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2010年1月25日 (月)

☆『脳内ニューヨーク(2008)』☆

24日(日曜)。
大体は週末となれば、家人の(最近の)事情もあり(?)“土日コース”で帰阪してるんだが、今週は出張も重なったので高松で過ごした。
って言っても、昨日(の帰宅後)は家で夜更けまですっかりゴロゴロしてたもんで、その反動もあってか、今朝なんて起きたら正午を過ぎてしまってたようで(×_×)

自宅にこもっちまうと、どうにも「ネットにふける⇒あまずぅんで買い物にも走る」「蓄えてる食べ物(特に菓子系)に手が伸びる⇒太る」ばかりに生活が傾いてしまい、、危ない(×_×)

ときに、ここしばらくのマイブーム(?)は四国を代表する(?)素朴な菓子“ミレービスケット”ってヤツで、早速買っておいた1袋を完食してしまった。。
にしても「朝食&昼食&おやつ」がビスケットとは、、

そんな中「外出して気分転換せにゃ!」と思い立ち、夕刻せまる時間帯からであるが、市の中心部に出向き、ミニシアター“ソレイユ”で狙ってた1本『脳内ニューヨーク』ってのんを観て来た。

『マルコヴィッチの穴(1999)』『アダプテーション(2002)』『エターナル・サンシャイン(2004)』など、奇天烈なシナリオで知られる脚本家=チャーリー・カウフマンの監督デビュー作。

ニューヨーク在住の劇作家=ケイデン・コタード(フィリップ・シーモア・ホフマン)は、画家である妻=アデル、4歳の娘=オリーヴと同居しているが、平穏な筈の日常に、少しずつ不安&不満の高まって行くのが抑えられない。
それに加え、体調も今ひとつ良くない。

夫婦間に生じたいつからかの「静かで深い溝」は、もはや埋めるべくもなく・・やがてアデルはオリーヴを連れ、ベルリンで開催される個展に出発してしまう・・ケイデンを独り残して。

妻子に突然に去られ“本当の孤独”になってしまったケイデンのもとに「天才賞」の異名でも知られる「2009年マッカーサー・フェロー賞」受賞の知らせが届く。彼はその副賞である莫大な賞金を使って、ニューヨークの一角に巨大な劇場を建設することを思い立つ。

劇場を造り俳優を雇い、そこで上演される「壮大な物語」の執筆に取りかかる彼だったが、次第に「自分と他人」「現在と過去」の境目が判然としなくなって来るケイデン。

しまいには「あなたを長い時間、追いかけて来た」と言う、サミーと名乗る老人(トム・ヌーナン)がオーディションに現れ・・

うーん、、何だろ。“壮大なカウフマンの妄想世界”・・もっと言葉を荒くすれば“散漫&冗長なカウフマンの自慰行為”に延々付き合わされた感があった(×_×) タイトルからすれば、もっと「広がってる印象」があるのに、実に「展開が狭まって行く印象」こそが強かった。。
って言うか。ニューヨークを舞台にしときながら、真っ先に(かの街から)連想されるべき(?)要素たる「ビジネス」「観光」「犯罪」のいずれにも手の付けられてなかったのには“違和感”を禁じ得なかった(・ω・)

ただし「ウッディ・アレン監督作かよ!」と突っ込ませるほどに、起用される女優陣が豪華な顔ぶれで、そこだけは華やかで得した気分となった。サマンサ・モートン、ミシェル・ウィリアムズ、エミリー・ワトソン・・そしてダイアン・ウィースト。気付かなかったが(×_×)ジェニファー・ジェイソン・リーも出たはったようで。。

必要以上(?)に「エロティック描写」の目立つのも(本作の)特徴と言えたか? サマンサ(ヘイゼル役)の上半身ヌードやら、エミリー(タミー役)のストリップやらが観れる。

またアデルの描く裸婦像の数々も、妙にリアルでドキッとさせてくれる。ま、それら作品のサイズが余りに小さいため、拡大鏡を使わないと細部が分かんないのは確かに「難」だが・・(⌒〜⌒ι)

主人公が容姿・年齢・性別を自在に変え、ニューヨークを舞台とした壮大な喜悲劇の中で生きる・・ってシチュエーションは独自性があり、楽しかった。サミーは長身&痩身であり、それはそれで(現実の)ケイデンが理想に描いた「像」を満たしてたンだろう。「女性になりたい」と何処かで漏らしてたことを具現化してみたら・・ミリセント(ダイアン)と言うキャラに仕上がってしまったのかも知れぬ。

しかし何だ・・監督が(自己完結的に)ワルノリして楽しむのは結構だが、それを観客に押し付けてる感がどっか、全編の裏側に流れてるようにも感じ、納得出来ない部分も多かった。

本作は「分かる(=理解する)」べき物語ではないように思う。「感じる」と言うか「眺める」と言うか、、多少の「不満」を感じてもそれは何ら問題はない筈・・でなければ、それこそまさに“カウフマンの術中”にはまってることに他ならないのだから。

〜 こんなトコもありました 〜

♦やっぱり良く分かんないカウフマン世界(・ω・) 思うに彼は「心理学」「精神分析学」の分野に進み、そこでエキスパートとなるべき人物だったようにも思う。案外、既にそっちの分野で博士号とか持ってたりして・・?(⌒〜⌒ι)
♦オリーヴを巡る様々な「謎」が気になった。「緑色の※※※は何を示唆するものか?」「何をプレゼントされたのか?(比較的大きな箱にただ“NOSE”と記されており、鼻のイラストが描かれてた)」「ガラス越しの、父の姿に気付いていたのか?」
♦中盤で投身自殺を図った某人物。路面にめり込んでる描写が妙にリアルで、背中がゾクッとした(×_×)
♦「4歳で小説を書き、5歳で自殺してしまった作家」なんてなネタもあった。。
♦「指のケガ(の診察)からガンが見つかった」ってセリフが印象的だった(・ω・)
♦後半、とある神父の放つ「説教」に・・“かなり重要なヒント”の隠されてた気がする。
♦主人公=ウィリー・ローマンが登場する劇は、どうやらアーサー・ミラー作『セールスマンの死』らしい。

〜 こんなセリフもありました 〜

ケイデン「どれだけ医療が発達しようと、死は免れない。
     言い換えれば、人は死に向かってるんだ。だが、この瞬間は生きてる。これが本質だ」
    「今度の舞台は壮大で革命的なんだ」
    「演技は変えても、キャラは変えるな」
    「ターキー(Turkey)は“七面鳥”じゃなく“トルコ”のことだ」
    「君に分かるか? “真の孤独”がどう言うものか」
    「君はもう“僕の一部”なんだ。“呼吸”と同じなんだよ」
    「随分・・遠回りしたね」

アデル「夫の死を望むの。楽になって、人生をやり直したい・・と」

マドレーヌ「この本で人生が変わるわ」 ←本の題は“Getting Better(回復)”だった。

ヘイゼル「私の部屋に来ない? 今夜は逃がさないわ」
    「“イヤな思い”をさせたげるわ」
    「帰って(You Should Go)」
    「“知らないこと”を知るのが、探求の第1歩よ」

クレア「今夜は酔うしかないわ」

タミー「大胆? 服なんて毎日脱いでるわ」
   「“女になりたい”なんて面白いわね。女なんて面倒なのに」

サミー「私を雇えば“真の自分”が分かる」
   「きっとね、ベイビー(Maybe,baby)」
   「見ろ! 私の修復しようのない“心の破れ”を」

ケイデン「何故、キスしたいと?」
ヘイゼル「“あの感触”が恋しいから」

表彰状より“莫大な賞金で、真実の探求と価値あるものの創造を”

※※※「タトゥーぐらい何よ! あたしだって!」
ケイデン「それ、初めて見たよ、、」

※「死は・・思ったより早く来るもんだ」
 「秋は“終わりの始まる”物悲しくも美しい季節よ」
 “今、家を持たぬ者は・・この先、一生持たぬだろう。
  今、孤独な者は、この先も孤独だろう”
 「あなたが(この部屋から)いなくなろうと・・この部屋は気にはしない」

サミー「アデルは※※※の具合もイイ」
ケイデン「何故そんなことを知ってる?」
サミー「・・何かで読んだ」

ケイデン「スツール(Stool:便)に血が・・」
アデル「どの腰掛け(Stool)なの?」

ケイデン「1つ訊きたい。僕は君を失望させたか?」
ヘイゼル「人間同士だもの。失望だってあるわ」

オリーヴ「死ぬ前にあなたを赦すわ・・でもその前に赦しを乞わなきゃ駄目」

神父「この世界にとっての殆どは、あなたの死後か生まれる前のこと。
   あなたの存在する時間なんて、わずか1秒にも満たない」

追記1:両手の人差し指をツノのように突き出し「負け犬〜!」とか叫んでた『ツイスター(1996)』の頃がなつかしいホフマン君(=^_^=)
追記2:エミリー&サマンサの2人が「似てる系」なのがややこしい、、これもカウフマンの「狙い通り」だったんやろか?(・ω・)

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コメント


こんばんは。

私も自傷的な映画だという感じを受けましたので、そのあたりの受け止め方は同じだったかも知れませんね。
「分かる、じゃなくて、感じる、眺める」の世界だと仰っているのは深く頷けました。

>サミーは長身&痩身・・・・「女性になりたい」と何処かで・・・

なるほど!
凄く面白い解釈をされましたね、さすがTiM3さんです。(*^_^*)

しかし、良くも悪くも印象には残る「超・脳内モヤモヤ」ムービーでした。
でもそれもカウフマンの術中に嵌ってる証拠なのでしょうか。

私は今や「ミレービスケット」なるものに興津々です。


投稿: ぺろんぱ | 2010年1月25日 (月) 21時33分

「興津々」は「興味津々」の変換ミスです。
いつもすみません。酔っ払ってるわけじゃないですよ。(ちょっとだけ酔ってますが。)

投稿: ぺろんぱ | 2010年1月25日 (月) 21時48分

ぺろんぱさん、お早うございます。

昨夜は帰宅が遅くなり、コメントが遅れてしまいました、、(×_×)

>私も自傷的な映画だという感じを受けましたので、
>そのあたりの受け止め方は同じだったかも知れませんね。

自傷 > 自虐 > 自嘲 って感じでしょうかね(・ω・)

>「分かる、じゃなくて、感じる、眺める」の世界だと
>仰っているのは深く頷けました。

もっと「ミステリアス」で「スタイリッシュ」な映像世界が構築されていたなら、
愛着もわいたのにな・・とそこは惜しく思います。
(現時点の)私的には、ソフトを購入するまでの「吸引力」はなかったです。

>なるほど!
>凄く面白い解釈をされましたね、さすがTiM3さんです。(*^_^*)

サミーのヘアスタイル、ミリセントのご年齢などを考えると、
必ずしも「理想の外貌」とは思えなかったですけど・・(⌒〜⌒ι)

>しかし、良くも悪くも印象には残る「超・脳内モヤモヤ」ムービーでした。
>でもそれもカウフマンの術中に嵌ってる証拠なのでしょうか。

だと思われます。

>私は今や「ミレービスケット」なるものに興津々です。

以下はウィキからもリンクされてるページです。
ご参考までに・・

http://www.umaitosa.com/nomura/index.html

投稿: TiM3(管理人) | 2010年1月26日 (火) 07時57分

>いつもすみません。酔っ払ってるわけじゃないですよ。
>(ちょっとだけ酔ってますが。)

いいですね・・楽しいお酒はワタシも好きです。

しかし! 今夜は飲むまい!(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2010年1月26日 (火) 07時59分

これ、観はったんですね。
やっぱり難しいか....

> “散漫&冗長なカウフマンの自慰行為”に延々付き合わされた感があった(×_×)
これって、気力のあるときに観ないと寝てしまいますということでしょうかね。

なぜか予告編をやたらめった観てしまった感があるのでなんか映画も観た気で終わってる私です。

投稿: west32 | 2010年1月27日 (水) 00時17分

westさん、ばんはです。

今夜も飲んじゃった〜い(=^_^=)

>これ、観はったんですね。
>やっぱり難しいか....

ポスターを眺めて、ふと『ハンニバル』かい! と思いました、、
主人公をレイ・リオッタが演じたら「まんまド直球」でしょうね、、

>これって、気力のあるときに観ないと寝てしまいます
>ということでしょうかね。

正直「長いな・・」と思いました。

>なぜか予告編をやたらめった観てしまった感があるので
>なんか映画も観た気で終わってる私です。

観た気になって終わっておいてください ←おいおい

投稿: TiM3(管理人) | 2010年1月28日 (木) 00時41分

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