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2009年7月23日 (木)

☆『劔岳/点の記』☆

20日(月曜)。
昨日の(マラソンの)ダメージが相当に大きく、ボテ〜ッと(倒れ込むように)12時間近く寝てしまったこの日。

一方で「このままじゃ、連休が“ただ走っただけ”で終わってしまうではないか!」との想いがムクムクと育ち始めたため、午後からクルマを走らせ、隣町(?)にある“ワーナー・マイカル・シネマズ綾川”に出かけ、以前から気になってた1作『劔岳/点の記』を観て来た。

ここの劇場は2度目であり、第1印象は「とにかく妙に遠い!」って感じ。クルマを使ってすら40〜50分もかかるもんで、実家(大阪府枚方市)にいた頃で言うと「奈良に行ける距離じゃん!」って突っ込みたくもなる。

「雨降り+駐車場渋滞+(シアターの)ロビー混雑」と言う“死の3重奏(←ちょっと違う)”を経て、ようやく劇場内に。流れているのが予告編とは言え、場内が暗くなってんのに「背を屈めもせず通路を横切ったり」と“アタマ悪そな観客”もいなくはなかったが、まぁ賑わいがあってよろしかろう。

越中劔岳(つるぎだけ)。その頂(いただき)に“真夏ですら溶けぬ雪”を永年たたえ、かの弘法大師(=空海)が“草鞋(わらじ)3000足を費やしてなお登れなかった”と伝えられる神峰。
ここはまた、明治39年と言う近代となってすら“前人未踏の死の山”と畏れ讃えられて来た霊峰でもあった。

そして、その山頂を目指そうとする2つのパーティ(一団)があった。

1つは陸軍・陸地測量部(←国土地理院の前身!)のベテラン測量士=柴崎芳太郎(浅野忠信)率いる測量班。
1つは(明治38年結成の)日本山岳会・初代会長=小島(仲村トオル)率いる“舶来の最新装備”にモノを言わせた登山家集団。

当初は自身の中で「測量に優先し、劔岳を制覇したい」と言う想いと「周辺の山々から着実に測量を進めたい」と言う気持ちがせめぎあっていた柴崎であるが・・軍部上官(笹野高史、國村隼)からの、山岳会からの、部下である測量士=生田信(いくたのぶ:松田龍平)からの、富山日報の若手記者(新井浩文)からの、プレッシャーなどを経て、自らの進む道を決めるのであった・・!

ラストで、劔岳の登頂に向かう流れとなろうことは誰でも分かる(=^_^=)んだが、そこに至るまでの試行錯誤やら、人々との交流やらが、真面目過ぎるほど丁寧に綴られていた。
ここが“ダレ場”と化す危険性はあるんだが・・役所広司(先輩測量士・古田役)、石橋蓮司(立山温泉・旅館主役)、井川比佐志(芦峅寺(あしくらじ)村・村長役)、夏八木勲(山岳行者役)・・と言ったモノ凄い俳優陣が次々にひょっこり登場するので、飽きることはなかった☆

他にも香川照之(案内人・宇治長次郎役)、宮崎あおい(柴崎の妻・葉津よ役)、小澤征悦(柴崎の上官役)、そして・・我らが(=^_^=)田中要次(測量士役)、とホンマにモノ凄い集結ぶりにびっくり!

まぁ、観てると「(片手間的参加の)スタジオ撮り俳優」「フルロケ参戦してる俳優」の違いがハッキリと分かるんだが。。

ストーリー回しは意外にまどろっこしい気もしたが(しかしそれは新田次郎による原作小説を忠実に描いたからこそだろう)、それを補って余りある映像群の素晴らしさ(と言うか凄まじさ)は一見の価値がある! 特に隊列全体を遠距離から捉えたショットの数々は大判ポスターにして自室に飾りたいほど! 近距離から隊員らを捉えたカットでも、全員の立ち位置や表情なんかが『七人の侍(1954)』のスチール写真を連想させる“見事なアングル”で描かれており、すっかり唸らされた。

落石、雪崩、滑落、転落、吹雪・・と想定される限りのトラブルがてんこ盛りで襲って来るが(いや、流石に噴火はなかったな、、)長回しでしっかり撮影されてる演出のあった半面、ちょっと「映像を繋いだだけ」ってな茶を濁す描き方で済まされてたのがあったのは、私的に「ちょっぴり」残念だった。

キャラ的には、松田龍平の頑張りに感心させられ、そして香川照之の表情に(情けなくも)ウルウルさせられてしまった。
香川演じる案内人がとある人物を殴り付け、叱責するシーンがあるんだが、ここで香川がめちゃくちゃに怒りながらも「その眼には涙が光っていた」のである。この辺りの(例えば、弁慶が“安宅の関”で主君=義経を殴った時のような)「本心はちゃうんでっせ」的な描き方にすっかり弱いワタシ(⌒〜⌒ι) 後半の、香川がとある人物からの手紙を受け取って読むシーンでもまたウルウルさせられました。。

後半から終盤にかけての展開の幾つかを観てて連想したのが『ザ・クライマー/彼方へ(1991)』と言うマイナーな山岳映画(?)だった。
「生意気な若造がぶら〜んと(宙吊りに)なったり」「登頂成功の直後“衝撃の新事実”が明らかとなったり」ってな辺りが(たまたまながら)似てると思ったんだけどどうでしょう?

〜 こんなことも感じたり 〜

♦測量部の将校らに「遊び半分の連中」呼ばわりされていた山岳会(⌒〜⌒ι) 案内人もロクに付けず、高峰をどんどん少人数&軽装で登って行くその姿勢は、とても遊び半分じゃないと思うが、、
♦「こけ汁」と言うから「苔」が入ってるのかと思いきや「きのこ汁」のことでした。
♦同様に「のっこし(乗越)」は「峠」のことだそうだ。「もっこし」じゃないんやね(違うって)
♦山岳会の携えてた「伊豫宇和島牛」の牛肉缶詰が妙に美味しそうに見えた。
♦「金沢大学医学部十全山岳会」「雪国ロケお助け隊」「藤原正彦」「佐伯さん一族(?)」などの表記がエンドクレジットで目立っていた☆
♦富山日報の見出し群が、妙に“下世話っぽく”映ってしまったのはワタシだけだろうか?

〜 こんなセリフもありました 〜

柴崎「何故、私(が柴崎)だと分かったんですか?」
宇治「勘だちゃ」

柴崎「これは・・“立山曼荼羅”そのものだな」
  “自然の美しさは、自然の厳しさの中にしか存在しないことに気付かされた”
  “地図とは、国家のためでなく、そこに住む人々のためにこそ必要なものではないか”

宇治「誰も行かんかったら、道は出来んちゃ」
  「こいつはこいつで、生きていかなあかんちゃ」
  「この山が好きだちゃ」

行者「雪を背負って登り、雪を背負って降りよ」
  「真に開山すれば、山は神となり仏となる」

古田「頂になるべく早く、なるべく近く。その場において山が隙を見せるのを待ち、そこを攻めるのです」

葉津よ「“いざと言う時”って、何でしょう?」
   「何だか・・戦争に行くみたいですね」

小島「勝算? あるからここに来てるんですよ」

※「“挑戦する心”に勝るものはない」
 「何をしたかではなく、何のためにしたかが大事なのだ」
 「人が自然を相手にする時は、自然に対する勘が必要なんだよ」
 「測量はな、技術じゃない。忍耐だ」
 「この山は・・今までの経験と全く違う」

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コメント

突然のコメント失礼致します。
失礼ながら、相互リンクしていただきたくて、コメントさせていただきました。
http://sirube-note.com/measurement-person-assistant/

もしよろしければ、こちらのページから相互リンク登録していただけましたら幸いです。
http://sirube-note.com/measurement-person-assistant/link/register/
今後ともよろしくお願い致します。
OZO6IrKP

投稿: sirube | 2009年7月23日 (木) 08時20分

コメント、有難うございます。

検討をしてみましたが、相互リンクはせず、貴コメントのみ、
このまま残して頂くカタチでお願いしたく思います。

今後ともよろしくお願い申し上げます。

投稿: TiM3(管理人) | 2009年7月24日 (金) 00時29分

私は山が好きですので興味はあるんですが....

> 宇治「誰も行かんかったら、道は出来んちゃ」
なんかこの言葉に惹かれます。

明日どの映画をみようかと悩んでいます。

投稿: west32 | 2009年7月25日 (土) 21時51分

westさん、どうもです。
雨の影響は大丈夫でしたか?

>私は山が好きですので興味はあるんですが....

山岳映画、イイのが多いですよね〜
私的には『アイガー・サンクション(1975)』とか、好きでした。
『バーティカル・リミット(2000)』も、バカ映画っぽい部分が散見されるんですが、オープニングの緊張感はスゴかったです!

>なんかこの言葉に惹かれます。

香川さんの立山弁(?)が意外としっくり来てました☆
ある意味、彼こそが主役と言えるかも。

>明日どの映画をみようかと悩んでいます。

どんなラインナップがあるんだろう?

リストアップして頂けたら、アドバイス差し上げますよ(・ω・)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年7月25日 (土) 23時35分

こんばんは。

本作の山の画は本物の迫力がやっぱりありそうですね。
本物志向の監督さんだけにCGには頼らなかったんでしょうか^^
聞くところによると、黒澤監督との繋がりもあったとか。
なんだか、それだけで映画人としての器が違うような気がしてきます^^

投稿: ituka | 2009年7月26日 (日) 02時34分

itukaさん、にちはです。

そうそう! 木村大作監督、クロサワ監督ともコンビを組んで来た、超ベテランキャメラマンであることを、後で調べて知りました!

御年70だそうで、あの撮影行の凄まじさを想像するに、アタマが下がります(×_×)

※ワタシの好きな『駅/STATION(1981)』の撮影もされてました!

>本作の山の画は本物の迫力がやっぱりありそうですね。
>本物志向の監督さんだけにCGには頼らなかったんでしょうか^^

ヘリからの空撮かと思いきや、どうやら山上からの望遠のようです。
何だか「世界記録の素潜りを、真下から撮影してるカメラマン」のようなモノ凄さです(☉д☉)

>聞くところによると、黒澤監督との繋がりもあったとか。
>なんだか、それだけで映画人としての器が違うような気がしてきます^^

キャリアから来る、モノ凄いプロ根性をお持ちなのでしょうね。
作品を拝見する分にはイイけど、同じ町内会におられたりすると、色々と辟易させられそうな気がする(=^_^=) ←妄想です、、

投稿: TiM3(管理人) | 2009年7月26日 (日) 11時02分

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