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2009年6月25日 (木)

☆『愛を読むひと』☆

24日(水曜)。来週のアタマ&週末に2本の出張が控えてるんだが・・それらの宿泊費等が早くも(嬉しくも)支給され、束の間の「リッチ気分」に浸ることの叶った1日でもある。
そんな訳で、今日は北方に位置する“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”へと仕事帰りに繰り出し、狙ってた1作『愛を読むひと』を首尾良く観て来た☆

シアターが全席指定だったこと、女性の姿の多かったことから「今日ってば“レディース・デー”やったんやね☆」と気付いたワタシ。女性客の皆さんってば“官能系”を期待して、本作を観に来たはったんやろかいね・・?(知らんがな!)

ワタシとしては、当然ながら(?)「PG−12指定」ってのに“甘美な響き”を覚えた次第であるが・・(=^_^=)

ドイツ・ベルリン、1995年。
中堅弁護士=マイケル・バーグ(レイフ・ファインズ)は検事である妻=ガートルードと別れて後、今では“特定の女性たちと、表面的な男女関係を短い間隔で続ける”だけの、そんな“希薄な私生活”を送っている男だ。

彼が仕事の合間に、そして女性たちと恋のさなかにあってすらも思い出すのは・・15歳だった頃(1958年)、故郷=西ドイツ・ノイシュタットで出会った、ある年上の女性との“ひと夏の恋”であった。

その女性は当時36歳の女性車掌=ハンナ・シュミッツ(ケイト・ウィンスレット)。突然の猩紅(しょうこう)熱に襲われ、苦しんでいた所をたまたま通りがかった彼女に介抱して貰ったのをきっかけに、年齢をまたいだ2人の“男女の付き合い”が始まる・・

ハンナはマイケルとの逢瀬の中で、彼に朗読を乞うようになる。
マイケルは『オデュッセイア(ホメロス著)』『チャタレイ夫人の恋人(ローレンス著)』『犬を連れた奥さん(チェホフ著)』『戦争と平和(トルストイ著)』『ドクトル・ジバゴ(パステルナーク著)』などを語って聞かせる。

ハンナはマイケルの朗読の声に耳を傾け・・そして彼女の「今日はそこまで」の言葉を合図に、少年は「待ってました!」とばかりに(=^_^=)彼女の豊満な肉体にしがみついてゆくのであった。

しかしそんなある日、ハンナは「別れの言葉」もなしにマイケルの前から忽然とその姿を消してしまう・・

ハイデルベルク、1966年。
“ハンナの喪失”と言う過去を未だに引きずりつつ、法学を専攻したマイケル(大学生となった)は、ロール教授(ブルーノ・ガンツ)のゼミの中で、とある元ナチス党員たちの裁判を傍聴する機を得る。

そして彼は、43歳となったハンナの姿を被告人席に認めたのだった・・

監督が『リトル・ダンサー(2000)』『めぐりあう時間たち(2002)』のスティーヴン・ダルドリー。プロデュースがアンソニー・ミンゲラ(!)&シドニー・ポラック(!)。字幕担当が戸田奈津子女史。
と、もの凄いメンバーが結集しての本作なんだが・・私的には、期待してたほどの感動はなかったかなぁ・・と(×_×)

注:ミンゲラ&ポラックの両監督とも故人である。

って言うか、ワタシが観たかったし、評価もしたかった「甘酸っぱい(あの夏の日々の)ロマンス的な演出」が中盤までにすっかりその影を潜めてしまい、そこから後はひたすらに重く、(半ば)枯れた物語世界が展開されてたよ〜な。。

ホロコースト路線で、この(作品)カラーの“反転ぶり”から連想したのは『ライフ・イズ・ビューティフル(1997)』辺りだろうか? あの作品も、中盤から作品のドンヨリしてしまってた印象が強い。

本作では、特に終盤にて(あの)レナ“蜘蛛女”オリンさんが、とある人物を“強烈なキャラ造型”でもって演じ切るんだが、ホンマにホロコーストの人々の(ナチスに対する)怒りの記憶は「(終戦から60年以上が過ぎようと)まだまだ乾いてないんや・・」と深く考えさせられもする(・ω・)

一方で、マイケル&ハンナの絆、ちぅか“心の交流”みたいなモノが、総じて思うのは「意外と表面的に過ぎなかったんかもな〜」とか。マイケルにせよ、ハンナにせよ、どちらもが「肝心な時に(相手に対し)背を向ける」みたいな言動があり、それはそれでリアルなんだろうけれど、ロマンチストな(?)ワタシとしては残念でならなかった(×_×)

中でも、一番勿体なかったのは「若き2人が1泊の自転車旅行に出かけた」と言う設定。あれは映像的にも物語的にも“かなり使えるネタ”だったハズであり、もっと「濃く描く」とか「ラストでもう1度、(別な切り口で)描き直す」とか、やって欲しかった!
ダルドリー監督には『チェンジリング(2008)』や『12人の怒れる男(2007)』『世界の中心で、愛をさけぶ(2004)』なんかの構成を勉強して欲しい! 

ケイトさんは本作においても「おっぱい出しまくり」で奮闘されてたが・・そのおっぱいの造型(?)が、年齢相応って言おうか、妙にリアルで、それはそれでゾクゾクっとさせられもした(=^_^=)
「歳、取らはったんやな〜」と思いつつ、彼女より更に年上である自身に気付き、ゲンナリとしてしまったりも・・(⌒〜⌒ι)

何にしても、前半の雰囲気の良さが崩れてしまったことに、やはり個人的にはガッカリさせられた本作。2つの時代を巡る男女のドラマの練り方(や組み立て)に、もう少し工夫が出来なかったものやろか・・?
(終盤では、レナ“蜘蛛女”オリン様が作品世界をすっかり覆い尽くしてた印象もあったし、、)

〜 こんなトコロも 〜

♦戸田さん節、やはりイマイチ炸裂せず! 「柱廊(ちぅろう)を駆け抜け」なる表現は独自性が光ってたが・・
♦アイロンがけの前、その底面に唾をプッと吹きかけるハンナの所作がワイルドで良かったかも☆
♦マイケル少年。劇中で最初の行為が「嘔吐」ちぅのは・・結構「映画史」に残るべき脚色やも知れぬ??
♦ロール先生&マイケルのドラマが唐突に終わってたけど、、カットされた部分があるんやろか?
♦マイケルを巡る「様々な女性たち」の「様々な価値観」「様々な強さ&したたかさ」がしっかり描写されてたのは、むろん評価したい! 女性監督でもなしに、良くぞあそこまで各(女性)キャラに踏み込んで描けたもんだ!
♦重要アイテムであろう「紅茶の缶(?)」・・あれはつまり、ハンナと(少女時代の)あの女性の“過去”を「観客に想像させる」ための品だったんやろか?
♦「狭く、決して清潔じゃないけれど、あたたかい」・・そんな、彼女の家の“浴槽”は何だかイイよなぁ〜(・ω・)
♦「西洋文学の“核”はそれが内包する“秘密性”である」とかなんとか(劇中で)解説されてた。

〜 こんなセリフもありました 〜

※「あなたの考えが読めるほど、長く付き合う女がいて?」

ハンナ「Look after yourself.(気を付けて)」
   「ズボンのまま風呂に入る気? ・・大丈夫よ、見ないから」 ←って、、しっかり見てるやんか!(=^_^=)
   「“このため”に戻って来たのね?」
   「私を見て・・坊や」
   「私を怒らせる? ・・自分が“それほどの相手”だと思ってるの?」
   「(『チャタレイ夫人の恋人』は)わいせつだわ!」
   「計画が得意なのね?」
   「地図は見せないで。(先のことは)知りたくないの」
   「・・朗読はもう終わりなのね?」
   「死者は生き返りはしないわ。今になってどう感じても、どう考えてもね」

マイケル“この人生は、仕事ばかりか?”
    “人を幸せにするもの・・それこそが愛だと”
    「あなたは僕のことを、何も訊ねないんだね」
    「謝るのは、いつも僕だ」
    「私は厄介な父親さ・・誰に対しても、打ち解けることの出来ない、ね」

※「あなた、真面目そうね」
マイケル「そう育てられてね」

ロール教授「社会を動かすのは何だと? “道徳”? 違う・・“法”だよ」
     「そう・・“法”は狭いのだ」
     「“感情”は無関係だ。問題は“どう動くか”なのだ」

マイケル「過去を考えることが?」
ハンナ「私たち2人の?」
マイケル「いや違う・・そうじゃない」

マイケル「静かに? 賑やかに?」
ハンナ「静かに」

マーサー「収容所で学ぶことなどないわ・・何も得られない所よ、何もね」
    「関係団体に寄付なんかしたら“赦した”と思われるわ」

追記:1958年当時の「避妊事情」ってどうやったんやろ? 冷静に考えると、ちょっと恐ろしいロマンスではありました。。

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コメント

 束の間のリッチ気分に浸っておられるTiM3さん、こんばんは。

朝からニュースで立て続けにファラ・フォーセットとマイケル・ジャクソンの訃報を耳にして驚いていました。
ご冥福を祈りたいですね。

ケイト・ウィンスレットは『タイタニック』で初見以来、何故かずっと好きでした。
タイタニックの頃はちょっと意地悪なバッッシングも受けてた彼女でしたが、ほど良く年を経て(それなりに形状も崩れ?)“人生に疲れたわ”感も似合う感じになってました。
でも今度は“頑ななまでに脱がない”役もやって頂きたいです。

>そこから後はひたすらに重く、(半ば)枯れた

私はどちらかといえば後半の世界に惹かれたのですが。
私という人間が枯れてるんでしょうか・・・って、このフレーズ、拙ブログのコメントでも使いましたね。^_^;

>「ラストでもう1度、(別な切り口で)描き直す」とか

なるほど!
私のあの場面が好きだっただけに、膝を打つ思いで読ませて頂きました。

>ロール先生とマイケルのドラマが唐突に終わって

確かにそうですね。
あの先生がマイケルに与えた影響って「大」なのにね。
それに、唐突に終わってしまうにはブルーノ・ガンツは惜し過ぎます。

>「収容所で学ぶことなどないわ・・・」

屹然と言い放ったメイザーに雄々しささえ感じました。演じたレナ・オリンさんの名前を完璧にインプットできました。TiM3さんのお陰です、ありがとうございます。




投稿: ぺろんぱ | 2009年6月27日 (土) 02時49分

ぺろんぱさん、お早うございます。

バンブルビーで帰阪致します(=^_^=)

>束の間のリッチ気分に浸っておられるTiM3さん、こんばんは。

ホンマに束の間や・・(=^_^=)

>朝からニュースで立て続けにファラ・フォーセットと
>マイケル・ジャクソンの訃報を耳にして驚いていました。
>ご冥福を祈りたいですね。

ファラさんは『キャノンボール(1981)』でしか、お見かけしなかった気が・・。。
MJの急逝には驚きました・・
帰阪中には彼を偲びつつ『Dangerous(1991)』『HIStory(1995)』などのアルバム群を(車内で)聴き直してみたいです。

>タイタニックの頃はちょっと意地悪なバッッシングも受けてた彼女でしたが、ほど良く年を経て(それなりに形状も崩れ?)
>“人生に疲れたわ”感も似合う感じになってました。
>でも今度は“頑ななまでに脱がない”役もやって頂きたいです。

ワタシは『アイリス』で注目し直したでしょうか。
年を経てもジュディ・デンチにはならないことを、本作は証明してもくれました(=^_^=)
確かに脱がない役(尼僧さんとか?)も演じて頂きたいかも、ですね。

>私という人間が枯れてるんでしょうか・・・って、
>このフレーズ、拙ブログのコメントでも使いましたね。^_^;

コメントと(その方の)本質が必ずしも一致してるとは限らないかも・・?
枯れたはる方は、丁寧なブログを仕上げたりは出来ないでしょう(=^_^=)

>私のあの場面が好きだっただけに、膝を打つ思いで読ませて頂きました。

あの旅行の夜のことも描いて欲しかったな、と。
どんな本を読んだのか、とかね。

>それに、唐突に終わってしまうにはブルーノ・ガンツは惜し過ぎます。

やはり最後は地下壕で自決されたのでしょうか・・(←作品違うってば)

>屹然と言い放ったメイザーに雄々しささえ感じました。
>演じたレナ・オリンさんの名前を完璧にインプットできました。

本作を「女たちの物語」と捉えてしまう・・捉えざるを得ない
演出でしたよね。

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月27日 (土) 08時21分

ケイトさんのおっぱいも見てみたいですね。
次回はキャットウーマンという役にも挑戦してもらいたい演技派女優ですが
オスカー獲ってしまうと「そんなくだらない役には出ません」とか言うんでしょうかね。

え!ファラさんも亡くなったのですか?

投稿: ituka | 2009年6月27日 (土) 22時53分

itukaさん、ばんはです。

>ケイトさんのおっぱいも見てみたいですね。

『アイリス』でもご覧になれるかな? と。『リトル・チルドレン』ではどうなのでしょうね?

>次回はキャットウーマンという役にも挑戦してもらいたい演技派女優ですが
>オスカー獲ってしまうと「そんなくだらない役には出ません」とか言うんでしょうかね。

ハル・ベリーさんと膝を突き合わせ、しっかり話し合って頂きたいトコロです(・ω・)

>え!ファラさんも亡くなったのですか?

そうなんですよ。
また『キャノンボール』を観たいなぁ・・

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月28日 (日) 00時25分

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