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2010年3月 7日 (日)

☆『わが谷は緑なりき(1941)』☆

2日(火曜)の夜。衛星第2でジョン・フォード監督の『わが谷は緑なりき』が放送されると言うので(←誰が言ったんだか)この日ばかりは、大人しくさっさと帰宅したワタシ。

イギリス・ウェールズ地方の炭鉱町を舞台に、炭鉱夫のモーガン一家の辿る運命を描いたドラマ。

現代に置き換えたら『リトル・ダンサー(2000)』っぽいタッチにも繋がる演出があり、それは「ヒュー少年(末弟=6男)が“軸”となる」「家族のドラマである」点など。尤も、ヒュー少年にはダンスの才など備わってないので(・ω・)、一家で一番の“インテリ”に育ちつつも・・結局は、炭鉱夫となる進路を選ぶ訳であるが・・

ヒュー少年に強烈な影響を与える人物が2人登場し、1人は彼の父=グウィリムであり、もう1人は町一番の“識者”たるグリュフィド牧師(ウォルター・ピジョン)であるが、、特に牧師の言動の数々がとにかく光ってて、中盤など「このしとの言葉を、総て刻まねば・・!」とバタバタと慌ててメモしまくろうとしたぐらいだ(⌒〜⌒ι)

後半辺りから、彼はちょっと物語の流れから身を引くカタチとなってしまい、残念だった。演じるウォルターさんも、グレゴリー・ペック路線の「がっしりハンサム系」で好感度大だった。

しかし・・「制作されたのが太平洋戦争開戦の頃」「モノクロ作品」「他国が舞台」なのに、ここまでの完成度の高さ、そして(家族の)ドラマに見られる“約70年を経てなお、鑑賞に十分耐え得る”普遍性ってば凄まじい!

また私的には、ヒュー少年が“想いを寄せる”義姉=ブロンと(やがて)同居することとなった際の「嬉しくて思わず声の弾んじゃうのを、慌てて低い発声に言い直す」トコなど、何だか観てて微笑ましい・・ちぅか未だにドキドキしてしまった(←未だにドキドキするなよ!)
やっぱり、武※鉄矢も言う通り(=^_^=)子役にはベテラン俳優も敵いまっしぇん(・ω・)

本作でヒュー・モーガン少年を好演した可愛い顔のロディ・マクドウォールは、その後も俳優として活躍し、何と『刑事コロンボ/死の方程式(1972)』ではピーター・フォークと対決する知能犯を演じたと言う! これも(DVDソフトは押さえてるので(=^_^=))再会が楽しみである☆

〜 こんなトコも 〜

♦食卓で気まずくなり、兄たちはテーブルを立ち出て行く。ポツンと残された父を気遣い、わざとガチャガチャと食器で音を立てるヒューに「お前がいるのは分かっている、息子よ」と言葉をかける父にちょっとウルッと来た。
♦劇中で2度も落盤事故の起こる、ロンダ渓谷の炭鉱・・事故調査委員会は開設しなくていいんかい?(当時はないだろ)
♦いじめっ子を「学んだボクシング」で圧倒するヒューくん。昔ながらの(両手の甲を相手に向ける)ファイティングポーズが『タイムコップ(1994)』に出て来たボディガードのおじさんを連想させてくれた。
♦聖書の「イザヤ書55章」が効果的に引用されてた。かいつまむと、こんな感じらしい(?)

 渇きを覚えている者は皆、水のところに来るがよい。銀を持たない者も来るがよい。
 穀物を求めて、食べよ。来て、銀を払うことなく穀物を求め価を払うことなく、ぶどう酒と乳を得よ。

 (激しく中略)

 あなたたちは喜び祝いながら出で立ち
 平和のうちに導かれて行く。山と丘はあなたたちを迎え歓声をあげて喜び歌い
 野の木々も、手をたたく。

ま、簡単に言えば「あんた、行きなはれ。行くからには、希望を持ちなはれ」って感じか? ←「浪花恋し※れ」かい!

〜 こんなセリフもありました 〜

ヒュー“なにが現実でなにが幻なのか”
   “父の素朴な教えは、総て正しかった”
   “兄たちの体の「落ちない石炭の汚れ」が勲章であるかのように誇らしく思えた”
   “皆、食卓では黙っていた。だが、美味い料理に勝る話があろうか?”
   “父は家の頭脳、母は家の心臓だった”
   “町に石炭カスが増えるにつれ、人々の心も黒ずんで行った”

父「金は使うためにある。稼ぐ時と同じくらい必死で使え。楽しく、ただし目的を持て」
 「いい働き手なら(どんな状況だろうと)稼げるさ」
 「神は1人を与え、1人を奪った」

母「主人に何かしたら、あたしがそいつらをこの手でぶち殺してやるからね」
 「何故あなたたちを産んだのかしらね。苦労するためだったのかも」
 「良い人間に育ってくれたら、あたしはそれで幸せよ

兄「行儀(=沈黙)と真実(=発言)なら、真実を取る」

牧師「谷から“何か”が消えたのさ」
  「医師じゃなく、神を信じなさい」
  「神の命令で、自然は“考えを変える”ことがあるのさ」
  「出来たら私が代わりにそこ(ベッド)で寝ていたいね・・『宝島』をゆっくり読み返したいんだ」
  「君はいい子だし、ここはいい家族だ」
  「感謝? 私の務めさ」
  「不正を倒すのは、別な不正じゃない」 ←コレはイイ!
  「君は幸運だ。退屈な(冬の)時期をベッドで過ごすことが出来た」
  「お父さんがランプを磨くように、君は魂を磨きなさい。祈ること、そして“その言葉の意味”を考えなさい」
  「この職は・・犠牲と献身以外は求めてはならぬ仕事だ」
  「これまでの時間を無駄にした人々に対し問いたい。ここで面と向かって私を非難する者は?」
  「私の教えは、とうとうあなたたちに届かなかった」
  「若い頃“真実で世界を征服出来る”と本気で思った」
  「枯れた心に神の愛は決して届かない」
  「毎日曜日、あなた方を眺めて気付いた。・・あなた方は怖くてここに来るのだ、主の復讐が」
  「あなたたちは・・偽善者の上に卑怯な人たちだ」
  「君の姉さんに再び逢えば、別れられなくなる」

兄「その顔はどうした?」
ヒュー「山で転んだ」
兄「・・勝ったのか?」
ヒュー「・・いや」

ダイ「先生を痛い目に遭わせたいか?」
ヒュー「・・何もしなくていいよ」

ダイ「ボクシングはな、芸術だ」
  「先生にボクサーの才能はないようだな」
  「人前で話すのは苦手でね・・パブは別だが」

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コメント

『わが谷は緑なりき』を調べていてこちらに辿りつきました。
ウェールズの知人に、ウェールズのことを知りたいなら、『ウェールズの山』なんかよりも、まずはこの映画を観て欲しいと言われた映画です。
彼らが大切にしているもの、そしてプライドのようなものがすべて、この映画の中に凝縮されているようなことを言っていました。

>♦聖書の「イザヤ書55章」が効果的に引用されてた。

このあたりのメッセージ、もう一度じっくりと見てみたいと思いました。名作ですが、一度見て終わりの作品ではないようですね。

ウェールズの人々が大切にしていることがらを、じっくりと味わってみたいと思いました。

投稿: ETCマンツーマン英会話 | 2013年10月 8日 (火) 15時46分

こんばんはです。
今更ながら、この記事に訪問を頂き、有り難うございます。

>『わが谷は緑なりき』を調べていてこちらに辿りつきました。

最近、劇場で観た邦画『夏の終り』でも、終戦後間もない時代を再現したロケーションに、本作の劇場看板の飾られてるシーンがありましたよ。

>ウェールズの知人に、ウェールズのことを知りたいなら、
>『ウェールズの山』なんかよりも、まずはこの映画を観て欲しいと言われた映画です。
>彼らが大切にしているもの、そしてプライドのようなものがすべて、
>この映画の中に凝縮されているようなことを言っていました。

久しぶりに読み返してみて、また観直したくなって来ました。
ウォルター・ピジョン演じる牧師のキャラが、ホンマにヒーロー然として描かれてたんですよねぇ。

案外『アラバマ物語』に於ける、グレゴリー・ペックに勝るとも劣らぬカッコいい人物像かも知れませんね!

>♦聖書の「イザヤ書55章」が効果的に引用されてた。
>このあたりのメッセージ、もう一度じっくりと見てみたいと思いました。
>名作ですが、一度見て終わりの作品ではないようですね。

それぞ、名作たる所以(ゆえん)でしょうね!

>ウェールズの人々が大切にしていることがらを、じっくりと
>味わってみたいと思いました。

いずれまた、放送されると良いですね(⌒〜⌒ι)

投稿: TiM3(管理人) | 2013年10月 8日 (火) 23時57分

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