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2009年5月26日 (火)

☆『重力ピエロ』☆

25日(月曜)。今日も案外すんなりと(?)仕事を終えることが出来たので、帰りに「元気あるし、1本行っとこ!」と思い付き、またまたミニシアター“ソレイユ”で新作邦画『重力ピエロ』を観て来た☆
(余り意識してなかったが、本日は“メンズ・デー”なので1000円ですた! 野郎万歳!(=^_^=))

宮城県仙台市。
この街では今、市民&警察の眼をかいくぐり、彼らをあざ笑うかのような放火事件が(5件)続いていた・・

遺伝子研究を専攻する、25歳の大学院生である兄=泉水(いずみ)(加瀬亮)、落書き消しのバイトをする弟=春(はる)(岡田将生)の奥野兄弟は、春のひと言「放火現場の近くに、必ず奇妙な落書き(グラフィティ・アート)が残されている・・!」から、新たな落書きを辿って放火魔を待ち伏せる計画を練る。
しかし放火魔は彼らの裏をかくように次なる事件を起こすのだった。

兄弟は次に、これまでの放火現場を再調査することに。
その結果、彼らは「単なる落書きに思えた」スプレーの文句(英字)と、界隈の看板(など)との間に“コドン表”と呼ばれる「遺伝子構造の“2重螺旋配列”を盛り込んだ高度な暗号」が盛り込まれている事実を探り当てる!

一方、奥野家には“交通事故(自損事故)で亡くなって久しい”母=梨江子(鈴木京香)を軸とした、父(小日向文世)ですら語ることを拒むような“24年前の、とある大きな事件”が濃い影を未だに落としていた。

過去と現在、時代を隔てた2つの“連続型事件”、そして父が兄弟に語った“大きな衝撃の事実”とは?

1つの兄弟、1つの家族、2つの事件、そして2人の父親・・を巡る物語が、いま奇跡の符合を見せる・・

うーん・・どうなんだろう? 映像表現や演出的には“必ずしも映像不可能”とまでは言えなかったんでは? と直感的に思ったワタシ。ただし、ロケ地である仙台市の地名や情景がバシバシ登場するので「仙台市の印象(治安や市民に対する)が悪くなるんでは?」と、そう言う“どっちでもエエこと”が妙に気にかかってしまった(・ω・)

“遺伝子”が事件のヒントとなって来る辺りから「放火犯の知能レベル」がかなり高度であろうことに気付かされる我々観客。それに伴い、犯人像も「彼」か「彼」か「彼」か「彼」か・・ぐらいに絞られて来る(・ω・)

が、一方で事件はもう1つの大きな“悪”の再登場を迎えることに! この辺りの「2つの事件」「2つの事件現場の類似性」には「おお!」と感心させられるものがあった。そこに気付くのは兄弟だけだったんだが、ネット全盛の現代ならば「趣味で過去と現在の事件の類似性を追ってる」ような探偵趣味なオタク野郎もいたりするんかも? とこちらも妄想がつい膨らんでしまう(=^_^=) 放火事件も過去の事件も、実際に死者が出ることは「ほぼ」なかったんだが、それ故、何だか事件がすぐに忘れ去られてしまう(しまった)であろうことが予測出来、何とも言えぬ複雑な気持ちにもなる(×_×)

組み立てはそこそこに面白いし、ダレ場なく進行して行く展開もなかなかなんだが・・私的には俳優陣に押し並べて“輝き”の不足していた印象があったか。

・加瀬亮:彼ならばすぐ“見当”が付いたように思うが。。にしても、観客に共感を与えるまでの表情(表現)に乏しかった感がある。
・鈴木京香:幼い(乳母車の)泉水に聞かせる「野菜の歌」がとても良かった! しかしながら、全体的に輝きがなかった。
・小日向文世:若い頃の小日向さんの髪型が、とにかく気になってしまった(⌒〜⌒ι) も少し、表面に歩み出て欲しかった気もしたが、この方が出過ぎると作品全体のバランスが狂うし・・難しいトコロなんだろう。
・渡部篤郎:本作のキーキャラがこの人! なんだが、もう1歩“底の深さ”を表現してくれたら、と感じたか。

終盤では、弟キャラがとある武器を振りかざすシーンがあるんだが・・そこのエッセンスだけを抜き出すと、まんま『サイン(2002)』におけるホアキン・フェニックスみたいやな〜と苦笑してしまった(=^_^=) 神の声が「振り切って!」とか(彼の)アタマの中で響いたんやろか?(=^_^=) 

〜 こんなことも感じたり 〜

♦劇中のサーカスは「木下サーカス団」らしい(・ω・)
♦「マイケル・ジョーダンのサインバット」なんて、実在すんの?(⌒~⌒ι)
♦「逢うべきでない相手」「知るべきでない真実」って、やはりあるのだと思う。
♦兄貴! ヤフ※でネット検索もエエけど、グ※グルもよろしおまっせ!
♦『ニコニコ殺人倶楽部』なんてサイトがあるの?!
♦壁に貼られたポスター絡みの演出は『ショーシャンクの空に(1994)』以来かも?
♦「国内の水」と「舶来の水」とで、火を消す効果が何処まで違うんか? と思いきや、、(・ω・)
♦“あのしと”の言動を辿るに、本作における「ガンジー」のような存在ではなかったか、と感じる。
♦“シトロエン2CV”“パンダトレノ”が眼を引いた☆
♦もろにソ※トバ※ク(携帯)の宣伝っぽい(音声)演出が入ってたような、、
♦今や、女性にとって「美醜の問題」など、もはやどうとでもなるような錯覚に陥ってもしまった(⌒~⌒ι) 本性とか言動、みたいなものは変わらないんだろうけど・・
♦後半からの“探偵役のシフトぶり”はちょっと面白い。
♦過去に大罪を犯した人物の絡ませ方が『ゴールデンボーイ(1998)』を連想させる。
♦「このバットはな、とっても貴重なんだぞ」とか何とか言いながら、父はきっと“それを与える時に”唇を触っていたんだろう(・ω・)
♦高所でガクガク状態となってるサーカス団のピエロ。。いざ“飛びまっせ!”って決意した瞬間の“ブランコの持ち方”が「あんた、プロですやん!」的な安心感を漂わせてくれてもいる(=^_^=)
♦99.7%と言う確率・・限りなく100%に近いが、、決して100%ではないんやね。。
♦ジャッキー主演の『デッドヒート(1995)』でも仙台の暗部(?)が描かれてたが、本作もなかなかに。。

〜 こんなセリフもありました 〜

泉水“春が、2階から、落ちて来た・・春と言うのは、弟の名前だ”

春「じゃ、行こう・・やっつけに」
 「別に、お前を助けたんじゃないよ」
 「こんなのはアートじゃない・・“素人芸”だ。俺の中の“ピカソ”が許さないよ」
 「ホントに深刻なことは、陽気に伝えるべきなんだよ」
 「“悪者退治”に欠かせないのが、兄貴とこのバットなんだ」
 「兄貴がいないと不安なんだよ・・俺はこう見えて億病なんだ」
 「もう1つ、行くよ」

父「おう、2人で遊んで来たのか?」
 「この情熱を他に向けたら、大物になるだろうなぁ」
 「眼の見える奴に、こんな(ローランド・カークのような)楽しい演奏は出来ないだろうさ」
 「※※よりも、退屈で死にそうだよ」
 「俺の頭の中に響いた神の声はこうだ・・“自分で考えろ!”
  ・・この言葉は“神の在り方”として、なかなか正しいよな」
 「俺たちは“最強の家族”だ」
 「大丈夫だよ、※※ことなんか怖くない」
 「嘘が下手だな」

ガンジー「人は生きる為に食べるべきであり、味覚を満足させるために食べるべきではない」
    「非暴力こそが最大の武器」
    「自分自身がこの世で見たい、と思う変化になりなさい」

母「“その場限りの安心感”が、人を救うことだってあるの」
 「泉水と春・・どちらも英語にすると“スプリング”なのよね」

母「あんなに楽しそうな顔をした人が落ちる訳ない。もし落ちたとしても無事に決まってる」
父「つまり、楽しそうに生きてれば“地球の重力”なんて消してしまえるんだよ」

※※「人の悪は、人の良心をはるかに超えるんだよ」
  「俺は“想像力の塊”なんだ」
  「ま“青春の1ページ”って奴だな」
  「恥を隠そうともしないんだな? お前の親は」

※「炎には浄化作用がある・・浄化してやるよ、お前のやってることも、お前自身も」

※「俺に隠れて、何かをやった・・そうだろ?」
※「何かって?」
※「悪いことだ」

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コメント

こんばんは。

“観客動員”してるみたいですねー、本作。
邦画においては、東(テアトル梅田)の『インスタント沼』か西(梅田ガーデンシネマ)の本作か、って感じです。

因みに私が同日公開のテア梅で観た『ベルサイユの子』は『インスタント…』に比してガラガラでした。^_^;

春クンが降ってくる予告編を何度か見て、ついでに“今をときめく”伊坂幸太郎原作ってことで気にはなっていた本作でした。

「重たいことは陽気に伝えるべき」っていう意味の台詞があるとか見聞きしましたが、「大切なことは静かに伝える」のが作家としての伊坂流とか(某誌より得た情報ですが・・・)。
観終わった後で自分にとって大切な人の存在に想いを馳せる・・・そんな作品のようですね。

>若い頃の小日向さんの髪型が、とにかく気になって

若き頃の小日向さんが写ってる小さな写真を見ました。
今を知っているだけに気になると思いますよ、あれは。(^^) それにキャラクターが全く違ってるんじゃないでしょうか、あれでは・・・。

諸々(若き小日向さんの髪型は置いておいて)、気になる映画です。

投稿: ぺろんぱ | 2009年5月27日 (水) 21時03分

こんばんは。

春クンは右利きでしょうか?
マイケル・ジョーダンのサイン入りバットって
やっぱり木製なんでしょうかね~^^

春クンを追いかける夏子さんというのが
イメージ的に楽しいですね^^
この最強家族が気になってます。

投稿: ituka | 2009年5月27日 (水) 21時26分

ばんはです。

>“観客動員”してるみたいですねー、本作。
>邦画においては、東(テアトル梅田)の『インスタント沼』か
>西(梅田ガーデンシネマ)の本作か、って感じです。

そうですかー。
その東の横綱(?)は耳にしたことがないです(×_×)
“ソレイユ”の支配人も注目してないかも?(=^_^=)

>因みに私が同日公開のテア梅で観た『ベルサイユの子』は
>『インスタント…』に比してガラガラでした。^_^;

私的には、そう言うシチュエーションこそが好きですね。
「わしは敢えてこれを選んだんやでー!」みたいな・・

>春クンが降ってくる予告編を何度か見て、ついでに“今をときめく
>”伊坂幸太郎原作ってことで気にはなっていた本作でした。

新鋭作家がどんどん登場するので、フォローし切れまへん(×_×)

>「重たいことは陽気に伝えるべき」っていう意味の台詞があるとか
>見聞きしましたが、「大切なことは静かに伝える」のが作家
>としての伊坂流とか(某誌より得た情報ですが・・・)。

「深刻なことは・・」だったと記憶してます(・ω・)

「大切なことは・・」イイ言葉ですね。
最近は、メディアが(何かを)騒ぐたびに眉に唾を塗りたくりたくなるワタシです。

>観終わった後で自分にとって大切な人の存在に想いを馳せる・・・
>そんな作品のようですね。

観終わったら、つい家族に電話を架けたくなる・・?
(いや、ワタシはならなかったぞ、、?)

>若き頃の小日向さんが写ってる小さな写真を見ました。
>今を知っているだけに気になると思いますよ、あれは。(^^)
>それにキャラクターが全く違ってるんじゃないでしょうか、あれでは・・・。

「雪も走れば美女に当たる」ちぅことわざを実践したはりました!
(そんなことわざ、ねぇし!)

>諸々(若き小日向さんの髪型は置いておいて)、気になる映画です。

何処か「薄い」んですよねぇ・・良かったらご覧になって、感じをお聞かせ下さいまし・・

投稿: TiM3(管理人) | 2009年5月27日 (水) 22時50分

itukaさん、ばんはです。

原作を読破されたのでしょうか?!

>春クンは右利きでしょうか?

落書きを消すのは右手だったかな・・? うーん?

>マイケル・ジョーダンのサイン入りバットって
>やっぱり木製なんでしょうかね~^^

そうなんです。
『アンタッチャブル』のデ・ニーロも好んで使いそうなブツでした(=^_^=)

>春クンを追いかける夏子さんというのが
>イメージ的に楽しいですね^^

あの辺のカヤコっぽい演出は好きですね(=^_^=) 他人事としては。

>この最強家族が気になってます。

出来るならお母さんにこそ、それを言って欲しかった(×_×)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年5月27日 (水) 22時56分

観て来ました。
いろんな思いが交錯しています。
そう意味においては深く印象に残った作品と言えるのでしょうけれど、TiM3さんの仰る“薄い”というのも何となく分かるような・・・。私の場合、「絶対悪」といえるあの人の放つ悪のオーラ?みたいなものが弱くて、結果、最後の春のあの行動が今一つ生きなかったような感じがしています。
大切な「ピエロ」のシーンを、泉水や春の心にくっきりと残るようなもっと詩的なイメージで描いて欲しかったなぁっていう気もしました。

春くんの、自分のしたことへの決着の付け方が気になります。
原作をそのうちに読んでみようと思いました。

投稿: ぺろんぱ | 2009年6月 7日 (日) 19時56分

ぺろんぱさん、ばんはです。

ご鑑賞、お疲れ様でした(・ω・)

>いろんな思いが交錯しています。

デートなんかでは観ない方が良さそうですね(×_×)

>TiM3さんの仰る“薄い”というのも何となく分かるような・・・。

きっと出演者それぞれから「演じてる」印象をより強く受けてしまったからかも? とか思ってます。

もう少しマイナーな俳優陣でキャストを固めた方が、観客としてのワタシの「雑念」は減ったかな、と感じています。

>結果、最後の春のあの行動が今一つ生きなかったような感じ
>がしています。

あの辺りは、余り驚きもなかったですね。

きっと近年のクリント・イーストウッド監督なら「oh..」とか、眉をひそめそうな気がします(=^_^=) 彼なら、もっと意外なオチを模索されたことかも知れません。
(たぶん本作の存在すら知らんだろうな、、)

>大切な「ピエロ」のシーンを、泉水や春の心にくっきりと残る
>ようなもっと詩的なイメージで描いて欲しかったなぁっていう気もしました。

そのためにも、兄弟と母親とのシーンをもっと丁寧に描いて欲しかったです。あの事故も、結局何なのか、ちょっと(正直)分かりませんでした(・ω・)

>春くんの、自分のしたことへの決着の付け方が気になります。
>原作をそのうちに読んでみようと思いました。

そこは読者それぞれにボールを投げつけたまま終わりなような気がしますが・・?

最後は「俺たちは最強の兄弟だ」とも、言って欲しかったですね(=^_^=)

投稿: TiM3(管理人) | 2009年6月 8日 (月) 01時33分

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