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2009年7月27日 (月)

☆『フィッシュストーリー』☆

26日(日曜)の夕方、雨の中をアーケード内のミニシアター“ソレイユ”に向かったワタシ。
今日は久々に“寝だめ”もし、起きてからも雨がちだったんで、当初は「何処にも行かずゴロゴロしよう」と決めてたんだが・・来週も忙しくなること必至なので「余裕ある内に1本こなしとこう!」と決めた訳で(・ω・)

本作こそ『鈍獣』以上に、予告編で心を鷲掴みにされた作品である。
時代を超えた複数の物語が、どう最後に繋がって来るのか・・この手の構成の物語に、弱いワタシでして(=^_^=)>

2012年の東京。とある無人の商店街をカメラが映し出す。見渡す限り人っ子1人おらず、路上にはゴミが散乱・・
その中を電動車椅子でやって来た男(石丸謙二郎)。
「誰もいるまい?」と思っていた彼は、街角でただ1軒、通常通り営業しているレコード店「ココナッツディスク」に驚く。

店内に入り「何で店、開けてんの? 客なんか、来ないでしょ?」と憮然と問う男に、店長(大森南朋)は「レコード屋ですから」と平然と答える。
そんな彼らの頭上・・東京上空には、迫り来る“直径5キロメートル”の巨大彗星が・・!
地球に残されたリミットは、残すトコロ5時間。ある者は(政府指定の)防災対策地区に避難し、またある者は富士山頂に登り“やがて押し寄せる大津波”をやり過ごそうと考えたり。
店長はそんな騒ぎをよそに、曰くありげな1枚のレコード「フィッシュストーリー」を店内に流し、その歌詞に静かに耳を傾ける・・

1975年。パンクの先駆者=“セックス・ピストルズ”結成の1年前。
“逆鱗(げきりん)”と言う売れない4人組のバンドが長年のアマチュア活動を脱し、プロデビューしていた。
彼らをスカウトした“レモン・レコード”の岡崎(大森南朋)は、その前衛的で攻撃的(パンキッシュ)なパフォーマンスを“買う”んだが、世間にはフォークサウンドを歓迎する風潮が大きく広がっており、デビューから2年経った今も“逆鱗”はクスぶり続けてるのだった。

メンバー間にも諦念と自嘲の空気が流れ始める中、リーダー&ベースの繁樹(伊藤淳史)は岡崎に渡された1冊の文庫「フィッシュストーリー」にインスパイアされ、新曲「フィッシュストーリー」の制作、録音(レコーディング)を始める・・

1982年。気弱な大学生・雅史(濱田岳)は、合コン(?)の場で知り合った津田塾大学生=晴子(はるこ:高橋真唯)に“驚くべき予言”を聞かされる。結局はその夜も、悪友に「帰っちまぇ!」と一喝され、いつものようにすごすごと帰路につく彼だったが、そこに予想外のトラブルが起こり・・

2009年。修学旅行で神戸⇒東京間の船旅を楽しんでいた山葉女子校の麻美(多部未華子)は、東京で寝過ごしてしまったため、(引き続き)苫小牧への船旅を余儀なくされる。船内で泣きじゃくる麻美の前に「私は“正義の味方”になりたかったんです」と語るコックの青年(森山未來)が現れる。
彼のハナシを聞き、少し気持ちの和んだ彼女であるが、次の瞬間、フェリーはシージャックに制圧されてしまう・・

いやー、良かった! 「壮大におっ始まったは良いが、終始駆け足で散漫なテイストのまま、何となく終わって行っちゃう駄作では?」なる不安も少なからずあったんだが、丁寧に描くべきトコロは、しっかりと時間を割いて描かれており、好感を持った。
(「レコード店内」「“逆鱗”のレコーディング場面」「深夜のトンネル脇のシーン」など)

誰かが(誰が?)何らかの手段で(どうやって?)「地球を救う」と言うクライマックスに向け、細々したまどろっこしい(=^_^=)運命の“フリ”が時代をまたいで描かれる。

「正義の味方って誰?」「コックの父親って誰?」「(曲間の)無音部分の意味って何?」辺りの“フリ”が、観客によっては(物語の背後で)常に気になって仕方ないトコロだろうが(=^_^=)、それらも終盤でイッキに“パズルのピースがはまり”解決するのが気持ちいい。
特にコック青年が誕生する辺りの映像群には、何故だかウルウルさせられてしまった(⌒〜⌒ι)

もっとショートカットな“世界の救い方”もあったハズ、と突っ込みたくなる一方(=^_^=) 「いや、それぞれのキャラが(自らも)予想し得ないカタチで“世界を救う仕事”(の一端)を担っているんやな〜」と妙な感心もしてしまう。

(ある意味ナンセンスで)不思議な味わいながら、爽快な気分にもなれる、今までにない(?)群像劇の誕生に拍手を送りたい! そして、ワタシは本作をとても気に入ってしまった(・ω・)

〜 こんなトコにも注目 〜

♦「秘密戦隊ゴレンジャー」のTV映像がちらっと登場。
♦米国による“アルマゲドン作戦”と言うのが行われたようだ。
♦セリフの中では“逆鱗”のメンバーの1人が死に、1人が発狂したと言われてた(×_×)
♦「地球滅亡まであと※※年」のテロップが幾度も挿入される一方、「シージャックまであと3分33秒」「正義の味方が出来るまで」ってな“変わり種”もあった(=^_^=)
♦中島敦の短編『弟子』がセリフの中で紹介されてた。
♦劇中に登場の「レストラン栗の里」は、実在するらしい。
♦“正義の味方”となるべく、父に育てられた少年。道着で「腕を上下に動かし(塀の)ペンキ塗り」「腕で円を描きつつ窓拭き」をこなす映像は面白かった! とってもラルフ・マッチォ!(=^_^=)
♦2、3シーンほど、真上からテーブル(食卓)を映す映像演出があり、印象的だった。アレはイイ!
♦レコード店で“イヤごと”をさんざんかますおっちゃんだが、4時間ほどは店内にいたようだ。何だ、結構気に入ってんじゃん(=^_^=)
♦“弾丸3発避け”だけは、製作費があったら「マシンガン撮影」で描いて欲しかったかも〜(=^_^=)
♦麻美さんの“あの習性”ってば『マイ・プライベート・アイダホ(1991)』なアレなんだろうか?
♦“逆鱗”を「ぎゃくりん」と読むしとは、きっと“鈍獣”も「どん、けもの」と読むんだろう(=^_^=)
♦「アルン」と言うのはタイ語では「曉」「曙」の意味だそうだ。
♦ジョン・G・ファーニホウ、富樫哲郎をネットで検索したしと〜。は〜い(⌒〜⌒ι)
♦『ビッグ・フィッシュ(2003)』ちぅ作品も、そう言えばありましたなぁ、、

〜 こんなセリフもありました 〜

男「終わりですよね。何処にも希望なんかないよね」
 「知っていたからね。こう言う日が来ることを、10年も前から」
 「もし明日、世界が終わるとしても・・私は林檎の樹を植えるだろう」

“僕の孤独が 魚だったら その巨大さ、獰猛さに 鯨さえ逃げ出すだろう”(歌詞より)
“音の積み木だけが 世界を救う”(歌詞より)

晴子「今日、私と会う男は・・いつか“世界を救う”男」
  「あなたは今日“運命の女性”に出会う」
  「あなた、1度でも何かに立ち向かったことがある?」

客「もし今日、世界が終わるとしても・・僕は自分の好きなレコードを聴き続けたい」

コック「“正義の味方”にとって大事なのは、職業や肩書でなく“準備”だ、と父に教わりました」
   「“禅”の修行が目指すのは、澱みも暴れもしない“川の流れのような精神”です」
   「悪は本当に報いを受けているのか? 今日まで悪が栄え、正義が虐げられて来たとすれば、
    それはバカバカしいし、悔しいですよね」
   「“正義の味方”になる時なんて、そうそう訪れはしない」
   「礼なら父に」

シージャック犯「抵抗しなくても、撃つかも知れないけど」

岡崎「お前たちの(進む)道は間違っていない。しかし、理解されるには時間がかかる」
  「あってもいいんじゃないかな、そのぐらいのことが」

亮二「俺たちの曲は理解されねぇ。そして何より厄介なのは・・俺たちは“自分の音楽が正しい”と信じてる」
  「俺は、魂でギター鳴らしてんだよ」
  「バラード調? しみじみしてどうすんだよ」
  「この曲だけは、お前に触らせねぇ」

五郎「俺たちの曲、誰かの心に届くのかよ?」

繁樹「盗作じゃねぇよ、引用だ」
  「うるせぇぞ、坊ちゃんプロデューサー」
  「またアマチュアに戻るかぁ」

谷「曲間に意図的な無音部分? ・・ビートルズがやるならともかく」

追記1:私的に“5人”は「岡崎」「繁樹」「雅史」「コック」「麻美」だと解釈した(・ω・)
追記2:多部ちゃんが、石川遼くんと姉弟っぽく見えてしまうのはワタシだけやろか、、
追記3:“和製イライジャ・ウッド”にも見えて来る(=^_^=)濱田岳くん。妙に気になる俳優さんだ(ちとジャッキーも入ってるかも、、)。

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コメント

こんばんは。
嬉しく拝読させて頂きました。

私も鑑賞後に「はて、ゴレンジャーとは??」と考えてみたら、TiM3さんと同じ人物リストになりました。
しかしゴレンジャーには入らなくとも、運命の一言を発した女子大生・晴子さん(?)の功績は大だと思いました。

濱田岳さん、『ゴールデンスランバー』のキルオ役で異彩を放っておられましたね。(^^)

投稿: ぺろんぱ | 2011年3月28日 (月) 21時54分

ぺろんぱさん、こちらにもいらっしゃいませ!

過去の記事を辿って頂き、有難うございます(=^_^=)

>しかしゴレンジャーには入らなくとも、運命の一言を発した
>女子大生・晴子さん(?)の功績は大だと思いました。

みんながちょっとずつ「地球を救うため」チカラを出し合った
結果なのかも知れませんね。

>濱田岳さん、『ゴールデンスランバー』のキルオ役で
>異彩を放っておられましたね。(^^)

あの時の格闘スキルでもって、森山君と戦って欲しかったです(=^_^=)
「ビックリした?」とか無邪気そうに訊ねながら・・

投稿: TiM3(管理人) | 2011年3月29日 (火) 00時06分

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