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2010年7月13日 (火)

☆『セルピコ(1973)』☆

6日の深夜、即ち(日付は既に)7日に切り替わってたが、衛星第2で放送された『セルピコ』を“入眠時のお伴”に観た。
(軽く流して観るつもりが、結局ラストまで観てしまったが・・)

シドニー・ルメット監督+アル・パチーノ主演による“実話”を基にした刑事ドラマ。

「警官が撃たれた! 病院に連絡を・・!」

雨の降る夜、ニューヨークの第8分署に連絡が入る。
撃たれたのはフランク・セルピコ巡査(アルパチ)。捜査中に同僚警官の「誤射」を受け、彼は瀕死の重傷を負っていた。

連絡を受けた彼の“数少ない理解者”である上司=グリーン局長は「セルピコが撃たれたそうだ・・憎まれてるからな」と呟く。

セルピコの敵は、果たして“彼の背後”にいたのだろうか? だとすれば、警察組織において彼が「撃たれる程」憎まれていた理由とは?

物語はセルピコが警察官になった若き日にさかのぼる・・

奇しくも、本作を観る少し前に『バッド・ルーテナント』と言う“悪徳刑事モノ”を劇場鑑賞したトコだったので、主人公の言動を「対比」するかのように(つい)眺めてしまうシーンもあり、それはそれで面白い観方(みかた)が出来た。

しかし『バッド〜』の「能動的に悪に手を染めつつ、心の底では何処か迷ってた主人公(ニコラス・ケイジ演じる)」と比べ、アルパチ演じるセルピコ刑事の「迷うことなく正義を貫徹する姿」には・・感心や敬服と言った気持ち以上に「不器用過ぎる!」とツッコミたくなってしまったモノだ。

そこまで頑固に「自身の信条を貫き通す」理由が、イマイチ掴めなかったワタシだが・・ひょっとしたら警官になりたての頃のシーンなどにその辺りの“理由”がちょろっとなり(フリとして)描かれてたのかも知んない。

だとしたら、そこを観逃したワタシは・・もうそれだけで刑事失格なのだろう(←いや、あんたそもそも刑事とちゃうし)

私服警官として活躍し始める頃から、セルピコは「ヒゲ面」+「ロン毛」+「ヒッピー風ファッション」に身を包む(?)訳だが、苦難を求めるかのように、不器用な生き方を選ぶ辺り、何だかちょっと“ジーザス”にも見えてしまったりした。
(いっそセルピコの助手として“12人の部下”を登場させ、彼らと共に“最後の晩餐”をする、みたいなメタファーし過ぎな演出とかを盛り込んでも面白かったかも(=^_^=))

当初は「ラストから描く」と言う構成に「もの凄いどんでん返しがあるんやろな〜」とおぼろげながら感じ取ってたワタシだが、そう言う物語ではなかった。

銃がモノを言う作品世界でも、猟奇犯罪者の出没しまくる作品世界でもなかったが・・「不器用に生きると言うこと」を客観的に眺め、その時々で共感や批判が出来得る辺り、本作は“観る度に、観る者を試す作品”とも言えるのかも知んない(・ω・)

〜 こんなトコもありました 〜

♦ブルックリンにある「82分署」の署長は“マクレーン”と言う名だった。不意にブルース・ウィリスの顔が思い浮かんだ(=^_^=)
♦劇中に語られる逸話(?)が印象的だった。こんな感じの流れである。
 とある王国で、魔女が井戸に毒を入れた。王を除く総ての国民がこの井戸水を飲み、具合を悪くした。
 飲んだ国民は“飲まない国王”に対する不信感を募らせ、やがて「王の追放を!」と騒ぎ立てた。
 ついに、王が仕方なく井戸水を飲むと、国民は「王が正気に戻った!」と喜び、讃えたと言う。

〜 こんなセリフもありました 〜

セルピコ「俺は殴らん。主義が違うからな」
    「なぜ逮捕しない?! 犯人は眼の前にいるんだぞ?!」
    「なぜ銃を持ってるかって? サーカス団でライオンを調教してるんでね」
    「食う為の仕事だよ」
    「みんな何故“他の何か”になりたがるんだ?」
    「時間をかけて知れば、日本の文化や絵画の良さは分かるさ」
    「警告もせず、いきなり撃って来やがって! 2度と信用しないぞ」
    「それでも警官か?」
    「知ってるか? 庭を気に入れば、その持ち主も気に入るもんだ」
    「このニューヨークに“不正のない地区”があるなら、そこに転属したい」
    「昔から警官になりたかった・・だが、今は辛い」
    「組織が腐敗してる・・腰抜けめ」
    「あの情熱を“警察としての仕事”に傾けたら、街から一気に犯罪がなくなるのにな」
    「内部じゃ解決出来ない。となれば、外部に話すしかないでしょう?」
    「何故、同僚の前で俺を(別室に)呼んだんですか?」
    「捜査なんか、どうせ茶番なんだろ?」
    「(俺の)知ってることは総て話した。ここから先はあんたたちの仕事だろ?」
    「俺は気難しいんじゃない。自分を護りたいだけだ」
    「上層部が何もしないから不正がはびこるんだ」
    「転属の手配? 中国にでも送ってくれるのか?」
    「何か起こる前に記録しときたいだけさ」

同僚「担当地区が違う。お前は捜査しなくていいんだ」
  「事件の担当は休暇中だ。今日の逮捕はよせ」
  「容疑者の逮捕より、大きな問題がある。
   お前が許可なしに学校の敷地に入ったことと、記録もしてないことだ」
  「まだ分かってないようだな?」
  「(ワイロを)受け取らんと信用もされんぞ? お前は裏切らないよな?」
  「いいか、邪魔するなよ(you don't fuck around.)」

上司「君の選択肢は2ツしかない。不正を証言するか、目をつぶるかだ」

ブレア「警官が“善人の集まり”とでも思ったか? 市長だって人間だぞ」
   「勝手にしろ(fuck yourself.)」

母「母さんはあなたのお金なんか要らないの。そのお金で家具でも買いなさい。そして母さんを思い出して」

ローリー「あなたが将来の話なんて珍しいわね」
    「あなたはこれから先も、大義のために闘い続けるのね」
    「(私たち)終わったのよ!」

同僚「助かるよ」
セルピコ「・・だろうな」

同僚「何を証言する気だ?」
セルピコ「質問による」

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コメント

これ!これ!

私はこの映画を随分と前、学生時代かなぁ、に観て、アル・パチーノにバカ惚れしました。私はこの愚直な程の彼のまじめな生き方に共感しました。
世の中酷い奴らが一杯いて、できるか?そうおかしいよ!って本当に思ってた。

でも今は....難しいことが判って、セルピコの愚直さが懐かしい。

またもう一度観たい映画です。見逃して残念。

投稿: west32 | 2010年7月19日 (月) 10時44分

westさん、こんにちはです。

今日もエエ天気ですね〜 今のトコ。

>私はこの映画を随分と前、学生時代かなぁ、に観て、
>アル・パチーノにバカ惚れしました。

そうでしょうね! 今度、息子にも見せようかと思います(←ウソはやめなさい、と(=^_^=))

>私はこの愚直な程の彼のまじめな生き方に共感しました。
>世の中酷い奴らが一杯いて、できるか?そうおかしいよ!
>って本当に思ってた。

「赤信号理論(皆で渡れば系)」にも通じる感じでしょうか(?)

>でも今は....難しいことが判って、セルピコの愚直さが懐かしい。

愚直に、危険に生きる道を選んだが故、恋人にも去られてしまいましたから・・

その「生き方」まではムリにせよ(?) その「考え方」には、
たまに思いを巡らせたいモノですね、これから先も。

「こんな時、セルピコならどうするやろ?」みたいな、ね。

>またもう一度観たい映画です。見逃して残念。

衛星で、またきっと流れますよ。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年7月19日 (月) 11時47分

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