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2010年5月27日 (木)

☆『書道ガールズ!!/わたしたちの甲子園』☆

26日(水曜)の夜。ちょいとお疲れの出て来たのがあったが・・観ときたかった1本『書道ガールズ!!/わたしたちの甲子園』と言う、我が在住の(=^_^=)「四国エリア」を舞台とした青春(?)モノを“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”にて楽しんで来たワタシ。

仕事の関係で時折、愛媛県・四国中央市に日帰り出張したりするが・・普段は“余り何も意識せず眼にしてる街並み”をスクリーンを通じ、改めて眺めていると・・妙に「郷愁感」と言うか、ある種の「愛おしさ」を覚えてしまったりもする。

描かれる世界こそハッキリと“2010年”なんだが、きっと「リアルに描写すると邪魔で雰囲気を損なう存在」を総て映像上から排除し“絵を構築”してたが故か「昭和期にタイムスリップしたような感覚」に溺れそうになるシーンがあったりもしたなぁ。

愛媛県・四国中央市は冬の季節を迎えていた。

「県立四国中央高等学校」に通う早川里子(成海璃子)は、実家が(厳格な父の経営する)「書道教室」と言う女高生。「町の何処からでも見える、紙工場の煙突(と煙)が好き」と言う彼女は、高校でも「書道部々長」と言う肩書を持ち、日々「書道展」に入選する為の練習に余念がなかった。

一方、その「書道部」は・・中心メンバーでもあった岡崎美央(山下リオ)が里子との衝突を経て部室を去って以来、新入部員は寄り付かず、退部希望者ばかりが増え、廃部寸前の空気すら漂っていた・・

まとまりなく部室に集う、
【女子部員】=好永清美(高畑充希)、山本小春(小島藤子)
【男子部員】=市ノ瀬誠、中野卓也、村上悟
・・の面々に、副部長=篠森香奈(桜庭ななみ)のテンションも下がり気味。

季節は春に。
産休に入った顧問教諭に代わり「書道部」の臨時顧問となったのは、赴任したばかりの青年教師=池澤ヒロト(金子ノブアキ)だった。

部室にやって来た池澤は、飾られた(部員らの)作品を眺め、里子の書いたモノを「つまんない字だなぁ」とバッサリ斬り捨てる。
彼に対する反発心と共に・・一方で迷いの高まって行く里子。

そんな中、新入部員を招く為に池澤の放った「書道パフォーマンス」たる“来たれ書道部”の大書に、部員たちは圧倒される。これに触発された清美などは、自身も独学で「書道パフォーマンス」に取り組む、と言い出す始末・・

部員たちは、池澤に教えを乞うのだが・・何故か、彼は決して首をタテには振らないのだった。

やがて季節が夏を迎え、ますます高まる不況の波に押され・・とうとう清美の父が経営する「好永文具店」が閉店することに。
家族で広島に発つことの決まった清美のため、“閉店記念セール”を開催する店の前で「書道パフォーマンス」の披露を決意する「書道部」一同だったが・・

観るまでは、、ズバリ「監督」とは言わぬまでも「製作総指揮」だか「脚本」だかで、てっきり“矢口史靖氏”の名が冠されとるモノと勘違いしてたワタシ(=^_^=) 何せ、どう見ても「数番煎じ」なテイストだったもんで(⌒〜⌒ι)

しかし本作・・その展開・脚色にこそ、ズバリ“ど直球”な作品性、或いは既視感があちこちに漂ってて、それが魅力でもあるンだが・・まずはもうちょい「地に足の着いたネーミング」にして欲しかったような。折角、内容が良いンですから(・ω・)

結構“模範的脚本”って感じに、ストーリーは「友情」「努力」「勝利」っぽいのん(←少年ジ※ンプ路線?)をなぞりつつ進むんだが・・中盤辺りで何もかもが「どん底」状態を迎えるトコや、主要キャラクターそれぞれに「肉付け」をし「見せどころ」を設けてるのが素晴らしかった!

私的には、前半の主人公=清美、後半の主人公=池澤・・などと勝手に解釈している(・ω・)

ベタっぽい脚本ながら、要所要所にアクセントとなる「シーン&セリフ」がしっかりはめ込まれてるため、安心してのめり込める世界観であり、未見の方にもお薦め出来る作品と思う。

ワタシ自身は「今年度の上半期、本作を超える邦画はもう現れまい!」と考えてるンだが、どやろ??

〜 こんなトコも 〜

♦ファットな女の子は、やっぱり鼻呼吸する際に“ブタみたいな音”が漏れ出ちゃうんやろか?
♦ドアを「バァン!」と閉めたショックで天井の照明がブラ~ンと垂れ下がる。“しょっぱなの笑い”のタイミング設定としてはまずまずだった(=^_^=)
♦私的には・・主演級のあの2トップ(里子&香奈)は、意図的にか、少し立ち位置の下がり気味だった感がある。また、里子の恋愛は途中から手がつけられず、香奈に至っては、私生活そのものが殆ど謎だった。。
♦池澤役の金子氏。容貌を含めたその雰囲気が、ワタシの兄に妙に似てて、違う意味で苦笑させられっぱなしだった(=^_^=)
♦久々に金山“イキのいい安男”一彦氏のお元気そうな姿を拝見した☆
♦草食系な男子部員トリオの醸し出す雰囲気は、何処となく『おっぱいバレー(2009)』のあいつらっぽい(=^_^=) うち1人はムチャクチャにバレーボールのセンスがあったみたいだし! 他に、背筋運動の速過ぎるやつもおるし!
♦あの森本レオ氏が、何と「伊予寒川駅」のホームに!! あのシーンで、何処かから“サイレン”が鳴り響き、いきなり同氏が暴れ出したら、マジでコワいやろな〜(⌒〜⌒ι)
♦池澤が劇中の8割近く(?)手放さなかった携帯ゲーム機。任※堂DSかな? と思ってたら、終盤で違うことが判明。
♦良い半紙は「厚さ」と「墨の乗り具合」でハッキリ分かるそうだ。
♦劇中で最も厄介なキャラは・・その雰囲気が『遠い空の向こうに(1999)』におけるクリス・クーパーを連想させてくれた。つまりは、ああ言うキャラが“変わる”瞬間に、ワタシは必ずボロボロ泣かされるのだ(⌒〜⌒ι)
♦宮崎美子さん。九州で松山ケンイチ君のお母さんを演じてはった時(2008)は、あんなにお元気やったのに・・(×_×)
♦美央ちゃんの働いてる(?)「スナック月光美」は「川之江駅」界隈に実在するらしい!
♦店内ロケで使用された「Bar Luke(バー・ルーク)」にも興味津々。こちらは「上分町」にあるそうだ。
♦「書道パフォーマンス」の選曲には『ワルキューレの騎行(ワーグナー)』『王将(村田英雄)』『学園天国(小泉今日子)』『手紙(アンジェラ安芸)』・・など。
♦いつもヘッドホンで何かを聴いてる小春ちゃん。てっきり『東京タワー(2005)』の主人公の友人みたいに「落語(古今亭志ん生? 古今亭今輔?)」を聴いてるんかと思ってた(=^_^=)
♦飛び散る墨汁の飛沫はCG処理か? シーンによっては『たけしの座頭市(2003)』の血飛沫を思い出した(・ω・)
♦「赤ジャージ&メガネ」の清美ちゃんに、ちょっと惚れた(照)
♦清美ちゃんの親父さんのキャラも良かった。あんな父親だったら、グレようにもグレられない気がする(・ω・)
♦商店街の人々の怒りセリフがリアルだった・・「どぅすんぞ!(←どうしてくれる)」「ほぅよ!(←そうよ)」
♦“中通り商店街”に「時速30キロ」の速度規制看板が揚がってたが・・あのアーケードでその速度は、ちょっとヤバいんじゃ?
♦後半、会場に向かう「部員」らの背後から声をかけたあのしと・・遮るモノなき、だだっ広い田舎道(?)だったから、きっと直前まで何処かにしゃがんだりして隠れてはったんやろなぁ・・(=^_^=)
♦流石は「書道パフォーマンス甲子園」・・「フルカラー墨汁」や「黒い巨大半紙」など、色んな個性が光ってた!
♦「うっかりこぼした色も、すぐに薄くなる」と気付いた(・ω・)
♦「書道科の有無」で大学を選ぶしともいはるんやね・・
♦池澤の“どでかいパフォーマンス”が劇中に2つ配されてるんだが、特に後者の方は「観客にのみ伝えられる」と言う素晴らしい描き方だった! これを部員が知ってたら(覗いてたら)メッチャクチャつまんなく仕上がってたトコだ。

〜 こんなセリフもありました 〜

里子「書道って、その(書いてる)字と静かに向き合うもんや」
  「私、間違ってないき!」
  「護らんと! なくしたらいかんのよ・・“この町の宝物”を」
  「紙は・・“この町そのもの”なんよ」

池澤「(シャツに飛んだ墨汁を)洗って来ていい? たぶん落ちないと思うけど」
  「こう言うツンケンした気持ちって、そのまま“書くもん”に出ちゃうからな」
  「この字ってさ・・“つまんね〜”って思いながら書いてるだろ?
   だから、見てる方もつまんなくなる・・そんな感じかな」
  「イキイキとした楽しそうな字だ・・何を考えて書いてた?」
  「闇雲に書いてても、練習にはならない」
  「腕だけで書くな。身体全体を使え」
  「書道は“足腰”からだ」
  「“永”の字をなめるな」 ←“永字八法”と言うそう(・ω・)
  「カタカナには“漢字の基礎”が詰まってる」
  「この3人でボートを漕いだら・・転覆は間違いないぞ。
   “同じ力”と“同じ速さ”で漕ぐんだ」
  「(この字)いいかも知んない。・・でも“何か”足んねぇんだよな・・何だろなぁ」
  「自分で、上下左右を見て考えてみろ。何が足りないのかを」
  「いい字でしょう? 書き手の楽しさや“書きたいって言う気持ち”が伝わって来る」
  「“楽しみ”が、いつの間にか“苦行”になりました」
  「“好きなもの”のために書いてる字だから・・こんなにイキイキとしてるんです」
  「お前らの強みは何だ? “チームワーク”だろ?
   全員が揃ったんだ。自信持って、やって来い!」
  「・・諦めるな・・」

高田「書道もサッカーと同じ・・最後にゴールを決めるのは1人だとしても、
   お互いに“良いパス”を出してったら“すっげぇゴール”に持って行けるんじゃないか?」

清美「こっから(=「伊予寒川駅」ホーム)でも見えるんですね・・煙突。
   この町の何処におっても、あの煙突が見える・・16年おって、初めて気付きました」
  「1人で“ムリや”と思っても・・誰かの力を借りたら“出来る”と思います」

香奈「ここは1つ・・“我慢”ってことで」
  「そうやないやろ、里子」
  「感動した!」

母「簡単に手放したら、あかんよ。“大好きなもの”を」
 「そんな顔だけはせんで。何もかも、諦めようとせんでよ」

池澤「指導には“人間性”が必要、だろ?」
香奈「先生の“人間性”には・・この際、眼をつむりますから」
池澤「・・帰ってくれるかな?」

里子「普通、そう思うやろ?」
美央「・・“普通”ってなに?」

男子「(部員が少なくても)イイんじゃないですか?
   これ以上“先輩たちみたいな人”が増えても・・」
  「“祝! 閉店記念”って・・」

※「この和紙は・・“この町の魂”じゃ・・持って行きなさい」

〜 こんな書が部室とかに貼ってた 〜

“寒いから閉めろ!”
“暑いから開けろ!”
“筆は分身”
“男は黙って墨をすれ!”
“筆を感じろ!”
“紙は神様!”
“一意専心”

追記:個人的にはお寺が好きなもんで、四国中央市が誇るべき(?)「三島興願寺(三重塔がある!)」「新長谷寺」をロケ地の1ツにして欲しかったなぁ。

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コメント

この映画、あんまり見る気はなかったんですが...
> ワタシ自身は「今年度の上半期、本作を超える邦画はもう現れまい!」と考えてるンだが、どやろ?
えっ!
本当??????

書道って気になるんで、今度機会があればということで。

PS TiM3さんの四国中央市(←本当にあるの?)観ましょう。

投稿: west32 | 2010年5月27日 (木) 23時38分

これ良かったですよね!

こちらの劇場では、およそ3割ほどの客入りだったんですが
そのほぼ全員が泣いていたと思われます。
となりの母子はふたりで嗚咽ものでしたし^^;
ワタクシも中盤以降、10分おきに泣いてしまいました^^;
クライマックスの“甲子園”で「おぉ~!」の連発!
「風林火山」を見たときは。「す、すごいぜ女子高生!」てな感じで
その後に出てくる作品群もどれも個性的で、これは結構、後を引きそうです(笑)

投稿: ituka | 2010年5月27日 (木) 23時53分

westさん、ばんはです。

あのテイタム・オニール作品、観たいです(⌒〜⌒ι)

>この映画、あんまり見る気はなかったんですが...

いかにもベタな感じですからねぇ・・

>えっ!
>本当??????

・・と思ってます(=^_^=)
洋画ではどうか、知りませんけどね。。

何だかね・・助演キャラそれぞれに「え? そんな事情があったの?」「君もそんな過去があったのね」「だから、そんなこと言ったのか」
みたいなウラ設定があって、その重なり具合に圧倒もされ、感心もさせられました。

表面的な物語はベタでも「演出としての裏事情」をしっかり補う
ことで、物語はずいぶんとしっかり仕上がるんやな〜と思いました。
(もちろん、そう言った事情を描かず、観客の想像に任せると言う手法もあるんですけどね)

>書道って気になるんで、今度機会があればということで。

ワタシは苦手だし、キライですかね。
でも「敗訴」「平成」「名代どぜう汁」ぐらいは達筆に書けたらイイな〜と思いますね(=^_^=)

>TiM3さんの四国中央市(←本当にあるの?)観ましょう。

「四国中央市」はホントに存在します。
ワタシの住んでるのは高松市なので、ちょっと歩いては行けない距離ですけどネ(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年5月27日 (木) 23時56分

itukaさん、ばんはです。

>これ良かったですよね!

登場する「親父」がみんな素晴らしかったどす。

娘に「ほんまに後先考えん子やな、お前は・・でもこれはわしの宝物や」 ここでウウッ・・

娘に「この和紙を持って行け」 ここでボロボロと来ました・・

>ワタクシも中盤以降、10分おきに泣いてしまいました^^;
>クライマックスの“甲子園”で「おぉ~!」の連発!

終盤で、あの子が率先して「アカペラ」するじゃないですか・・
あの手の演出だけは「これは寒いな〜」と正直、思いました。
あのシーンだけ、別ヴァージョンで表現し直して欲しい(=^_^=)

>「風林火山」を見たときは。「す、すごいぜ女子高生!」てな感じ
>でその後に出てくる作品群もどれも個性的で、これは結構、
>後を引きそうです(笑)

ええと・・逆から「山火林風」と書いてましたね。
あんなんが次々出て来るので「こりゃ、絶対に負けるわ」思ってたら・・ちゃんと意表をつく作品を描き始めたので「観客も騙された!」
と思いました(爆笑)

でも出場校の中では、負けそうになったら顧問教師が
「交代や! 1軍、出い!」みたいなことを言い出すチームもありそうやね(=^_^=) え? それまでは2軍やったん? みたいな。
(どっかで聞いたネタやぞ?)

しかし、本作で一番悲しいのは・・実際の四国中央市内に、
本作を鑑賞出来るシアターが1館も存在しないことでしょうね(×_×)

本作をきっかけに、ミニシアターが設立されたらエエんですが・・

投稿: TiM3(管理人) | 2010年5月28日 (金) 00時09分

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