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2009年11月28日 (土)

☆『イングロリアス・バスターズ』☆

27日(金曜)の夜。
「ああ、今週もバタバタしててしんどかったな~、余裕なかったな〜」などと感慨にふけりつつ・・「そや、1本、行っとこ!」ってことで、クエンティン・タランティーノ監督最新作『イングロリアス・バスターズ』をレイトショーで観て来た。

シアターは“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”。開始が20時50分から、と少しゆとりがあったので、1度帰宅し簡単な食事を済ませてからクルマで向かった次第。

第1章「その昔、ナチス占領下のフランスで」
第2章「名誉なき野郎ども(Inglourious Basterds)」
第3章「パリにおける“ドイツの宵”」
第4章「プレミア大作戦」
第5章「巨大な顔の復讐」

の5章立てで、1941年および1944年の(ドイツ占領下の)フランス各地を舞台に、ナチス高官たちと、彼らを狙う2組の主人公・・“アルド・レイン中尉&名誉なき8人の野郎ども(=イングロリアス・バスターズ)”“美人映画館主ショシャナ・ドレフュス”・・のそれぞれの戦いの行方を、同時進行で描いた戦争もの(?)。

タランティーノ監督作(←全篇を監督してるモノ)を観るのは『キル・ビルvol.2(2004)』以来か。かの作品(←続編に限る)が予想に反して面白くなく「・・大丈夫かよ」と心配してたんだが、その後は『スキヤキ・ウェスタン/ジャンゴ(2007)』で、これまた下らない役(=^_^=)を嬉々として演じてはった印象が強烈で「そろそろ、監督業もリタイアかな?」と思い始めてた矢先の本作発表だった。

世間での評価がどうなのか分かんないが、、私的には「長い!」「キャラの扱いが雑!」「笑えない!」とは評しときたい。

朝の某TV番組で、粗筋が紹介されてた(?)もんで・・全くその通りに、ノロノロ進む展開には「遅いよ! ダラダラしてるよ!」とややイラついて仕方なかった。
かつ、誰もに主人公的な要素をそれなりに持たせつつ、どのキャラにも「際立った、更に踏み込んでの造型」が感じられなかったため、感情移入もしにくかった。

ただ「誰が、いつ、どうやって、退場するのか(或いはしないのか)」がホンマに読めない進行だったので、そこを楽しみ(?)に観てみるのは一興かも知れない。

あと「対話シーン」の幾つかが実に丁寧に綴られており、そこは良かった。
長回しもあれば「瞬きもせぬまま、じっと互いの眼を見つめ合う2人」ってなシチュエーションも随所に出て来るので、そこは「そう言うのんが好きなしと」には堪えられないサスペンスフルなシーンに仕上がってたと思う。
(でも、私的には・・例えば『トゥルー・ロマンス(1993)』でのデニス・ホッパーvsクリストファー・ウォーケンの対話(≒対決)シーンなんかに匹敵するまでの吸引力&サスペンス性は感じられなかった)(←因みに『トゥルー・ロマンス』ではタランティーノが脚本を担当)

「R15+」指定がついてる本作。「何処やろ?」と思ってたら・・第2章で、バスターズの面々がナチス兵のアタマの皮を剥ぐわ、野球のバットで(アタマを)叩き潰すわ、と「ご尤も・・」なシーンがいきなり次々と出て来た(×_×) ←必要だったんか?

クライマックスは、とある小劇場における“プレミア上映会”の場面だが、私的にはその直前に描かれる“ナディーヌ村の地下酒場”でのシーンが本作のピークに思えた。あそこでキャラ陣もグッと減じられた訳だし・・

ラストで思いっきり「SF作品」であったことに観客は気付かされる訳だが(=^_^=)、もうちょっと「真面目なら真面目」「ふざけるならふざける」と、羽目を外しまくった暴れっぷりを見せて貰いたかったタラちゃん(タランティーノ監督)ではあった。

〜 こんなトコもありました 〜

♦薪を割ってたカッコいい親父さん=ラパディット氏。斧を振り下ろす動作こそ決まってたが・・肝心の薪が見えなかったようにも(?) アレって“エア薪割り”?
♦折角丁寧に積み重ねて来てたハンス・ランダ大佐とショシャナのドラマが、どうにも“すれ違ったまま”終わってしまってた気がした。
♦(袋をかぶせられた)レイン中尉に頭突きされてたあのしと・・直後のシーンで全くダメージが見られなかったが?
♦“かなり美味しい役”を好演してくれてたティル・シュワイガー(スティーグリッツ役)。だのに、あれで良かったんか?
♦酒場にいた“ニセ将校”のリーダー格だった中尉は、なかなか「ええ顔」をしてはった。もうちょっと活躍して欲しかったが。。
♦女優ブリジット・フォン・ハマーシュマルクさん。終盤の、ジタバタしてた“あの脚の動き”は、何かのフリじゃなかったのか?
♦映画館のロビーや周囲に、ナチス兵士がもっと待機して然るべきと思ったが?
♦如何にも肉体関係のありそな、ショシャナと映写技師マルセルの“描かれなかった禁断のシーン”を想像し、勝手にドキドキしてしまったワタシ(⌒〜⌒ι)
♦ハインリヒ・ヒムラーやルドルフ・ヘスの出番はなかったんやろか?
♦『鈍獣』で北村一輝が“施された”アレを先に観てしまってるので・・ランダ大佐の“施された”アレを観ても、そんなに衝撃はなかった(・ω・)
♦折角マイク・マイヤーズをゲストに迎えて(フェネク将軍役)るんだし、彼にもっと何役も演らせて欲しかった(=^_^=)
♦ラパディット氏の3人の娘、ジュリー、シュザンヌ、シャルロット。特にシャルロットが「何か言いたそうな眼」をずっとしてたのが気になる(⌒〜⌒ι)
♦劇中に(セリフ等で)登場した旧作は、G.W.(ゲオルグ・ヴィルヘルム)パブスト監督、レニー・リーフェンシュタール主演『死の銀嶺(1929)』やゲイリー・クーパー主演『ヨーク軍曹(1941)』。監督としマックス・ランデール、プロデューサーとしデヴッド・O・セルズニック、俳優としヴァン・ジョンソン、マレーネ・ディートリッヒ、リリアン・ハーヴェイなどの名が挙がってた・・(・ω・) あんまし詳しくない年代どす。。
♦「チャップリンは好かないが『キッド(1921)』は傑作だ!」と劇中で評価するキャラがいた。
♦ナチスNo.2=宣伝相ヨーゼフ・ゲッベルスと女性通訳=フランセスカのイメージショット(←いわゆる“パコパコ”系)はどうでも良い気がしたが、、
♦エマニュエル・ミミューの「座った顔の高さ」にカメラを固定し、背後に立った将校らの「表情を映さず会話だけを流す」演出には「イイねぇ〜」と唸らされてしまった。 ←アレって一種の“放置プレイ”か?(=^_^=)
♦総統に「素晴らしい! 君の最高傑作だ!」と言われ、感激でウルウルしてるゲッベルスの表情が印象的だった。
♦シュトゥルーデル(パイ菓子みたいなヤツ?)って日本でも食べられるんやろか? ちょっと美味しそうだった(・ω・)
♦ドイツの酒=シュナップスもどんな味なのか興味津々。
♦スティーグリッツの“イライラ具合”が手に取るように伝わって来た(=^_^=)
♦油断して背後から撃たれるキャラ・・ちらほら(×_×) ま、戦時中なんスから。
♦指で示す「ドイツの3」と「イギリス(?)の3」とは、全く(形が)違うそうだ!
♦「殺(け)す」なる訳(?)が光ってました、松浦美奈さん!(=^_^=)
♦ランダ大佐。ドイツ語は無論のこと、英語、フランス語、イタリア語まで喋ってた! スゴい!
♦「ナンタケット島」と言うのはマサチューセッツ州にあるリゾートの島だそうだ。

〜 こんなセリフもありました 〜

ランダ「ワインは結構。ミルクを」
   「娘さんがたも雌牛たちも・・“ブラボー”のひと言ですな」
   「総統以上に明確な答えだな」
   「私のことをどう聞いてる?」
   「企業と同じだよ。上層部が変われば、無駄と分かり切ってることでさえ繰り返される」
   「噂は好きでね。事実は時として作為的だが、噂は本質を覗かせるものだ」
   「あだ名は“業績に対する評価”でもある」
   「・・国家の敵を匿っているな?」
   「まぁいい・・達者でな!」
   「アメリカでは“靴が一致すれば、間違いない”と言う」
   「言っておくが・・私は“ハンター”ではない。“探偵”さ」
   「やった! ビンゴ! ・・って何の話だっけ?」

レイン「ナチに人間性などない。始末しなくてはならん存在だ」
   「俺たちの軍靴(の音)やナイフ(の切れ味)が奴らを怯えさせる」
   「貴様ら、ナチの頭の皮を100枚、剥いで来い!」
   「お前の殺しは見事だが、まだアマチュアの域だ。殺しのプロになる気はあるか?」
   「俺たちは捕虜は取らない主義だ。選択肢は2つ・・殺すか、逃がすかだ」
   「この先もザワークラフト(キャベツの漬物)を喰いたけりゃ・・」
   「聞いたか? こいつはお国のために死にてぇとよ。ご要望にお応えしろ」
   「この先の人生も軍服は脱ぐな。ナチと分からなきゃ、困るからな」
   「上達に必要なものが何か分かるか? 練習だよ」
   「こいつは俺の“最高傑作”だ。なぁ、ユティヴィッチ?」
   「地下で戦うのは問題が多い。理由その1・・地下で戦うからだ」 ←なんだそりゃ
   「銃を向け合ってちゃ、互いを信頼出来ないだろ?」
   「裁判? 銃殺? 小言を喰らうだけさ、いつもそうだ」

総統「奴らを捕まえ、裸にし、エッフェル塔から吊るすのだ!」
  「お前も(奴らに)“印”を刻まれたのか?」
  「ガムはあるか?」

ゲッベルス「演説が上達したな・・私はどうやら“怪物”を造り上げたようだ」

ミミュー「あなたと2人で、この劇場を戦火から守った。だから2人で・・ここを焼くのよ」
    「Burn it down!(燃やすのよ)」

ハマーシュマルク「ウィスキーの1杯も飲まずにここを出たら、怪しまれるわよ」
        「What are you thinking?(どうするつもり?)」

ヘルシュトローム「ひと言、いいかね?」
        「Wunderbar(ヴンダバー:素晴らしい!)」

ランダ「ギブスが真新しいですな」
ハマーシュマルク「ええ、昨日にケガを」
ランダ「昨日に登山を? パリ市内のどちらの山ですかな?」
ハマーシュマルク「・・・」

ドノウィッツ「(この鉄十字は)ユダヤ殺しの勲章か?」
ナチス将校「勇敢さの証だ」

追記:本作ってば『地獄のバスターズ(1976)』なるイタリア映画のリメイクらしい(・ω・)

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コメント

グロシーンは監督の美の世界なんでしょうね。
偽物を本物っぽくみせるのに、誰にでも最も分りやすいのが人間の体。
特殊メイクのスタッフも『スペル』を担当したメンバーでしたね。

にしても、皮はぎは見てて気持ち悪かったです^^;

>ラパディット氏の3人の娘、ジュリー、シュザンヌ、シャルロット。特にシャルロットが「何か言いたそうな眼」をずっとしてたのが気になる(⌒〜⌒ι)

たぶん末っ子なんでしょうね(って誰でもわかるか)^^;
実際、なにかをやらかしそうな雰囲気を感じましたし、
ランダ大佐は彼女のしぐさで見抜いていたのかもしれないとかね。

>「企業と同じだよ。上層部が変われば、無駄と分かり切ってることでさえ繰り返される」

まさにこれ!当時も同じことをしていたんだと勉強になりました。
とにかく、ランダ大佐に始まりランダ大佐で終わった感のある、お洒落な一品だと思っています。

ナチは最後までナチであれ。
あのマークをもし付けられたら、ワタシだったら、もうちょっと痛いのを我慢して
「田」の字にします。

投稿: ituka | 2009年11月30日 (月) 01時49分

itukaさん、お早うございます。

>偽物を本物っぽくみせるのに、誰にでも最も分りやすいのが人間の体。

詳しく知らないし、知りたくないですけどね(⌒〜⌒ι)

>特殊メイクのスタッフも『スペル』を担当したメンバーでしたね。

そうなんですね。
今回は「あの手のおバァ」が登場されなくて、少しホッとしました。。

>にしても、皮はぎは見てて気持ち悪かったです^^;

あんまり力を込める必要はなさそうですね ←ナニを参考にしとんねん!

>実際、なにかをやらかしそうな雰囲気を感じましたし、

セリフはなかったでしたよね?

>とにかく、ランダ大佐に始まりランダ大佐で終わった感のある、
>お洒落な一品だと思っています。

大佐は劇場内に残り「あのスクリーン」を眺めるべきだと思ったんですが・・あの辺が、何か納得いってないワタシです。

>あのマークをもし付けられたら、ワタシだったら、
>もうちょっと痛いのを我慢して「田」の字にします。

皮膚が取れちゃいそうですね(×_×)
どう頑張ってももう「肉」には出来ないんですね。。

投稿: TiM3(管理人) | 2009年11月30日 (月) 07時57分

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