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2010年5月29日 (土)

☆『陰日向に咲く(2008)』☆

28日(金曜)の夜。
「金曜ロードショー」で“地上波初放送”された『陰日向に咲く』をダラッとした心持ちながら観てみた。

劇場公開当時「なかなか良い!」と言うハナシを周囲の誰かから聞いた記憶があるような、ないような(←どやねんな)感じなんだが、原作本(小説)の筆者たる「劇団ひとり」と言う人物のことを(バラエティ番組を全く観ないので)余り良く知らず「言うても、関東芸人さんが片手間に書いた本でしょ?」ってな勝手な先入観があったもので、ついつい敬遠してしまった(・ω・) ←ゴメンナサイ、、

ウィキでなぞってみると(=^_^=) 原作は5ツの短編から構成される、いわゆる“オムニバスもの”だそうだ。その中から4ツのエピソードを抜き出し、微調整をした感じ。

秋葉原、浅草など、トウキョウをメインに幾つかのロケーションが登場するが、風景描写にことさらこだわってる風でもなく、観ててもそんなに「あ、エエなぁ」と言う気持ちは沸かなかったか。あ、でも“浅草寺の五重塔”がチラチラ映されるのは、ちょっと嬉しかったな。

TVの気象ニュースでは、台風12号の九州上陸〜関東方面への移動が日を追って報道される8月。

都内で観光バス運転手をしている沢渡シンヤ(岡田准一)は“パチンコ依存症”の克服に努力する青年。400万の借金と、その回収のため付きまとって来る借金取りに怯える日々。
ある日、とうとう“パチンコ店”の誘惑に負け、またも有り金を使い果たしてしまったシンヤは、(飛び出して久しい実家の)父親に無心しようとした電話・・の間違って伝わった先の女性に“オレオレ詐欺”を働くことを思い付く。

25歳の売れないアイドル=武田みやこの熱狂的なファンである3人組(ユウスケ、ツヨシ、ハジメ)。リーダー格のユウスケ(塚本高史)にとって“ミャーコ”ことみやこの存在は、小学生時代の初恋に破れて以来の“ココロときめかせるもの”だった。
バラエティ番組への不遇な(←逆に美味しい?)カタチの出演を知り、彼女の「イメージを崩す」姿に打ちのめされる3人組だったが、ユウスケは彼なりの懸命さでみやこを応援しようと決意する。
そんな矢先、みやこからユウスケに1通の手紙が届くのだった。

“モーゼ”と呼ばれるホームレス(西田敏行)のもとに、生き別れとなった父親を捜す、大物プロ野球選手が現れる。
「大嘘つき」で知られる“モーゼ”は彼の父親であることを告白するが・・

浅草でシンヤが出会ったのは「1枚の写真」を頼りに“とある男性”を探し求める池田寿(ひさ)子(宮崎あおい)だった。鳥取県出身の彼女の母=鳴(なる)子(←宮崎の2役)が浅草で出会った「ゴールデン雷太」と言う名の“売れない”芸人(伊藤淳史)が、鳴子と共にその古ぼけた写真にはうつっていた。

一見無関係な“不幸を背負った、陽の当たらぬ場所にひっそりと咲く(←咲けてないかも、、)人々”が、終盤で大きな偶然により(=^_^=)“繋がって来る”のが本作の醍醐味だろうか。
まぁ繋げ方が強引だったり、お涙頂戴的でややもすれば「ベタ」な脚本(展開)を、豪華キャストで強引に引っ張り切ってた印象もなくはなかったが(=^_^=) 「ちょっとエエね」って世界観は確かに構築出来てたようで。

ワタシとしては“アキバ”の物語である“ミャーコ”を巡るエピソードは、ちょいと本筋から外れており、まとまりも良くない気がしたかな。
事前に『キサラギ(2007)』と言う、もンの凄く完成度の高い「アイドル映画」を観てしまってたがため、どうしても物語の完成度を比べてしまうのもあったりするし(⌒〜⌒ι)

シンヤの関係する“オレオレ詐欺”の顛末がなかなかに苦いながらも・・「首根っこをグイッと掴んで泣かせる」っぽい強引な脚色がされてたのが印象深い。
ま、確かにワタシも「あの遺されたお菓子缶(?)の中身」が明らかとなった場面ではウルッと来てしまった。

もう少し・・何やろ? 俳優のラインナップに逃げず(?) 映像や(ハナシの)余白で観るものを引っ張り、トリコにして欲しかったトコである。

あ、そう言えば・・伊藤淳史&塚本高史って『ロボコン(2003)』でも、ガッツリ共演してたんやな〜と・・思い出した(・ω・)

〜 こんなトコも 〜

♦伊藤&宮崎の演じる「浅草ゴールデンホール」の看板(?)漫才トリオ=ゴールデン鳴子&雷太。しゃべくりぶりが、戸惑う程に「お寒い」のであるが・・(⌒〜⌒ι)
♦どれほど不幸を背負い、どれほど人生に陽光の降り注ぐことがなかったとしても・・世界でただ1人、宮崎あおいに惚れ抜いて貰えたら・・もう他にはなんにも要らない・・のでは??(一生、彼女にアタマは上がんないだろうけど)
♦シンヤの「バス運転手」って職業描写が、思いっきり「薄っぺらく」見えた。
♦三浦友和氏がホームレス生活に身を落とす(?)展開があったが、焚火のシーンを(わざわざ)設けて“モーゼ”に「その火を飛び越えて来い!」とかって言って欲しかった(=^_^=)
♦ユウスケが“ミャーコ”を応援するため、ネットの掲示板に色んな人格になり済まして「絶賛コメント」を書き込むんだが・・その内容がバカバカしくて面白かった! 劇場で観てたら、きっと爆笑してたことやろなぁ(=^_^=)
「無くしたリモコンが見つかりました」「死に際だったおじいちゃんが、最後にドロ子さんを観て笑いました」「引きこもっていた娘が、ドロ子さんを見て“明日から学校に行く”と言い出しました」・・みたいなノリ(=^_^=)
♦あおいちゃんの「鳥取弁」が可愛かった。「はぁ? 今のでマル(合格)かいなぁ?」「ウチ、決めたけん。一緒にさせてぐしない!」「2人で“日本一のお笑い芸人”になるいな!」「最後まで、していけぇな!」「ウチ、見つけるけぇ。必ずまた、雷太のこと見つけるけぇ!」
♦“風もいつかは止む・・雨もいつかは上がる(・・でもまた吹くし降る、、)”と言うのが、観終わってすぐのワタシの呟きだった。

〜 こんなセリフもありました 〜

シンヤ「上から“見下した”ように言うんじゃねぇよ!」

ユウスケ「俺なら、ファンレターに“好きだ”なんて書かない。
     何故なら・・それを出す時点で、その気持ちは伝わってるから」
    「最初で最後・・僕がした“現実の恋”・・初恋」

シンヤ「だから・・オレです」
父「ああ“オレオレ詐欺”・・」
シンヤ「そうそう・・って違います!」

モーゼ「俺はやっぱりここに残る。行けないよ・・
    20年前に、何もかも棄てたんだから・・仕事もお前たちも」

ドロ子「幸せドロ〜」

寿子「母はずっと、あなたの幸せを願っていました。それほどまでに・・あなたのことが好きだったんです」
  「今日のここでのこと、私には“全部、意味がある”って気がするんです。
   ・・誰かが教えてくれている気がするんです。“きっと、明日は晴れるよ”って」

父「もう、あいつを待つのはやめます。(思い出は)全部棄てます。これからは1人で・・そう決めました」

手紙“あなたと私が生きて来た話を、聞かせてください”

追記1:「手前に岡田君、奥に正面を向いたあおいちゃん」の構図のシーン。あおいちゃんに焦点(ピント)を合わせてないもので、何だか彼女の額のカタチが“月代(さかやき)”みたいに見えてしまった(⌒〜⌒ι)
追記2:西田局長のキャラ造型が良かった! このしとは、やっぱりこう言う“軽妙な役”が似合う!
追記3:“騙すことによる救い”ってのもホンマにあるもんなんや、と本作を観て確信した!
追記4:浅田次郎氏による、本作の評価が知りたい(=^_^=) テイストが何処となく似てるので・・

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コメント

こんばんは。

私は迷いつつも未見でしたが、、、“浅草寺の五重塔”が映画の中でご覧になれて良かったですね。(*^_^*)

>・・・場面ではウルッと来てしまった。

そういう感情が湧いたってことだけでも本作は「◎」だったと思いますが、いかがでしょうか。

>三浦友和氏がホームレス生活に身を落とす(?)展開が

映画『転々』以上に“やさぐれた”彼を拝見することができたのでしょうか。(*^_^*)

せめて録画しとけば良かったかも・・・です。

投稿: ぺろんぱ | 2010年5月30日 (日) 20時03分

ぺろんぱさん、お早うございます。

『花とアリス』・・何処かに転がってるハズのDVDを探したいトコです(⌒〜⌒ι)

>私は迷いつつも未見でしたが、、、“浅草寺の五重塔”が
>映画の中でご覧になれて良かったですね。(*^_^*)

近距離からの映像だったので、塔の全体は殆ど映ってませんでしたけどね、、

>そういう感情が湧いたってことだけでも本作は「◎」だった
>と思いますが、いかがでしょうか。

そうですね(=^_^=)

>映画『転々』以上に“やさぐれた”彼を拝見することが
>できたのでしょうか。(*^_^*)

『転々』は劇場鑑賞を見逃しました・・衛星待ちです(=^_^=)

>せめて録画しとけば良かったかも・・・です。

衛星で放送してくれる日も遠くないような・・そんな気もします。
その折にでも。

投稿: TiM3(管理人) | 2010年5月31日 (月) 07時17分

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