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2010年5月31日 (月)

☆『谷中暮色/Deep in the Valley(2009)』☆

昨日29日(土曜)は、午前中に帰阪しつつ・・その勢いのまま、奈良県内を“ドライヴツアー”して来た。

距離的に余りあちこち走り回る時間も、体力もなかったんだが・・しょっぱなに立ち寄った橿原駅界隈の「今井町」と言う細い路地の「重要伝統的建造物群保存地区」で“クルマをどっかに止めて歩けば良かった”モノを・・多少の「ラクしたさ」に負け強引に路地に入って行ったら・・
対向車とすれ違う際、左フロントのホイールを見事にガリガリ状態に擦ってしまい、ココロが大幅に凹んだ・・(×_×)

今夏に新型iPhoneがリリースされたら、購入は「ほぼ確定」してるが・・併せ“ちょこっと計画”してたiPad購入が、今回の「ホイールガリガリ君事件」の後処理でどうやら「吹っ飛んでしまった」ようでもあり、落ち込みも激しい、、
でもやっぱ、このまま(治さず)乗り続けるのは精神的に我慢出来へんし(×_×)

ってことで「狭路でコスるのがこれで運転歴2度目」なのもあり・・今後は“狭路走行、速度超過、違法駐車”の3ツのキーワードについて、自らを厳しく戒めたいと考えている。

そんな訳で、前述の通り「コスっただけ」で「今井町ツアー」は(下車し歩き回ることもなく)早々に終わったのだった。うわらば!

30日(日曜)。

「失意から取り急ぎ回復せねば!」と思い立ち、午前中から自宅を出発・・「地下鉄中央線・九条駅」界隈にあるミニシアター“シネ・ヌーヴォ”に向かった。
先週末に鑑賞し損なった1作『谷中暮色/Deep in the Valley』をようやく観た次第である☆

幸田露伴の著した小説『五重塔』のモデルになったとされる、東京都台東区谷中(やなか)地区にかつて存在した“五重塔”・・

1644年、建立
1772年、火災(←明和の大火)により焼失
1791年、48人の宮大工により再建
1893年、『五重塔』としてフィクション化
1957年、放火心中事件により焼失

焼失後ほどなく再建され、戦火も免れた古塔であったが・・男女の心中の道連れであっけなく失われたまま、半世紀を経ている。
今や塔の存在を示すものは、建てられた「天王寺五重塔跡」の石碑と、その奥に広がるがらんとした空間、そして礎石のみ。

地区内の住人から古いホームムービーを収集⇒修復し定期的に上映会を催している団体「谷中フィルム協会」に所属するカオリは、戦後に消失して久しい“五重塔”の存在と、その“まさに燃え盛る姿”を記録した8ミリフィルムが何処かに保存されていることを知る。

寺院の住職、霊園の女性墓守、工芸職人、郷土史家・・「谷中の過去を知る、年老いた人々」を訪ねる、カオリとその彼氏=ヒサキ。

果たしてフィルムは何処に隠されているのか? そしてその中に記録されていた映像とは・・?

寳塔・古塔好きなワタシとしては「CG映像で再現された、谷中五重塔の燃え上がる姿が拝見出来る」ってことで、外せなかった1作でもある(←この鑑賞動機は、少し野次馬根性じみてもいて、恥ずかしくもあるが)。

シアターが通常の広い方から、狭い“シネ・ヌーヴォX”に変わったので、2週連続で「あの空間」に叩き込まれることとなった(=^_^=) 因みに今回も「整理券番号:1」であり・・観客数に至っては。何と2名だった(⌒〜⌒ι)

物語自体は
1.インタビューによる「ドキュメンタリー」部
2.カオリ&ヒサキによる「恋愛ドラマ」部
3.宮大工・十兵衛とその妻・お浪による「小説『五重塔』の再現ドラマ」部
の3パターンが交代で展開される。

3つの物語に“ヴィジュアル的な変化”を持たせる意味でか、1と2は「モノクロメイン」で、3は「セピアカラーメイン」で描かれる。
たまに映像がフルカラーになったりして、戸惑ってしまうのもあったが(⌒〜⌒ι)

結論としては、1の出来は「記録映像」としてもなかなか良かったんだが、2がベタな展開であり、3が中途半端な出来だったために、総合的にバランスが崩れてしまい「ちょっとねぇ・・」って印象が正直拭えなかった。
1と2を組み合わせたパターンでは、かの河瀬直美監督辺りがスゴく巧い(したたか、とも言おうか)撮り方をしてるんだが、河瀬監督なら「そこまで踏み込んでは描かなかったろうな」と言う部分にまで描写・演出の手を広げ、かつそれがイマイチになってるのが敗因だったような・・

まぁ最大の敗因は、最大の見せ場である「クライマックスの五重塔炎上シーン」のCGの出来がどうにも「良くなかった」ってのがある。「形状」「背景とのバランス」「映し方(燃え方⇒崩れ方)」のいずれもがどうも不自然でペラッペラだった感じ。
あれはCGじゃなく、限りなく実寸に近いミニチュアをちゃんと製作し、火を放つ、ぐらいの気合が欲しかったトコだ。

主人公=カオリちゃんは眼の表情がイイんだけど、全体的に「ヒロインを演じるには、ちと荷の重過ぎる感」があったし、ヒサキのキャラ造型の背後にある“ヤンキーorチンピラorチーマー”の設定は、それを延々見せられても、共感も出来ないし、不愉快なだけだった。
(と言うか、1度現地界隈を数時間歩いたことがあるが、夜はあんなにヤバい地区と化すのか(?)、そこが大いに疑問である)

カオリ&ヒサキ役の俳優さんを、そのまま『五重塔』の2人(十兵衛&お浪)に流用(って表現でイイの?)してるのも、アイデアは認めたいけれど、ちょっと感情移入出来なかったかな。

ってことで、作品時間をもそっと削って、インタビュー部分はそのままに、(終盤の)フィルム上映の部分をもっと洗練した見せ方で描けば、更に“観客に伝わるモノ”が多くなった気がした。

一方で、シーンをスチール(写真)にして、そのまま(引き延ばして)ポスターにして飾りたいな〜と思わせる、素晴らしい「絵と構図」が(劇中の)あちこちにあったのは素晴らしい。

総じては「観といて、良かった」と思える1本ではあった。

〜 こんなトコも 〜

♦全編に渡り「英語字幕」仕様だった。
♦冒頭に数度のブランク(暗転を伴う余白)が挿入された。アレは意図的なモノか? にしてはさほど意味を感じなかったが?
♦谷中霊園は広大なので、あちこちに「甲4号1側」「甲9号4側」「甲3号2側」などの案内表示が立てられている。これらの配置(位置関係)が分かるしとは、更に臨場感を覚えたことだろうな。
♦「谷中」と呼ばれるのは、そこが「本郷」「上野」の2つの台地の谷間に位置するからだそうだ。
♦お寺の入口に「無」の1文字が掲げられていたが・・字幕には「nothingness」とあった。
♦冷静に“谷中五重塔”を眺めると・・「屋根の平べったさ」「相輪の(輪の間隔の)狭さ」が際立っている。正直、ワタシの好きなカタチではないかなぁ(・ω・)
♦墓守のお婆ちゃん。墓石を奇麗に磨く為とは言え、、墓によじ登り、足蹴にしたりしてる、、(⌒〜⌒ι)
♦「立ちのぼる線香の煙」「座した人の横顔のシルエット」「陽光の射した木の廊下」・・これらがモノクロ映像にすごくマッチしてる!
♦劇中に登場する“モテ香水”「Fall in Love Perfume」の正体は・・“薄めたリンゴジュース”に過ぎないらしい(×_×)
♦ご老人の(散らかった)お住まいはモノクロに「色を落として」映さないと、ちょっとキツいかも?

〜 こんなセリフも 〜

山崎「ちゃんと話して、ちゃんと聴いたげないと。相手は話したがってるんだから」
  「ちゃんと話さず“フィルムを貸して下さい”だけで貸してくれる訳ないじゃない」

ヒサキ「何でみんな“五重塔”にこだわる?
    何で“燃えちゃったもの”にあんなに執着するんだろ?」

ヴィンセント「こう言った居酒屋で得られるのは“商品”だけじゃない。
       それは“心地よい雰囲気”と言うか・・」

人々「(塔が)あったんですよ。残念ながら、燃えちゃったんですけど。
   どうやらホームレスの人が放火しちゃったらしいんですけどね」
  「子供の頃は、(塔に)入って遊んでましたね」
  「(塔は)そこに有るものだと思っていた・・それが“当たり前”だとね」
  「(塔が)焼けた時分は娘だったんですよ。それが・・今やお婆ちゃんですから」
  「(炎上当夜は)風がなかった。とにかく火柱がスゴくてね」
  「伽藍の中で、一番目立つ存在が塔だった。
   そして人々は、塔を通じ“仏様”を見ていたのです」
  「仏さんが新しいウチだけね・・大勢が来て、賑やかにやってくれるのは」
  「(フィルムなんか)持ってないよ。持ってたらどうなの?
   (中略) そう言うのが付き合いなの。他所様のこと、喋れないの。分かる?」
  「(炎上を)見ても“見た”って言えないよ。思い出したくないから・・たとえ見ててもね。
   分かる? その気持ち。 ・・おたくらには分かんないだろうねぇ」
  「何かまた、“建てる”ってハナシを言ってますよね」
  「生きてるウチに・・見たいもんだなぁ」
  「(炎上する姿は)そりゃ、奇麗でしたよ。人は死んでんだけどね」

〜 こんな英訳も(字幕より) 〜

「うそ!(I can't believe it.)」
「有り得ないって?(Let me ask you.)」
「そこ、邪魔(You are in my way.)」
「上人様(Highest monk)」
「ああ、やれやれで御座いまして(Oh,boy.. What a day.)」
「1人で行って来な(Go by yourself.)」
「何とも言えないけどね(It's hard to say.)」
「ふざけんなよ(Gimme a break.)」
「よみがえれ(Come to life once again.)」
「無縁様(Lonely stones)」

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コメント

左フロントのホイールはどうなりましたでしょうか?
大変なことでしたね、心の凹みは凄く判ります、でもでも、、、ちょっとでも復活されていることを祈っています。

再びのヌーヴォご来場、ありがとうございます。
(私は何の関係者でもありませんが・・・)
この作品はちょびっとだけ、気になってました。貴レヴューを拝読し、作品へのイメージがちょっと違ってたことに気付きましたが・・・。


>「有り得ないって?(Let me ask you.)」

勉強になりました。

投稿: ぺろんぱ | 2010年5月31日 (月) 20時21分

iPadといえば『オーケストラ』の上映前に劇場のロビーにて
若いお姉さんが一生懸命にやってました。
それ見て、ワタシも欲しくなってしまいました^^
あの本体って横長なのか縦長なのかがイマイチ分ってません^^;

8万くらいなら、もうちょっと足して新型PCかな、やっぱり。

投稿: ituka | 2010年5月31日 (月) 23時37分

ぺろんぱさん、ばんはです。

さっきまで衛星で『恋愛適齢期』を観てました(=^_^=)
劇場で観た当時は、何の感情移入も出来ず「キアヌや〜! アマンダや〜!」
と若い衆ばかりに眼が行ってましたが(=^_^=)

今回は「ダイアン・キートン、奇麗じゃん!」「ジャック・ニコルソン、お茶目で憎めないじゃん!」
とそっち側(?)の視点で観てしまっとるワタシがいました(⌒〜⌒ι)

>左フロントのホイールはどうなりましたでしょうか?

今日、帰宅後にス※パ※オ※トバ※クスに出かけ、早速交換して参りました(・ω・)

店員さんの「ちょっとタイヤ自体も年数が経ってるので、高速走行の機会が多いのでしたら、バースト(破裂)」の危険も御座いますし・・」
ってな脅し(?)にまんまと引っ掛かり、4本とも替えちゃいました(=^_^=)

人間って「不安をあおられる」とコロッと行っちゃいますよねぇ・・

・劇場鑑賞50本ぶん相当・・ってトコでしょうか(×_×)
・或いはiPadを2枚ぶん ←煎餅かよ!
・もしくはMacBookを1台ぶん

また、お仕事を頑張って稼がないと・・

>大変なことでしたね、心の凹みは凄く判ります、でもでも、、、
>ちょっとでも復活されていることを祈っています。

ちょっと我慢出来なくなるとバシッ! と行っちゃう性格でして。。
何も悪くないのに、強引に交換されてしまった、残り3本のホイール君が不憫でなりません・・赦せ

>再びのヌーヴォご来場、ありがとうございます。
>(私は何の関係者でもありませんが・・・)

ロビーの鑑賞ノートに「ひと言」書いております。
また機会あらば、めくってみて下さいね。

>この作品はちょびっとだけ、気になってました。
>貴レヴューを拝読し、作品へのイメージがちょっと違ってた
>ことに気付きましたが・・・。

「関西圏で最も期待値を高めて観に行った5人」のウチの1人
に入ってたかも知れません、ワタシ(=^_^=) ←もっとおるやろ!

>「有り得ないって?(Let me ask you.)」
>勉強になりました。

もう1度考えてみたら「有り得ないって!」「有り得ないってば!」
の方が近いと思います。メモの走り書きが「?」か「!」か
分かんなかったもので、、ちょっとこの場で訂正させて頂きます(謝)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月 1日 (火) 00時11分

itukaさん、ばんはです。

日曜に、心斎橋の「アッポォストア」でiPadの実物を触って来ました。
ちょっと予想よりズッシリしてましたが、スタッフ曰く「パネルのガラスパーツの重さが大半です」とのこと。

>若いお姉さんが一生懸命にやってました。
>それ見て、ワタシも欲しくなってしまいました^^

アッポォのスタッフが色んな場所でパフォーマンスしてたのかも(=^_^=)
ただ、ワタシは冷静に考えて・・
「DVDドライヴも接続出来ないし、データのバックアップも“単体”では出来ないし」
ってことから「母艦(メインマシン)」にするには「明らかにスペック不足やな」と感じました。

サブ機、モバイル機と割り切って使ったら、かなり最強でしょうけどね。

>あの本体って横長なのか縦長なのかがイマイチ分ってません^^;

デザイン的には「縦長」になりましょうね。

確かに売れまくるでしょうけど・・「カメラ非搭載」「ワンセグ機能無」「電話機能無」って仕様から、
案外すぐ「皆さん持ち歩かなくなるんじゃ?」と予想してます(=^_^=) ←ひがんでるだけ

>8万くらいなら、もうちょっと足して新型PCかな、やっぱり。

ちっこいノートPCなら、今や新品が¥29800-で買えますもんね。
スゴいことです(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年6月 1日 (火) 00時29分

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