君くらいでしょうか、、、キャスティングって制作段階に於いて本当に興味深いところですね。

>日本のガス・ヴァン・サントになれるかも知れぬ

そういうご表現、気になりますね。(^^)
インプットしました!

投稿: ぺろんぱ | 2010年7月11日 (日) 17時47分

>こんにちは?こんばんは?

お早うございます、ぺろんぱさん(=^_^=)

>ソレイユさん、さすがのチョイスですね。

出演者が豪華な割に、作品としては「明るさ」とか「存在感」に欠ける
んですけどね・・

ソレイユ自体の「作品のチョイスはなかなかなんだけど、
何処か決定打に欠ける」って立場と何処か似てるような、そうでもないような・・(・ω・)

>って言いつつ私は未見ですが・・・失礼。でも原作は読みましたよ。

主人公らの心情は、原作の方が巧く表現出来てそうですね。

>配役は、想像できるのは小出君くらいでしょうか、、、
>キャスティングって制作段階に於いて本当に興味深いところですね。

林遣都くんが、独特の「冷たさ」「無邪気さ」「得体の知れなさ」を
発揮してました。今後、更に大物となって行きそうな予感がします。

連ドラ主演、でしたっけ?

>そういうご表現、気になりますね。(^^)
>インプットしました!

いや・・ひょっとしたら「NGワード」だったのかも知れません(⌒〜⌒ι)
まぁ、そう言う意見もあったな、言ってたな・・ぐらいの捉え方でお願いしますね(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年7月12日 (月) 07時10分

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