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2009年6月16日 (火)

☆『チェイサー』☆

15日(月曜)の夜、仕事帰りに近くのミニシアター“ソレイユ”に寄り、今週から(夕方⇒夜に)上映開始時間のシフトした新作(?)『チェイサー』を観て来た☆
「仕事帰りに観れる時間帯に切り替わり次第、すぐ観よう!」と前から決めてたんだが、奇しくも本日がサービスデー(メンズデー)だったので“1英世ちょっきり”で観ることも叶い、ちと嬉しかった☆
半面、客層がおっさんばっかしで華には欠けたが・・(⌒〜⌒ι)

韓国・ソウル市の歓楽街=マポ区マンウォン町。ここでは、風俗(デリヘル)嬢が忽然と姿を消す事件が続発していた。2年前までは刑事で、今はデリヘルの元締をしている中年男=オム・ジュンホは、雇っている風俗嬢2人が消息を絶ったことに、
・手付金(1人につき500万ウォン?)を持ち逃げした(背後に男の存在?)
・よその業者に拉致され、売り飛ばされた
の2つのケースを想定し、独自に彼女らの足取りを調べ始める。

だが、マンウォン町の上り坂となった狭い路地脇に、1人の乗っていたジャグワー(英国高級車)が無造作に駐車されているのを発見、その車内に(彼女の)携帯電話までもが残されていた事実に驚く。
彼女の(消失)当夜のスケジュールを(電話受付簿で)確認したジュンホは、最後に呼び出して来た(相手の)携帯番号の末尾が“4885”であることを記憶に止めるのだった。

その結果、驚くべきことに、消えた2人ともが“4885”に呼び出されたのが「最後の仕事」であったことが判明する!

一方、風邪で休養してるのをムリヤリ働きに出させた子持ちのミジンが、これまた“4885”の人物に呼び出されてしまう。相手が恐らく「売り飛ばし目的のチンピラだろう」と踏んだジュンホは、ミジンの携帯宛に「相手の家に着いたら、シャワーを借り、そこから居場所をメールで送れ」と指示する。
しかし、その人物宅でメールを送信しようとしたミジンは、浴室が「その窓までもがレンガ壁に覆われた」電波すらも遮断された空間であることを知る・・そして、浴室の床には毛髪のこびり付いた肉片の流れ残りが・・

マンウォン町で消えたミジンの足取りを辿るジュンホは、出会い頭の事故を起こした相手=挙動不審な青年・ヨンミンが“4885”その人であることを直感的に突き止める。

独自の鉄拳手法(?)で、ヨンミンに消えた3人の居場所を吐かせようとするジュンホ。
だが、駆け付けた警官により2人(?)は検挙されることに。

警察の生ぬるい(?)取調べの中、捜査陣をあざ笑うかのようにヨンミンは
「売ってなんかいません。殺しました・・9人をね。いや、考えてみたら・・殺したのは12人だった」
と淡々と言葉を漏らす! しかし、(殺人罪に結び付ける)物証が全く出ないため、そのままでは12時間しかヨンミンを勾留しておくことが出来ない。

ミジンたちは果たして? 残されたミジンの(7歳になる)1人娘を取り敢えず引き取ったジュンホは、その子のためにも、ミジンを無事に救い出そうとするが・・焦る中、時間ばかりが過ぎて行くのであった・・

うーん・・コレはエグいなぁ(×_×) 描写の不気味さや、真っ黒な泥沼の中でもがくかのような主人公(ジュンホ)の“半ば空しい”言動などにもある種の“絶望感”が満ちているんだが、、それ以上に、後半〜終盤にかけての“神の不在さ”には、観客の“尾を引く後味の悪さ”がそのピークに達しもする(×_×)

「余りにあっさり捕まってしまう容疑者」「後半に向かって、雨が降り続く作品世界」「猟奇犯の“遺体損壊趣味”」などの脚色に『セヴン(1995)』と言う大きな先輩格(?)を思い出したワタシだが、あちら以上に「描くトコロを“敢えて”露骨に描く」現実的な凄み(?)もまた充満しており、眼を覆ってしまう観客もいるのではなかろうか?

『羊たちの沈黙(1991)』で言えば、ハンニバル・レクター博士と言うよりはバッファロー・ビルのキャラ造型に近かった猟奇犯=ヨンミン。
性的な特徴も含め、意外となよっちいヤツではあるんだが・・それ故に「自分より弱い立場(状態)の相手を徹底的にいたぶり殺す」みたいなリアルな恐ろしさも感じてしまった。。
同じ狂人でも『ノー・カントリー(2008)』の“ボンベくん”とは全く輪郭の濃淡の違うキャラだな、と。

中盤ではミジンの娘(名前、何だっけ?)を連れてのジュンホの捜索行、みたいな様相を呈しはするんだが・・それにしては“あの終盤”には「うーん」・・と感じてしまったワタシ。

前述の『ノー・カントリー』や『ミスト(2008)』もそうなんだが・・近年って、万人が予期しない方向へ方向へ、とエンタテインメントの既存枠(?)をぶっ壊して突き進むのが“監督ならではの力量”みたいに勘違い(?)されとるんじゃなかろうか?
・・と違った方向に懸念のベクトルの向いてしまったワタシであった。。

〜 こんなトコロにも気付いた 〜

♦7月10日(土曜)なるカレンダーが描写されたトコロから察するに、物語の舞台は「1999年」「2004年」「2010年」のいずれかだったようだ。
♦ソウル市長が人糞(?)をその顔面に投げ付けられる、と言う「それはそれでスゴい事件」が同時に現場では(=^_^=)起こっていた!
(TVでは「袋の中身は黄褐色の物体で・・」みたいにソフトに(=^_^=)報道されてたが、、)
♦同じキーで開いちゃったりなんかしちゃったりする、全く別な扉もあったりなんかしちゃうもんなのです(←広川太一郎口調、、)。。
♦ソウル市警には“機捜隊(機動捜査隊)”なんてなセクションもあるらしい。豪雨の中、ソンミ山中で遺体捜索させられたり・・とエリート集団とも断言出来なさそな“こき使われぶり”だが、、
♦ジュンホによる「いきなしパイプ椅子殴り」は、相手にかなりなダメージを与えそう(×_×)
♦車内を(雨降る外側から)ガラス越しに映し、その向こうで娘が号泣、ジュンホが(携帯に向かって)怒声を発してる映像描写、はなかなか良かった(むろん“セリフなし”である!)
♦“タバコ屋おばさん”と“忠犬プンサン(?)”の迎える運命もまた、哀し。
♦走りながら泣けて来てはった主人公の姿に、ちと“迫るモノ”があった(⌒〜⌒ι)
♦ミジンさんを演じた女優さんが、観ようによっては「風吹ジュン」さんぽくって、ちとドキドキしてしまったワタシ(=^_^=)

〜 こんなセリフもありました 〜

ヨンミン「酷い(クルマの)止め方だな」
2人目「イイのよ、すぐに帰るから」

ヨンミン「助かりたい理由は? ないのか? ・・理由なんかないよな?」
    「動いたら、痛いぞ」
    「ノミと金槌を使います。絞殺や刺殺は苦しむから」

署長「なんてバカな奴らだ!」
  「命がけで事件を解決しろ! この先も家族を養いたいならな!」
  「証拠が挙がらなけりゃ、作ってでも持って来い!」 ←おい
  「使えん奴らだ!」

ジュンホ「(後部座席の)吸い殻は(車外に)棄てたか?」
娘「はい」
ジュンホ「・・シートに穴が開いたか?」
娘「はい」

精神科医(?)「ノミを自分の性器だと思って、女性に突き立てたのか?」

刑事A「これは血痕か?」
刑事B「いや、キムチの汁だろう」 ←こら

ヨンミン「金槌や棒はある?」
おばさん「金槌ならあるよ。あんたがここに居てくれると、心強いよ」

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コメント

あの高級車がいつまでもキー付きで放置されていたことが珍しいかなと・・

あの出会い頭の事故直後のやりとりに「自然で上手い!」と唸ってしまいました。
「服に血が付いてるぞ!怪我してんじゃないのか?」
因みにヨンミンの乗る車が何だったのかが気になってます^^;

>同じ狂人でも『ノー・カントリー(2008)』の“ボンベくん”とは全く輪郭の濃淡の違うキャラだな、と。

ボンベくん(←大受け)とはまったく違うキャラですが
怖さは、ほぼ同等だと思いました。
それにしても、ヨンミンの下着はもうチョット今風のものにならなかったのでしょうかね^^;

ジュンホの行き過ぎた捜査が結果として警察捜査の最後の詰めの妨害となってしまったところが切ないです。

>おばさん「金槌ならあるよ。あんたがここに居てくれると、心強いよ」

この辺りになってくると緊張感はマックスになっていました。

全力疾走しているとポケットの携帯ベルも聞こえないんでしょうね。
ココはジェイソン・ボーンみたいに常にイヤホンを付けておくべきでしたね^^


投稿: ituka | 2009年6月16日 (火) 09時43分

観ようかどうしようかと思っているうちに、もうおわっちゃった。
TiM3さんのおっしゃるような
> 観客の“尾を引く後味の悪さ”がそのピークに
というのを恐れていました。

やっぱり観れなくてよかったのかなぁ。

投稿: west32 | 2009年6月16日 (火) 22時03分

itukaさん、お早うございます。

「ハリウッドの欲しがる脚本」の傾向が漠然とながら掴めて来てる気がします(・ω・) とにかくは「かつてない展開」が必要なのでしょうね。予定調和な物語なんかより、、

>あの高級車がいつまでもキー付きで放置されていたことが珍しいかなと・・

あの町には大き過ぎるクルマだと思いました。。
きっとそれが故に盗まれなかったんじゃないかと(=^_^=)

>「服に血が付いてるぞ!怪我してんじゃないのか?」

ワタシなら、そこに気付いても敢えて訊かないかな?(=^_^=)

>因みにヨンミンの乗る車が何だったのかが気になってます^^;

少し古い日本車でしょうか? 黒い4ドアセダンでしたね。

>ボンベくん(←大受け)とはまったく違うキャラですが
>怖さは、ほぼ同等だと思いました。

コインを使ったりしない分、遊び心には欠けるヤツでした(・ω・)

>それにしても、ヨンミンの下着はもうチョット
>今風のものにならなかったのでしょうかね^^;

「猟奇殺人者に白ブリーフを」

・・こんなタイトルじゃ、売れなかったでしょうね(=^_^=)

>ジュンホの行き過ぎた捜査が結果として
>警察捜査の最後の詰めの妨害となってしまったところが切ないです。

あんな山を掘り返すより、下町を徹底的にローラー捜査した方が、
まだマシと思ったんですがねぇ。

>この辺りになってくると緊張感はマックスになっていました。

タバコ1箱で、運命は大きく変わるモノですね(×_×)

>全力疾走しているとポケットの携帯ベルも聞こえないんでしょうね。
>ココはジェイソン・ボーンみたいに常にイヤホンを付けておくべきでしたね^^

ボーンなら、最後の格闘戦ももっと圧倒的だったでしょうに・・

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月17日 (水) 05時59分

westさん、お早うございます。

長い仮眠から目覚めました(=^_^=)

>観ようかどうしようかと思っているうちに、もうおわっちゃった。

それも縁でしょう(=^_^=)

> 観客の“尾を引く後味の悪さ”がそのピークに
>というのを恐れていました。
>やっぱり観れなくてよかったのかなぁ。

「ひぃぃいッ!」と言う感じ(恐怖)じゃなく
「あ〜あ・・」って感じ(空しさ)でしたか。

私的には「これはないよな」と言うのが率直な感想でしょうか。
出来れば、今後「パクり作品」が続々と作られて欲しくないタイプの物語です。

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月17日 (水) 06時05分

初めまして。
たまたまWebでこの映画を知り、
高松でも上映ないかなぁ?と探していて辿り着きました。
上映あるとしたらソレイユだろうとは思いつつ。

もう終わってしまったんですね。

SAWシリーズ好きなので、
10月に出るDVDを買おうかなぁと思います。
メイキングを観るのが趣味?なのです。

投稿: hime(^ω^)ノ | 2009年8月23日 (日) 16時36分

himeさん、初めまして。

この4月からソレイユに・・じゃない(=^_^=)高松にお世話になってます。

ソレイユに良く行かはるんでしょうか? だとすれば、たまにニアミスしてるかも知れませんね(=^_^=) ああ、ドキドキ(=^_^=)

>もう終わってしまったんですね。

そうですね。
ただ、今までにない展開の物語ではありましたが・・私的には「万人に勧めたくない作品」ですね。
ハリウッドリメイクが決定してるそうですが、ディカプリオの白ブリーフ姿(やるの?)以外には余り興味ありません(=^_^=)

>SAWシリーズ好きなので、
>10月に出るDVDを買おうかなぁと思います。
>メイキングを観るのが趣味?なのです。

『ソウ』は良いらしいですね!まだ観れてませんが、、
期待して観に行った『デッド・サイレンス』もイヤ〜な部分はなかなかでした。演出面については、理論的に考えるとメチャクチャでしたが、、

よろしかったら、また遊びにいらして下さい。

追記:ワーナー・マイカル・シネマズ綾川がもっと近ければ最高なのに〜(×_×)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年8月23日 (日) 23時44分

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