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2009年5月31日 (日)

☆『ディファイアンス/抵抗』☆

少し日付が前に戻り・・27日(水曜)の夜。
またもや“気まぐれ”を起こし、会社からの帰り、アーケード街の中に位置するミニシアター“ソレイユ”にて「やや気になってた」1作『ディファイアンス』を観て来た☆

主演:ダニエル・クレイグって部分がどうにも(チラシでも)目立ってしまい、どっちかと言えば彼は苦手なタイプ(の俳優)なので「どうなんかいね~?」と好かなかったんだが(←海外ではゲイのしとたちにもの凄い人気らしいが(=^_^=))・・いや、思った以上に“ヒーロー”でも“リーダー”でもない(ような)描かれ方で、それ故に気に入ってしまった(=^_^=)

物語のメインとなる4兄弟(←流石に末弟は幼く、地味だったが)それぞれの考え方、生き方が同時進行で(時に錯綜し)展開するんだが・・その離れ方、くっ付き方が実に柔軟で、予想してたよりも楽しめたか。

監督は『レジェンド・オヴ・フォール/果てしなき想い(1995)』『グローリー(1989)』『戦火の勇気(1996)』『ラストサムライ(2003)』のエドワード・ズウィック。彼ならではのロケーション(森林系)、物語展開(民兵系?)なども、ある意味“期待通り安心して”(=^_^=)楽しめる1作だった。
華やかさには欠けるが・・押さえといて良かったと、観終わった今は感じている。

1941年。ドイツ軍は東欧・ベラルーシへと侵攻、瞬く間にここを占領下に置いてしまう。
多くの(ユダヤ系の)民は虐殺され、強制移送されてしまう者もいたが・・運良く市街地を逃れ、広大な森林地帯へと逃走を試みる人々もいた。
(ベラルーシにユダヤ人の多い理由は、ロシアから大量に移住して来たためらしい)
そして、その彼らを追うのがSS(ナチス親衛隊)と彼らに尻尾を振る地元警察の連中である。

“1人捕まえれば500ルーブル”と言う報奨金で次々と“狩られゆく”ユダヤ人たち。

そんな中、森林へ迷い込んだ彼らを束ね、その生命を救った男たちがいた。その名は“ビエルスキ兄弟”・・

自らも両親を、妻を、殺され、復讐の鬼と化した長兄=トゥヴィア(ダニエル)、それは次兄=ズシュ(リーヴ・シュレイバー)も同じであり、心優しい三男=アザエル(ジェイミー・ベル)をも変えて行く・・(因みに、末弟はアーロンと言う少年)

神出鬼没の存在とし、各地の森林地帯(8月:リピクザンスカ、10月:ペレラズ、12月〜翌4月:ナリボッカ)を移動する、ビエルスキ兄弟率いるパルチザン(武装組織)。だが、ドイツ軍の追撃も日々、その激しさを増してゆく。

そんな折、兄弟は2つの大きな選択を迫られることとなる。

1つは、組織を解体し、精鋭の兵士(少数)のみがロシア軍人=ヴィクトル・パンチェンコの赤軍に合流する道
1つは、あくまでビエルスキ・パルチザンとし、自分たちの力で抵抗を続ける道

“復讐”“同胞”を巡る価値観の相違から、やがて兄弟の絆に「溝」が入り始め・・

冒頭から「これは真実の物語である」と字幕が挿入され、何となく姿勢を正さざるを得なくなる本作(⌒〜⌒ι)

物語は、意外にシンプルな展開で進むんだが「何が正しいのか?」と言う部分で、ときに観客は“複雑な想い”を味わうこととなる。

例えるなら「トゥヴィアが単身、ベルニッチ署長一家に復讐を果たしに向かう場面」や「“助けてくれ、子供が2人いるんだ!”と泣いて命乞いするドイツ兵を(武器を手に)取り囲むユダヤ人らと、その光景を目の当たりにし、指示を迫られるトゥヴィア」など・・。どちらのシーンも実にシンプルにストーリーは進むんだが、観てるこっちは感情に「急ブレーキ」がかけられてしまう(×_×) 正解のない(?)シチュエーションなだけに、苦さだけが残ってしまう訳である。

私的な印象としては、

トゥヴィア:ときに激情型だが、基本は頭ごなしに命令するのでなく、集団の成長を言葉少なに見守るタイプ。直感的。
ズシュ:理知的で感情にブレがない。人前で涙を見せることを嫌うが、案外心優しい。口ベタで損をするタイプ。
アザエル:兄たちの葛藤を心中で受け止め、自身の糧としていくちゃっかりタイプ。意外に兄弟随一の頑固者。

って受け止め方をしたが、どうだろう?

ダニエルは、次第に(肉体が)貧弱&(精神が)ヘタレであることが露呈しても行くが、時に「拳銃頼み」でそんな自身の威厳を保とうとしたり(=^_^=) リーヴは「主役を演じるには、ちと存在が暑苦し過ぎて困る」トコロ(=^_^=)を、巧い立ち位置で泳ぎ切ってくれ、かなり評価の高まる部分があった。なんせ今までで印象深かったのが『スクリーム(1996)』程度だったから(⌒〜⌒ι)
ジェイミーは・・もはや『リトル・ダンサー(2000)』の頃のピカピカした彼のイメージは忘れようか・・みたいな。。
まぁ彼としても『ジャンパー(2008)』のグリフィン役のように“新たなイメージで羽ばたきたい”気持ちは当然あるんだろう(・ω・)

食料調達隊のクーデター(?)など、次第に“危惧すべき相手”が「眼に見えぬ周囲のドイツ軍」より「同じ組織内の連中」にシフトして来たりする演出は、ちょっとした変化球な感じで新鮮に(?)映ったか。

ラストでいきなり本格的な激戦がおっ始まり「えっ? 監督変わったの?」みたいな不思議な違和感も覚えてしまったワタシだが、それに続く“あの展開”には「おおっ!」と感心させられた。本作の終盤は、なかなかのスッキリ感を与えてくれますわ!

〜 こんなトコロもありました 〜

♦字幕担当=戸田奈津子女史! しかし、全然意訳が弾けてない、、(×_×) 昔は「戸田さんが手がけはった」ちぅだけでワクワクもしたし、実際に訳が“活きてた!”感があったのに、、
♦『ラストサムライ』後半での真田広之の不死身っぷり(?)も凄かったが、本作におけるリーヴさんの鉄人ぶりもなかなか!
♦眼鏡紳士=イザック・シェルマン(元会計士?)の終盤が哀しい。『ミスト(2007)』じゃないが「もうちょっと待っとけ!」と言ったげたかった・・
♦超禁欲的に見えたトゥヴィアだが・・しっかり愛する女性と肌を重ねて(合わせて)るし! おまけに暖炉を備えたロッジみたいな、むちゃくちゃ快適そうな部屋でだし!
♦パルチザンの主食はビーツとポテトばかりらしい。「ビーツってナニ?」と思い調べたら、紅色の大根のことらしい。
♦戦車を奪っても喰えないが、馬は奪うと食料にもなる・・(・ω・)
♦「屍体は狼にくれてやれ」ってなセリフがちょっとワイルドで良い感じ(=^_^=)
♦結局、兄弟の中で「最も人生を戦乱に捧げた」のは・・
♦有事に必要なのは“ペニシリン”! 『デイ・アフター・トゥモロー(2004)』でも、学びましたよねー(⌒〜⌒ι)

〜 こんなセリフもありました 〜

トゥヴィア「復讐心は押さえろ。犠牲はもういい。“生き残ること”こそが我々の復讐だ」
     「力を合わせろ! 我々がここで言い争ってどうする!」
     「たとえ追われようとも、我々は“獣”じゃない」
     「生きようとした結果、生命を失うなら・・それは“人間らしい生き方”だ」
     「1度襲撃した農家を記録し、何度も襲わないようにしろ」
     「皆の前で、俺に逆らうな!」
     「今より“失った暮らし”を取り戻すのだ」
     「ユダヤ人が自由に暮らせる場所は、今や世界でここだけだ」

ズシュ「血には血だ、だろ?」
   「もう増やすな」
   「冬が来るってのに、こんな調子じゃ雨露もしのげんぞ」
   「モーセ気取りか?」
   「“気位ばかり高い”連中なんだよ、あいつら(ユダヤ人たち)は」
   「“反ユダヤ主義”は共産主義に反するのでは?」
   「1人、加わっていいかな?」

アザエル「やれば出来るさ、今までもそうして来たろ?」
    「奇跡なんか(待ってたって)起こらない。自分たちで起こすんだ」

ズシュ「武器があれば・・」
トゥヴィア「あればどうする? 全ドイツ兵と戦う気か?」

ズシュ「殺った気分は? スッキリしたか?」
トゥヴィア「黙れ」

ズシュ「みんな死んだ。だが俺たちは・・」
トゥヴィア「何故か、生きてる」

トゥヴィア「他の連中は?」
ズシュ「死んださ! あいつら(ユダヤ人たち)のためにな」

※「乾杯」
トゥヴィア「死者に、魂の安らぎを」

※「同じユダヤ人だろ? なぜ助け合わない?」
トゥヴィア「危険だからだ」

老教師「こんな世界になって、信念がぐらついた」
トゥヴィア「教室も同じだよ。先生の話は、いつも良く分からん」

ユダヤの戒律“もし生命を救ったなら、その者の生に責任を持て”

モーセの言葉“私を信じるな、神の声を信じよ”

老教師「西にヒトラー、東にスターリン・・次に救世主が現れるなら、きっとそいつも“ひげ面”だ」
   「血も枯れました・・神よ、他の民をお選び下さい」
   「神は君を我々に贈られた。神と君に感謝を捧げる」

イザック「デカルトは“我思う、故に我あり”と言った」
老教師「わしはさしずめ“お前に悩まされ、我あり”だな」

ベラ「女には銃を持たせてくれないの?」
ズシュ「男にも持たせない・・数も足りない」
ベラ「女にも“自分を護るための武器”が必要よ」
ズシュ「女は、男が護るさ」
ベラ「・・私も護って欲しいわ」

イザック「何処まで歩かせるんだ? 足がもげそうだ」
    「戦う力は確かに必要だが・・他にも考えるべきことが。・・例えば“共同体”」

ヴィクトル「ユダヤ人は“反革命的”だな」
     「犠牲はいつも必要さ。犠牲あってこそ戦いが続けられる」

トゥヴィア「大学で何を専攻した?」
リルカ「・・音楽よ」

※「ゲットーから1人逃げると、残った者が20人殺される」
 「我々の唯一の武器は“時間”さ・・しぶとく生き残ってみせるとも」
 「若いの、酒を飲め! 胸毛が生えるぞ」

リルカ「彼女にとって生きる支えなのよ! お腹の新しい生命が」
   「あなたは“人間らしく生きよう”と言ったわ。ここで獣になるの?」
   「あの子は、この地獄に生まれた“ただ1つの光”なのよ」

ご婦人A「また口(=人数)が増えたわ」
ご婦人B「でも、若い男の身体は温かいわ」 ←おおっ!

アザエル「えぇと、君と僕・・つまり、僕たちだけどさ・・」
ハイア「返事なら“イエス”よ!」
アザエル「ええっ?!」

アーロン「これで食料は最後だよ」
トゥヴィア「・・カゴを覆っておけ」

A「今、何時だ?」
B「約束でも?」

A「ズシュは利口だった」
B「なら、追えよ?」

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コメント

こんばんは。

ダニエルはストーリーの進行と共にへタレになっていきましたよね^^
対してリーヴは実はココロ優しいお兄さんという
なんとも美味しい役どころでしたよね。

TiM3さんの分析する3兄弟の性格付けには唸りました。
ほんと、その通りじゃないかって^^

因みに末っ子はどうなんでしょう(笑)

投稿: ituka | 2009年5月31日 (日) 20時42分

ばんはです。

仮眠してましたが、ちと起き出してコメントしてます。
で、また寝ます・・(⌒〜⌒ι)

>ダニエルはストーリーの進行と共にへタレになっていきましたよね^^
>対してリーヴは実はココロ優しいお兄さんという
>なんとも美味しい役どころでしたよね。

ダニエルさんに対し「最もストイックな男や」・・と感心してたら、
暖炉脇でしっかり男女の営みをされてて、幻滅しました(×_×) いや、本心を言えば、感動しましたが(=^_^=)

一方で、リーヴさんとベラさん(役名)の恋模様は、もう少し分厚く描いて欲しかったかな?

それはそうと、ハイアちゃん(役名)が何だかクレア・デインズちゃんの若い頃に見えて仕方なかったどす。

>分析する3兄弟の性格付けには唸りました。
>ほんと、その通りじゃないかって^^

弟は兄を見て、人生観を修正して来ますからね・・(=^_^=)
ズシュの言動を辿ってて「たとい無口でも、効果的にポンと言葉を放てれば、それでエエんやね」と気付いたものです(=^_^=)

>因みに末っ子はどうなんでしょう(笑)

まずは生き残るのです。自我云々はそれからです(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月 2日 (火) 02時16分

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