☆『いけちゃんとぼく』☆
3日(土曜)。
何もなければ(いつもの如く)きっと帰阪開始してるトコだが・・週明けに大事な出張が控えてもおり、今週末は(体力&精神力温存のため?)実家に戻らないこととした。
・・と言うか、起床した時点で既に正午を過ぎてしまってたし、直感的に「帰阪意欲」を奪われてしまったような感がなくもない(・ω・)
高松市の中心部、アーケードの南端へと出かけ、某床屋にてさっぱりとする。店長(?)のおっちゃんも大阪にいはったことがあるらしく、数秒間の(=^_^=)大阪談義に蕾が揺れる(←花までは咲かない、、)。
何とか明るい話題を振ってみようとは思ったが、おっちゃん曰く
「市民の移動&生活がクルマ中心である以上、郊外の大型施設に客足の向くのは当然の流れ。この先もアーケードが発展することはないだろう」と、かなり沈んだ形でトークは終了してしまった(×_×)
その後、久々にミニシアター“ソレイユ”へと行き、こそっと期待してた1作『いけちゃんとぼく』を(夕方からの)最終回で観て来た。こうして「寝だめ」「散髪」「ソレイユ」で1日が殆ど終わってしまったワタシなんだが、、まぁ、こう言うのんびりした週末もたまにはエエか、と。
(実家に電話すると、ワタシの帰阪を見込み、食材を大量に購入してたそうだが・・(×_×))
※
高知県の海にほど近い西ノ原町。
この物語の主人公=ヨシオは口うるさい母=美津子(ともさかりえ)、ヘタレな父=茂幸(萩原聖人)と共に暮らす少年。
そして、彼にはもう1人(?)「随分と前からそばにいるが、他人には決して見えない」“いけちゃん(声:蒼井優)”と言う不思議な友達がいた。
いじめっ子のたけし&ヤスに小突かれ、それでも“いけちゃん”を相手に語り、想像力を広げ、迷いつつ、不満&不安を感じつつもそれなりに日々を生きるヨシオ。
しかしそんなある日、唐突に父が事故に遭ってしまい・・
※
基本的に物語世界は子供向けであろう本作。CGや映像演出も、ある意味チープなので“大人が観て、満足出来るモノ”とも言えないんだが・・その中で妙に「大人向けの演出」「大人向けの格言(?)」がポロッと飛び出したりもして面白い。
逆に言えば「本作がターゲットとしてる年齢層って、どの辺やねん?」と不思議に思えても来る。
徹底的なワルは出て来ないが、徹底的なヘタレがあちこちにいるのは、実にリアルな感(⌒〜⌒ι)
劇中に登場する、特に女性キャラが全体的に“不満げ”“けだるい”のも面白い。
脇役陣には妙に力が入っており(=^_^=) “ひまわり牛乳・西ノ原販売所”の主(あるじ)=清じいを演じたモト冬樹の存在感はハンパじゃなかった!
子供相手に(容赦なく)飛び蹴りはかまして来るわ、子供同士のケンカ(とは言え乱闘気味だったが)に嬉々として(?)飛び入り参加するわ、、“和製ニコラス・ケイジ”の名をまさに欲しいままにしてた感だ(←流石にちょっと違って来とるやろ!)
萩原聖人も実際の人物像をそのまんま演じたはるようなヘタレぶり&退場ぶりが涙を誘う(←勝手に決め打つなよ!)。まるで『フォレスト・ガンプ/一期一会(1994)』に出て来たベンジャミン・ブルー(愛称:ババ)のように“とある1つのこと”に対し、異常な興味&執着を持っとる訳だが、そこに至ってしまった理由ちぅか経緯が全く劇中では語られず、不気味さだけが観客の心に残りもした(=^_^=)
あと『妖怪大戦争(2005)』でも、魔人・加藤を葬る大きなきっかけをもたらした「アイツ」が、全く同じ俳優による、全く同じ役名で登場しており、苦笑を誘った。
数ある(数いる)「アレ」の中で、何でアイツだけが大抜擢されたのか、そこは良く分かんないけど。。
(因みに両作とも、カドカワ作品ではある)
まず連想したのは『いま、会いにゆきます(2004)』だったろうか。
とある人物の強烈な思念(?)により起こる“超常現象”が1つの「軸ネタ」となってるんだが・・その人物の“ヨシオとの関わり”が客観的に眺めれば「意外に短期間だし、薄かろうハズなのに」と言うのが面白くも切ない。
“京ちゃん”なる、いつも笑ってる不思議な少年が出て来るが、太宰小説『人間失格』に出て来た「ワザ、ワザ君」のように、実は無垢であるが故に、主人公をときに畏怖させる一面があったりしてスゴい。
劇中で唯一、某人物が「呟き」にも似たセリフの直後「どう思う?」とカメラ目線で言葉を投げかけたシーンが(私的に)強烈だった。その人物にだけは“いけちゃん”の存在がどうやら分かっていたようである。
『となりのトトロ(1988)』じゃないけど“故郷と言う圏内で、幼少期と言うホンの短い間”にしか交流出来ない、そんな摩訶不思議な友達とその正体・・ワタシのアンテナはすっかり錆び付いてしまったようだが、、“今はまだ逢えない、運命の人物との交流”って言うのはイイもんやなぁ・・と素直に感じた次第である。
・・それにしても、イジメのシーン。観る子供さんによっては“フラッシュバック”“トラウマ”を呼び起こす、そんなリアルさがあり過ぎたようにも思いますたが(×_×)
〜 ほか、こんなことも 〜
♦「タマゴ+ちりめんじゃこ+ネギ+醤油」で・・実に美味しそうな一品になるんやね(=^_^=)
♦後半で『ネバーエンディング・ストーリー(1984)』なシーンが拝めます。
♦「殴られる瞬間、一歩前に入り拳を突き出すと、たまに相打ちに持ち込める」なる“ヨシオ理論”(=^_^=)
更に発展させ「拳を“捻りながら”突き出す」ってのはどうやろ?(=^_^=)
♦ロケ地は「高知市浦戸町」「須崎市」など。何となく(今夏に)クルマで走った覚えのある海沿いの風景(恐らく高知市〜土佐市間)も登場した。
♦「怪獣カード」「よさこいビールの王冠」などのアイテムも。
♦トンボの首をむしって万華鏡に・・うげ(×_×)
♦『京うどん』の(手書き)看板「朝※時から夜そこそこまで営業してます」がちょっとトボケてて楽しい。
♦“軍艦長門”が大きく取り上げられてた! 艦橋の高さは何と“大和”以上らしい! 大戦中は(存在の)極秘扱いだった“大和”“武蔵”に比べ、より国民に親しみのあった日本海軍(連合艦隊)旗艦(?)こそが“長門”だったんかも知れない(・ω・)
♦飲んでみたい“土佐のかあちゃん”なる地酒。
♦ともさかさん、まさに“しゃくれ女王”ですな(・ω・)
♦漁港のいじめっ子は「櫂」を肌身離さないんやね。。
〜 こんなセリフもありました 〜
ヨシオ“海に沈むまでは「世界を掴める、世界を自由に出来る」と思っていた”
“僕が生死の境をさまよったと言うのに、世界は何1つ変わらない。
・・何と言うことだ”
“世界は、僕の生き死にとは関係ないんだ”
「(腕)力で心を変えられると思うな」
「愚かな愚民共め!」 ←いきもの虐待!
「なくもんか!」
“上には上がいる”
「早く大人になりたい」
「それも、逃げて済ますのかよ!」
「動き出したんだ」
「考えるんだ」
「いけちゃんって・・女?」
「(今朝は)起きて、世界と戦う気力がない」
「冒険は1人で行くべきなんだ・・でなきゃ“リアル”にならない」
「この(負けの)連鎖を、終わらせなきゃ」
いけちゃん“あなたと過ごした時間が、とても短かったから”
「いつまでも、一緒にはいられないから」
「やり過ぎたね」
「走ろうよ。楽しくなるよ」
「こんなもんだよ」
「夏が終わるよ」
「夏を過ぎた男の子は“日向(ひなた)の匂い”がする」
“私は、キミから見えなくなって行く”
“私、あなたを待ってるのは得意なの”
“遠い遠い未来・・いつか私を探してね・・待ってるから”
ヨシオ「僕は世界を変えられる?」
いけちゃん「大人になったら、分かるさ」
父「傷が前にあるのはな・・“勇気の印”だ」
母「どうなん? 息子に励まされるって」
清じい「“地球に優しい”牛乳瓶を割るとは“地球に優しくない”子やな」
「(拳を)1日、千回握れ!」
「すぐ(物事の)結論に行くヤツは、途中もヘボや」
「大きい器には、水を溜めるのに時間がかかるんや」
清じい「飲め。カルシウムたっぷりや」
みき「フルーツ牛乳がいい」
清じい「・・女の子やのぅ」
みき「この町に残ってるのは“ダメな側の女”なんや」
みさこ「私はやっと、翼を手に入れたんや」
△△△△「人は大人になると、我々のことを忘れてしまうんや」
「そろそろ、別れの頃合いやで」
※※「昨日は言えんかった。“お前が友達や”言うこと、自慢に思うよ」
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コメント
こんばんは。
>「寝だめ」「散髪」「ソレイユ」
その三つで十分に意義のある休日ではなかったでしょうか。
アーケードの発展ある存続はなかなか難しい問題ですね。何か画期的な策が出てくるといいのですが。
>『人間失格』に出て来た「ワザ、ワザ君」
むむ、あれは「無垢」だったのでしょうか。
確かに、何かを見透かすほど、ある点に於いては研ぎ澄まされてた「混じりっ気なし」な気質はあったのかもしれませんね。
未見ですが何となく物語の落ち処は想像できるような・・・私にも見えていた時があったのでしょうか、ちょっと気になってきた本作です。
投稿: ぺろんぱ | 2009年10月 4日 (日) 21時48分
ぺろんぱさん、ばんはです。
ここ最近、別に(実際に)お会いした訳ではないんですが、西田敏行さんの顔をとても良くお見受けする気がします(=^_^=)
まぁ『火天の城』『ザ・マジック・アワー』『憑神』・・と続けて観てるからなんでしょうけど(=^_^=)
>その三つで十分に意義のある休日ではなかったでしょうか。
「クルマに乗らぬ週末」は、どうにも不満が残ります、、
>アーケードの発展ある存続はなかなか難しい問題ですね。
>何か画期的な策が出てくるといいのですが。
個々の店に「足止めさせる」「店内を覗かずにはおれぬ」何かが
あれば、少しは良くなると思うんですけどね・・うーん。
>むむ、あれは「無垢」だったのでしょうか。
>確かに、何かを見透かすほど、ある点に於いては
>研ぎ澄まされてた「混じりっ気なし」な気質はあったのかもしれませんね。
「何を言い出すか分からん」「何をしでかすか分からん」そんな人間は、計算高いタイプの人間の表情を、ときにしかめさせるパワー(←って言うの?)を生まれながらにして備えとるんじゃないかな?
と思ったりします。
「天然」「KY」と言う表現も「無垢な人間」を牽制するような、そんな言葉なのかも知れませんね(そうか?)
>未見ですが何となく物語の落ち処は想像できるような・・・
>私にも見えていた時があったのでしょうか、ちょっと気になってきた本作です。
本作の「いじめ描写」を受け付けないしともいるんじゃないかと思います。
しかし、改めて「見えていた時」を振り返らはるその感性に、ぺろんぱさんには「あったんじゃないか」とふと感じました。
大抵はそんな感慨なんぞ覚えず、スルーしちゃうでしょうからね(=^_^=)
投稿: TiM3(管理人) | 2009年10月 4日 (日) 23時34分
>♦トンボの首をむしって万華鏡に・・うげ(×_×)
こ、これは・・・やめてもらいたい!^^
ゴキの足をむしって、柿の種ってのも勘弁ですね^^;
投稿: ituka | 2009年10月 5日 (月) 23時15分
itukaさん、ばんはです。
>こ、これは・・・やめてもらいたい!^^
>ゴキの足をむしって、柿の種ってのも勘弁ですね^^;
『ゴルゴ13』のとあるエピソードで、地元のチンピラにからまれたゴルゴが、
そいつに差し出された「ゴキ入りのカクテル(水だったかも)」のグラスを、
顔色1つ変えずにグイッと飲み干すシーンがありました。
この場面を読んだだけで「プロにはなれんな・・わし」と痛感しましたっけ(するなよ!)
投稿: TiM3(管理人) | 2009年10月 6日 (火) 01時35分