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2009年5月16日 (土)

☆『ダウト〜あるカトリック学校で〜』☆

15日(金曜)。
今週は何とも短い1週間・・に感じた。と言うのも、週半ばに(1泊2日コースの)出張が入ったからだ。
松山市経由で、愛媛県の南方に位置する宇和島市へと行って来た。

出張先では、出来る限り早起き⇒ホテル周辺を歩き⇒界隈の気に入った寺を“早朝拝観”する・・ってのが1つの「息抜き」なのだが、、結局はそんなことをするから、余計に疲れるんだろうな(×_×)

そうそう。初めてレンタカーで“ト※タ製の某国民的(?)ハイブリッド車”を運転する機に恵まれたが・・(アクセルペダルを)踏み込んで「時速:ぬわわ〜ぬふわkm」を出しても安定感があり、全然(全身に)緊張感の走らないのは気に入った。
※ヨタ車らしい、と言おうか“運転の喜び”は殆ど感じないんだが、ホンマに「優等生」って感じでそつなく乗れる印象である。

欲を言えば「妙な場所にある、妙な形状で、妙な操作を要するシフトレバー」と「ペダルによるパーキングブレーキ」だけは何とかして欲しかったかな、と(ま、自分のプライベートなクルマじゃないからエエけど)。

さて、出張を無事にこなし帰松したワタシは、本日ばかりはややゆったりした調子で働かせて頂き、来週始めからの出張(今度は2泊3日コースで高知へとゆきます)の準備を進めつつ「そや、週末やし、久々に1本行っとこう!」と思い付いたのだった。

“ワーナー・マイカル・シネマズ高松”で観たのが(こちらでは)上映の始まったばかり(?)の『ダウト~あるカトリック学校で~』だった。舞台劇を映画化した骨太な物語のテイストを感じたが、果たして・・?

ジョン・F・ケネディ大統領がテキサス州ダラスで凶弾に倒れた翌年である、1964年。
ニューヨーク・ブロンクスにあるカトリック学校“聖ニコラススクール”では、厳格な女校長=シスター・アロイシス(メリル・ストリープ)が、専属の神父=フリン(フィリップ・シーモア・ホフマン)の行動に“疑い”を抱き始めていた。

スクール開校以来“初の黒人生徒”である12歳のドナルド・ミラーに対し、神父が一線を越える“不適切な関係”を持っているのではないか? と言う“疑い”・・

神父の“怪し気な行動”を偶然に目撃した若きシスター・ジェームズ(エイミー・アダムス)は、日頃アロイシスに「あなたは純真過ぎますね」と冷ややかに評され、委縮してもしまう新米シスターであったが、、“フリン神父の寛容さ”を眼にする機会を得るにつけ、次第にアロイシスに対する“もやもやとした不信感”の高まりを押さえ切れなくなる・・

うーん・・渋い! 構成そのものは至ってシンプルだし、正直大した“テーマ”にも“ヤマ場”にも欠いてるように感じたワタシであるが「メリル&ホフマンの2大演技派俳優の言動だけで、シンプルなストーリーをグイグイ引っ張り切った」こと・・に対しては、流石に評価せざるを得ないだろう。
ロケーション的にも「学園の庭」「校長室」なんかが“クライマックスの場”と言う等身大さ(⌒〜⌒ι) 2大俳優に対するギャラ以外、大して製作費かかってへんのとちゃう? とまで“疑い”を持ってしまったり(=^_^=)

物語の中で“比較的ニュートラルな存在”であるシスター・ジェームズがどう「軸部分」に絡んで来るのか? と、例えば『プラトーン(1986)』におけるチャーリー・シーン的な立ち位置を連想したんだが・・そう言う流れではなく、ちょっと肩すかしを食らった気もしたか(・ω・)
同様に、ドナルドくんやその母(ミラー夫人)にも「ここ!」と言う見せ場はそれぞれ用意されてはいるんだが、どうにも「軸部分」にまでは絡んで来てなかったように感じる。。

結局は、外野キャラがごちゃごちゃ言うシーンより「フリンvsアロイシス」の対決こそが重要であり、その対決には小賢しいロケーションもカメラワークも、必要とはされなかった・・ちぅことだろうか。

カトリック学校な割に(だからこそ?)生徒らの“しつけ”がイマイチだったのは、全体を通しても気になったところか、、
特に「授業中に私語をすれば、たちまち教室から追い出され、校長室に謝罪に行かされる」と言う“判で押したような罰則”ばかりを繰り返す一方、廊下で(日常的に)行われてる“イジメ”みたいなモノは「見て見ぬ振り」を決め込んでるように感じたぞ、教師陣!

後半になってから「とある重要な場面」でやっぱり「授業中に喋ってて校長室に行かされる」生徒が出て来るが・・校長に「教室に戻れ、授業中は黙ってれば良い」みたいにあしらわれ“回れ右”するシーンがあり、その生徒の舌打ちが聞こえるような感じがして、それはそれで面白かった(・ω・) ←このシーン、ロケーションは切り替わるが、時間軸がフツーの流れ(教室⇒廊下⇒校長室⇒教室)で繋がれてて、意外と新鮮に映ったな。

「事件の真相」もそうだが「2大キャラの本心」もまた断片的かつ表面的にしか描かれず、ある種の消化不良感が残るのは、制作陣の意図したトコロなんだろうか?

「ドナルド問題」以外にも「ヴェロニカ問題」ってのが劇中(の裏)に存在しており、そこの辺りは“反撃材料”にも成り得たのにな〜と感じたワタシ(⌒〜⌒ι)

芸術的&普遍的&高尚なドラマだとは思うんだけど、この描き方やこの落とし方でエラそうな顔(=大作ぽく気取った宣伝)をされてもなぁ・・とジワッと感じてしまったワタシである。

本作はきっと“上級者向け”の作品なのではないだろうかな、と(・ω・) しかしカトリック圏ではもの凄い物議を醸し出すだろうな、とは思う。宗教がネタにされながら、実のトコロは“人間の俗性”が描かれてる訳なのだから・・

〜 こんなことも気になったり 〜

♦全く登場しないが、妙に存在感を感じる「ドナルドくんのパパ」
♦劇中で「3度の教義(教えのスピーチ)」を披露してくれるフリン神父。特に2つ目のトークはなかなか良かったです☆
♦「神父側」と「シスター側」で“食事シーン”の雰囲気がまるで違う!(=^_^=)
♦“センセイに没収されたモノ”が決して帰って来ない理由・・がそれっぽく描かれてた(=^_^=)
♦ロバート・デ・ニーロの描いたブロンクスとは、随分と印象の異なる気がした(=^_^=)
♦校長室の電球は切れ過ぎ(=^_^=)
♦アロイシスは「飲酒」を「下劣だ」と一蹴していた(×_×)

〜 こんなセリフもありました 〜

フリン「確信がない時はどうするか?」
   「絶望感が人と人を結び付ける」
   「あなたの隣人の“孤独”を想像して下さい」
   「針路は果たして正しいのか? 人は疑い始めます」
   「“疑い”は強力な絆と成り得る、確信と同じぐらいに」
   「“飢えたる龍”だな」
   「ハナシが脱線しましたな?」
   「あなたのやり方は感心出来ませんな」
   「校長はあの子に手を差し伸べたか?」
   「少なくとも、私は校長よりも“あの子想い”だ」
   「あなたの哲学が表情にあらわれている・・“優しさ”が」
   「愛は悪くない」
   「美徳の名の下に、優しさを葬ってはならない
   「人生には“迷える時期”があるものだ」
   「全ては言えない・・言えないこともある。分かるか?」
   「風が私を運び去ります・・その意図も分からぬままに」

アロイシス「待たせないで!(Don't make me wait!)」
     「咳止め? これはキャンディで、呼び方が違うだけです」
     「最近は、誰もがラクをしようとする」
     「ボールペンなんか使うと“サルのような醜い字”になります」
     「今に殴られるでしょうね」
     「こうならぬよう祈っていたのに・・ついに起きてしまったみたいですね」
     「よりによってドナルドを・・」
     「悪人よりも知恵を働かせるのが、私の仕事です」
     「流石は雌猫だわね!」
     「少し(校長室の)ドアを開けておきましょう・・決まり(=規則)ですから」
     「ボールペンをお使いですか?」
     「信じるの? その方が楽だから?」
     「確信できるわ、経験からね」
     「スパルタでは大声の人が物事を決定していたそうね・・でもここはスパルタじゃない、幸いにもね」
     「生徒から取り上げましたが、今では私が病み付きに」
     「私ではなく、あなたが問題なんです」
     「私には・・人間が分かります」
     「噛み付く犬の習性は直りません」
     「私は後悔など感じない人間・・同情などしません」
     「悪を駆逐する中では、神から遠ざかることもあるわ
     「我々は余り眠ってはいけないのかも」

ジェームズ「2列で歩いて、ノアの方舟のように」

ジェームズ「余り厳しくすると、生徒が怯えるのでは?」
アロイシス「怯えるのは“ワルの生徒”だけです」

ジェームズ「人を疑うことは・・神から遠ざかる行いに思えます」
アロイシス「遠ざかろうと、神のためです」

アロイシス「何をお書きですか?」
フリン「“不寛容”についてです」
アロイシス「・・・」

フリン「世の中は変わって行く・・教会も変わらねば」
アロイシス「その目的は?」

フリン「不愉快な口調ですね」
アロイシス「あなたの口調もね」

オローク神父「風に舞い散り・・再び総てを拾い集めることの叶わぬ羽根・・それこそが“噂の正体”だ」

ジェームズ「花を本のページに?」
フリン「“春をいつも思い出す”ためにね

ミラー夫人「たとえ体罰を息子に与えようと、夫のすることに口出しは出来ません」
     「世の中を知りもしないで・・」
     「私はあの子に良くしてくれる人の味方です・・あなたもそうであれば」

フリン「あなたは過ちを犯したことがないのか?」
アロイシス「・・あります」
フリン「それは大罪か?」
アロイシス「・・そうです」

追記1:エイミーは『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン(2004)』でディカプリオの恋人役だったらしい! 全然覚えてない!
追記2:校長(尼僧)<神父<院長<司祭<司教<教皇・・とランクが上がっていくらしい(・ω・)
追記3:久々に「拳銃が出て来ず」「空撮がなく」「手持ちカメラ撮影」じゃない作品を観た気がする(=^_^=)

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コメント

高尚過ぎる感じの予告編で、暗そうだったから....パスです。

TiM3さんのこのブログで楽しませていただくだけにします。


他の洋画でもすですが、どうも西洋の宗教観が分り難くて、映画としては難解なものが多いです。

投稿: west32 | 2009年5月16日 (土) 20時49分

こんばんは。

アロイシスの言ってることに「う~ん、確かに!」
フリンの言ってることに「そりゃそうだ!」
あっちに傾き、こっちに傾き、そうこうしているうちに
ミラー夫人の「「私はあの子に良くしてくれる人の味方です・・あなたもそうであれば」

↑この台詞が最も印象に残ったというのが本音です^^

ジェームズの口から出した肉片を隣の皿に入れたら
あのシスターは知らずに食べたかもしれませんね^^;

投稿: ituka | 2009年5月16日 (土) 21時02分

westさん、ばんはです。

>高尚過ぎる感じの予告編で、暗そうだったから....パスです。
>このブログで楽しませていただくだけにします。

楽しめましたでしょうか?
肝心な部分が「後日の描写」で済まされてたりもして、ちと私的には残念でしたかね・・

>他の洋画でもすですが、どうも西洋の宗教観が分り難くて、
>映画としては難解なものが多いです。

日本の宗教観も、海外ではどうなのでしょうね?

例えば・・『おくりびと』のカトリック圏での評価を聞いてみたいです(・ω・)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年5月17日 (日) 00時45分

itukaさん、ばんはです。

>アロイシスの言ってることに「う~ん、確かに!」
>フリンの言ってることに「そりゃそうだ!」

「汝の隣人を愛さないことも、ひいては神のため」とまで言う物言いは、
宗教的にも・・と言うかそれ以前に「余りに高慢な曲解や!」と感じてしまったワタシでした(・ω・)

一方で「イタリアに暮らし、夫を戦争で亡くした」とか言う
アロイシスさんの過去には、少し興味もあったり・・ま、それ自体が「本当の過去」なのか、分かんないですけどね(⌒〜⌒ι)

>この台詞が最も印象に残ったというのが本音です^^

「仕事の時間、間に合ったんやろか?」とそればかりが心配になってました。
あのシーン。。

>ジェームズの口から出した肉片を隣の皿に入れたら
>あのシスターは知らずに食べたかもしれませんね^^;

「右の隣人が汝の皿に肉片を吐き出せば、それを味わい、
 左の隣人の皿に汝の肉片を吐き出せ」

・・みたいな教えはないのでしょうね(あるかい!)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年5月17日 (日) 00時56分

こんにちは。

>「フリンvsアロイシス」の対決こそが

メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンのアップ対決って画的にも怖そうです。

>宗教がネタにされながら、実のトコロは“人間の俗性”が

そこのところが一番怖いのかもしれませんね。

<追記3>は、正攻法的な撮り方を堪能されたということでしょうか?良い意味で。

投稿: | 2009年5月17日 (日) 16時43分

先の無記名コメントは私、ぺろんぱでございます。
すみません。

投稿: ぺろんぱ | 2009年5月17日 (日) 19時35分

ぺろんぱさん、ばんはです。
返事が遅くなり、恐縮です、、

出張先なんですが・・酒飲んで倒れ込むように寝て、
夜中にガバッと起きて、ごそごそやってます(⌒〜⌒ι)

>メリル・ストリープとフィリップ・シーモア・ホフマンの
>アップ対決って画的にも怖そうです。

2人のどアップだけを映し続けたら、背景もロケーションも、物語すらも不要になりますよね(=^_^=)

>>宗教がネタにされながら、実のトコロは“人間の俗性”が
>そこのところが一番怖いのかもしれませんね。

神曰く「私を理由にするな」とか・・
「いない人間」の言動が独り歩きし、誇張・拡大されてゆく怖さってありますよね。ウワサもその1つなんでしょうけど。。

>正攻法的な撮り方を堪能されたということでしょうか?良い意味で。

あんまり真面目な意見ではなく、少しおふざけしてみた感じです(=^_^=)

<1.直感的に書いた> <2.元からオチに置きたかった>
<3.他のブログの言い回しを盗んだ> <4.運命だった(It's written)>

ファイナルアンサー?(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年5月19日 (火) 03時02分

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