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2010年6月 7日 (月)

☆『告白』☆

6日(日曜)。
昨日は、琵琶湖周辺を長距離ドライヴして来て、その疲れもあってか・・午前中はぐぅぐうと“寝だめ”してしまった(×_×)

午後からで「時間の都合がつけば観よう!」と直感で決めたのは、新作邦画『告白』だった。
相互リンク先のブロガーの方々が早々にチェックされ、そのレビュー関係を拝読する限り、なかなか面白そうだったので・・(・ω・)

(大阪の自宅の)出発時間が正午をはるかに過ぎてしまい、14:10上映開始の“アポロシネマ8(in天王寺)”を選んだ。なんばマルイ・上層階の劇場でも、ほぼ同時刻からの上映があったんだが「そっちは混んでるやろなぁ」・・と言うワタシの妖怪レーダー(妖気計算髪?)の反応を信じることとした次第(=^_^=) ←ホンマかい!

結果的に、到着しチケットを買い求めたのが14:13過ぎ⇒シアター突入が14:16ってトコだった。

いや、モロに「5〜6分遅れて入った」訳だが、上映作品群の予告編が流されており助かった(=^_^=)
人間、必死になれば、何とかなるモノですなァ・・何とかなる場合に限ってだけど(=^_^=)

平成21年3月25日(水曜)。富丘中学校・1年B組。
生徒らのお喋りの止まぬ“卒業式直後”の騒然としたホームルーム(HR)時間。担任女教諭=森口悠子(松たか子)が“とある告白”を始める。

彼女は「今月いっぱいで教職を辞する」と。

そして、さる2月13日に当校プールで起こった、彼女自身の愛娘=愛美(まなみ)の水死事故が実は“殺人”であり、その犯人がこのクラスにいることを告げる。

彼女の“告白”の中で、犯人2人は「A」「B」と呼称されたが・・生徒らにとってそれは、余りに分かり易い“匿名”だった。

その日、給食時間(?)を利用し“復讐の第1歩”に手を着けた森口。

彼女は発言通り、間もなく富丘中を去り・・4月から新たな男性教師=寺田良輝(岡田将生)がやって来た。

「A」「B」そして・・“告白者の1人”である北原美月・・クラスの主だった生徒ら以外の記憶から、
森口の存在は既に薄れ始めていたが・・

その一方で、彼女の“復讐劇”は第2、第3のステージに差し掛かろうとしていた・・

観終わって「教師の道を選ばなくて良かった〜」と心底、胸を撫で下ろしたワタシ(=^_^=) いや、そもそもそんな才能すらないンだけど。。

むろん、逆に教職に就いておられる方々に対する畏敬の念のわいたことは・・書くまでもない。

イマドキの中学生事情がどうなのか、良く分かんないが・・何だか妙に彼らの“生態”がリアルに感じられ、そこが不安&不快で堪らなかった(×_×) リアルに描かれる“熱い残酷さ”以上に、描かれぬ“冷ややかな残酷さ”にこそ、本作のポイントが存在したようにも思う。

物語としては、芥川龍之介『薮の中』を(恐らく?)軸に、三島由紀夫『午後の曳航』(←あらすじしか知らンですが、、)、岩井俊二『リリイ・シュシュのすべて』、森田芳光監督『模倣犯(2002)』、蜷川幸雄監督『青の炎(2003)』・・などのテイストを、所々に感じたワタシ。
それが原作小説自体がそうなのか、映像化にあたって中島哲也監督(兼脚本)の施した演出なのかは分からないけれど。

事件に関わる人物が、入れ替わり立ち替わり“告白”をし、それが積み重ねられて行く中で「残虐な展開の(連鎖の)歯車」が回り始める・・みたいな構成は、まぁ悪くないんだが・・「告白 誰々」と言う“章立て”的な見せ方をするには多少、雑然としてて・・ワタシ自身は「あの見せ方については、奏功してたとは言い難いなァ」と正直感じた。

もっと“章立て”の区切りを明確に描くか、そう言う組立てをやめるか、どっちかだったと思う。

また「それぞれが、好き勝手に主観的な(=^_^=)ことを告白する」と言う進み方から「何が“真実”なのか、すらもボケ始めて来てしまう」と言う困った事態(=混沌)にも突入してしまってたんでは? とも。

そこは「捜査関係者、教育関係者、報道関係者、保護者など“ちょっと(当事者連中から)距離の置かれた、まともで公正な立場の、まともで公正な判断の出来る”しと」を混ぜて欲しかったモノだ。

特に主人公である、森口の“告白”に何処まで信憑性があるのか、あったのか、そこがイマイチ掴めなかった。
グワ〜ッと“恐怖感”を高めといて・・「な〜んてね」とか、最後に言い添えるもんだからややこしい(⌒〜⌒ι)

監督自身も「観客に“衝撃”を与えたいのか、静かに訴えたいのか」その姿勢にブレがあったようにも感じたかな?
新聞記事になったことだけを「真実」と捉えたとしたら・・本作の劇中で描かれる殆どのことは「虚構」「妄想」にも思えて来る。

そう言う「ボールの投げられ方」をするのがキライなワタシなので、監督の意気込みには拍手を送りたいモノの、絶賛は出来ない本作である。

また、取って付けたような“1ヶ所のみのミュージカルシーン”もチャウ・シンチー監督作に対する評価同様「1曲だけで、ミュージカル演出に飽きたんかい!」ってツッコミをしたくなるし(=^_^=)

〜 こんなトコも 〜

♦“告白”と言うか・・そのまんま“遺書”になってはったしともおられました・・合掌(×_×)
♦工科大学の研究室って、あんなに「ザル」のように警備が手薄なんやろか?
♦ラストで「本作で描かれる言動を肯定するものではない」みたいなテロップが挿入されるが、アレは冒頭に表示しといた方が良かったのではあるまいか?
♦「母と子」のドラマばかりで「父と子」のドラマが皆無だった(・ω・)
♦“熱血先生”桜宮の「発症」はある意味“自業自得”だった気もする。ホンマにお気の毒ではあるんだけど・・
♦『天才博士の異常な衝動/または私は如何にして処刑マシーンを製作するようになったか』なんてなスピンアウト作品も作れそうやね・・(・ω・) ←キューブリックかい!
♦「1.殺意はあったが殺せなかった」「2.殺意はなかったが殺してしまった」・・この2ツの違いはどうなんやろ? ワタシはやはり後者の罪の方が重い、と考えるが。
♦良輝と言う名から「ウェルテル」なるあだ名を生徒らに呼ばせようとする寺田教諭。ゲーテかぶれ?
♦「ミラーに映る映像」「逆再生する映像」など、印象的なカットが幾つかあった。特に後者は、メチャメチャ製作費のかかっとる気がする(⌒〜⌒ι)

〜 こんなセリフも 〜

森口「私が自分に課したルールは2つ。
   1.生徒を呼び捨てにしない。
   2.生徒と同じ目線で、丁寧な言葉で話す」
  「あなたたちの言葉など・・100%信じたりは出来ません」
  「それは、生徒を疑わなかった、教師の責任です」
  「息をしても大丈夫。空気感染など、しませんから」
  「思えばそれが・・愛美の“最後のわがまま”でした」
  「犯人は2人。これからその2人を“A”“B”と呼ぶことにします」
  「私を実験台にしたの? こんなものを作って」
  「これが、愛美の死の“真相”です」
  「春は・・総ての命が萌え上がる季節です」
  「桜宮なら、きっとそうするでしょう」
  「分かってないのは、あなたです」
  「法律があなたを護るとしても、私はあなたを赦しません」

A「先生には聞こえないの? 大切なものの消えちゃう音が」
 「僕の命は軽いけど、君のは重いから」
 「“殺人が悪”だなんて、誰も僕には教えてくれなかった」
 “こうして母は「最低の凡人」と結ばれ、僕が生まれた”
 “バカはバカと結ばれ、バカな子を生む”
 “この計画には、助手が必要だ・・いわばバカ中のバカが”
 「バカにバカって教えてやっただけさ」
 「君は、他のバカとは違う」
 “それからは、もう「ただの暇つぶし」・・生きてるのも「ただの下らない暇つぶし」
  ・・って言うか、僕は生きてる? その実感が、もうない”
 「命は、尊く、美しい! ・・な〜んてね」

Aの母「あなたには、ママと同じ血が流れているの。
    ママと同じ才能を受け継いでいるのよ」

B「僕は、やれば出来る子なのさ・・人殺しだって」

Bの母「この子は、やれば出来る子なんです」
   「買い取りますから・・これ、全部」

美月“先生、このクラスは異常です”
  「※※※※は、もう1人の私なの」
  “□□□□□なんか死んでもいい・・そう思ってる自分がいるんです”

生徒たち「“人”はみな、“孤”独じゃない」
    「“ロ”クでもない世の中だけど、“し”あわせになろうよ」
    「“し”んじよう!」
    「“ネ”バー・ギブアップ!」

※「虐げられた者は、耐えるか、死を選ぶしかないのか?」
 「私にも、大切なものの消えちゃう音が聞こえたわ。
  パチンじゃなく、ドッカ~ン! ってね」
 「作ったのも、スイッチを押したのも、あなたです」
 「これが私の復讐です。本当の地獄・・な〜んてね」

追記:松たか子vs木村佳乃の「演技対決」、天才子役の配置、岡田将生くんの中途半端な“退場”・・などの点を、もう少し何とかして欲しかったかなァ?

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コメント

こんばんは。

>描かれぬ“冷ややかな残酷さ”にこそ、
>原作小説自体がそうなのか、

本日、原作本を買って帰りましたので、早速読んでそこんところも考えてみます。

>森口の“告白”に何処まで信憑性があるのか

どの告白にも信憑性があるとは言えず・・・。
でも語る本人にはそれこそが「真実」で、それが怖い気がしました。

>アレは冒頭に表示した方が良かったのでは

そうですね。
私に限って言えば、ラストはぐったりとある意味放心??状態で、あのテロップの意を咀嚼できない感じでしたし。^_^;

>ゲーテかぶれ?

・・・を装った自意識過剰気味の青年??
しかし、彼のフェードアウトの仕方には私も若干の消化不良でした。折角の岡田将生くん、なのに。(?!)

何にしても、子ども?少年少女たち?を大人が都合のいいように偶像化など、もうできない世なのですね。

投稿: ぺろんぱ | 2010年6月 7日 (月) 19時53分

この映画でもっとも怖かったのは「どっか~ん!」発言のところでした。
“屋上で待ってるからね♪”これってそんな簡単に騙されるのかな~
メールアドレスとか知らなかったんでしょうか^^;

ワタシとしては、あの冷蔵庫のものを、彼に是非食べてもらいたかった。
そこまで描いてくれたら中島監督を見直すことでしょう^^

投稿: ituka | 2010年6月 7日 (月) 19時59分

ぺろんぱさん、ばんはです。
今夜の恋人はシャーリー・マクレーンおばさまです(⌒〜⌒ι)

>本日、原作本を買って帰りましたので、早速読んで
>そこんところも考えてみます。

読んでてご気分をアンダーにされませんよう・・(⌒〜⌒ι)

>どの告白にも信憑性があるとは言えず・・・。
>でも語る本人にはそれこそが「真実」で、それが怖い気がしました。

みんな自分に酔ってましたよね(=^_^=)
何だか、振り返って考えるに・・劇中でマトモやったのは
桜宮センセイだけだったような気もします。。

>私に限って言えば、ラストはぐったりとある意味放心??状態で、
>あのテロップの意を咀嚼できない感じでしたし。^_^;

「今さら書かれてもなぁ」って思いましたもん。

>しかし、彼のフェードアウトの仕方には私も若干の
>消化不良でした。折角の岡田将生くん、なのに。(?!)

落書きを消しに、仙台へと向かったんでしょうか・・?
バットを片手に。。

>何にしても、子ども?少年少女たち?を大人が都合のいいように
>偶像化など、もうできない世なのですね。

ここまで情報収集がフリーになっちゃうと、
もう大人の制御できるこっちゃないですねぇ・・

「少年法さらに改正!」の声が挙がれば、ちょっと耳を傾けてしまうかも知れません。。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月 7日 (月) 20時35分

itukaさん、ばんはです。

>この映画でもっとも怖かったのは「どっか~ん!」発言のところでした。

演説シーンで『模倣犯』路線や、と勘違いしちゃいました(=^_^=)

>“屋上で待ってるからね♪”これってそんな簡単に騙されるのかな~
>メールアドレスとか知らなかったんでしょうか^^;

将来が思いやられますね・・(⌒〜⌒ι)

>ワタシとしては、あの冷蔵庫のものを、彼に是非食べてもらいたかった。
>そこまで描いてくれたら中島監督を見直すことでしょう^^

う・・はんにばるですか。。
ワタシはその寸前の「カッティング」ぐらいにしときましょう、、

それにしてもキーキャラである筈の桜宮センセイが、
完全に「かやの外」でしたねぇ・・(x_x)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月 7日 (月) 20時42分

私も観てきました。

> 芥川龍之介『薮の中』に・・などのテイストを、所々に感じたワタシ。
この言葉、当たっています。
原作は正に一人づつのいうその言葉の罠?と思わせるところがポイントです。
その意味では、この映画は一人づつの証言の面白さはうまく取り込めていないです。
是非、原作をお読みください。あちらは各自の証言は本当なんだろうか?と不気味さを感じます。

でも、松たかこさんは本持つ語りの面白さをうまく表現しておられます。映画としての出来は彼女の素晴らしさで成功していると思います。

それにしても....あんまり気持ちのいいストーリーではないですね。

投稿: west32@告白 | 2010年6月12日 (土) 09時40分

westさん、ばんはです。

>この言葉、当たっています。
>原作は正に一人づつのいうその言葉の罠?と思わせるところがポイントです。

最後の章では愛美ちゃん自身が「霊媒」の口を借りて
やっぱり「告白」するんかな? と思ってました(=^_^=)

>是非、原作をお読みください。あちらは各自の証言は本当
>なんだろうか?と不気味さを感じます。

想像をかきたてるのは、やはり小説版なのでしょうね。
キャラそれぞれに対しても、(読んでて)「このしとの印象や!」
と感じた方には、この映画版のキャスティングだけで、
冷めちゃうかも知れませんし、ね・・

原作版が(この内容ながら)数10ページの短編にまとまっていたりしたら、
この原作者さんの才能を絶賛したいトコですが(・ω・)

>でも、松たかこさんは本持つ語りの面白さをうまく表現して
>おられます。映画としての出来は彼女の素晴らしさで成功していると思います。

『K20(2008)』『ヴィヨンの妻(2009)』・・と
だんだんバワーをつけて来たはりますね!

(正直言いますと、ワタシの好きなタイプの方ではありませんが) ←お前が言うな(=^_^=)

>それにしても....あんまり気持ちのいいストーリーではないですね。

監督としては「どんどん自分のクビが絞まってく」ような作品だと思いました(⌒〜⌒ι) 巧く撮れる、撮れないに関わらず・・

追記:ワタシが『薮の中』と共に好きな「群像系告白モノ(?)」は渡辺淳一センセイの『阿寒の果つ』でしょうか。あの作品も、読後しばらく「(心に余韻が)残った」モノでした。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月13日 (日) 01時42分

「阿寒に果つ」、面白そうですね。機会を作って読んでみたいと思います。古本屋で次、探します。

PS 「阿寒に果つ」に似たのでは、有吉佐和子さんの「悪女について」があります。これは亡くなった一人の女性について色々な関係者それぞれが述べて、その一人の女性人物像を描き出すものです。
   ちょっと映画の話から離れつつあり....

投稿: west32@本 | 2010年6月13日 (日) 09時17分

westさん、お早うございます。

この週末は1本も鑑賞出来ませんでした(・ω・)
今週も難しそうやなぁ・・

>「阿寒に果つ」、面白そうですね。
>機会を作って読んでみたいと思います。古本屋で次、探します。

映画化もしてるんですが、DVDソフトはまだリリースされてなさそうですね。

>PS 「阿寒に果つ」に似たのでは、
>有吉佐和子さんの「悪女について」があります。

良さそうですね。
探せばジャンルの1ツとして、幾らも見つかりそうな気もしますが・・

江國香織さんの『ニシノユキヒコの恋と冒険』も系統的には、
そんな感じでしたか。

>ちょっと映画の話から離れつつあり....

読んでから観るか、読まずにネットで調べ読んだフリをするか、
色々と楽しみ方がありますよね☆ ←って言うか「読んだフリ」はやめろよ(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月14日 (月) 07時29分

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