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2009年11月18日 (水)

☆『ゼロの焦点』☆

15日(日曜)。
昨日(土曜)は昼過ぎまで高松市内をウロウロとドライヴし、それから帰阪開始した。

この日、完全に帰宅したのは午後8時を過ぎてたぐらいで、本日(日曜)の帰松開始がこれまた午後8時少し前だったので・・“大阪の滞在時間”ってば、24時間を切ってた感じとなる。わ〜、何だか勿体ね〜(⌒〜⌒ι)

今日は昼前から大阪市内へと出かけ、狙ってた1作『ゼロの焦点』を観て来た☆
劇場は「なんばマルイ」上層階の“TOHOシネマズなんば”である。久々に難波の地下街やら(地上の)商店街やらを歩いてみたが、通行人が多過ぎて(か?)何とも疲れてしまった(×_×)

高松の中心街ぐらいの・・「自転車で走り回れる程度」の混み具合がちょうどエエと思うんだが(・ω・) ←ムリやな

『ジョゼと虎と魚たち(2003)』『眉山(2007)』の犬童一心監督が(脚本も)手がけた社会派サスペンス巨編であり“松本清張生誕100年記念作品”を謳ってもいる本作。

昭和32年8月、東京・銀座。
「山ノ内商事」に務めるOL=板根禎子(広末涼子)は「東洋第一広告」に勤務する10歳年上の広告マン=鵜原憲一(西島秀俊)と見合いをする。

“歳の差”こそは気になったが、憲一の「落ち着いた物腰」に好感を持った禎子は、彼との結婚を早々に決意するのだった。

同年12月1日、東京・上野。
新婚間もない鵜原夫妻の姿が駅のホームにあった。
夫・憲一は勤務先の「北陸支社」からようやく(東京)本社へと戻れることになり、引継をするため後輩=本多良雄と共に“最後の金沢行”をする。
列車の座席から、窓越しに妻・禎子の掌に“明治バターキャラメル”を1粒転がしつつ「8日には戻るからね」と優しく笑いかける夫。

しかし、それが新妻の見た、最後の夫の姿であった・・

8日になっても(世田谷区祖師谷の)自宅に戻っては来ない憲一。そんな彼の帰宅を待ち続ける禎子だが、11日となって「夫が7日には(北陸)支社を発っている」事実を知る。

独自に夫の行方を調べようと考えた禎子は、金沢へ向かう。
そんな彼女の味方となってくれるのは、憲一の兄=宗太郎(杉本哲太)、そして後任の本多だった。

憲一の足取りを調べつつ、禎子は「これまで、余りにも夫の素性(過去)を知らなかったこと」に気付き愕然とする。
そんな中、能登金剛=羽咋の断崖下で投身自殺と見られる中年男性の遺体が発見される。
「夫ではないかしら?」との不安を抱えながら、現場へと向かう彼女だったが・・これが連鎖殺人の幕開けとなろうとは、その時、誰が予想し得たろうか・・?

『GOEMON』『ヴィヨンの妻』とその近作(出演作)を辿って来てる広末さんだが、本作に関しては「立場的には紛うことなく主人公(ヒロイン)なんだろうけど・・う〜ん・・」と首を傾げてしまうトコも少なくなかった。
“安楽椅子型探偵”とまでは言わないが「連続して起こる殺人事件のスピードについて行けてない」と言うか「大変な事件の渦中に投げ込まれると思いきや、意外に安全地帯どまり気味」と言うか・・そんな訳で、本作のヒロインは誰が何と言おうと(⌒〜⌒ι) 中谷美紀さんなのだった。

ただ中谷さんにしても“悲劇のヒロイン”と言うよりは“悲劇のヒロインを(演じることを)楽しんだはるしと”って印象が強かった。コレはきっと彼女の代表的な(?)主演作『嫌われ松子の一生(2006)』におけるインパクトが強烈過ぎ、未だにその影を引きずって観てしまうからなんだろう(=^_^=)

もう1人、重要キャラを演じた木村多江さんに至っては、ただただ不憫でならなかった(×_×)

満を持しての映像化であろうし、この俳優陣&映像技術(&製作費)をもってすれば「最大最強の清張作品」が完成し得たハズなのに・・正直、感動も驚愕もしなかったのは、自分でも意外だった。

シーンによっては『はなれ瞽女おりん(1977)』を圧倒するほどの“日本海描写”を展開してくれたんだが、一方で「金沢市内」「回想」などにシーンが(散漫がちに?)飛び、それら(=屋内系ロケーション)がいずれもセットっぽく見えてしまったのも問題だった(?)かも知れぬ。

(原作の)展開を忠実になぞろうとする余り、なくてもなんとかなったハズの「細かいシーン」までも映像化してしまい、それが故に「屋外ロケの素晴らしさ」が相殺されてしまってた気などもした。

それにしても・・同じ清張原作の『砂の器』もそうなんだが、あの「何とも表現しにくい」犯人の過去(が強烈な殺人の動機に繋がる)ってのは、ちょっと“現代人からすればピンと来ない感覚”な気がするのはワタシだけだろうか?(忘れてはあかんこととは思うんだけど・・)

〜 こんなトコも 〜

・「公開にこぎつけた時点で満足してそう」な面々が作品の背後にいそうな気がする?(妄想)
・ハッキリ言って“謎解きの面白さ”ってのは皆無に近かった。
・「白い女」「赤い女」「黒い女」が登場し、それぞれの「色」を別に染めて行く(?)んだが、うち2人の女に関しては「接点」がなさ過ぎた。
・キャラが“仰向けに倒れる描写”が多用(3回ほど)されてた(・ω・) 最近の犬童監督の好みか?
・「青酸カリ」の入手経路が気になる(・ω・)
・「怪しいヤツには、決して背を向けるな」と、死んだみんなに言ったげたかった。
・室田社長(鹿賀丈史)のキャラが良く掴めなかった(×_×)
・そんな室田社長をよっぽど圧倒してた※※の裏表人生。。
・側面から映された、西島氏の腹筋の逞しさにほれぼれした! ムチャクチャ鍛えたはる!
・「毒殺されるキャラ」が原作と異なってた気がする(?)
・室田夫妻の語らいがカットされ過ぎてたんでは?
・禎子のいない場所での展開が多過ぎた気もする。
・転落遺体の“右肩の傷”はどうだったんや?
・「あの写真」の存在に気付いたら・・きっと犯人は「大隈ハウス」の面々をも皆殺しにかかってたんじゃなかろうか?(×_×)
・「至って深刻な物語」なのに、何処かふざけてるような空気感が漂ったりもしてた(そんな気がした)のは・・やはり中谷さんが「松子」に見えたからやろか?(⌒〜⌒ι)
・旅館に酒を持ち込んではいけません。良く分からん相手の差し出した酒を素直に飲んでもいけません。
・隣でバカ騒ぎしてた客も後でバツが悪いやろな・・
・画家である弟=享(とおる)のドラマをどう描くつもりだったの?
・現代の東京が映し出されるラストシーンは、どうにも蛇足に思えた。。せめて、エンドロール終了後の“おまけショット”にするぐらいで良かったんでは?
・時代は同じやのに『ALWAYS/3丁目の夕日(2005)』とは物語のカラーが全く違う!(⌒〜⌒ι)
・当時からソネィ製品はあったのね。。
・当時から「宴席で頭にネクタイ巻いてはしゃぐおっさん」っておったんや(=^_^=)

〜 こんなセリフもありました 〜

禎子“私を誰かと比べていたのではないだろうか?”
  “新しい時代は、どんな時を刻むのだろう?”

※“僕はこの煩悶を抱いて、永遠に消えることにする”
 「僕だって生まれ変わりたい・・あなたのように」

※「いつか、女の人に“私たちみたいな仕事”をしなくてイイ時代が来るんだわ」
 「あなたのような男が、いつも女を苦しめるのよ」
 「この人さえ、いなくなれば・・」

※「次は、私かいね?」
 「私はもう、何も信じられないよ」
 「あなたは逃げ延びて・・私の分まで生きればイイ」
 「またいつか、逢おうね」

憲一「君は、若いな・・」
禎子「・・そんなに見ないで下さい」

室田「“もう1度”はないんだよ」
  「大丈夫・・(奥さんが)あんたなら戻って来る」
  「あいつは信用出来る・・“人が死ぬ時”を見て来た眼だ」
  「本当は・・どんな女なんだ?」

※「もう何も言うな・・みんな勝手に死んだんだ。
  偶然だ・・総ては運命だったんだ」

※「アメリカ兵相手の“夜の女”ですよ。ご存じないですか?」

追記1:「室田耐火煉瓦(株)」の社是は「躍進、堅実、信頼」だとか。
追記2:「“これ知ってしもたら、生命危ないでっせ!”的な写真って、きっとホンマにあると思う(・ω・)
追記3:金沢は戦時中、空襲を受けなかった街らしい。知らんかった。
追記4:「日本初の女性市長」は金沢の上条保子氏・・ではなく、兵庫県芦屋市の北村氏とのこと(平成3年)(←ウィキ情報)。

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コメント

こんばんは。

これは今原作を読んでいます(あと残り1/3くらいです)。

著者をして「僕の代表作」と宣言せしめる作品に触れてみたくなりまして。
映画は多分劇場へは観に行かないかなと思っているのですが、西島秀俊さんと中谷美紀さんは好きなのでちょっと気になっています。広末さんは、やはり(主演となると特に)良くも悪くも話題になる女優さんですね。

それと、杉本哲多さんがご出演なのですね、いいですね。
でも宗太郎役とは意外でした、原作との風貌が違い過ぎて。しかしキーキャラなので映画は映画としてそういう配役も勿論アリ!ですよね。

日本海描写は、『砂の器』でのそれも本当に素晴らしかったと記憶しています。
しかし「屋外ロケの素晴らしさが相殺され」ているというのは(映画を観ていないので具体的に実感できませんが)何となく残念なことに思います。

>ちょっと“現代人からすればピンと来ない感覚”な気が

『LOCATION JAPAN』という雑誌に、現代に甦った同作品は「日本人がいつか来た道をたどる物語」だと記されていました。過去を振り返っても辿りきれない昔日があるのなら無理なからんことですよね。

実は本作の原作を読むのが初めてなので、どういう背景があるのかまだ読み解けていません。なんとなく大まかな想像はつきますが、終盤に差し掛かるのが楽しみです。

あ、ちなみに、この『LOCATION JAPAN』によれば同監督の「一番思い出に残るロケ地」は「『眉山』で滞在した徳島」だそうです。(*^_^*)










投稿: ぺろんぱ | 2009年11月18日 (水) 21時03分

ぺろんぱさん、ばんはです。

愛媛県宇和島市に1泊出張しとりまして、地元の酒「野武士」ってのを居酒屋で飲みました。
とっくり2本程度だっけど、疲れてたせいか、結構回りましたね(⌒〜⌒ι)

>これは今原作を読んでいます(あと残り1/3くらいです)。

おお、頑張って下さい☆

>著者をして「僕の代表作」と宣言せしめる作品に触れてみたくなりまして。

ワタシは『砂の器』が好きでしたね。上下巻(文庫版)をイッキに読んだ気がします。

>西島秀俊さんと中谷美紀さんは好きなのでちょっと
>気になっています。広末さんは、やはり(主演となると特に)
>良くも悪くも話題になる女優さんですね。

西島さん、出演シーンが異常に少ないですが(⌒〜⌒ι)とにかく筋トレしまくってる感じでした。
ボディでは、完全に負けました(=^_^=) ←他に勝ててるトコ、あんのかよ?

>それと、杉本哲多さんがご出演なのですね、いいですね。

名演技でした。流石はビリケン(=^_^=)

>でも宗太郎役とは意外でした、原作との風貌が違い過ぎて。

ワタシは本多君のキャラがちと(想像と)違ってる気がしました。
原作では「ほっぺの赤い、可愛い青年」って印象でしたので。

>しかしキーキャラなので映画は映画として
>そういう配役も勿論アリ!ですよね。

にしても、似てない兄弟やなー(×_×)

>日本海描写は、『砂の器』でのそれも本当に素晴らしかった
>と記憶しています。

良かったですよね!

>しかし「屋外ロケの素晴らしさが相殺され」ているというのは
>(映画を観ていないので具体的に実感できませんが)何となく
>残念なことに思います。

私見かも知れません(⌒〜⌒ι)

>『LOCATION JAPAN』という雑誌に、現代に甦った
>同作品は「日本人がいつか来た道をたどる物語」だと記されて
>いました。過去を振り返っても辿りきれない昔日があるのなら
>無理なからんことですよね。

辿るべきは、今の(当時を知らない世代の)日本人ではない気がします。
逆に言えば、当時(戦後間もなく)を知る観客からすれば、ものすごい慟哭を導き出す1作な気もします。

>実は本作の原作を読むのが初めてなので、どういう背景があるのか
>まだ読み解けていません。なんとなく大まかな想像はつきますが、
>終盤に差し掛かるのが楽しみです。

映像を想像する楽しみはあるでしょうね。

>あ、ちなみに、この『LOCATION JAPAN』によれば
>同監督の「一番思い出に残るロケ地」は
>「『眉山』で滞在した徳島」だそうです。(*^_^*)

連日の酒宴を思い出してはったりして・・(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年11月18日 (水) 23時30分

ああああ、これ観たかったんです。
今日、神戸で観ようと思いつつ時間切れで観れなかったです。

ふむふむ、
> 正直、感動も驚愕もしなかったのは、自分でも意外だった。
そういう感じですか。あのポスター気にいっているんですが....あんないい感じじゃないんですかね。

女性三人の期待があったんですが。
> 広末さんだが、本作に関しては「立場的には紛うことなく主人公(ヒロイン)なんだろうけど・・う〜ん・・」と
えええええ、広末さんはある意味影がうすい気がしますが。

> 悲劇のヒロインを(演じることを)楽しんだはるしと”
確かに中谷さんの感じですね。

> 木村多江さんに至っては、ただただ不憫でならなかった(×_×)
そう、そんな感じですね。この映画でもですか!

今日観れなかったのが良かったのか悪かったのか....
ぺろんぱさんのようにまずは本を読んでみようかな。映画はレンタルであとで観るのでも良さそうですね。

PS やっぱり松田優作を見るべきか。

投稿: west32 | 2009年11月19日 (木) 22時32分

westさん、ばんはです。

1泊2日で600キロほど走りました。
ワタシも大変だが、クルマも大変でした、きっと。

>今日、神戸で観ようと思いつつ時間切れで観れなかったです。

縁(えにし)と言うものも御座いまして。

>そういう感じですか。あのポスター気にいっているんですが....
>あんないい感じじゃないんですかね。

3人が並んでるポスターでしたかね?

>えええええ、広末さんはある意味影がうすい気がしますが。

『ヴィヨンの妻』でのインパクトが強過ぎました(・ω・)

>確かに中谷さんの感じですね。

終盤で、ご尊顔が小キズだらけに、、

>そう、そんな感じですね。この映画でもですか!

幸せになって欲しいですね。実生活では、幸せかな?

>今日観れなかったのが良かったのか悪かったのか....

縁(えにし)と言うもので御座いましょうや。

>ぺろんぱさんのようにまずは本を読んでみようかな。
>映画はレンタルであとで観るのでも良さそうですね。

何だか『天城越え』が読みたくなって来ました。

>PS やっぱり松田優作を見るべきか。

優作の新作があるんですか?

私的には『ブラック・レイン』を観直したいですね。
いや、DVDは買ってるんだけど、未開封で・・(×_×)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年11月20日 (金) 01時42分

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