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2010年6月20日 (日)

☆『オーケストラ!』☆

19日(土曜)の2本目。
“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”にて『アイアンマン2』観賞後、約15分後の開場でシアターに向かったのは、周囲から「良い!」と耳にしてた音楽ドラマ『オーケストラ!』である。

かつては“伝説の指揮者”とさえ言わせしめた男=アンドレイ・フィリポフ。
30年前、指揮する「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲」の演奏が最高潮を迎えたトコロで、当局に踏み込まれ、コンサートは中断してしまった。
それもその筈、楽団は当時の“ブレジネフ政権”に逆らい続けたからである。

それ以来、酒浸りとなり「ボリショイ管弦楽団(ロシア)」に籍こそは置きつつ・・清掃係として苦汁をなめ続けているこの男だった。

そんなある日、ボス=レオニード・ドミトリーヴィッチの部屋を清掃していたアンドレイのトコロに、たまたま「ボスあて」のファックスの受信が。

内容はパリ・シャトレ座からの公演依頼だった。

反射的に(=^_^=)そのファックスをちぎり取り、現在の「ボリショイ管弦楽団」に成り代わって、自身がかつて指揮してた頃のオリジナル・メンバー(=^_^=)を率いシャトレ座に出演する、と言う大それた計画を実行に移し始めるアンドレイ。

妻イリーナの後押しに加え、友人サーシャ、KGB局員のイヴァン・ガヴリーロフなど中心的なメンバーの協力を得て、55人の楽団員を集めて行く。

イヴァンを通じ、シャトレ座の支配人=オリヴィエ・デュプレシ(フランソワ・ベルレアン)に粘り強く交渉し、ソリストには若手実力派のアンヌ・マリー・ジャケ(メラニー・ロラン)を参加させることに。

2週間後に迫る公演。なかなかにリハの実現しない楽団・・と言うか、楽器すら売り払ってしまった団員もおったりする。。

メンバーそれぞれが期待&不安を心中に去来させる中、アンドレイは密かに「とある大きな告白」をしようと考えていたのだった・・

関西圏では、先月の劇場公開時「混雑しまくりだった」とも、色々なブログを拝読してて知っていた本作。
確かに、こちら高松でも、そこそこの観客数であり、かつその年齢層が幅広い! って印象を受けた。

肝心の物語については・・どうかなぁ(・ω・) 「メンバー集め」「いざ出国」「アンヌ・マリー出演」「リハーサル」など、幾つかの関門(とそれに絡めた脚本的な見せどころ)が用意出来たハズだが、いずれも何となく「無問題」でサラッと描かれた。。

総じて言えば、物語はアンドレイ、アンヌ・マリーをメインに、サーシャ、イヴァンをサブに・・って印象で、他の面々は殆ど「まとめて1人」的な扱いに見えなくもなかった。。

一方で、個性的な楽団員は“確かに”幾人もおられたので、その辺り「もう少し」メイン&サブキャラに絡めたり、独自の“何かのエピソード”を「もう少し」盛り込んだりしてくれてたら、更に評価の上がった気がしなくもない。
上映時間のやや長めな割に「まんべんなさ」「群像劇」としての要素には欠けるモノがあったように感じる。

にしても、搭乗寸前の空港ロビー内で、楽団員を前に“思いっきりオープンに”パスポートの偽造作業を堂々と進める業者の強引さ(大胆さ)は爆笑モノだった。「10ドル増額でモロッコ行きも発行出来るぞ」「3ドル増でラミネート加工はどうだい?」「ホルダーは付けなくていいかい?」とか。
警備員が向こうから不審そうな表情でじっと眺めてるンですけどォ・・(⌒〜⌒ι)

劇中でアンドレイが言ったように、中盤以降は“彼(彼ら)の告白”が重要なポイントとなって来る。そのためには「かつての楽団メンバーの再結成(←今や“ニセモノ”にせよ)」「アンヌ・マリーの参加」「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲の演奏」が欠かさざる要素だった訳で。

冒頭&終盤の演奏シーンも無論良かったんだが、私的に最も「素晴らしい!」と感じたのは、楽団員たちを冷ややかな眼で眺めてたアンヌ・マリーが、ロマ(ジプシー)の陽気なヴァイオリニストの即興的な演奏(ムチャクチャ速い!)を耳にするうちに「驚愕の表情」に変わって行くトコ。
ああ言う演出にはワクワクさせられる! しかしあのロマのおっちゃん、何て言う名だったんだ?(・ω・)

ってことで、脚本にうるさい(が、自身が書く訳ではない(=^_^=))ワタシのようなおっさんには、細かい部分で不満の残るストーリーではあるも「コレも、今の時代だからこそ描ける物語なんやろね」とも感じた訳で「そこそこにしっかり作られた、分かり易い音楽ドラマが観たい」と仰る貴兄には、ハッキリおススメし得る1作ではあろうかな、と♪ ←何でそこだけ「♪」が付くねんな。

〜 こんなトコも 〜

♦貧乏そうだったアンドレイ&イリーナ夫婦だが、しっかり携帯だけは活用してた。やっぱり必須なんやねぇ。
♦本作に限っては、余り「寒そうなロシアの雰囲気」が描き出されてなかった気がする。
♦常に暴走してるサーシャの救急車。ダッシュボードに置かれた「クモのミニチュア」が気になった(・ω・)
♦イヴァンの(ロシア連邦共産党の)オフィスには、今もレーニンの肖像画やら胸像(ミニチュア)やらが。
♦イリーナの「離婚するわよ・・ここで行かなきゃ」のセリフにグッと来た!
♦「(通話を)接続する」みたいな“ロシア共産党員”の身体に染み着いた(?)言い回しの光ってたイヴァン氏。
♦詳しくないが・・LA管弦楽団を招く方が、ボリショイに色々吹っかけられまくる(=^_^=)より、更に費用がかさむらしい(=^_^=)
♦「音楽なんかカネにならない。今やネットでタダだからな」のセリフには考えさせられた。
♦結婚式のパーティー会場シーン。何だか急にマフィアのドンパチ(乱射)が始まったが、、あれは笑うべきトコだったんか?
♦「太陽は朝、当たり前のように昇るだろ? 夜には昇らないよな? 楽器の調達はパリまで待て。つまり、そこが朝だ」このセリフは分かり易く、希望も含んでて良かった☆
♦アンドレイの容貌が、何処となくハーヴェイ・カイテルとかシー・キエン(←『燃えよドラゴン(1973)』の敵ボス=ハン役)を連想させた。。
♦シャトレ座の職員ジャン・ポールが、何処となくクエンティン・タランティーノを連想させた。。。
♦パリでハンバーガー1ヶ=95サンチーム。モスクワのマックより安く、調味料も「取り放題」だそうだ(=^_^=)
♦「キャビア缶なんか売れない。中国の携帯なら即完売なのに」「韓国製のSIMカード内蔵の携帯だ。世界中に無料で架け放題だぞ」なんてなセリフもブラックで笑える。
♦メラニー・ロランさんの“恥づかしい場所のホクロ”をしっかり確認した!(←首筋だっての)
♦「電波の流出により、間違った国や惑星に届いてしまう」ってセリフもイイ感じ。
♦中断されたコンサートは1980年6月12日のことだそうだ。
♦オリヴィエを眺めてて、後半でようやく気付いた! 『トランスポーター』シリーズのタルコーニ警部だと!
♦どうやら“ニセボリショイ”(=^_^=)は追加公演の中でトウキョウ(シンフォニーホール)にも来てたらしい。
♦シャトレ座のお2人、実はゲ※だったんか?
♦アンヌ・マリー・ジャケが「あんまりじゃけぇ」と広島弁に聞こえたり←しねぇよ!

〜 こんなセリフも 〜

アンドレイ「バランスを取って・・ファゴット(木管楽器)、優しく」
     「私はボリショイを愛しているんだ」
     「彼は“燃える眼”をしていた。やる気なんだ」
     「音楽には“自発性”が大事なのです」
     「楽団員たちは、ここパリでインスピレーションを得て、学んでいるのです」
     「このコンサートは・・いわば1つの“告白”なんです」
     「“究極のハーモニー”が僕らを空へと浮かび上がらせる」
     「みなが1ツの楽器と才能を携えて来る・・コンサートとは“団結”なんだ」

イヴァン「人民は我々の味方だ!」
    「1人400ルーブル? これは“搾取”だよ!」
    「すっかり“減腹”だよ」
    「ロシア人は“遅れるのが礼儀”でして」
    「神よ・・本当に存在すると証明してくれ。ここで奇跡を起こしてくれ」

サーシャ「今も俺たちの指揮者なんだろ?」
    「2週間で80人集める? バレエでもやるか?
    「資金も時間もないぜ」
    「パーカッションとコントラバスはどうする? 俺が口で音を出すか?」
    「送迎バスの代金を先に払ったのか? だから来ないんだよ、バカ」
    「コンサートの最後に、※※が見つかるとしたら?」
    「言葉を信じても、言葉は裏切る。言葉は汚いんだ」

アンヌ・マリー「どうやったの? 今の倍音のアルペジオ・・普通の指使いじゃない」
       「“理性を棄てたヴァイオリニスト”になれと? それはムリだわ」

オリヴィエ「もっと小声でも聞こえます、ムッシュウ」
     「ロシア人はラバのように頑固だ。殴り付けないと前に進まん」

ジャン・ポール「今夜はお金、必要ないでしょ?」
       『彼らに今すぐ払わないと、リンチされそうです!』

トゥル・ノルマン店長「俺はアルカイダだ。払わないと、ここで一生ベリーダンスを踊らせるぞ」

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コメント

エセ楽団御一行様という割にはハラハラドキドキする場面がなかったですよね^^;

>ロマ(ジプシー)の陽気なヴァイオリニストの即興的な演奏(ムチャクチャ速い!)を耳にするうちに「驚愕の表情」に

ここは良かったですよね!互いに通じるものがあるんですね^^
判る人には判るというか、あそこは誰でも判ったりして^^;
実は凄いんです!みたいな。こういうのに心をうたれるワタシ。
同じ所でワクワクしてたのですね^^

投稿: ituka | 2010年6月20日 (日) 17時13分

おおっ、高松ではワーナー・マイカルのような大手シネコンで上映してるんですね。
大阪での無駄な(?)混雑を経験した身としては、それが正解だと思います。

私も、偽造パスポート作るのそこでですかっ!と、あの場面うけました~。
どう考えても無理があるねんけど力技でやってしまう的強引さが
あちこちで見られましたが、このシーンではそれがかえってよかったような。

この映画ザックリしすぎやん!と思わせる部分もかなりありましたが、
最強のツボを押さえてるなぁと感じます。音楽を味方に付けると強いですね。

ロマのヴァイオリニストはたぶん“ヴァシリ”やったと思います。

投稿: ゆるり | 2010年6月20日 (日) 19時07分

こんばんは。

楽団の一人一人が、もっと「音楽」に執着してる図が欲しかったところです。
パリでの“ちゃっかりと商売”の図が面白く描かれていたので、逆(裏)の図もあってよかったのになぁと感じました。

>アンヌ・マリー・ジャケが「あんまりじゃけぇ」と広島弁に聞こえたり

しませんでした!!
でもぷぷっと笑って拝読しましたぁ!(^o^)丿

>トゥル・ノルマン店長

この映画、細部では凝ってる部分が沢山あるのにねぇ。
あの場面も(あのキャラも)面白かったです。


投稿: ぺろんぱ | 2010年6月20日 (日) 21時25分

itukaさん、お早うございます。

>ここは良かったですよね!互いに通じるものがあるんですね^^
>判る人には判るというか、あそこは誰でも判ったりして^^;
>実は凄いんです!みたいな。こういうのに心をうたれるワタシ。

結局、倍音のアルペジオって何なんじゃろ?
まっいいか。

>同じ所でワクワクしてたのですね^^

ああ言う「光るシーン」がさり気なく配されてて、
そこに気付ける自分のいるのが、嬉しいです。

アレを見抜けなくなったら・・メスを置きます。
(ってお前は医師かよ)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月21日 (月) 08時02分

ゆるりさん、ご無沙汰しております(⌒〜⌒ι)

>おおっ、高松ではワーナー・マイカルのような大手シネコンで
>上映してるんですね。
>大阪での無駄な(?)混雑を経験した身としては、
>それが正解だと思います。

ほぼ1ヵ月の期間差は大きいですけどねぇ・・

>私も、偽造パスポート作るのそこでですかっ!と、あの場面
>うけました~。

「リアルにコワい当局」が出て来なかったのが救いでした(=^_^=)

>音楽を味方に付けると強いですね。

「動物と子供と音楽」には勝てませんよね。

>ロマのヴァイオリニストはたぶん“ヴァシリ”やったと思います。

そうですか! おおきに。

フト『スターリングラード(2001)』のジュード・ロゥを思い出しました(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月21日 (月) 08時06分

ぺろんぱさん、お早うございます。

>楽団の一人一人が、もっと「音楽」に執着してる図が欲しかったところです。

もしくは短くしてテンポ良くするか、ですね。

>パリでの“ちゃっかりと商売”の図が面白く描かれていたので、
>逆(裏)の図もあってよかったのになぁと感じました。

DVDで「完全版」がリリースされたりして(☉д☉)

>でもぷぷっと笑って拝読しましたぁ!(^o^)丿

『仁義なきオーケストラ!』

>この映画、細部では凝ってる部分が沢山あるのにねぇ。
>あの場面も(あのキャラも)面白かったです。

棄てられてしまう、大量のクスクスが勿体なかった・・

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月21日 (月) 08時10分

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